お久しぶりです。
感想きちゃうとテンション上がります。
雄英高校生活がはじまって数日。
日本のナンバー1ヒーローにして平和の象徴であるオールマイトが雄英高校の教師に就任したというニュースが流れ、現在学校は連日マスコミが押し寄せる騒ぎとなった。
どんな些細な情報でも欲しいのか通学時の学生にもマイクを向けるマスコミ。こんなところにもこの国は平和ボケしているなと僕は思う。
ヒーローとは国家最大の武力でその情報は最大機密。だからその情報を得ようとする行為そのものが反逆であるとして群がったマスコミを射殺する国とてあるのだ。
けれど雄英高校が設置してあるセキュリティである雄英バリアーは良いと思う。次代のヒーローの卵達は価値の高い商品になる。それを守るためにやりすぎはないのだから。
もっともウボーギンやオールマイトならパンチ一発で破壊可能だろうけど。
朝の騒動を絶でやり過ごした僕はそんなことを考えつつ教室へと向かった。
昼。
B組の学級委員長が拳藤一佳さんへと決まり午前中の授業が終わり昼食の時間。
ちなみにヒーロー科主席だからと僕を推す声もかなりあったけど、学級委員長そのものがよくわからないと伝え辞退した。いや知識としては理解しているが実際にやる自信がないのだ。
僕を推す人(主に小大さん)を皆で説得。ちなみに拳藤さんに決まった理由は本人の性格が一番の理由だけど連日行われるヒーロー基礎学で彼女が上位の成績だからだ、なんだかんだで物を言うのは武力、腕っぷしが強くないものに人を率いる資格は無いのだ。
「けど意外だよね」
「何がだい?」
モリモリと日替わり定食を食べながら僕は言う。尋ねてくるのは物間君、なんというかB組男子だと彼が一番親しい間柄だ。個性が危険で厄介だから下手したらそのうち処分するかもだけど。
「ヒーロー基礎学で皆が不平不満を言わないこと」
「ああそれか」
「ん」
ヒーロー基礎学、となりのA組がオールマイトの元で対人戦闘訓練をしているらしいのに僕達は変わらず筋トレや延々とグラウンドを走ってばかり、個性を使いたくて仕方ない生徒達には不満がでるのが普通だろう。
「確かに不満がない、とはいえないね。個性は私有地以外は原則使用禁止、だから使用できる機会に使用したいと思うのが普通だ」
「けどさきちんと理由を説明してくれたし、目の前でブラドキング先生が一緒にやっているとさ文句なんて言えないよ」
拳藤さんが苦笑しながらそう言った。不満はあれど飲み込める理由があるのだ。
正直言ってヒーロー基礎学で手本として実践してもらう必要のあることはしていない、言われれば出来ることばかりだ。だがブラドキングは生徒へ指示した以上のことを自分に課す。彼は生徒と共に課題をこなす教師なのだ。
「後は君の存在だよ、リンク」
「?」
「ん(リンクの首をかしげる仕草がカワイイ、萌える)」
物間君の言葉が僕は理解が出来なかった。
「だってさ」
「こんなちっこいのが平然と課題をこなしているのに、息を切らして必死にやっているヤツが文句言うなんてダサ過ぎるからねぇ!!」
「また身長ネタっ?!随分とこだわるね」
「鉄哲なんか腕相撲で負けたことを気にしてたわよ」
「ね」
「疲れ切って膝をついた自分達を抱えた状態で何倍もグラウンドを周回されたらガチで凹むから」
「同い年なのに差を見せつけられまくりだよ」
「だから増強系個性なだけだって」
表向きは個性だが、ヒーロー基礎学での結果は念能力の恩恵だからとしか言いようがないんだよなあ。あくまで生命エネルギーの操作だから無自覚で使用している人もいないわけではないけど、自覚のある使い手とは雲泥の差がある。体系化された念能力の基本技術と応用技術は下手な個性よりも強力だ。
【ウウーーー!!】
そんな穏やか昼の時間は校舎内に響き渡る警報の音で中断された。
【セキュリティ3が突破されました、生徒の皆さんはすみやかに屋外へと避難して下さい】
流れるアナウンスに迅速に反応する生徒達。だがそれは迅速とは名ばかりのただの混乱。自分だけでも助かろうと他者を押しのけて進もうとする、世界各国どこにでもありふれた見飽きた光景。
(バカらしい)
ヒーローの心構えやらあるべき姿やら散々説いておいてこのザマ。最上級生である3年も入学したばかりの1年も差などまるでない。
(だけど)
内心で呆れ果てつつも気になることがある。
僕は座ったまま最大範囲で念能力の応用技である円を発動する。自らを覆うオーラを広げ知覚範囲を広げる技術である円、脳に入る情報量が尋常じゃないくらい増すので神経を使うが遮蔽物を無視し視覚にとらわれなくなるので非常に便利。
動きながら発動し続ける場合は別の技術と言って良いくらい難易度が跳ね上がるが、動かないで集中する分には未熟な僕でも充分可能だ。
(居た)
混乱し慌てふためく生徒達一人一人の動きを把握するのは無理なので流す。だが広げた知覚範囲で騒ぎから離れて一人、いや二人で行動する存在を見つけた。動きからして逢瀬を楽しむカップルではないだろう、記憶にある敷地の見取り図に当てはめればそこは職員室だからだ。
(動くか)
十中八九オールフォーワン関連、そうでなくとも雄英高校の敷地に侵入するヴィランなら探っておいて損はない。
椅子から立ち上がり走り出そうとすれば、
「ダメ」
ギュッと小大さんに抱きしめられた。
何でだ?
