【書籍化】残影の英雄 ~俺が死んだらみんな曇るとか聞いてない~   作:龍川芥/タツガワアクタ

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    Perfect Baby (下)

 ――不穏の影は、足音もなく現れた。

 

「……おっと」

 

 分厚い雲が瘴気と共に世界を汚す曇り空の日。

 高層ビル立ち並ぶ廃墟の街にて。双眼鏡の先、眼下の道路の上で漆黒が揺らめく。

 ここ最近、俺の管轄に現れることは無かったのだが……仕方ない。ま、平和な日続きで油断し切ってるカイコには良い薬になるかもしれないしな。

 俺はトランシーバーを起動して暇そうにしていたカイコに持たせ、双眼鏡の先の様子を『組合』の本部に報告する。

 

「N-1より報告。魔塵2体の接近を確認、目算で距離200m。敵魔塵、共に星二級と推測」

『ザザ……本部了解。援護は――』

「いえ、独力で対処可能だと思います。陽動の可能性も考えると……」

『了解、N-1付近の担当者はいざという時に備えて待機で。エイト君、頼んだよ』

「……まあ、仕事なんで」

 

 学園の放送司令部からは絶対飛んでこない言葉に戸惑いつつ、通信を切る。トランシーバーをカイコから返して貰いつつ、彼女に、

 

「ここに居ろよ」

 

 と強めに言い含めて立ち上がる。

 

 そのまま物見櫓代わりの廃ビルから飛び降りた。気負いは無い。別の建物の屋上を経由して衝撃を減らしながら罅割れた道路に着地する。

 道路の片方には廃材で組まれたバリケード。そして俺を挟んでもう反対側には……ふらふらと此方に近付いて来る、魔塵。瘴気が産む半人型にして半気体・半固体の怪物、人類の敵。

 

 二対並んだ敵魔塵は、やはり星二級の非戦闘タイプに見えた。形こそ人間に似ているが、それよりも一回り以上細い輪郭は陽炎のように揺らめき、敵ながらどこか頼り無い印象を受ける。

 星二級は人型の中でも最弱の魔塵、一般人に毛が生えた程度の戦闘力しかないうえ、出会った人間に手当たり次第襲い掛かる程度の知能しかない。それでも気体化する性質により通常兵器は効かないが……瘴気(いのう)の力なら問題なく相手できるだろう。

 

「N-1、魔塵に接近。敵魔塵数、予想戦力、共に事前報告より変動なし。戦闘開始します――」

 

 視線は魔塵から逸らさずトランシーバーに報告――この感じも久しぶりだな、と思いつつ異能を発動。影刀(えいとう)月景(つきかげ)を作り出し油断なく構える。

 ふらりふらりと迫る二体の魔塵。隻腕で刀を構えた俺。両者の距離は徐々に縮まり。

 

 そして魔塵たちは、するりと俺の真横をすり抜けた。

 

「(……やっぱ無視、か。()()()からなんかおかしいんだよな。魔塵の様子も……俺の精神状態も)」

 

 目に付いた人間を手当たり次第に襲うハズの魔塵たち、その敵意の欠片も無いような背を見ながら考える。

 俺は瘴気災害を、魔塵を恨んでいる。家族は兎も角、肩を並べて戦った仲間を殺した奴等に対する拒絶と憎悪は、少なくともそこらの一般人よりは濃いハズだ。

 だが……隙だらけの背を晒して道を進む魔塵たちを見て、どこか胸中の殺意が鈍るのを感じていた。

 以前はこんな事は無かった。魔塵が無警戒に背を見せていれば、ただ単純に「殺しやすくて好都合」と思ったハズだ。少なくとも、こんな仲間意識(シンパシー)じみた感慨を抱くことなど無かった――。

 

「――ぐ、ゥ」

 

 ずきり、右眼が痛む。眼球を失った眼窩が、原因である俺を責め立てるように痛みを発する。

 

