ハイスクール・フリート 海低から追い出された男たち   作:アフロマイク

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日露戦争に実質的に敗北し大陸への足掛かりをメタンハイドレートなどの、無理な採掘により本土の平野部の殆どを失った日本は海軍の増強と海上都市を築き上げ列強国として復活した
そして世界は欧州動乱、日米開戦危機を経て疲弊した世界は日米英の海洋国家を中心に国際機関が設立された後に世界各国の海軍、沿岸警備隊を統合して女性を中心に沿岸及びシーレーン確保と人命救助を行う『ブルーマーメイド』、男性を隊員として発足した遠洋国際機関『ホワイトドルフィン』が発足された
これはある事件を発端に落ちこぼれの人魚と問題児の海豚の闘いと青春の物語


第1話 秘密指令でピンチ!

 

東舞校生徒『こちら東舞校所属艦番号H6201伊201!!我、横須賀女子所属航洋艦『晴風』交戦の末損傷!現在航行不能!現在乗員数名が錯乱状態にあり!!至急救助を願う!!』

 

真っ暗な太平洋にポツンと浮かぶ一隻の潜水艦からひっ迫した救援要請が発信された

その船体は一見すると大きなダメージがあるようには見えないが艦橋上部や甲板部分に大きな爆発を受けたような傷がそこかしこに残っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~日本国・横須賀・海上安全整備局~~

 

高官①「これを反乱と言わず何という!!」

 

東舞校の潜水艦が攻撃された事を受けて緊急招集された海上安全整備局の高官たちは大いに焦っていた

 

高官②「伊201乗員からの報告によれば晴風の方からパッシブソナーを射ちこんできたそうじゃないか!これは明らかな戦闘行為だ!!」

 

高官③「この行動を黙って見ているわけにはいかない!!即刻横須賀女子所属艦艇に対して全戦力を投入してでも鎮圧しなければならない!!』

 

「「そうだ!一刻も早く反乱を鎮圧しなければならない!!」」

 

高官たちは頭に血が上りきっており過激な判断をしていた

 

宗谷真雪「待ってください!まだ演習の集合地点で何があったのかを確認できていません!それに彼女たちは武装した艦艇に乗っていたとしても我々の生徒でありこの事案の鎮圧は我々の管轄です!!」

 

これに反論するのは横須賀海洋女子海洋学校の校長を務める宗谷真雪

彼女は自分の生徒達を守るために行動している

 

高官②「そんな悠長な事を言っている時間は無い!!今回の反乱艦隊には武蔵、比叡もいるのだ!!これらの艦艇の主砲が市街地に向けられてみろ!!この国は終わりだ!!」

 

高官①「反乱者に学生も社会人もない!!これ以上の会議は時間の無駄だ!!」

 

そう言うと高官たちは席を後にする

 

真雪「待ってください!!まだ話は!!」

 

真雪の言葉は届かず退室する高官たち

一人残った真雪は焦りながらも冷静に次の手を考えていた

一人の教育者として、一人の母親として、一人のブルーマーメイドとして

すると真雪の私用の携帯電話が鳴る

 

真雪「もしもし?どうしたのあなた」

 

真雪は電話に出る

電話の相手は旦那のようだ

 

男の名は宗谷霜一郎

かつての活躍で『佐世保の悪魔』の異名をもつ現在は海洋安全整備局保安長官を務める男だ

 

霜一郎『真雪、そっちの説得はどうだった?』

 

真雪「あっちは聞く耳持たずよ。次の手を考えないといけない」

 

真雪はそう言いながら席を立ち海洋学校側でできることを探すべく学校へ向かおうとしている

 

霜一郎『そうか....実は男子海洋学校側は今日の朝に討伐艦隊を出す事を決定したらしい』

 

霜一郎の言葉に眉間にしわを寄せる真雪

 

真雪「海洋女子の生徒だけでなく男子も危険さらす気なの?!あの子たちはまだ子供なのに...まさか横須賀の分校も?!」

 

霜一郎『あぁ、既に大鯨は出港した』

 

真雪「なんて事...一刻も早く事態の詳細を調べないと....!!」

 

真雪のいう横須賀の分校とは男子校の大規模な改革で女子海洋学校を基に設立された東舞鶴男子海洋学校の分校である横須賀海洋男子学校のことを指す

完全な素人に反乱の討伐を命じるという狂った行動である

 

霜一郎『このままではいかんことはこっちも分かってる。それで実はある考えがあるんだ』

 

