お前のことだよ、相棒(空崎ヒナ)!!   作:バージ

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予想外にアズリエルの正体ばれてなくて驚きましたが、そういえば原作キャラだと明言していなかったことを思い出しました。
まあでもこういうのは多数がわからないくらいの方が面白いかもなので、これはこれで。
あ、前回の続きなのでやっぱりギャグパートです。



ゲヘナの最新の伝説

 

諸君はゲヘナ学園給食部のとあるエピソードをご存じだろうか。

要点をまとめるならある日衛生管理の監査が行われ、監査員が笑顔で帰ったにもかかわらず、何故か給食部の予算が半分になった、という話だ。真実は監査員が最後にジュリの生絞りジュースを飲んでしまったことが原因なのだが。

 

おかしいと思いませんか?あなた。誰だっておかしいと思うだろう。

 

そう、監査員がダウンしたのはジュリの生絞りを飲んでからしばらく後なのだ!!ゲヘナ風紀委員会という大規模な委員会の中でナンバーツーの実力を持つといっても過言ではないイオリですら、飲んだ直後に意識を失ったのに!!

キヴォトス人は、特に生徒の肉体は実に頑丈だ。銃弾千発どころか戦車砲や巡航ミサイルの直撃でも死なないし、よほどの虚弱体質でもなければ銃弾数発で気絶するようなことはない。

もちろん撃ち手や状況によって変わるものの、一般的な話をすればそうなる。そして生徒ほどではないにせよ、普通のキヴォトス人だって銃弾の一発二発は痛いで済ませてしまう。

一般的な生徒が数発の弾丸を耐えられるとするなら、イオリであればその数倍、いや数十倍の弾丸を耐えることだって可能なはずだ(せやろか?)。そんなイオリを瞬殺したことを考えれば、ジュリの生絞りジュースは弾丸百発のダメージをはるかに上回ることが分かるッ!!(食べ物と弾丸ではダメージの種類が全く異なることは勘案しないものとする。)

そんな強烈なダメージを食らってしばらく耐えた監査員がただ者ではないことは明白だ。つまりこの監査員は上位生徒並の耐久力を持っている、QED証明完了。

 

とまあボケとツッコミどころ満載の冗談はさておき、ゲヘナ学園の敷地内に現れた怪物ことゾッシーは強大だった。

触手を振るえば一撃で校舎を破壊し、大きさと速さから常人には避けることもできなかった。普通の攻撃ではまともな傷も負わないし、ちょっとしたダメージならすぐにでも復元するほどの回復力を有している。

その巨体故の注目度から何百人という生徒を集めていたし、同じだけの人間を気絶に追い込んでいた。名のある部活も撃退され、万魔殿の戦車部隊すら簡単に薙ぎ払われて地面に転がっている。まるでゴジラに蹂躙される自衛隊みたいだぁ。

いつの間にか最初の化け物二体は姿を消していたため、二体が誘引していた分の生徒まで集まっていたのだが、結果はご覧の有様である。

 

通常の兵器や生徒では、どれだけ数を集めたところで意味がない。戦いを見ていた者達がそれを理解するのに時間はあまり必要なかったが、だからと言って集まってくる生徒たちが止まることはなかった。

確かに如何に無法者のゲヘナ生達とはいえ、よそ者にゲヘナ学園の敷地内に居座られて手も足も出ませんでしたではメンツが立たない。祭りは祭りでも本気で勝ちに行く、ゲヘナ生徒たちの認識がそういう風に変わり、そしてやはり一方的に撃滅された。

銃どころか対戦車ミサイルの類でも大きなダメージにはならず、戦車やヘリコプターはハエ叩きのように蹴散らされているため、この戦況もむべなるかな。

 

突然現れた怪物に蹂躙され打つ手なしのゲヘナ生徒たち。このままゲヘナ学園が破壊されていく様を眺めているしかないかと思われた。

 