 痛みが続く。頭に靄がかかったようだ。俺は何を/そうだ、魔塵を殺さなければ/いや、それは良くないことだ/でも仕事だし、いや、そもそも魔塵は殺すべきで/だから見逃そう。

 

「(ぐ、なんだこれ……思考が纏まらねえ……)」

 

 ずきり、右眼が痛む。何かがおかしい/何もおかしくない/違う/違わない/黙れ/いやだ/だって/でも/そうだ/だまれ/黙れ/だまれ――

 

「――これは、俺の、体だ」

 

 ちくり、名残惜しいとでも言うようにそう痛んだのを最後に、右眼から痛みが引く。

 ああクソ、右目の傷は度々痛んでたが、最近痛みが酷くなってる気がする。傷口から細菌でも入り込んだか、それとも()()()()()()()()……いや、何を考えてんだ? 俺は。

 

「(兎に角今は魔塵を――)」

 

 混乱から脱し魔塵の方へ視線を向ける……と、俺は違和感に気付いた。

 魔塵たちの様子がおかしい。不安定に無気力に前に進むのではなく、両手を上げて上を見上げながら一方向に向かっている。その洞のような口から、雄たけびにも聴こえる空洞音を鳴らして。

 

「(なんだ? 急に……)」

 

 俺も魔塵たちが見ている方向へ視線を動かし……そして見た。ビルの壁面を四足で駆け下りて来る、狼じみた彼女の姿を。即ち。

 

「――カイコ!?」

 

 余りの驚愕に、眼窩に残響する痛みなど吹き飛んだ。

 カイコが、道路に下りて来ていたのだ。彼女は獣の身体能力を駆使し軽やかな動きで地面に着地……そんな彼女を魔塵たちが襲う。

 

「(クソ、間に合わねえ!)」

 

 右眼の痛みでぼーっとしている間に、俺と魔塵の距離は大きく開いていた。よって俺が追い付くよりも、鈍足の星二級魔塵がカイコを攻撃する方が早い。

 

豁サ縺ュ莠コ髢(フォ オ オ)

 

 魔塵の叫びと共に振り下ろされた魔塵の爪――それをカイコは軽やかに躱し、反撃とばかりに爪で魔塵の顔を切り裂いた。魔塵の顔が五つに裂ける……が、その損傷はすぐに元に戻る。まるで動画の逆再生のように。

 予想外の再生に、カイコの表情が驚愕で固まる。

 

「(あの馬鹿、瘴気(オーラ)を纏ってない攻撃じゃ魔塵にダメージは与えられねえっつうのに――) カイコ、武器出せ!」

 

 魔塵を傷つけられるのは瘴気のみ。対魔塵の体術――瘴気(オーラ)を体に纏わせて攻撃するにはコツが要る。アイツはまだそれを掴んでいないのだ。故に俺はカイコにそう檄を飛ばした。

 

 俺の言葉を聴いたカイコは――驚くほど速く驚愕から脱し、その手の中に漆黒の刀を生成させた。

 影刀(えいとう)月景(つきかげ)――俺が生成し今持っている刀――に似た瘴気の武器。あれなら魔塵を攻撃できる。

 

 果たして、刀の脅威を感じ取ったのか。

 二体の魔塵が同時に、カイコに向けて腕を振り上げる。魔塵による爪の振り下ろしは、星二級魔塵のそれとは言えど未熟なカイコの致命傷になるには充分だ。

 一匹は間に合う、腕を振り下ろす前に殺せる。もう一匹は……間に合わない。カイコにやらせるしか、ない。

 

「――ッ、首を狙え!」

 

 咄嗟にそう叫べば、カイコはそら恐ろしい程の反応速度を見せた――否、叫ぶ前に、俺が「こうしろ」と考えたときには動き始めていた。

 

 双刃、交差。

 俺の月景(つきかげ)とカイコの月景(つきかげ)が振るわれたのは同時だった。漆黒の軌跡が世界に十字を刻む。

 

