知り得たか?フハイの賢老、クヴァールを(本編完結)   作:月光好き

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コソコソ……

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コソコソ……





『全身全霊』

 

 

 

「と言う訳だからさ、僕たちもいかないと多分全滅するんだよね」

「いや、いきなり来ておいてどういう訳なのよ」

 

 

時は少し戻り。

迷宮内、そのとある広間。

 

デンケンの複製体が崩れていくのを確認しつつ、ラントは戦っていた三人に対してそう切り出す。

 

それに対してエーレから当たり前のように疑問を返され、状況を整理して教えた方がいいかと判断した彼は、改めて口を開く。

 

 

「状況はフリーレンの魔法で聞いてるだろう? 門番をしている彼女の複製体はフェルンと二人で対処している」

「あぁ。んで邪魔が入らないよう、残った魔族の複製体を他の受験者全員で足止めしてるんだろ?」

「そう。……だけど、大丈夫なのは今だけだ。時間をかけるほど敵は強くなるみたいだし、今の戦力じゃ覆されるだろうね」

 

 

確信を持った口調、まるで戦況を今も確認しているかのように話すラント。

 

問いに答えつつその様子をヴィアベルは観察するが、彼が何を求めているのかを聞くために詳細を問うのは後回しにすることにした。

 

 

「だからさ、三人には余力がある状態で援護に来て欲しいんだ。多分だけど、今回の要は君達二人の魔法にあると思うから」

「……へぇ」

「…………」

 

 

ラントに視線を向けられてヴィアベルはニヤリと笑い、シャルフは無言で彼の指示を待つ。

 

何故首席で卒業しているエーレではなく、自分たち二人なのか。

 

そこが少し気になったが、基本的にラントにこちらを誑かすつもりはなさそうだ。

むしろどこか回答を急いているようにも見え、今も余計なことは言わずにこちらの判断を見守っている。

 

 

「まぁ良いぜ、乗ってやるよ」

 

 

完全に複製体が消滅したのを確認し、ヴィアベルはそう答えた。

 

判断を任せているとはいえ、ラントが詳細をあまり話さなかったのに承諾した。

そのことが少し気になったシャルフは彼に尋ねるために口を開く。

 

 

「いいのか、ヴィアベル?」

「あぁ。こいつは半ば相打ち覚悟の不意打ちで、一気に爺さんの複製体を削った」

 

 

そう言いながらヴィアベルはラントに視線を向け、シャルフとエーレもそれに追従する。

 

彼の右肩は光の矢を至近距離で受けたことで負傷し、左腕は超至近距離から杖無しで一般攻撃魔法を放ったことで火傷を負っていた。

手痛いダメージを負っているように見えるが、これのおかげで複製体を一気に消耗させ、ある程度の余裕をもって倒せたのだ。

 

そしてリスクを背負ってまで確実な不意打ちを行った理由、それは間違いなく先程の要求が関わっているはずだ。

 

 

「無茶をしてでも俺たちの魔力を残す必要があった。つまり、そのくらい状況は切羽詰まってるって事だろ?」

「そうだね、こう話している間にも……ッ」

「……どうしたの?」

 

 

そう言いつつ言葉を続けようとするも、何かに気づいたかのようにラントは視線を後方に向ける。

その様子を見てエーレが問いかけるが、彼はそれには答えずに視線を戻して右手をかざして彼らの前に画面を映し出す。

 

 

「はいこれ、足止めしている部屋までのルート」

「お、ありがてえな」

「じゃあ頼んだよ。こっちも予想より早いみたいだし、僕も動くから」

「何を……え?」

 

 

中途半端ながらも目的地までのルートが示されたマップだとわかり、素直に礼を言うヴィアベル。

そして三人がある程度把握したことを確認した後、ラントはそう言い残すと同時に足元から崩れ去り、姿を消した。

 

その様子に驚きつつも、マップが正確であることを確認した三人。

先程のラントの様子が気になったエーレは、先に歩きだしたヴィアベルに尋ねるために追いかけながら口を開く。

 

 

「ねえヴィアベル、あれって幻影魔法と言っていいの?」

「いや、魔法を使っていたし実体もある。分身魔法ってところじゃねえか? ……道理であの攻撃ができたわけだ、やってくれるぜ」

 

