ようこそ!超能力部です!   作:YY:10-0-1-2

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第104話 金之助と快弦

 

 超能力部のみんなが返った後、その場には金之助と快弦が残っていた。

 快弦は黙り込み、金之助は、彼女を眺めていた。

 快弦は、そんな金之助を睨みつけていて……。

 

『何よ』

「いや、なんかちっちゃくて可愛いなぁっと……」

『はぁ!!?』

 

 ぷんぷんと怒り出す快弦。

 そんなものをみて、金之助は笑う。それを見て、快弦は怒りつつも……ふふっ、と笑う。

 

『また、会えるとはね』

「それは俺のセリフっす」

 

 快弦の言葉を聞いて金之助は言って微笑みを浮かべる。

 金之助にとって、彼女は心の支えになっていた。まさかこんなところで再開するとは夢にも思わないだろう。

 しかし、今、たしかに目の前にいるのだから、人生とは何が起きる変わらないものである。

 

 金之助は、ひとりでに口を開く。

 

「快弦さんが死んでから、すげぇ泣いたっす」

『…………』

 

 快弦は黙り込み、金之助に近づく。

 金之助はそんな彼女を見て、手のひらに乗せる。そうして、彼女を見つめ続けて……。

 

「俺、守れなかったって」

 

 金之助はそうこぼして、ぽと。ぽとぽとと、机が濡れる。

 そこには、友達想いな、優しくて強い金之助はおらず、ただただ、大切な人が目の前にいて、懺悔しているだけの青年になっていた。

 快弦は、金之助の顔を見て、息を呑んだ。

 

『……あんたが泣いてるの、初めて見た』

 

 そう呟いて、彼の顔を見たまま、何も出来ずに固まっていた。

 

「快弦さん、一人で悩んでたのに、俺は、気づいて、あげられなくて……俺は、快弦さんを……つるめ、さんも……」

 

 ぽろぽろと、机に涙がこぼれる。

 金之助は、涙を止めず……いや、止められず、そのまま続ける。

 

「ずっと、後悔して、ずっと、心に、残ってて、それで……」

『……ばっかね』

 

 快弦はそっと言ってから、彼女は、空中に浮いて、金之助の頬を撫でる。

 

『裏切るつもりだったのに、ここ、馬鹿みたいに人に親切するんだから』

 

 快弦は言って……ふっ、と笑う。

 それを見て、金之助も……優しく笑う。顔はぐちゃぐちゃで、それなのに。なぜか、心地よくて。

 

『あなたのこと、好きになっちゃうじゃない』

 

 快弦はそういって、顔をほんの少しだけ赤らめる。

 告白だった。不器用な告白で……それでも、ちゃんと、聞こえるように。金之助がそれを聞けるように。はっきりと、彼に伝えた。

 それを聞いて、彼は……

 

「知ってるっす。俺も……好きっすから」

 

 ……金之助も口を開いて、言った。

 その言葉に、更に顔を赤くさせて、パクパクと口を動かす快弦。それを見て、金之助が微笑む。

 

「ずっと、目で追いかけてたっすから。きっと、好きなんだなぁって」

『は……な…………え……』

「ふふ、変な顔してるっす」

 

 金之助はそう言って、彼女のことを撫でる。

 小さいから、人差し指だけで撫でる。ころころと、動いて……。

 

「なんか、団子こねてるみたいっす」

『次それ言ったら絶交だから』

「ご、ごめんなさい……」

 

 そう言いながらも、撫でられて気分がいいのか笑顔を作る快弦。

 そんな快弦を見て、ようやく自分の中のものを消化できた、金之助であった。

 

『まさか、あんたに恋するとはね……私って、ちょろいのかな』

「? 快弦さんはチョロくないんすか?」

『どういう意味だコラ』

 

 快弦はプンプンとまた怒り始めて、金之助がまた、それをなだめる。

 そんな光景は、二人にとって慣れたものであり……そして、かけがいのないものであって……永遠に二人をつなぐものでもあった。

 

『……それと、聞こえてたから』

「? 何がっすか?」

「あいつ、倒した後の」

 

 金之助は思い出そうとして、固まる。

 

『……快弦さん。終わったっすよ』

 

 あれか、と思い立った金之助は、汗を垂らして手を振る。

 

「いやいや、聞かなくても良かったのに!」

『春乃が近くにいるんだから仕方ないでしょ!』

 

 そういって、金之助のことを軽く叩いて、金之助の方に顔を押し付ける。

 ぐす、っと声が響く。

 

『最高に……最っ高に、かっこよかった』

 

 それだけいって、金之助の指が、快弦のことを撫でる。

 ちゃんと、しっかり、しっかり、その存在を確かめるように。

 

 遠くで響いている、帰宅していく運動部の声を聞きながら……二人を夕焼けがながめるのだった。

 ゆっくりと……時間が、進んでいく……。

 

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