水滸伝の始まりについて説明しよう。
物語の元凶、戦犯はこの送られた使者、
伏魔殿…見るからにヤバそうな封印がかかってる扉を見つけて興味津々な洪信。それは、
『やめなされ……やめなされ、封印を解くのをやめなされ』(竜虎山の道士ら)
『あ、そうなんだ で?それが何か問題?皇帝に逆らうの?』(大将軍)
『吐き気を催す邪悪とは!』
『関係ない 行け』
封印が解かれ、
『お、俺は知らねぇ、お前らも知らねえと言えェ!!』
口止めして帰っちゃう洪信(お咎めなし)
これはひどい。こいつの暴走で水滸伝が始まったのだ…そして108の魔星、36の
仁宗様のお話に戻るが、史実の話と水滸伝の話と混ざってしまうが、仁宗様は
そんな難しい状況から始まった皇帝でありながら、軍事力の確保、外国との貿易、貢物を贈って国間での関係強化など持ち直してしまった。これだけなら有能な人物で終わった、水滸伝の有能皇帝として描かれていたのも納得だ。だが同時にそこまでが限界だった…
これだけの動きをするに当たり必要になるものは?そう、資金だ。そしてその資金はどこから手に入れるか・・・税金だ。仁宗様は国単位でみたら有能なのは間違いない、しかしながら増税を強いてからの動きが上手くいかず経済回復案が出せずに死去。そんな経済不安から脱却すべく各党の権力闘争が多発する時代に突入。その後、本編の
その有能皇帝の血筋に当たる徽宗皇帝だが、まあなんだ…一言でいうなら無能。形だけの皇帝と言うべきか、書画に関しては才能があるだけ?政治的にはお世辞にもいい所がない。一応、表向き権力争いは止めて一緒に国を持ち直そう!と権力争いを止めさせたりしたが、まあ裏で賄賂から始まり、汚職は止まってすらいないから言葉だけ綺麗なだけだね。水滸伝でも無能、理由はあったけど更なる増税・強法による民衆から怨み買いまくってたクソ皇帝。
「…お初にお目にかかる鈴仙人殿、第8代皇帝
皇帝でありながら礼を忘れず、御付きの者から一言あってもその動作は止まらなかった。気品に溢れ、薄汚れた世を嘆くと潤んだ瞳で語っている。その瞳に映るのは、白い斎服を身にまとう、穢れを受けない仙人が一人。
(誰だお前、キッショ)
俺は休みを挟みつつ馬による長距離移動の末、開封府に着いた。北京…中国ドラマでよく見る建物を眺め、人が川霧の如く消えていく…これは俺を見てというより、蔡京たちを見て消えていく。正確には道を開けて頭を下げているだけだが怖がられているな。
蔡京より、役職に就くと威厳が必要なんたら言ってくるが言い訳はいらん。お前に逆らうと死に直結するから皆怖がってるの知ってるからね。処刑人、正確には首切り役人に逆らう→色んな理由からお前斬首ね?が成り立ってしまうクソムーブができる役人、めっちゃ怖い。
「鈴仙人殿、お疲れだと思いますが徽宗皇帝との拝謁がございます。面会と言った方が?」
水滸伝において仙人は皇帝よりやや下?程度の影響力がある。そもそも仙人も民にカウントしていいのか不明だけど、明確に仙人が人の世に干渉してるのって自分が初なのでいまいちわからない。そもそも俺は人間、俗物だからって意味を込めて首を左右に振る。
「私にお任せを。鈴仙人様は私がお願いしたら仙術をお見せ頂ければ、後は私が引き受けます。私の代わりに兄の
蔡福か…苦労人のイメージが強いのは何でだろうな。クズで汚職を普通に受け入れていたり、人をメッチャ殺してますプロフィール(腕っぷしが強く、
そんなどうでもいい事を考えていると・・・嘔吐はしていないが、血の匂いが強くなってきた。道中で言われていた処刑が行われているのだろう、この時代にとって斬首などは民にとっての娯楽に近い。相応の人だかりが処刑台付近にたむろっていた。
『おい、聞いたか、あの罪人共の話』
『ああ、民を殺して賞金が出ると思ってたとか…なんて奴らだ』
『笑いながら首や手足を持って開封府近くまで来てたらしいぜ、全く世も末だ』
なんてヤバい奴らだ…大方、重税に苦しんで野盗にでもなったのだろう。この時代では割と人殺しは頻発しているから珍しいほどではない。
「どうやら、我々の行進が遅かった様子。残念ながら兄の働きを見れませんでしたね」
すいません、俺の尻が死ぬんで。慣れない馬の背中に揺られて移動するとね…尻の皮がめくれるのよ、擦れて痛いの。それに斬首するところなんて見たくないから、個人的には遅れてよかった。
そんな流れがあり、皇帝がいる宮殿に入って行った。そして冒頭の皇帝からの挨拶に戻る。
「鈴仙人殿は我々の言葉を発言できず、私が代弁させて頂きます…よろしいでしょうか」
「ふむ、蔡京が連れて来た御仁だ。よかろう」
見た感じお互いに険悪な雰囲気は見られない、隠しているとわからないが、少なからず仲良し?状態らしい。忠実では権力手に入れたら険悪ムーブとか色々食い違う設定が出てくる、そもそも名が
俺の身の上話、聞いているだけでどこの仙人ですか?と問い返したい内容だが、事前に確認した内容通りに話している。一通り話し終わった頃には…皇帝のキラキラしたお目目が辛い。ほぼ事実?解釈が少しずれていたが、経由を聞いた皇帝は俺に期待の眼差しを向けていた。
「…では、鈴仙人殿」