 

 

 

 

「……まさか私、分身相手に完封されていたのか?」

 

 

考察しながら歩を進める二人。

その後ろをついてくる約一名の声が悲しそうな気がしたが、そのことに二人が気付くことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……さて、どうしたものか)

 

 

自身の防御魔法を挟んでクヴァールの複製体と相対するラントはそう考えつつ、ラオフェンの手を借りて立ち上がるデンケンの様子を横目で見ながら思考する。

 

見た所外傷はなく、肩を押さえているがそこから出血や骨折をしている様子もない。

やはり先程放たれた魔法の殺傷力は低く、衝撃で体勢を崩していただけだったのだろう。

 

 

(魔力探知に引っかからなかった。……と言うよりは周囲に飛ぶこいつらに紛れていた、と言った方が正しいだろうね)

 

 

周囲を飛び回る青い蝶。

これらはクヴァールの複製体が生み出したもので、詳細は不明だが間違いなく奴の魔法によるものだろう。

 

先程放たれたあの魔法。

完全に魔力を隠蔽できているわけではないが、察知するための探知魔法には周囲の蝶もすべて反応する。

つまりは部屋全体に漂っている奴の魔力反応、その中を高速で移動する僅かな揺らぎを見分けなければ弾道を予測することは難しいだろう。

 

本体が放つ人を殺す魔法(ゾルトラーク)を対処しながら周囲の蝶にも気を配り、その上でわずかな魔力反応を見逃さないよう細心の注意を払う。

 

それこそが奴と戦う上で必要な技能となる。

そう結論をまとめたラントは杖を構え、周囲に煌めく漆黒の光を眺めながら呟いた。

 

 

「うん、無理じゃない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は彼の援護に。カンネさん、防御魔法をお願いします」

「わかりました!」

 

 

態勢を整えるため、カンネ達と合流していたデンケン。

メトーデとカンネが移動していくのを眺めつつ先程の攻防を思い返す中、ラオフェンが口を開いた。

 

 

「爺さん、さっきのは何?」

「……わからぬ。魔力探知を怠ったつもりはない、その中をすり抜けてきた何かが儂に当たり、魔法を中断させたのだ」

 

 

ラオフェンにそう返しつつ、魔法が命中したであろう右肩をさする。

その手を見てみるが出血の様子はない。軽く自身の様子を確認したが毒や痺れと言った呪いの兆候もなく、本当にただ強い衝撃を加えられただけのようだ。

 

 

「魔法の正体が気がかりですが……それを考える時間もなさそうですな」

「あぁ、だが既にわかっていることもある。……どうやら、あの隠蔽能力は奴自身にも適用されるようだ」

 

 

体勢が崩れた瞬間。

ずれていく視界の中だったが、クヴァールの複製体の指先は確かにこちらに向けられていた。

 

挑発の意味も込められていたラヴィーネを狙った時とは違い、明らかに狙いを定めることが必要だったとしか思えないあの行動。

 

それはつまり、大元はともかく複製体はあの魔法をまだ完全に習得していないということだ。

指先からでないと軌道を定められず、相手に追尾する魔法(ラゴニコ)などの付与魔法をつけることもできない。

 

 

「それならば……今ならば対処はできるだろう。だが、それがいつまで続くかは」

「へぇ、よくわかったね」

「「「ッ!?」」」

 

 

頭の中で戦法を整えつつ、立ち上がろうとするデンケン。

しかし背後から突如声を掛けられ、その声の正体を知っている三人は驚愕しながら振り向いた。

 

 

「その予測の通り、あれを使うには狙いを定める必要がある。指先を向けてきた時は飛行魔法で回避するか、人を殺す魔法(ゾルトラーク)の対処ついでに防御するのがいいだろうね」

「え……あれ、なんで?」

「ラント殿!?」

「幻影……いや、分身魔法か」

「そう、実体を持っているから魔法を使える。まぁその分、魔力消費も大きいんだけど」

 

 

声の主であるラントはクヴァールの複製体から視界を切るように柱の陰におり、魔力制御もした状態で三人に話しかける。

 

改めて前方を見るがそこにもラントはおり、現在進行形でクヴァールの複製体による猛攻をしのいでいた。

 

 

「じゃあ、あそこで戦っているラントは分身って事?」

「……さてね、本物かもしれないし分身かもしれない。それは僕自身にも言える事だけど、敢えて言うなら僕ならある程度の負傷を許容して積極的な足止めができるってことだよ」

「そ、そうなんだ……」

「…………」

 

 

それは暗に分身であると言っているようなものではないか?