「全く、避難の心得おかしを知らないみたいだね。
押さない、駆けない、喋らない、だよ」
「こちとら日本人じゃないんだよ!!というか離せっ!!」
せっかくの手がかり、雄英高校生活を楽しめという団長命令でも得られるものは欲しいのだ。
抱きしめる小大さんを傷つけないようにジタバタともがく。
「あーもー、暴れちゃダメだって」
「ん(役得、たまらん)」
「まあ落ち着きなよリンク、今は無様を晒す先輩方と同級生の姿をじっくりと堪能しようじゃないか」
「「性格と趣味悪っ?!」」
「ね(スリスリ)」
グラス(中身はぶどうジュース)を揺らしながら余裕たっぷりな態度の物間君。整った容姿も加わって性格の悪い貴族の坊っちゃんにしか見えないよ。
あと抱きしめてる僕に顔を擦り付けないで小大さん、君はシズクか。
「グギギ、なんだあの女子とイチャついてる美形ショタ野郎は」
さらにブドウみたいな頭の生徒が血涙を流してこっちを見ているんだけど、怖。
「しかし飛び出して何処へ行く気だい?出口は愚かな群衆で埋まっているよ」
当然の疑問だけど言い方悪いな物間君。
「嫌な予感するから確かめたいんだよ」
正確には円で見つけた不審人物二人だ。
伝えるわけにはいかないから予感でごまかしてなんとか行かないと。
「丁度良いとこにいるソコの角取さん、君も危険に飛び込もうとする主席ショタに抱きついて」
「ヨクワカラナイケド、ワカリマシタ」
「前後女子サンド、だとおっ?!」
物間君め余計な指示を。
そしてさっきから騒ぐ君は誰だ。
「むーむー」
「信じられる?これで同級生なんだよ」
「小さいといってもそんなに差はないのに仕草が子供っぽいんだよねえ」
クソ、このままだと逃げられるってのに。
力尽くでの脱出は可能、だがそれは怪我をさせてしまう。団長からの命令も、安全、学生生活、調査の順で無理はできない。
今回は諦めるしかないか。
というかクラスメイト達も団長やヒソカみたいに過保護なんだけど。平然と僕を敵地に放り投げるフェイタンとフィンクスを偶には見習ってほしい。
そんな風にモガモガしてるうちに生徒達の混乱は非常口?って呼ばれる人が場を収め、侵入してきたマスコミは警察の到着とともに撤退していった。いや逮捕しなよ、この国のマスコミ優遇は異常だ。外壁ある雄英バリアーを突破したんだからバズーカくらいは持ち込んでただろうに。
そして案の定、侵入していた二人組は円で知覚していた僕以外の誰にもバレずに撤退していった。
まあいい。
あくまで侵入しただけで帰ったのなら、これは準備か前哨戦、次に来た時に捕らえて情報を搾り取ってやる。
僕の嫌な予感という反応は物間君から教師陣に伝えられた。僕の偽装された経歴からヴィランへ反応したと誤認されるだろう。
真実は伝えない。
僕は幻影旅団で、決してヒーローの味方ではないのだから。
僕は決意を新たにして、来たるべきオールフォーワンの駒であるヴィラン襲撃へと気合を入れるのであった。
が、
襲撃されたのは人命救助訓練をしようとしたA組で僕達B組は蚊帳の外で終わってしまうのであった。
「クラス分け?!」
膝をついて項垂れても仕方ないよね。
補足説明
リンクはその容姿と溢れる弟属性のためB組内で男女問わず同い年なのに可愛がられてます。
けれど一番体力があるためクラスメイト達は奮起している感じです。
幻影旅団ナンバー2
フェイタン・ポートオ
リンクにとっては拷問の師匠。
リンクを対等に扱っている人物の一人。
生かすべきは蜘蛛、という団長の教えを第一としている。ゆえに仲間の死も表面上は受け入れられる。
サラサのやられた行いを自分ですることに思う所はある、けれど悪党として生きると決めたからその手を止めることはない。
何気にリンクとは意見があう。行動原理がかなりかぶっていたりする。
広範囲かつ強力な個性を持つが、旅団最速の脚力とヒソカに次ぐ周の技量で使用せずに終わる。