仕事をしていると思うのだ。育児休暇、この時代にそんな制度はないが子どもの為に休みます。と休む奴は稀にいた。いや違うな女官とのイチャイチャで休みます、なら稀に見かける…ケっ言い方変えても経費で見ればどこ行ってるかわかってんだよ!花街で子育てだと?どんな子供育てる気だこいつら、自分の息子を育ててもらおうってか?何上手い報告してんだよ!
俺は今日とて資金繰りで忙しいというのに…俺がこの時代で真面目過ぎるのかもな。俺の役職って簡単に言えば経理じゃない?だからこんなくだらない経費書類も処理してるんだけどさ…あ、今更なんだけどね、俺の司会って役職は本来この時代では存在しないんだ。正確には周の時代の古の役職みたいなモノなんだよ。本来なら
まあ、それはいいとして…俺の立場がさ、その最上位より上みたいな感じで認知させられてるんだよ。あくまで特別な人なんです~的な役職だった男が、あの皇帝と共に歩む仙人様だったんです~に変化したわけじゃない?そうしたらね・・・その経理の官僚たちから俺を通さないと駄目だ雰囲気が勝手に起こって、仕事が増えるの繰り返してるの…それでも、まだ処理できるぐらいだからいいけど、逆に俺が処理できてしまっているせいで更なる仕事が増える無限ループが発生している。
何で今更、俺の仕事について書いたかと言うと…ストレスでヤバいからだよ!何なのこいつら、何でもかんでも俺が見ないと駄目なの!?どう見ても下級の官職連中で事足りる仕事を俺に回してんだよ!俺が認印押す必要あるのか・・・そんなイライラを溜め込みつつも仕事をこなしている。そして、この前にも書いたかもしれないが、俺に面会を求む連中の処理まで日夜やるんだぜ?俺凄くね?凄いよな…更にこの国の未来まで考えてる俺って凄い…はは…
無となって認印を押す機械みたいになった俺、この国滅びねえかなってマジで考えながら書類処理してたら・・・
あのね、この祭りをやるだけでどのくらいの資金がいるか知ってる?各大臣や四夫人達などの重要人物の食事から始まって警護、舞踊達への報酬、その他地域から呼ばれる貴族やお偉いさん達への対応…そして皇帝。全体で驚け現代換算で200億以上だよ!財政圧迫ってレベルじゃねえぞ…それでもまだ国費で持つんだから凄いよな。でも、破滅へのカウントダウンが狭まるのは確実。
…そして、その祭りに俺が招待されている現実。実に笑えないよ、これならまだ闇塩売ってた方が笑えるよ。
金について考えてたら思い出した。そういえば、四姦の最後の一人とも会った。名を
『ここの境界を見た事はあるか~い?』
『えっと、どこがその境界なんです?』
『ここだよ(今決めた)、ここを超えてるから税金払わないとね~』
『そんな!ほんの数センチですよ!?』
『皇帝に逆らっちゃ駄目よ、ダメダメ。罰として税金額上乗せするよ~』
何と言うか…まあ、ヤクザ?そんな奴だけど、こいつも財務担当の宦官だったんだよね。だからこそ、こんな方法を思いついたのかもしれないが・・・まあ、俺が上になったら挨拶に来たのよ。
「お初にお目にかかります。名を楊戩、しがない宦官ではありますがよしなに」
ある日、ニコニコ顔で俺に挨拶してきたんだ…凄い胡散臭いを絵に描いたような奴だった。うわってマジで思った相手だよ、こいつについて知ってたから尚更ね。でもすぐ帰っちゃった、ほんとに挨拶に来ただけだったんだよね…それ以降の接触が無いから、ある意味どうすればいいのかわからない相手。当たり前だけど宦官だから後宮にいるんだよ…祭りに参加したら会うのが確定枠なだけに困った奴だ。
能力があるのは知ってる。あの馬鹿のゴロツキと違って能力がある悪人だから上手く使いたい…もう悪人だからとか利益にならない考えは捨てている。この世界に生きる者として、この先の未来を知っている者として、できることはやる。今度会うまでに何か活用法を考えておくか…
資金だ、とにかく金だ。財政圧迫するけど必要経費として考えて処理しなければ仕事が終わらない…蔡京もよく許可したな?直接かかわってない俺ですら政権が動きまくってるのわかるのに、こんな一大事に祭りとか普通は許可しないぞ。あの皇帝と何かあったのか?貴族たちを取り込む策なのかね、確かに交流は持てるけどさ…駄目だな、凡人の俺では理解できない事なのだろう。