ラオフェンはラントの物言いにそう考えたが、それ以上突っ込まないことにした。

 

 

「なぜそれがわかる?」

「さっきまでの君達の戦いを観察していたのと、今こうして戦っている中で試しながら把握しているから。普通なら悠長なんだけど、僕ならその機会を少しだけ増やすことができる」

「ふむ……ならば聞こう、おぬしならどう戦う?」

「……そうだね」

 

 

柱の陰に立ち、顎に手を当てて考えるラント。

数秒もしないうちに手を離し、視線を上げて口を開いた。

 

 

「一応手は打っておいたから、増援が来るまでは消耗覚悟の時間稼ぎ。今までのやり方はそのままで、僕はあなたと一緒に戦っていく感じかな」

「増援が来るまでの時間は?」

「既に複製体との戦闘は終わって、こっちに向かっているよ。分身の僕が道案内をする予定だったけど途中で解くことになったから、細かい時間はわからないけど」

「……なるほど」

 

 

恐らく生み出せる分身には上限があるのだろう。

デンケンはそう推測するが声には出さず、ラントに続きを促す。

 

 

「で、合流次第準備を始めて策を打つ感じかな。彼らの魔法を使ってあれの無力化を狙うのが現状最も勝率が高い」

「……決まりだな、お前の策に乗ろう」

 

 

倒すのではなく、無力化。

この戦いの勝利条件を正しく認識していることをデンケンは感じ取り、承諾して飛行魔法を使用する。

 

 

「ラオフェンは地上から蝶の数を減らしてくれ。ドゥンストはその援護を」

「うん」

「わかりました」

「……さぁ、ここからが正念場だ」

 

 

何はともあれ、攻撃の手数に直結しているあの蝶を消さないことには空中にいても削り取られる。

そう判断したデンケンは二人に簡潔に指示を飛ばし、向こうで戦っているラントと合流すべく飛び立った。

 

 

 

 

 

「…………さて」

 

 

走り出した二人を後方から見送ったラント。

彼は今現在も自分と戦っているクヴァールの複製体を見つめる。

 

しばらく観察していると奴の周囲が煌めき、数多の黒い光線が放たれる。

それを向こう側のラントは飛行魔法を使って回避するが、その様子を見て彼は少し眉を顰める。

 

 

(まずいね、誘われている)

 

 

そしてその予想は当たり、回避軌道が絞られた状態で極太の光線が放たれた。

 

そのルートで移動せざるを得ない以上、回避することは不可能。

防御魔法が間に合ったようだが足を止めてしまい、そこに数多の光線が降り注ぐ。

 

そのまま追撃されるかと思ったが援護が間に合い、クヴァールの複製体は迫りくる一般攻撃魔法を防御魔法を展開して対処する。

それによって攻撃の密度が下がったことで脱出に成功し、無事(?)向こう側のラントはデンケンと合流できたようだ。

 

 

(良くて五分、時間がたてばもう無理って感じかな。……間に合うといいけど)

 

 

戦況を観察し、そう判断したラント。

彼は魔力制御によって存在を隠しながらその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

階段を下りたあたりから響き続ける戦闘音。

それが徐々に大きくなっているのを感じつつ、ヴィアベル達三人は手前の部屋まで迷うことなく移動することができた。

 

 

「間違いない、この先だ」

「すげえ音だ。聞いてた通り、封殺できているわけじゃなさそうだな」

「……あぁもう、嫌になる。複製体とは言えなんで大魔族相手にッ!?」

 

 

一先ず呼吸を整え、準備を終えて入ろうとした矢先。

入ろうとした門側の壁、そこを轟音とともにぶち抜いた何かが三人のすぐ横を通り過ぎた。

 

