ようこそ!超能力部です!   作:YY:10-0-1-2

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第46話 新事実とまさかの事

 

 ──不良とは……?

 

 春乃の中でそんな言葉が反響する。

 目の前では、豪華な食事が並べられており、徹太達の首にはエプロンが掛けられていた。

 

 『泊まっていけよ。明日、少しだけ実力の確かめ合いしようぜ』

 

 そう言われた春乃は、狸吉に電話し、鶴愛にもその事を伝えるようにした。

 そこまで良かったのだが、目の前の食卓の上を見て白目をひん剥いていた。

 目の前の大きな肉を使ったローストビーフや、タンドリーチキンなどの豪華な料理、更にはラーメンやオムライス、カレーなどの一般的な料理に、鯛の刺身やマグロやイカの寿司などの海鮮料理なども広がっていた。

 

 「何この……何???」

 「ん?料理だけど……何か問題か?」

 「いやいや、こんな豪華料理どこで出てきたの??」

 

 香蔵がそう尋ねると、徹太が一人の不良の方を向く。

 そうすると、その不良が歩いていき、扉を開けて出ていきしばらくすると、まるでシェフのような姿をした男性達が現れた。

 

 「????」

 

 この間、香蔵は完全に困惑していた。

 

 「実は、俺って色んなところで人助けとかしてるからさ、色んな所から助けが入るんだよね」

 

 徹太は、様々な所で人助けや孤児を保護したりしている。

 その結果、様々な場所に人脈が広がり、豪華なものをいただいたり、夢を追い掛け、その夢が叶ったものなどが徹太に会いに来てシェフになったりと優遇されていた。

 

 「だとしても本物のシェフ!?創作物でも見ないよそんな高校生!!」

 「逆に創作物でよく見るんじゃねぇの??」

 

 ──兎に角、頂こうぜ!

 

 徹太のその言葉で食事が始まったのだが、超能力部の3人の行動は違っていた。

 何から手をつけていいかわからなそうにしている春乃。

 逆に何から喰らいつこうかと迷っている鬼円。

 そして、申し訳なくて食べれなそうにしている香蔵。

 それを見て、羅救が吹き出す。

 

 「お姉ちゃん、食べれないの?」

 「違う違う、こんな豪華料理、どれから食べればいいのかと思って……」

 「好きなものから食いなよ。勿体ないしさ!」

 

 羅救の言葉に、春乃が頷く。

 フォークを掴み、タンドリーチキンを刺して口に運ぶ。

 瞬間、弾ける肉汁。

 春乃は、豪華料理という名の大海原へと出航したのであった。

 ガツガツと食べる鬼円に、静かながらも結構な量を食べる春乃。

 そんな二人を見て、「ええい!迷ってても仕方がないか!」と勢いよく頬張る香蔵。

 

 3人とも腹がキツくなるまで食べたのは余談だ。

 

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぁ〜!お泊まり会だなんて初めて!」

 「そうなんだ」

 

 私がそう言うと、元気よく頷く羅救ちゃん。

 私達は羅救ちゃんの部屋で一夜を過ごすことになった。

 多分、檻鉄さんの指示なんだろうけど、ありがたい限りだ。

 しかし、こんなホテルにあるようなフカフカなベッドを使っていいものなのかと思ってしまう。

 っていうか、普通の高校生がこんな館を持つのも不思議である。

 

 不良ってなんだっけ。

 

 「さ〜て、お風呂お風呂!」

 「あっ」

 

 寝巻きを持ってきていないやと言おうとすると、哲殻さんが置いててくれたのか、机の上に綺麗な状態で畳まれている寝巻きがあった。

 それを見て、香蔵さんと一緒に苦笑する。

 まさかここまで至れり尽くせりだとは思わなかった。ほんとに不良が住んでる館なんだよね?

 

 「こっちこっち、お姉ちゃん!」

 「うん。すぐ行くよ」

 「すっかり懐かれちゃったね」

 

 香蔵さんの言葉に、いや〜と頬を掻く。

 まさかこんなに懐かれるとは思わなかったよ、私自身も。

 お姉ちゃんと呼ばれるとは…一人っ子だからなんか感動すら覚えてきた。

 

 風呂場は、3人が入るには結構大きく、やはりここは旅館かなにかなんだろうかと思ってしまう。

 

 「お姉ちゃん、背中洗お!」

 「うん、わかっ……」

 

 羅救ちゃんの体を見て、絶句した。

 その華奢な体には、沢山の傷がついていたのだ。

 私と香蔵さんは駆け出して、羅救ちゃんの肩を掴む。

 

 「だ、大丈夫なのこの傷!?」

 「へ?」

 「ま、まさか虐待!?」

 「違うよ!これは前のお母さんとお父さんから受けた傷だよ!」

 

 虐待を受けてたの…?

 で、でも檻鉄さんのことをお兄ちゃんって…。

 

 「お、お兄ちゃんって…」

 「お兄ちゃんは本当のお兄ちゃんじゃない」

 

 その言葉を聞いて、納得した。

 この子、捨てられたんだ。それを檻鉄さんが拾って育ててあげたんだ。

 

 「そっか、お兄ちゃん優しいね」

 「…春ちゃん、ちょっと下がってて」

 

 香蔵さんの言葉に頷いて、離れる。

 香蔵さんは、羅救ちゃんの腕を触って、目を閉じる。

 瞬間、香蔵さんからオーラが出てきた。

 金色…いや、違う。山吹色のオーラが、香蔵さんから出てきて、大きな円を空中で描く。

 

 それは、どんどんと大きくなって、辺りに光を発するようになった。

 

 「…月…?」

 

 そう思わせるような光り方に、目を奪われた。

 そして、その光が羅救ちゃんに優しく降り注がれた。

 羅救ちゃんの傷が、どんどんと塞がっていく。

 全部ではない。所々治ってないところはあるけど、違和感はほとんどなくなってしまった。

 

 「…軽い傷治し。これなら、温泉にも入れるでしょ?」

 「…き、傷…無くなったの?」

 

 羅救ちゃんは自身の体をぺたぺたと触り、傷があったところを確認する。

 そして、傷が消えたことを確認して、「わぁ」と目を輝かせる。

 

 「お、お姉ちゃん達も!私と同じなの!?」

 「()()?」

 

 すると、羅救ちゃんの髪の毛が動き出して、伸びていき、上に昇る。

 怒髪天を衝くとはまさにこの事を言うんだとか、そんなことを考える暇はなかった。

 

 「嘘……」

 「…マジ?」

 

 能力者なの、羅救ちゃん…!?

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