ようこそ!超能力部です!   作:YY:10-0-1-2

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第105話 修学旅行の醍醐味といえば……

 

 修学旅行一日目。私たちは東京駅に来ていた。駅が大きくて、迷いそうだった。なんとかたどり着いてよかった……。

 私は、はぁ、と息を吐いて……眼の前に見覚えのある人たちが見える。

 私はその人たちに近づく。

 

「あ、みんな、春乃来たよ」

「ん……おはよう、春乃」

「おはよう、蟹菜ちゃん、冷世ちゃん……鬼円は?」

「別の連中と話に行ったよ」

 

 蟹菜ちゃんはそう言い、冷世ちゃんが目を向けて居場所を教えてくれた。

 見れば確かに、クラスの男子といっしょにいる。なにか話し合っていて……そこに別のクラスの女子が入って……。

 鬼円が女子の言葉に手を振り、何かを断って、男子の一人がそれを見て何かわ喋ったのか、鬼円が目を吊り上げて怒っている。

 

 

 なんだか、たのしそうだな……。

 

 

「嫉妬ですかーい?」

「違うわい!!!」

 

 私は言いながら、鬼円から目を離す。

 別にそう言うんじゃないよ……ほんとに、嫉妬とかじゃないし……。

 でも、やはり……修学旅行といえば、このワイワイ感がいいんだよね。みんな私服で来ていて、いつもと違う姿を見られて、なんだか面白い。

 

 蟹菜ちゃんは、パーカーに、動きやすそうな半ズボンで、肩には、大きめのスポーツバッグが……って。

 

「それ、何入ってるのさ」

「ん? 化粧品でしょ、着替えに、後はお菓子に……」

「着替えって……それ、前日に送るやつじゃないの……?」

「え」

 

 蟹菜ちゃんが小さく言って、固まる。

 あーあ、あるあるというか……送るバッグを間違えるやつって言うか……。

 っていうか、着替えが入ってたとしても、お菓子と一緒に入れないでしょうが……。

 

「そういう冷世ちゃんは……少ないね」

「まぁ、少しでも楽になりたいからね」

 

 冷世ちゃんはマフラーと、コートという、完全防御の状態で来ていた。

 ……まぁ、気温はかなり冷えているからね……私も、上を羽織ってきたわけだし。

 秋になって、やはり夏よりも肌寒くなっている。

 

「さて、乗り込みと行きますか」

「うん。先生のところいかないとね!」

 

 私達は歩きだして、担任の先生のところへと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 新幹線に乗り込む時に先生に変なことを言われた。

 他の学校の子たちもこの新幹線に乗るらしいが、席に問題があって、二人だけ私達、向花高校の席に来るらしいのだ。

 私はそれを聞いて、みんなに伝える。

 

「他の学校の子の席が足りなくて、私達の方に二人来るんだって」

「空いてる席って、私達の近くだよね」

「うん」

 

 みんなで乗り込んで、トランプやらなんやらを出す。私の隣に、その他の学校からの子である二人が来るらしい。

 鬼円や冷世ちゃんが前に座ってから、クルッと席を回す。

 私の席からすれば、通路側から、蟹菜ちゃん、冷世ちゃん、鬼円であった。私の眼の前は、鬼円である。

 なんだか、安心したような、ドキドキするような……。

 

 そんなことを思っていると、蟹菜ちゃんが声を上げる。

 

「ねね、来る人もさ、トランプ遊びに誘おうよ」

「蟹菜のくせに、いいこと言うわね」

「なんだと、喧嘩するかこの野郎!!」

 

 蟹菜ちゃんと冷世ちゃんが喧嘩するのはいつも通りなので……鬼円を私は見る。

 

「鬼円はやる?」

「やらん、眠たいし」

 

 言いながら、頬突きをして外を眺めている。

 私が苦笑していると声をかけられた。

 

「ここかな、隣、いいかな?」

「あっ、どうぞどう……」

 

 ぞ、と言おうとして固まる。あれ、見たことあるなこの人。ポニーテールの赤い髪の毛が特徴的な女の子で、鼻ら辺にそばかすのようなものが……うん。

 

「桑西……さん……」

「赤芽でいい……あれ、春乃ちゃんじゃん! 久しぶり!」

「ってことはまさか……」

 

 私と鬼円は顔を見合わせて、汗を垂らしながら彼女の隣を見る。

 

「んでいんだよ……」

「悪噛…………」

「ですよね〜〜〜……」

 

 悪噛が座った頃に、新幹線が動き出す。悪噛は、ファーの付いたトレンチコートを着ていて、くわに……赤芽さんは、白いシャツにスカジャンを着ていた。パッとみ、不良にしか見えないよ……。

 

「なに、知り合い?」

「私、蟹菜!」

 

 二人がそれぞれ挨拶して、それに対して、赤芽ちゃんが答えて、悪噛はチラ見してから赤芽さんに耳を引っ張られていた。

 なんだろう、最初の方の鬼円とよく似てるな。言ったら殺されそうだけど。

 新幹線がぐんぐん進む中、私達は雑談混じりに、経緯を話していた。もちろん能力のことは隠しながらね。

 

「なるほど……ほんとに鬼円ってめんどくさいのに目をつけられるわね」

「好きでつけられてねぇわ。こいつが勝手に突っかかってきたんだよ……」

「うーーん……確かに……」

 

 悪噛に、檻鉄さん……それに、金之助くん。なんか、多いよね……。

 

「ねね、みんなでトランプしようよ! 何やりたい?」

「いいね! んじゃあ、ババ抜き!」

 

 蟹菜ちゃんの言葉に赤芽さんが乗る。

 みんなにトランプを配る、蟹菜ちゃん。問答無用で鬼円と悪噛にも配っていた。

 おい、と言いたげな二人に、蟹菜ちゃんは「やろうよ! せっかくだし!」と叫んでいた。

 

「……ルールは、わかるわよね」

「なめてんのか」

 

 冷世ちゃんの言葉に鬼円がキレて、私と蟹菜ちゃん、赤芽さんは笑うのだった。

 ちなみに、ババ抜きでは赤芽さんが三回連続で一抜けしたため、速攻で違う種目になった。

 

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