しかし、希望は失われてはいなかった!彼らの前に颯爽とゲヘナの星が現れたのだ!え、マッチポンプ?何のこと?やだなぁ、生徒がこんな怪物を用意できるわけないじゃないか、常識的に考えて。

自分のやりたいこと、好きなこと、趣味や生き甲斐のためであれば法や良識なんて気にしないのがゲヘナ生だ(個人差があります)。人々からは普通に忘れられている部分もあるが操夜もゲヘナ生徒だし、実はヒナだってゲヘナ生徒。つまりそういうことだ。

さすがはゲヘナ、キヴォトスとかいうツッコミどころ満載の学園都市にあって、特別治安が悪いと言われる地域なだけある。

 

「どうするの?」

「俺がディフェンス、ヒナがオフェンス。これで行こうか」

 

しれっとヒナが現れたことで、星空コンビが始動した。どこから出てきたとかどうしてすぐに合流できたのとか聞いてはいけない。風紀委員会は前線に出ていなかっただけで戦況には注視していたためすぐに動けても不思議はない。

だから操夜が行動開始の連絡を取ってからヒナが合流するまでほとんど時間がなかったとしても、何もおかしなことはないのだ!決して操夜とジュリが二人で仲良く料理したり踊ったりしている様を柱の陰から覗いていた訳ではないゾ。具体的にどうしていたかは言及しないでおくが。

 

嗚呼、我が足元に生まれた美しくも儚き光よ!

「暴れるのもここまで」

 

ヒナのマシンガンがとんでもない火力を叩き出す。それはゾッシーの強靭な肉体を貫き、確かなダメージを与えていた。

ヒナとしても明らかに火力がおかしいことに気づかないはずもなかったが、操夜がやったことだと分かっているのでまるで気にしていない、というかむしろ喜んでいる。空崎ヒナ、絶好調である。

そんな相手をゾッシーが放っておくはずもなく、触手による殴打という質量の暴力を繰り出した、しかし。

 

光は歌う、人の枠組みの中で

 

目で追うのがやっとの速度で振るわれる太い触手に、操夜の弾丸が命中すると強烈な光の爆発が起こる。すると頑丈な巨大建築物さえ瓦礫に変える大質量の触手が押し戻されていた。

そんな二人の姿を見ていた周囲のゲヘナ生徒たちの中から歓声が上がる。ヒナ一人であれば畏怖が主であったであろう大衆感情を、操夜が意識的にプラスのものへと変化させているのだ。

 

これにはまともに個人を認識していなかったゾッシーも、初めて敵と認めて攻撃しだす。

しかしヒナが生み出す暴力的な火力はゾッシーの耐久力と回復力を上回っているし、並の攻撃は操夜によって防がれる。より強力な攻撃が来た時には持ち前の機動力を生かして操夜がヒナを抱えて移動する。

片手で一人抱えて普通に飛び跳ねられる操夜も、片手で抱き寄せられただけの状態で体幹を維持して射撃を継続できるヒナも、どちらも超人じみていた。

二人がキヴォトスという場所にあって、最強と言われることも納得できるだけの姿だ。

 

その様を見ていた誰もが目に焼き付けていた。ゲヘナにあって一等輝く星空コンビという名の二人の英雄を。二人が手を取り合って、強大な怪物を打ち倒すさまを。

この場の戦いこそが最新の伝説であり、見守る多くの生徒たちが伝説の生き証人となったのだ。

 

なお、強大な敵にコンビで挑むというシチュエーションと、胴に回された腕の力強さにヒナの脳が沸騰していたが、知られる必要のない事実というものが世の中あるものだろう。

 




ゾッシーの死体は消えておいしい料理に変わりましたとさ。

次回は当社比早めに出す予定です。最終章が始まるか始まらないかくらい。
Mission18「ZERO」(エスコン並感)が始まるまであと数話。

あとは評価とか、感想とかもらえると嬉しいです。
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