一瞬で視界の横を過ぎていったそれはその勢いのまま壁に当たり、大きな罅と陥没を作る。その衝撃音から勢いを察することができるだろう。

 

 

「やぁ、思ったより早かったね」

 

 

煙が晴れると、そこには防御魔法を展開している状態のラントがいた。

衝撃だけは防げていたようで、全身を包んでいた防御魔法が半分ほど埋まっている状態から何事もなかったかのように出てくる。

 

そして呆然と眺めている三人に気づいた様で、表情を変えずに声をかけた。

 

 

「おぅ、待たせたな。大丈夫か?」

「手足は残ってるから大丈夫なんじゃない?」

「丸焦げで身体から煙出ているのによくそんな軽口叩けるわね!?」

 

 

何事もなかったかのように会話するラントとヴィアベルに対し、驚きながら声をかけるエーレ。

 

それもそのはず。吹き飛ばされた衝撃こそ防げていたが、その道中で受けた傷は中傷以上と言っても過言ではない。

服装は汚れと損傷まみれで、あちこちに被弾した跡がある。どこかで規模の大きな一撃を受けたからか、身体からは湯気のような煙のような何かが立ち上っていた。

 

 

「気にしなくていいよ、大丈夫だから。で、さっきは言えなかった奴の対策についてなんだけど……」

「決め手は俺の【見た者を拘束する魔法(ソルガニール)】。そんで……」

「私の【花弁を鋼鉄に変える魔法(ジユベラート)】はその援護、で合っているな?」

 

 

ラントが言う前にヴィアベルとシャルフが回答する。

そしてそれは正解らしく、彼は表情を変えることなく口を開いた。

 

 

「話が早くて嬉しいよ。まぁ援護と言うよりほぼ主力だから、防御魔法は彼女に任せて全力で回してくれ」

「何?……いや、わかった」

「それじゃよろしく。あと防いだ方がいいよ」

「ッ、エーレ!」

 

 

そう言ってラントは飛行魔法で浮かびつつ、防御魔法を展開する。

 

直後に壁の向こう側からの脅威を感じたヴィアベルはエーレに指示。彼女が防御魔法を展開するのとほぼ同時に、壁を壊しながら人を殺す魔法(ゾルトラーク)が四人に殺到する。

 

衝撃が終わり、エーレは防御魔法を解除する。

既にラントは部屋の中に飛び込んでいったようでこの場にいなかった。が、それよりも彼女にとって予想外だったのは今の攻撃だ。

 

 

「今のが人を殺す魔法(ゾルトラーク)!? 威力がおかしい……!」

「それが来る前提で防いでくれよ?いくぞ!」

 

 

エーレにそう返しつつ、真っ先に部屋に入るヴィアベル。

背後から二人がついてくるのを感じつつも、部屋の状況を見て意識が切り替わっていくの感じる。

 

 

 

 

 

――そこで行われていたのは、攻防入り乱れる高速戦だった。

 

弾幕を空中で避け続けるラントとデンケン。

地上で蝶の迎撃を行うメトーデとドゥンスト。

迎撃に集中できるよう間を縫って放たれる人を殺す魔法(ゾルトラーク)を防ぐカンネとラオフェン。

 

……そして、飛び回りながら全員の攻撃を対処し、反撃を続ける魔族(クヴァール)の複製体。

時折指先を受験者の誰かに向けているが、それに追随して魔法を使う様子はない。しかしその瞬間に受験者は攻撃を中止して回避行動に移っており、それが数の差による強引な攻めを抑え込む要因となっていた。

 

 

「どうする、ヴィアベル?」

「……そうだな。お前らは地上にいる四人と合流しろ、俺は飛んでいる二人と組んで狙う」

「あぁ」

「わかった!」

「ついでに奴が指先を向けている時だけ大袈裟に避けてる理由も聞いとけ。そいつが多分シャルフの仕事だ!」

 

 

そう言いながらヴィアベルは飛行魔法を使用し、敢えて部屋の隅に沿うように移動する。

 

そのままクヴァールの複製体の背後を取るように動こうとするが、奴はすぐさま振り向いて大量の蝶を生み出した。

 

 

