「ラァッ!!」
鬼円の蹴りと、『
花畑は両者の攻撃を防ぐべく、目の前に壁を張るが、それが壊される。
さらには、花畑の仲間である周りの不良たちも、
圧倒的に有利を誇っていたはずの花畑に、敗北という名の二文字が浮かび上がる。
(馬鹿な……馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な!!!!)
目に血管が迸り、目の前の鬼円の顔面を掴み、殴りかかろうとする。
が、鬼円は腕を掴み、木刀を突き刺すかのように花畑の体にぶつける。
花畑は口から唾を吐き散らしながら壁に激突する。
だが、それで諦める花畑では無かった。
「ァァァァァァアアアアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッッッ!!!!」
「チッ、ヤケクソかよ!」
大きな透明な塊を投げつけてくる花畑。
鬼円は、その塊を何とか避けたり、叩き落としたりしつつ、花畑に近づく。
そして、勢いよく走り出し、一気に後ろに回る。
だが、花畑は、グリンと首を回し、鬼円を視野に入れる。その光景に、鬼円は汗をかく。
すると、上から剣が落ちてくる。『
「チィっ!」
『
そして、目を大きく見開きながら、口を開ける。
「邪魔だァァァァァァァ!!!!!」
地面のコンクリートが、うねりを上げ、鬼円と『
鬼円は顔を顰めながら、『
鬼円は重力に従って落ちながら、花畑を見る。
その顔は傷や血によってグシャグシャであり、痛々しくもあった。
「……せめてもの情けだ。一発で沈めてやるよ!」
木刀を強く握りしめて、構える。
空中にいる鬼円を仕留めるべく、コンクリートを伸ばし、鬼円を追撃する。
鬼円は木刀を上手く使い、コンクリートを弾き、コンクリートを滑るかのように走る。
そして、構えは解かないままオーラをブワッと放出させる。
「『
徹太が、ふと、花畑の方を向く。
花畑に向かって技を放とうとしている鬼円を見て、叫ぶ。
「花畑ぇぇ!!」
「……
上からの急降下落下攻撃。
花畑にその攻撃をぶつけ、大きな土煙を上げる。
そして土煙が晴れた先では、鬼円が髪をかきあげながら木刀を倒れている花畑の首の前に構えている姿があった。
「チェスで言う、
花畑は、目を見開きながら春乃を睨みつける。
(あの女だ……あの女が、能力をバラシやがったっ!!!)
鬼円の言葉には耳に入らず、春乃だけを睨みつける。
そんな花畑に、春乃はゾワッとする。そして、後退りする。
「……っ」
「おい」
春乃を睨みつけているのに気がついた鬼円は、さらにオーラを噴出させながら、花畑の顎を木刀で上にあげる。
そして、青筋を浮かべ睨みつけながら、淡々と言い放つ。
「てめぇが何しようが勝手だが、
「はっ、随分と仁義を大事にしてる見てぇだな『天下の桃佑様』」
「よし殺す」
「待ってくれ鬼円!!?」
恥ずかしい二つ名を呼ばれたことで、ブチッという音と共に木刀を振りかぶる。
それを止める声と共に、徹太が走ってくる。
「花畑」
「……なんの用だよ」
徹太はかつての仲間が目の前で倒れているのを見て、唇を噛み締める。
そして、言葉を零すかのように語る。
「俺は、俺を曲げたくなかった。テメェも、そうなんだろ?」
「……」
「悪ぃとは言わねぇ。けど、後悔してんだ。テメェをそんなふうにしちまったこと、
徹太は、羅救を見ながら言う。
「……
徹太の言葉に少しだけたじろぐ花畑。
徹太はしゃがみ、手を差し出す。
「帰ってこい、花畑。それが俺たちのルールだろ?」
「……ボコした相手は、仲間に引き入れる……か」
「あぁ、そうだ」
花畑は、徹太の真っ直ぐな瞳を見る。
その目には、自分が写っていた。だが、その自分は、目をボロボロにし、生気のない目をして、
その姿を見て、花畑はため息を吐く。
(ほんと……何してんだ俺)
懐かしかったはずの景色が目の前に広がる。
そこには、花畑も、哲殻も徹太も羅救も、みんなも、笑顔を浮かべて走っている。
自分にとって、この光景は幸せと言うのに相応しかったはずだった。それは、もう二度と叶わないと、勝手に割り切っていたのだ。
徹太が提案した、この提案は……徹太達の仲間にもう一度入る。そう明快に伝えていた。
「……戻っていいのかよ?」
「もちろんだ。俺たちは、それを
その言葉を聞き、昔の記憶が流れ込む。
それは、徹太が初めて花畑を捕まえ、花畑に言い放った台詞と全く同じだった。
「……『皆で望んでるんだからよ』……か」
「…どーだ? 思い出したかよ」
「……若には、やっぱ勝てねぇや」
フッと笑いながら手を掴む花畑。
それを見て、徹太は満面の笑みを浮かべ、羅救は春乃を見て、涙を流す。
春乃は、そんな3人を見ながらにこやかに笑うのであった。
「そーいえばお前、いつの間にあんなもん習得したんだ?」
「……あー、あれは……」
花畑は手を差し伸べて立たせてくれた徹太に説明をしようとして、止まる。
そして、自分の手のひらを見ながら汗を垂らす。そして、呟く。
「…なんだ……こりゃ……?」
その様子に、その言葉に、先程まで和やかだったはずの空気がずっしりと重くなり、
「……は?」
徹太の声が響くと同時にコンクリートの壁が一瞬にして出来上がり雪崩のように崩れた。