縺昴 / s縺ェ(ア ア ア)豁サ縺ォ縺溘¥縺ェ(オ オ オ オ)

 

 それぞれが魔塵を縦横に両断し――致命傷を負った魔塵二体は、断末魔の声を残して消滅した。

 

 しかし、俺の視線はただ一点、カイコの元へ。

 今の剣技――そしてその残心の構えまでが俺と瓜二つ。彼女の異能は、他人の異能だけでなく動きまで模倣再現できるのか……いや、今大事なことはそれではない。

 

 カイコの腕から影の刃が消え去り……鋭く剣呑な光を帯びていたその瞳が普段の子供らしいそれに戻る。彼女は目を輝かせ、幼い顔で花咲くように笑いながらこちらに駆け寄ってくる……。

 

「エイト――」

「――馬鹿! なんで出て来た!!」

 

 びくっ、とカイコの肩が跳ね、駆け寄って来ていたその足が止まった。

 思ったより大きい声が出た……そんな冷静な思考は、すぐさま激情の怒濤に押し流された。腹の中に溢れたその感情が、噴火するように怒鳴り声となって口から飛び出す。

 

「来るなって言っただろ!? これはいつもの遊びとは違う、命の危険があるんだぞ! それをおまえは――」

 

 なんで言うことを聞かなかった。これに限っては「子供だから」で済まされない。済ましてはいけない。どれだけ心配したと思ってる……魔塵の初撃など心臓が止まったかと思ったぞ。俺の言い方が悪かったのか。甘やかしすぎたのか。危険を理解できていなかったのか。本当になんで来た。なんで――。

 

 ぐるぐると腹の中で回る言葉たち。それらを順番も気にせずぶちまけようとして……俺は、見た。

 

 俺の怒鳴り声を浴びてふるふると震え出す、縮こまったカイコの体。耳はぺしょりと垂れ、その目尻に涙が溜まり出す。

 この世の終わりみたいなその表情(カオ)を見て、燃え上がっていた俺の怒りは冷や水をぶっかけられたように鎮火した。冷静になった思考が改めてこれまでの記憶を洗う。

 彼女が俺の言葉を無視して飛び出したことは前にもあった。忘れもしない、六道アクジとの戦いの終盤。あの時は必死だったから忘れていたが、そういえば――。

 

「……そういやあの時、ちゃんと叱ってなかったか」

 

 はぁー、と大きな溜息を吐き、俺がガシガシと頭を掻く。それにすらカイコがびくりと肩を震わせて、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。違うんだよカイコ、俺が今失望して、そして怒っているのは……他ならぬ俺自身に対してだ。

 

 何が正しくて何が間違いなのかなど、赤子が知っているハズが無い。それは誰かが教えてやらねばならないのだ。正しければ褒められて、間違っていれば叱られて、そうやって子供は成長していく。

 だから、褒めてくれる、あるいは叱ってくれる相手が居なかったカイコが間違えるのは当たり前のことだった……寧ろ否があったのは、きちんと叱ってやれなかった俺の方。それを棚上げして怒鳴りつけるとは、我ながらなんて短慮だろうか。

 

「……すまんカイコ、おまえの責任じゃなかった。ただ……おまえに何かあったらと思うと、その、怖かったんだ。それで思わず……すまん」

 

 なるべく素直にそう謝る……が、うまく言葉が出てこない。

 やはり俺は保護者としては赤点なのだろう。それでも、今俺がやるべきことはそんな弱音を吐く事ではない。それを呑み込んでキッチリ隠し通し、今からでもカイコを上手く叱る事こそが俺の「やるべきこと」であるハズだ。

 

 俺はしゃがみ込み、カイコと目線を合わせる。その涙を堪えた瞳がまだ目を合わせてくれることに内心感謝しつつ、

 