真雪「考え?」

 

霜一郎の考えに耳を傾ける真雪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霜一郎『実はこの討伐に参加を禁止された艦が二隻いるんだ。彼らを晴風に向かわせ護衛させようと思うんだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~4月9日午前5時・横須賀

 

続々と男子校の艦艇が出港していく

反乱艦隊を討伐するためだろう

そんな大騒ぎな艦隊を一隻の小さな艦艇がそれを眺めていた

 

 

 

男子海洋学校横須賀横須賀分校所属・海洋特務実習艦・小型海洋直接教育艦・燕

全長105m

全幅10.0m

基準排水量1145t

満載排水量1535t

最大速度33㏏

機関出力27000馬力

 

武装は主砲五十口径三年式十二糎単装砲 二門

   雷装九四式三連装六十一糎魚雷発射管 二基六門

   40㎜機関砲 一基

   20㎜機関砲 二基

   12.7㎜機銃 二基

   爆雷 18個

 

駆逐艦よりも小さく海防艦よりも高火力な武装を積んだ変わった艦だ

 

そんな艦の艦橋の昼専用見張り台に一人の生徒が討伐艦隊を眺めていた

 

幸三「参加したかったですか?」

 

そんな男子生徒に声をかけるのはこの艦の副長を務める白瀬幸三

声をかけられた生徒は幸三の方を振り返る

 

圭介「いや、入学早々大変な事態が起こってしまったなと思ってな」

 

彼の名は塚原圭介

この艦の艦長を務める男

 

幸三「しかしながら入学してすぐにこんな反乱が起こせると思います?」

 

幸三はこの事件に疑問を持っているようだ

 

圭介「正直言って有り得んだろうな。海洋学校は本当の意味で全国各地から入学者が選抜される。その後も成績や性格も考慮されてランダムにクラスを編成させる。もし反乱因子が学校に紛れ込んだとしても全艦艇を掌握し反乱を煽ることはできない」

 

圭介は冷静に返答する

 

圭介「まぁ、上層部はそんなことより事態の収束を優先するんだろう...」

 

幸三「簡単に言うもんですなぁ、お上のおっさん連中は..こっちにあるのは大きくても重巡洋艦だってのに武蔵を相手にしろって訳ですか....」

 

幸三は上層部を茶化すかのように両手を顔の左右に上げひらひらと動かす

 

圭介「ともかく今回の討伐艦隊に俺たちは勿論参加させられなかったわけだし、指令通り沿岸警戒にでも....」

 

真人「艦長、副長。お電話が..」

 

圭介がそんなこと言っていると艦橋から一人の生徒が二人に声をかける

通信員の安藤真人だ

 

圭介「こんな朝早くに?どこから?」

 

圭介は電話に不審に思い誰からかを尋ねる

 

真人「....海上安全整備局宗谷保安長官閣下からです....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

圭介・幸三「「....はぁ?!!!」」

 

その声は朝の静かな横須賀に大きく響いたという

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~航洋艦・燕・教室

 

寛介「何もこんな朝早くに起こさなくてもぉ....ぅぁああぁぁ....」

 

修斗「映画一気見するんじゃなかった....」

 

保「早く二度寝したい....」

 

林之助「貴様らそれでも艦橋担当か!!たるんでるぞ!!」

 

眠い目をこする生徒たちは航海長・南寛介、記録係・荒川修斗、水雷長・井守保

そして彼らとは対照的な様子で三人を嗜めるのは砲術長・小早川林之助

彼らはこの艦の艦橋を担当すると同時に航海科、水雷科、砲術科を束ねる幹部でもある

 

剛「大将、うっさい」

 

正三「ちょっと頭に響くんでお口チャック頼む」

 

そんな林之助に静かにするように頼む砲術員、渡部剛と平塚正三

 

林之助「な、なんだと?!俺が悪いのか?!」

 

まさか自分の部下に文句を言われ困惑する林之助

 

大和「しかし、非常呼集って何なんだような?」

 

謙信「ゴルフ関連....ではねぇべなぁ....」

 

大和「それは絶対に無い。いや俺もゴルフの話題は気になるけど」

 

今回の非常呼集を疑問に思うのは水雷員の森本大和、林謙信

 

謙也「なぁ真人。お偉いさんから連絡がきたのは間違いないんだよね?」

 

真人「あぁ、間違いない。その時最初は教官が出てきたから本物だと思う」

 

