次の日。
私達は朝っぱらから外に集まって歩いていた。先生からチケットを貰った後に、
私はみんなに連れられながら色んなところを見ていく。
ジェットコースターや、ダークライドなどを見て、どれに乗ろっか、等と話しながら、近くに売ってあったお菓子を食べ歩きしながら話していた。
「ちなみに、春乃はジェットコースター乗れるのかしら?」
「うーん、あんまり得意ではない、かな……」
私はそう言いながら顎に手を当てる。乗れないわけじゃないが、それでも怖いし、乗りたくないけどね……。
子供のときに乗せられて若干のトラウマではあるけどね……。
私は言いながら歩いていき、目の前に到着したのは……一回転するタイプのジェットコースターだった。
なぜゆえ……!!?
「乗ろっか♡」
「待って! すごく嫌なんですけど!! 鬼円、鬼円助けて!!」
「俺はここで待ってるわ」
「あんたも来るんだよ!!」
蟹菜ちゃんに引っ張られる鬼円はすっごく嫌そうな顔をしながら私の隣に乗った。
二人乗りのようで、私達の後ろに冷世ちゃんと蟹菜ちゃんが座っている。
意外と怖いらしいとか聞こえてくるんですけど……!!
『しっかりと目の前の安全レバーをお下げくださいね〜』
「ふん!!」
「うごっ……下げすぎだ、き、きついわ……!!」
私は少しだけガクガクブルブルしながら言う。
「全然っ!! そんなこと!!! ないが!!!?」
「そんなことしかないだろうがドアホ……」
『それでは発車しまーす! いってらっしゃーい!』
動き始めて、ゆっくりと坂を上がっていく。私は目の前に降ろされている安全レバーをしっかりと掴み、目を閉じたくなる。
しかし、隣の鬼円は微動だにせず、腕を組んでいた。
「こ、こここ、怖くないの?」
「怖いも何も……」
鬼円は困ったような顔をしていた。
「ほら、戦うし……」
「あ~~~……」
鬼円は自分の能力のお陰で四方八方を駆けれる。
そのせいもあってか、こういうジェットコースター的なのに慣れてしまったらしい。
なんだろう、そういうものなのかな……てかそれで慣れるのかな……。
「む、虚しいね」
「まあな」
そういってから、鬼円は目の前を見た。
私も釣られるようにして前を向いて……前の人が下に消えたのを見て、フッ、っと目のハイライトを消すのだった。
「キャアアアアアアアアアアアアアーーーーー!!!!」
今年一になるかもしれない絶叫が私の口から外に出されていた。
地面が勢いよく迫ってきたと思ってら、今度は左に重力が向いた。内臓が一気に動かされてから息を整える時間すらなく更に加速していった。
私はすでに限界で、鬼円は澄ました顔だった。微動だにしていない。
目の前が変わる様子を見て。おぉ……、と言っていた。何景色楽しんでんだこの人!!
「キュアーーーーーーーッッッ!!!!???」
「わああああああああああああ!!!!???」
後ろからも悲鳴が聞こえてくる。
更に加速したジェットコースターはぐるりと一回転。髪の毛が逆さまになり、内臓が口から飛び出るかと思った。
ジェットコースターは急に加速をやめ、また昇りゾーンに入る。
「はぁ、はぁ……」
「またくるぞ」
「勘弁してよおおおおおおおお!!!」
◇◆◇
「乗るんじゃなかったわ……」
「朝ごはん食べて間もないのに乗るから……」
「うっぷ、私朝ごはん出そう……」
「出すなよ???」
最初にジェットコースターには乗るな、また一つ教訓を得た気がする。
私はぜぇぜぇ、と息を吐きながら鬼円に差し出された水を飲む。
「ありがと、鬼円……はぁ……」
私はなんとか息を整えて、ゆっくりと起き上がる。
まあ、後から見れば、いっぱい入る人も見えるし、恐らく人気アトラクションなのだろう。良かったと思おう。うん、そうしよう。
「次、何乗ろうか……」
「ええ、まだ乗るの……?」
私は冷世ちゃんの言葉を聞きながら、ゆっくりと微笑んだ。
「当たり前でしょう、ほら行くわよ!」
「ジェットコースターは勘弁してよね……」
もうしんどいよ、などといいながら私達は目的地も何もなく、パーク内を歩き回るのだった。
しばらく歩いてから冷世ちゃんがとある建物で立ち止まる。
そのアトラクションはおどろおどろしく、まるでいかにも『出そう』な雰囲気が出ていた。
看板には『絶叫地獄館 〜墓場からの使者〜』なんて書かれてある。なんかタイトルで怖さ薄れてる気が……。
…………もしかしてこれ行こうとか言わないよね。
「冷世ちゃん? 勘弁して?」
「……勘弁ってなあに? 私わからないわ?」
こんの女ァ!!!
「お化け屋敷か……」
「いくの? 鬼円行くの??」
私は聞きながら鬼円を見る。
鬼円は……ニヤッと口角を吊り上げた。
「面白そうじゃねえか」
「え」
「んじゃ、私と蟹菜で、先いくから」
冷世ちゃんはこっそりと逃げようとする蟹菜ちゃんの襟首を掴んで引きずっていく。
蟹菜ちゃんは顔を青ざめて、こっちに両手を伸ばしていた。
「ちょ、待って! 知らない! 知らないんだけど! こんな話聞いてないんだけど!! ちょっとまって! 私怖いの無理ィィィィィィ〜〜…………!!」
蟹菜ちゃんが、入口へと引っ張られ……暗闇に消えていった。
私と鬼円はその様子を見て……
「……」
「……」
汗を垂らして苦笑いするしかなかったのだった。