幻影旅団はヒーロー(夢)を見ない。   作:規律式足

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 オリ設定有りです、閲覧注意。
 B組はB組で必修以外はカリキュラムがかなり異なる設定です。
 


第四話 ヒーロー基礎学(ブラキン先生版)

 

 朝のホームルームを終えて、午前中は必修科目・英語等の普通の授業。

 独学で勉強していた僕にとって普通の授業と言われても初めてで新鮮だ。ただ他の皆はせっかくプロヒーローが教えるのだからともっと特別な授業を期待していたようで肩透かしだったようだ。

 昼は大食堂でプロヒーローにして家庭科担当教諭であり一流の料理人であるクックヒーロー・ランチラッシュによる極上の料理を安価で頂ける。

 

「美味しい」

 

「だったらコレもあげる」

 

「ん」

 

「キノコもどうノコ?」

 

 モッキュモッキュと食べていると、なぜか同じクラスの女子達がオカズをわけてくれる。

 流星街出身ゆえに食べれる時に食べれるだけ食べるという習慣があるため差し出されるままに口に入れて咀嚼する。

 

「食べ方が小動物みたい」

 

「ん!!」

 

「これは無限にあげ続けてしまうノコ」

 

 差し出されるオカズにア~ンと大きく口を開けてかぶりつく。ただそれだけの姿がそんなに良いのかな?

 

「君達ね、午後からヒーロー基礎学で体を動かすんだから人にあげてないで昼ご飯はしっかり食べなさい。リンクもくれるからって食べ過ぎないの」

 

 男子達もオカズをくれだしはじめた所で物間君から制止の声がかかった。それで正気に還ったみんなは慌てて自分の食事にとりかかる。

 懐かしいな故郷でも姉さんが殺されてからよくこうして食べ物を分けてもらったな。ウボォーギンは俺は体がデカイからと、ノブナガは武士は食わねど高楊枝とか言ってたな、そしてついあげすぎる皆をマチ姉が注意していたっけ。

 そんな風に僕はしんみりしていたけど、

 

「その小さい体の何処にこれだけの量が?」

 

 食べ終えて積み重ねられた食器の山を見て、物間君はなぜか恐れ慄いていた。

 

 

「さてこれからヒーロー基礎学の授業だが、あらかじめ君達に伝えておくことがある」

 

 ヒーロー基礎学、ヒーローの素地をつくる為に様々な訓練を行う科目。雄英高校ヒーロー科に合格した学生達がもっとも楽しみにしていた授業だ。

 だが隣のA組生徒達が嬉々としてコスチュームを着て走っていく中、僕達B組の生徒は全員学校指定のジャージ姿だった。

 疑問を抱いたままグラウンドに集合するとブラドキング先生が授業の説明をはじめた。

 

「雄英高校は自由な校風が売り文句であり、授業に関しての方針は担当する教師に任されている」

 

 ヒーローという規格を定めることは難しい、だからこそ一人一人にそれぞれ流儀がある。教える側のヒーローが自分の解釈に沿った教え方をするのも当然のことなんだろう。

 

「ゆえに俺のやり方に不満を持つ者がいるだろう、だがそれが諸君らのためであることをあらかじめ頭の片隅に入れておいて欲しい」

 

 そういえばA組の入学式不参加も担任の方針だかららしい。本当に自由なんだな。

 

「俺がまずヒーロー基礎学で行うのは基礎体力をつけること、いわゆる体作りだ」

 

 筋トレってことかな?

 

「無論、座学も行うし、救助訓練も行う。だが第一に優先するのは体作りだ」

 

 そこまでブラドキング先生が言ったところで皆から不満気な空気を感じた。彼ら彼女らからしたらもっと個性を使用できる授業だと思っていたのだろう。

 

「いいか君達はヒーロー科実技試験を突破した者達なんだ。調整されているとはいえ個性でロボットを撃退できる能力と、突然の状況でも個性を応用できる発想力を既に持ち合わせている」

 

 あの実技試験のロボットでもチンピラヴィランとか充分に撃退できるだろうからね。

 

「だからこそ伸ばすべきは体力。個性は身体能力である以上、身体能力が向上すれば個性も向上するのは当然のことだからだ。また若い君達は肉体の成長の余地があり今が一番伸ばしやすい時期なんだ」

 

 年をとってから上げられる能力ではないってことか、よく言う若いうちだけってヤツ。

 

「さて、今日のヒーロー基礎学は長距離持久走。授業が終わるまでひたすらグラウンドを走り続けるぞ!!」

 

 見た目通りに体育会系なんですね先生。体力に自信ない子達が表情を引き攣らせたり顔を青褪めさせてますよ(吹出君はどうなのか分からない)。

 こうしてA組がコスチュームを着て実戦さながらの演習授業をする中、僕達の授業がはじまった。

 

 

 

「本当に体力あるんだね君」

 

 もう何周目かな?