翔太郎「しかしそんなお偉いさまが俺たちみたいな掃き溜めに何の用なんだろうな?」

 

真人「分からない...電話を変わった後副長から非常呼集をかけるように言われて要件を聞けなかった」

 

幹信「絶対ろくな話じゃなさそう...」

 

真人を質問攻めにするのは同じ航海科の生徒である中野謙也、小嶋翔太郎、今井幹信

 

雅久「...艦長たちが来る....でも4人?....誰だ?」

 

蓮「教官達も来てるのか?」

 

雅久「いや音の重みが違うし...そもそも初めて聞く靴の音だ...」

 

耳をすまし音を探っているのはこの艦の水測員を務める、斉藤雅久

彼と話しているのは見張り員を務める、村松蓮

 

 

彼ら以外の生徒も状況に困惑しているのか教室はざわついていた

そんな中、教室の扉が開く

扉が開くと生徒たちは一斉に静まり返った

 

圭介「みんなおはよう。こんな朝早くに非常呼集をかけて申し訳ない」

 

一先ず謝罪をする圭介

 

寛介「一体何があったんですか艦長...」

 

翔太郎「真人から聞いたんですが長官閣下から電話がきたらしいじゃないですか!」

 

幹信「それも関係あるんですか?!」

 

圭介「一先ず落ち着いてくれみんな。確かに長官関連だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

圭介「宗谷保安長官から我々に反乱艦晴風の捜索及び保護せよとの任務が下された」

 

 

 

 

 

圭介から出た言葉に困惑のあまり言葉を失う乗員達

 

保「...目ぇ覚めちまったよ...」

 

輝喜「晴風ってあの教員艦を沈めたっていう反乱の先兵の?!」

 

圭介「あぁ、教員艦を沈めた上に東舞校の伊201を航行不能にしたあの晴風だ」

 

伊201の撃破を聞きどよめく教室

 

剛「マジかよ...俺たちも参加するのか...」

 

正三「海洋学校に入った以上、準公務員みたいなもんだから覚悟してたけど...」

 

謙信「.......」

 

反乱を起こした艦艇の捜索

これは学生たちが参加するにはあまりにも危険すぎる任務

その上彼らが捜索する艦はこの事件で最も攻撃的な行動を取っている航洋艦晴風

中等部から海洋学校に通ってきた者が多いとはいえ不安を感じる乗員達

 

直樹「.......」

 

徳人「わぁ!!直樹が泣いてる?!」

 

鉄平「大丈夫?!そりゃあ怖いよな?俺も正直怖い!!」

 

黙り込んで涙を流していたには副機関長を務める、津田直樹

 

そんな彼を慌てて慰めようとしているのは機関員を務める、細川徳人と落合鉄平

 

直樹「違う!!俺は感動してるんだ!!!!!」

 

しかしそんな二人の心配もつゆ知らず怒鳴り返す直樹

 

鉄平「か、感動.......すかッ?」

 

困惑する鉄平

 

直樹「だってそうだろう!?入学早々から他艦のクラスからは島流しだの、無能の掃き溜めだの港の肥やしだの言われて押し込まれた艦は艦で小型航洋直接教育艦と聞こえはいいが実際は駆逐艦でも海防艦にも区分されないような中途半端な上にトップヘビーで運用が難しいこの艦を押し付けられた我々があの佐世保の悪魔と名高い宗谷保安長官閣下から直々にご命令をくださったんだぞ!!これを名誉と言わずに何という!!」

 

直樹の言葉に乗員達はハッとする

彼らは中等部時代に問題を起こしたか入学時の成績がギリギリだった者たち

花形の潜水艦には乗れず中堅の水上艦艇すらにも乗れなかった者たちが今この瞬間初めて人に必要とされている事は彼らを奮い立たせるのに十分だった

 

信之介「.......艦長、うちの機関助手がすまねぇ」

 

圭介「いえ、大丈夫です山根先輩」

 

自分の部下の暴走を謝罪するのはこの艦の機関長を務める、山根信之介

ちなみにこの艦には一年生のみが乗艦しているが山根は唯一の二年生であり留年生でもある

 

圭介「津田くんの言うようにこの任務は落ちこぼれの俺たちが活躍できるチャンスだ。これを逃さないでどうするか!!」

 

圭介は乗員達を鼓舞する

 

翼「そうだ!!それに俺たちは将来ホワイトドルフィンの隊員になるんだ!!」

 