合図が来たのでタップする。いつも通りの酒器と銀が落ちる…皇帝は驚きのあまり立ち上がり俺の手からもぎ取るように確認しだした。それに続くように、蔡京が俺が疲れている事を伝え自然に退席させてくれる。
…皇帝との話し合いは緊張した。小説や知識で知ってるからって一般人の俺には上の人に違いないのだ。それより、何だあの皇帝は、あれが無能?民の事を思ってる雰囲気に溢れる有能皇帝みたいな感じなんだが。
「おお!貴方が鈴仙人殿か、目立つ格好ですぐわかり申した!ささ、宮殿の案内を致そう」
ベイマックス!じゃない、その腹と顔は蔡福ではないか?俺は蔡京と違い、陽キャムーブでどんどん来る蔡福と共に宮殿や中庭を案内されていった。
鈴仙人が退室した室内は暗い闇が広がった。輝きが見えた目はどこへやら、手に持った物を見て下劣な鼻息が聞こえ出す。互いに顔を見合いながら、腹底が見えない探り合い。
「良い物を拾ったようだな…蔡京」
「物だなんてお酷い、仙人様でありますので」
「はっ…それで、あの仙人様はどこまで動いてくれる?何が欲しい」
「ほほ、皇帝への願いなど…この私には恐れ多いこと、鈴仙人様は天より下りし、今一度人の世に戻ろうとされています。私は単なる手助けでもと」
皇帝は先手を打たれた事に内心憂鬱となった。ただでさえ、己の権限を目の前の男が掌握してきている現状…これ以上の力を持たせるのは何としても阻みたい。しかし、紹介された仙人の存在は劇薬どころか、全てを投げ売っても欲しい物だったのが問題だ。何回出せるかはわからないが、資金を無から生み出せる存在なんて反則もいいところである。
かといって、あの善性が形を成した仙人に己の業を見せれば…天に帰られてしまう可能性が高かった。そしてその采配を握っているのが、目の前の男なのが気に入らない。
「仙人殿には私の側近の席でも」
「鈴仙人殿は人助けがご所望な様子…最近の世の乱れは嘆かわしいと思われませんか?」
自分の代より前から増税を含め、多国間との争い、経済不安は深刻な状況になっている。それに対処しようにも、役職の者達は権力に没頭し使えず、合憲を使おうにも使う為の手順に目の前の男が関与していては使えず八方塞がりな現実に奥歯を噛みしめたのは何度あっただろうか。
蔡京から発せられた言葉にどの面下げて!と激高しようとするのを抑える。それだけ、あの仙術の恩恵が凄まじい効果になるとわかるのだ。今の国の問題大半が解決できると。
「では…」
どの役職に就けるか・・・目の前の奴が求めている場は頭に過っている。だが、それに就かせれば最後、実質的に支配を許すのと同じだ。本来なら妥当、就けた方が動かしやすい位置だろう…面倒な輩がいなければ、善性で裏切る事もなく、上手く付き合えばより繫栄が約束される人物なのは間違いない。
「ああ、そういえば…こんな物がありました」
「!?そ、それは」
「いえ、鈴仙人殿がいた場所に何か埋めているのを見かけまして…興味が出てしまい掘り返したら」
見せられたのは洗練された形の金であった…憎たらしい笑みを浮かべているのも構わず受け取り確認する。どのような細工でも、このような
「・・・本物か」
「ええ、ですが残念ながら私にも出す瞬間を見せて頂けないのです。日頃から扱う事が増えれば・・・考えを改めて頂けるかもしれません」
「っ・・・必要な際は協力頂けるか」
「可能かと…祭事や他国に攻め入る等は、仙人様の事を考え、一声欲しいですがね」
お前は私のいう事を聞け…存外に扱われる程度にしか思われていないと改めて理解した。兄と違い、弟のこいつとは一生合わないだろう。
「…いいだろう、鈴仙人殿には
「ありがとうございます。皇帝の先を見るお心遣いに感謝申し上げます」
「ああ・・・だが、功績を上げる者には相応に対応する事を先に伝えておく」
「おやおや、まだ席にも着いていないというのに、鈴仙人殿には私も期待しております」
「ハハハ!互いに意見が合うではないか」
「ええ全く」
皇帝は笑いを止め、そういえばと続けた
「民草を殺して、剰え賞金が出るとほざく者達がいたが?」
探るような眼差し…というより、お前が犯人だろと刺していた。
「さて、その者達は自らの意思で民を害した罪人でしょう?」
「それを先導した者がいるなら罪に問うべきだが?」
「己の欲も制御できない輩の発言、信じるに値しませんよ。それでは…私も役職の任に戻ろうと思います、兄上だけに任せられませんので」
「そうか、そうか。仙人殿の耳に一声かかるといいが」
落ち着いた様子で扉を開けながら、礼を見せる。不手際を残さないように。
見て頂きありがとうございます。
地味なオリジナル要素…蔡京と蔡慶なんですが、水滸伝では本来蔡慶の方が正しいです。私が書くこの作品では史実の人物に似せる為、名を元となった人物に直しています。だからなんだと言われればそれまでの事なんで、気にせず。
ここまで読んでくれた方々なら大まかな水滸伝の世界観が伝わったと信じたい。ついでですが、本来水滸伝の話の中心は当然主人公組なので、今の蔡京たちの裏事情とかは乗ってません。また、原作前スタートとさせて頂いております。原作、史実な歴史との兼ね合いを合わせて楽しんでいただければ幸いです。