 ブラドキング先生のすぐ後ろ、いわゆる先頭集団にいる僕は横で走る庄田二連撃君に話しかけられた。

 

「意外?」

 

「うん、サイズがどうしても」

 

「身長ばかりネタにするのやめてくれません?」

 

「そう言う庄田氏もですぞ、鍛えているのは見て分かりますがここまで動けるとは」

 

「筋肉だからコレ」

 

 獣じみた見た目の宍戸君がそう言うと丸みを帯びた外見の庄田君も返す。

 体がデカくて動けるように見えるのはウボォーギンやオールマイトみたいな体型の人だからね。

 最初は並んで走っていた僕達だけど周を重ねるごとにバテはじめた者達から遅れだし、今では先頭集団と中間集団、後方集団へと分かれてしまった。

 大半の生徒は中間集団で、一切速度の変わらない体力のある者達が先頭集団だ。

 

「けどこんなに差がでるもんなんだね、皆もっと体力あると思っていたよ」

 

 この中で唯一の女性である拳藤さんがそう言った。そうだよねまだ走りはじめて一時間程度なのに。

 

「体力を重要視するブラドキング先生の方針に納得ですぞ」

 

「現場に駆けつけた時にバテているようじゃ人助けも個性発動も無いだろうしね」

 

「ヒーローって結構移動手段とか限られているみたいだし」

 

「逃げる人や野次馬で道路が混むから車で駆けつけるのって基本的に無理みたい。全力ダッシュしてから全力戦闘と人助けってどれだけスタミナが必要なんだろ」

 

「それだけではない」

 

 私語を許してくれていたブラドキング先生が告げる。

 

「ヒーローである以上は全力ダッシュでバテていてもそれを表に出してはならない。常に余裕ある態度であることが人々を安心させるのだ」

 

 現場に到着して息を荒らげるようじゃヒーローは務まらないのか。

 

「近いうちにコスチュームを着た状態でも走ってもらう。不具合は早期に発見するべきだからな」

 

 デザイン重視で走りにくいのとかありそうだな。

 

「そして先頭集団である君達は次回から成人男性程の重量を背負って走ってもらう。覚悟しておくように」

 

「「「「はい(ですぞ)!!」」」」

 

 余裕ある者にはさらなる苦難か、多分ブラドキング先生も今みたく同じだけ重りを背負って走るんだろうな。

 

「救助訓練の想定ですな」

 

「現場だと救助者を背負ったら走れませんとか言えないからね」

 

「ただ走るだけがどれだけ重要なのかよく分かったよ」

 

 早く走る、長く走る、息を乱さず走る、重りを背負って走る。

 それがどれだけヒーローにとって大切な事なのか理解できた授業でした。

 

「ハァ、ゼィ、ヒュウ、君達さ、ハァ、体力あり過ぎだから」

 

 なお、なんとか先頭集団に追いつこうと無理をしていた物間君が授業後にぶっ倒れてしまったとか。

 今日はまだそこまでやらなくて良いのに。

 

 

 





 補足・説明。
 オリ設定なブラドキング先生のヒーロー基礎学。地力を上げてる、全体の底上げという事から妄想しました。ぶっちゃけ実技試験突破できるなら臨機応変な対応を学ぶ必要あるのかと作者は思いまして。オールマイト担当の時はアメリカンな設定なヤツもやりますが。なおイレイザーヘッドとオールマイトがこれをやらないのは自分でやっているだろうという認識があるからです。地味な繰り返し訓練こそ監督が必要なんです。

 幻影旅団ナンバー1
 ノブナガ・ハザマ
 リンクにとっては剣術の師匠。
 旅団内でも特に甘やかす者の一人。
 情が深く、人を気に入りやすい。それゆえフィンクスやフェイタンとは意見が割れがち。揉めたらコインというルールもノブナガがきっかけだったりする。
 刀の間合いとはいえ円を長時間発動し、さらに戦闘を続けられる化け物。
 周をされた刀と剣術の技量により、防御力に難のあるヒロアカのヒーローにとっては天敵のような存在。
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