後宮かぁ…皇帝以外の男性は宦官なんだよな確か、自分の妻とか気に入った女官に手を出されないようにだっけ?羨ましい立場ですねぇ…俺なんて未来について考えてたら性欲が抑制されたのか、興奮も何も起きない常時賢者モード突入しているというのに・・・くくく、何故だろう涙が出ちゃう。
蔡京は激怒した、必ず、かの
「いや…祭祀なら他の連中だろうと巻き込めるだろうと。ほら、これなら反対して姿を現さない貴族連中も来るだろ?」
皇帝は資金の限度額を知らぬ、今まで贅沢を基本とした堕落した生活を強いられていたのだ。(強いていたの自分でもある)頭自体は悪くなくても、金の動き、政治経済に関する才能が無く、こうすればいいだろうと、子供のような発想で動く地雷と化していた。
「・・・フゥゥ…私は鈴仙人殿より教本の写しをお渡ししたはず?お読みになられなかったので」
確かに皇帝の勅命に近い祭り事ならば、反対している者達だろうと来るだろう。実際、政権を動かすに当たり旧法党の重要人物達(司馬光や
「読んだぞ?金の流れや隣国の脅威、小難しいモノもあったがわかりやすくまとめられていた。鈴仙人の晴眼は確かと改めて理解した」
「ならば何故このような無茶な事を…資金流出に歯止めをかけつつ、民からの信用回復を第一にとお伝えしたはず」
「だからこそだろ!民の関心を受ける今だからこそ、私に改めて民と共に歩むと皆に知らせ」
「それで金をかけ過ぎたら、本末転倒。信用が」
「資金の流れがわかってるんだ、元を取り戻すのも早い」
下手に知識を与えたからこそ皇帝なりに考えていた。自分の権限と今の立ち位置の把握、今まで表面だけ従っていた連中が真に従う必要が出ている状況…この状況だからこそ、国、強いては近国全体の流れを大まかにとはいえ把握できる存在がいるからこそ無茶ができると確信してしまったのだ。
蔡京は前より別の意味で面倒になったと頭を振った。計画的なように見えて無計画、浅はかとも言える。万が一を考えない時点で危険だというのに、それが個人ではなく国を含めた博打に近い、しかも賭ける必要が無い時にだ。しかも…もうかけ金を出してしまった。自分に伝わる時には全体に通知文を出していたのだ。
「ええ、もういいです。過ぎた事…」
備えを考えるのが私の役目…今に思えば楽をしていたと感じてしまう。欲に溺れた者達の気持ちも少しは理解できる。
「
「お待ちを…もしや
「いや違うぞ・・・ついでにと」
…平常心を無理やり持つ。
「正室の
久しぶりのいい笑顔で皇帝に話しかけることができた。逆に皇帝は目をそらし素知らぬ顔。
「あー…あいつ最近怖いんだよ」
「貴妃王氏殿の下に向かうからでは?…そう言えば何人目でしたか」
「・・・5人目だ」
「顕恭皇后殿は?」
「…2人だな」
元嫡母の侍女の女性、それが貴妃王氏だった。美人で優しいお姉さんに憧れを持った皇帝は…そのまま正室より愛している。つまり、この皇帝はオネショタを若いうちに体験し、その沼から抜け出せずズブズブ関係を持ってしまっていた。
「貴方という人は…」
「皇帝だからいいだろ!」
「下半身に正直すぎますね。宦官の方々を見習っては如何でしょう?」
「切れってか!不敬罪だ、不敬罪!」
「はっ、今更でしょう。共に明るい国を進むのですから」
本来こんな皇帝と密会することなんてできない。身分の違いもあるが、そもそも後宮に基本いる人物がこうも一官職の者と会っている時点でありえない事なのだ。
「・・・くくく、ああ、よろしく頼むぞ、蔡京」
「はぁ…ええ、縁が切れぬ限り」
「おい!そこは最後までと言え!」
ご冗談を…わりと本気で言葉にしていたのを感じ取り、めんどくさい絡みに続ける皇帝だった。
見て頂きありがとうございます。
『薬師のひとりごと』はアニメ前から好きな作品だったので、後宮の話はどっかに入れたいなと思ってました。モデルは唐の時代らしいので、作中で100年以上前なんですよね。
また、司会の説明なんですが…誰かツッコミ入れてくれないかな~と待ってても誰もコメントで触れないからセルフツッコミしました。こんだけ凄いことだったんだよ!って…ごめんね。