「改めて、怒鳴って悪かった、カイコ。許せとは言わない、でも、せめて教えてくれないか。なんで出て来た? 魔塵が危険な存在だってのは分かるだろ?」

「だって、だって……エイトのやくにたちたかったから……」

 

 問いに、ぎゅ、とカイコは服の端を強く握り、嗚咽を堪えながらそう答えてくれた。その目からぼろぼろと涙が溢れ出して……俺は少し迷って、出来る限りの優しさを込めてその頭を撫でた。「泣き止んでくれ」と願いながら。カイコが驚いたようにこちらを見たので、涙する彼女に笑いかける。

 

「……馬鹿。子供はンな事考えなくて良いんだよ」

 

 役に立つ立たないなど、子供が考えるべきことじゃない。どれだけコストがかかったって、どんなに迷惑かけられたって構わないのだ。おまえの笑顔には、保護者(おれ)にとってそれだけの価値がある。

 

「強いて言うなら、おまえが元気ならそれが何よりの報酬なんだ。だからもう今回みたいな危険な事は――」

「でも……!」

 

 するな、と続けようとした俺の言葉を、不意にカイコが遮った。

 俺は多少面食らい、カイコは「あ……」と気まずそうに俯く。何か言いたいことがあって思わず声を上げてしまったが、また怒られると思ったのだろう……つくづく怒鳴ったのは最悪だったな、俺。

 

「大丈夫、もう遮ったりしねえ。ゆっくりでいい。話してくれるか?」

「……うん」

 

 精一杯の優しさで頭を撫でながら促せば、カイコは途切れ途切れに語ってくれた。

 

「……カイコは、ね。みんなとちがうのが、いやだった。ずっといやだったの。ちがったらだめで、こわがられて、だれもたすけて、くれなかった。ちがうからだめなんだって、おもってた。でも……いまはね、ちがうの。みんなとちがうカイコだから、エイトのやくにたてるかもって、そう、おもって……」

「…… (異形化という不幸(コンプレックス)……捨て子を『ノラ』まで追い詰めた一因。それを許容し肯定するための手段が戦闘――与えられた力を使って誰かの役に立つこと――なのか)」

 

 俺はカイコの人生(これまで)を知らないが……彼女はきっと、その見た目や力で人々に拒絶されたのだろう。もしカイコがただの捨て子だったなら、もしかしたら誰かに拾って貰えたかもしれない。でもこいつは異形化を起こした異能者だった……見た目も力も人とは違う。それが救いの手を遠ざけてしまった可能性は充分にある……少なくともカイコはそう思っている。

 どう足掻こうと捨て去れない、異能の力と異形の肉体。カイコから普通の人生を奪う「呪い」じみたそれも、大切ななにかの役に立ったなら……これは呪いではなく「祝福」だったと、そう思えるのかもしれない。

 それはきっと、カイコにとって……命を懸けられる、理由。

 

「みみで、つめで、きばで……『いのう』で、エイトのやくに、たちたいよ。ずっとくやしかったけど、さみしかったけど、もうそんなことないって……カイコ(わたし)カイコ(わたし)でよかったって、そう、おもいたい……。それで……カイコ(おまえ)でよかったって……おもって、もらいたい、の……」

「……そうか」

 

 消え入るような告白を聴いて、俺は自分を恥じた。

 

「(……俺が短慮だったな。無意識に自分の価値感を押し付けてたのかもしれん)」

 

 戦うのが嫌、自分の命が一番大事、異能が自己肯定の手段などあり得ない。

 そんな後ろ向きな俺の思考を、一般論さえ飛び越して共通の「正しさ」と誤認していた。

 俺の偏った常識で、カイコを縛ってしまった。

 

 カイコにはカイコの価値感が、夢が、生き方がある。

 ならば、俺は。

 

「……『俺が許可した時、許可した相手としか戦わない』。これを約束できるか」

「……!」

 

 言葉を咀嚼する間を置いて。俯いていたカイコがばっと顔を上げ、こちらを覗き込んでくる。

 そんな彼女の前に、俺は隻腕(ひだりて)を差し出した。

 

