ようこそ!超能力部です!   作:YY:10-0-1-2

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第107話 奈良県!

 

 新幹線に乗って、バスに乗って……ようやく私達は移動から解放された。

 

「奈良かぁ、小さい頃に来たっきりだなぁ……」

「あら、春乃来たことあるの?」

「うん!」

 

 小学生の頃に確か一回だけ。私は奈良公園の空気を吸って吐いた。

 うん、この芝の香りと……鹿の行列。何も変わってないな……。

 私はその光景を見ながら……バスから降りてきた鬼円を私達は見る。

 

「鬼円、鹿を絶対蹴らないでよ」

「鬼円、絶対大仏に登るとかしないでよ」

「当たり前だろ、お前は俺のことをなんだと……」

 

 私と蟹菜ちゃん、冷世ちゃんは顔を見合わせてから……口を開いた。

 

「鬼」

「悪魔」

「ヤッベーイやつ」

「お前らそこに直れ、叩き殺してやるよ……」

 

 私達はキャーキャーと話しながら鹿せんべいを買う。

 鹿がそれに気づいて、こちらに近寄ってくる。私は鹿せんべいをぱきっと半分に折ってから鹿せんべいを上げる。

 他のクラスたちの子も買っているが、やっぱり、鹿せんべいは買うよね。まぁ、鹿と触れ合うには必要なものだしね。

 

「はい、どうぞ。こっちの子も……はい!」

 

 私が分けていると、鹿が一匹、また一匹とこちらにくる。

 数が……鹿の数が、二桁になった。

 

「あれ、ちょっ、あはは……」

「春乃って動物に好かれるタイプなのかしら」

「そうだね……逆に、冷世ちゃんは嫌われるタイプなんだね……」

 

 遠くでこちらを見つめている蟹菜ちゃんと、鹿せんべいを持っているのにもかかわらず、鹿が一匹も寄らない冷世ちゃんが見えた。

 遠くで見てないでこっち来ればいいのに、と思いながら……鹿に囲まれた私は苦笑する。

 

「ひゃん!!?」

 

 思いっきりおしりを噛まれて私は変な声とともに少し飛ぶのだった。

 

「ちょっ、やめっ……ああ! 噛まないで!! 服! 服破けちゃう!!」

 

 私は鹿にスカートを噛まれながら助けを乞うように鬼円を見る。ちょっと待って! 捲れる!!

 鬼円はこちらに気づいて、ため息を吐いている。

 

「なにやって……」

 

 鬼円がこちらに近寄ったときに(オス)の鹿が鬼円に向かって走り……。

 

「「あっ」」

「鬼円ーーーーーっ!!!?」

 

 ふっとばされた!?

 ポケットに手を突っ込んでいたから、受け身が取れずにゴロゴロと地面を三回転がっていった。

 鬼円の周りには人だかりができていた。立ち上がった鬼円は鹿をゆらりと見つめる。

 

「ぶっ殺す……」

「やめなさい鬼円!!?」

「ちょっ、先生! 誰か先生を呼んできて!?」

 

 鬼円がキレた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 奈良公園には大仏がある。東大寺だ。

 やはり直で見ると迫力が違うなぁ、と私達は感嘆の声を上げる。

 

「しょーむ天皇? が建てたんだよね」

「聖武天皇ね。たしか、1200年以上もの歴史があるんでしょう? すごいわね」

「当時は天然痘が流行って、藤原の人にも被害が出てね、仏教の力で病を止めようっていうか、仏教の力でなんとかしようとして建てたんだよ」

「詳しいね、さすが歴史高得点ちゃんだ」

 

 いやぁ、と言いつつ私は後ろ頭を掻く。

 そういうことを知ってるのは、なんというか癖で調べちゃうと言うか……。

 

「雑学、あるの?」

「東大寺のかぁ……」

 

 例えば、と私は大仏を見上げる。

 大仏も大きいが、今と高さが違い、建設当時は15.8mもあるのだ。ちなみに言うと今の大きさは14.98mである。

 

 創建時は金メッキが施され、まばゆくばかりに光り輝いていて……鋳造された大仏に、水銀と金を練り合わせたものを塗った後、炭火で水銀を蒸発させて表面に金だけを残す方法が使われたんだとか。

 ま、それも昔の話だけどね。

 

「へぇ、そんな歴史が……」

「後は、鎌倉の大仏より大きいんだよね、あっちは確か11.39mだったかな」

「おい、あっち行くってよ」

 

 私達はその後も大仏や、歴史の話をしながら、奈良県を楽しむのだった。

 

 私達はアイスクリームを食べながら歩いていると、鬼円がこちらに近寄る。

 

「おい、大丈夫なのか」

「? なにが?」

「さっきのだよ。鹿に噛まれたんだろ」

 

 ああ、と私は言って汗を垂らす。

 

「別にどうってことはないよ」

「ならいいんだけどよ」

「私としては鬼円のほうが大丈夫化心配だけどね」

 

 私はそう言いながら鬼円にさりげなく寄る。

 この後は確か……またバスに乗るんだよね、と考えて、鬼円を見る。

 

「隣、座ろ?」

「え? そのつもりなんだが」

 

 春乃が爆散した(精神的に)。

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