「ま、そうだよな。記憶を読んでいるってことは、見た者を拘束する魔法(ソルガニール)の弱点も知ってるわけだ」

 

 

そう呟きつつ、ヴィアベルは人を殺す魔法(ゾルトラーク)の弾幕を飛行魔法で潜り抜ける。

彼の視界、クヴァールの複製体と自身の間には複数の蝶が常に滞空しており、それが奴の全身像を捉えることを妨害していた。

 

とは言え注意は惹けた。単純に数が増えた分一人当たりの密度は下がるだろうが、こちらの密度は上がるかもしれない。

 

単独は無理、ならばやはりこちらも連携すべきだろう。

そう判断したヴィアベルは回避ついでに一般攻撃魔法で牽制しつつ、デンケンとラントの傍まで移動する。

 

 

「ッ、来たか」

「おう、あいつの情報をくれ」

「基本は人を殺す魔法(ゾルトラーク)だけだが派生が多い、特に圧縮されたものは防御魔法を数発で砕くぞ」

「あと周囲に浮かぶ蝶は触媒だ。あれの周囲だけじゃなく、あの蝶からも人を殺す魔法(ゾルトラーク)が飛んでくるよ」

「ハ、随分とやりたい放題してくれるじゃねえか。……が、そういう事か」

「そう、そういう事」

 

 

状況を把握し、即座にラントが自分達を呼んだ理由を察するヴィアベル。

 

 

「ラント。こ奴らが来る状況まで来たが、本当にうまくいくのだな?」

「最初に君達が戦ってくれたおかげで、現時点でのあいつの手札は全部割れた。こうして彼らが来てくれたことで、対抗できる手札も揃った。……あとは手札を切るタイミングだけかな」

「……メトーデ次第ということか」

「うん、タイミングを決めるのは一歩引いた場所にいる彼女のほうが適任だ。つまりそれまでは――――!」

 

 

ラント達は会話を続けようとするが、周囲からの圧を感じて飛行魔法で回避行動をとる。

 

先程まで彼らがいた場所に人を殺す魔法(ゾルトラーク)が殺到し、回避した先を追いかけるかのように軌道が曲がる。

それをひきつけつつ部屋内の柱にぶつけるように移動することで対処し、三人はほぼ同時に一般攻撃魔法を放つ。

 

それを見たクヴァールの複製体もまた飛行魔法による回避を選択。

その巨体には見合わない繊細な動きで、光線の隙間を潜り抜ける。

 

 

「――こんな感じで、出来る限り消耗を抑えながら戦うことになるね」

「いいな、面白くなってきた。爺さん、魔力はあとどんくらい残ってる?」

 

 

牽制をしつつも、再び膠着状態に戻る。

そんな中合流して会話を再開したラントに対し、ヴィアベルはニヤリと笑って答える。

 

そしてそのままデンケンの様子を見ながら問いかける。

外見はラントと違って負傷している様子はない。だが彼よりも長く前線で戦い続けていたこともあり、感じる魔力量は明らかに減っていた。

 

 

「長くはもたん。だが儂のことを気に掛けるな、魔力切れになる寸前まで動ききってみせよう」

 

 

しかしデンケンは微塵も不安を感じさせない態度で佇み、クヴァールの複製体に注意を向けている。

そして再び攻防戦が始まるのを感じ取りながら口を開き、そのまま行動を開始した。

 

 

 

 

 




感想・評価共に本当にありがとうございます。
この一年半全く更新してなかったにもかかわらずちょくちょく届いており、本当に励みになっていました。



えーと……本当にお待たせしてしまいました、すみません!

状況を簡潔に話しますと、

①この話で戦闘を終わらせたかった(無理でした☆)
②道中ショックな出来事が起こり、インターネット自体から離れていた
③戻ってきた頃には時間が経ちすぎており、再開するタイミングとモチベーションを失っているうちに1年以上たってしまった。


とまぁこんな感じでした。
とはいえフリーレンもアニメの続きが来年1月からというのもあり、いい加減この章を完結させねばとも思ったわけでして。

そんなわけで今回はリハビリもかねての投稿です。書き方が変になってないか凄く不安ですね……。

ではまた、次話でお会いしましょう。


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