良吾「実戦が早まっただけだ!!覚悟は出来てるぜ艦長!!!」

 

圭介の鼓舞に勇ましい返事を返すのは機関員の中島翼、石塚良吾

 

祐樹「反乱艦隊を落ちこぼれチームが追う.......小説のネタにぴったりだ!!」

 

正樹「こんな時でも小説書くのかお前は.......」

 

この状況でも小説を書こうとしているのは応急員の坂井祐樹、そしてそんな祐樹に引いているのは応急長を務める岸本正樹

艦内は一気に海の丈夫達の活気に溢れていた

 

圭介「一先ず作戦概要と我々の新しい仲間を紹介しなければならない」

 

圭介がそう言うと二人の男子生徒が教室に入ってきた

 

圭介「紹介しよう今回の捜索に我が艦に乗り込んで参加してくれる我々の新たな家族。長谷川雅刀航海員と今事件で晴風と同じく行方不明となったドイツ艦『アドミラル・グラーフ・シュペー』の随伴艦を務めている水雷艇ルクス副長を務めるハンス副長だ」

 

そう言うと紹介された二人は一礼し挨拶を始める

 

雅刀「今回の捜索作戦を受けまして魚雷艇から航洋艦燕に移籍となりました!長谷川雅刀です!!航海科所属です!!よろしくお願いします!!」

 

ハンス「エッカーンフェルデ校から留学してきたハンス・ヴォルフガング・フォン・ランゲだ。よろしく頼む。今回の作戦には我々の水雷艇『ルクス』も参加する。本来なら艇長が挨拶をするべきなんだが彼はまだ日本語が不得手でな。許してくれるとありがたい」

 

修斗「ドイツの艦も行方不明なのか?」

 

二人の自己紹介が終わると修斗が行方不明のドイツ艦について質問する

 

幸三「今回の演習に参加する予定だった艦は軒並み行方不明の状態だ」

 

修斗の質問に幸三が答える

 

圭介「それでは宗谷保安長官からの命令を教える。副長、頼む」

 

幸三「了解」

 

幸三はポケットからメモを取り出し読み上げる

 

 

内容は以下の通り

 

①小型海洋直接教育艦『燕』に現在行方不明の航洋艦『晴風』及びドイツ艦『アドミラル・グラーフ・シュペー』の捜索に参加すべし

②本作戦で投入する艦艇は航洋艦『燕』、水雷艇『ルクス』の二隻である

③本作戦の目的の第一目標は『晴風』の保護及び事情聴取である。また現在横須賀海洋女子所属艦艇に対して帰投命令が出ているのでそれらの援護も目的とする

④保護が困難の場合は拿捕しても構わない上戦闘行動は承認される

⑤保護及び事情聴取に成功し帰投する際には全艦艇に向けて情報を共有せよ

⑥また帰投中に如何なる勢力から攻撃を受けた際における自衛戦闘は許可されている

 

幸三「以上が指令である」

 

幸三からの作戦の詳細を聞いた乗員達の目には曇りはなく闘いを覚悟した男たちの姿がそこにあった

 

圭介「みんな用意はいいな!!善は急げだ!!配置着け!!」

 

圭介の号令がかかると全員が立ち上がり駆け足で配置に向かう

 

圭介「出港準備!!前部員配置付き次第錨鎖詰め方!!出港用意!!錨を上げろ!!!」

 

前甲板についた乗員が配置に付き作業を行う

錨が上がり切ったのを確認した乗員が赤旗を下ろし青旗を上げる

 

寛介「ラッパ吹けぇ」

 

航海長の号令を受け勇ましい出港ラッパが朝焼けの空に響き渡る

 

圭介「両舷前進微速150度宜候!!晴風捜索特務艦隊旗艦『燕』出港!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

かくして二隻の落ちこぼれと留学艦は大海原へと飛び出した

後にこの事件が『横須賀事件』と呼ばれることを彼らは知らない

 

 

 

 

 




どうもハリー海軍上等兵です。
本当はガルパン二次創作を挙げてからはいふりは仕上げる予定でしたが今年は二級ガソリン・ディーゼル自動車整備士の試験を控えているので執筆が大きく遅れると予想したのでならば温めてきたネタが投稿できなくなると考えたので退路を断つ意味も込めてはいふりの二次創作も進めていく運びとなりました
亀以下の更新速度になりますがよろしくお願いします!!!
以上ハリー海軍上等兵からでした!!
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