「丁度失くした片手を補う術を探してたとこだ。カイコ、おまえが俺の右腕になってくれるか?」

 

 頼む、と差し出した手。

 その手を見て、泣きそうになって、ぐしぐしと目尻に溜まった涙を拭って……そうしてカイコは、両手で俺の手を取ってくれた。

 

「うんっ、なる……! カイコが、エイトのみぎうでに……!!」

「……そうか、頼んだぞ」

 

 握り握られた手。そのあたたかさを、その小ささをどうしようもなく感じながら、ぎゅ、とほんの少しだけ力を籠める。

 

 カイコにはカイコの価値感が、夢が、生き方がある。

 俺の役目はそれに「危険だ」と×を突き付けることではなく……ただその可能性と幸福な未来を信じ、選んだ道に花丸を付けて送り出すことなのだろう。

 それは分かっている。分かっているのに……ああ、やっぱり俺は保護者としては赤点だ。

 だって……俺はこの時点でこんなにも、カイコのことを心配してしまうのだから。

 

 そんな俺の内心も知らず、カイコは打って変わっての大はしゃぎで握った俺の手を振り回す。

 

「エイト、エイト、いつたたかう!?」

「……戦うのは魔塵が来たら、だ。でも戦うだけが仕事じゃないぞ。おまえの五感は索敵に向いてるからな……起きてる時は周りを見てくれ。視覚だけじゃない、音と匂いで魔塵の接近を感知するんだ。それは俺にもできない、おまえにしかできないことだからな」

「……! やる! カイコ、さくてきがんばる!」

「……まあ気負い過ぎず程々にな。その調子じゃすぐばてるぞ」

 

 雲間から陽光が差し、はしゃぎまわるカイコを照らす。

 嬉しそうなその様子を見て、俺は思わず苦笑した。それで、上機嫌に水を差さないよう言おうとした言葉を静かに呑み込む。

 

 なあ、カイコ。

 俺も、おまえの願いが少しでも多く叶えば良いとは思うけど。

 大成功大逆転勝利、100回連続100点満点がきっとおまえの幸せなんだろうけど。その為に俺も全力で手伝うけど。

 0点を取ったって良いんだよ。何かを見つけられなくても、取りこぼしても、おまえが満足するまで付き合ってやるから。2人で一緒にする失敗は、きっと絶望なんて連れてこないから。

 それを、いつか上手く伝えてやりたい。

 

「エイト、おと!」

 

 と、カイコがびしりと指をさす。その先には……。

 

「……鳥、だな」

 

 どうやらこちらに飛んで来る鳥の群れ、その羽音を拾ったらしい。あれはカラスだな。

 

「とりはたたかう!?」

「戦わない。持ち場に戻るぞ」

「もどる!」

 

 やる気満々のカイコと、手を繋いで高台に戻る。

 その道程で、俺は少しの不安を抱いていた。

 

 カラスは瘴気にそこそこ強く、旧都内でも瘴気濃度が深くない場所なら生息している。

 そんなカラスの群れがこちら側に……旧都の内側から外側に移動しているとは、旧都で何かあったのだろうか。例えば――魔塵と異能者の大規模な戦闘、とか。

 

「(九瀬(くぜ)双咲(そうざき)、ナナ子、テンカ(ねえ)――)」

 

 仲間だった彼女らの顔が頭に過ぎる。

 ……いや、俺に彼女らを心配する資格など無い。自分だけ自由になるために東凶湾スラム(ここ)まで逃げて来たのだ。今更どのツラ下げて無事を祈れるのか。

 

「(――まあ、皆俺よりずっと強い。彼女らなら上手くやるさ)」

 

 だから、俺は俺のすべきことを。

 振り返らず、カイコの手を取り、旧都中央部に背を向けて歩く。

 

 

 ――右眼の奥で。

 何かがちろりと嗤っている、気がした。

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