ようこそ!超能力部です!   作:YY:10-0-1-2

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第57話 クール? それとも?

 

 その後も、快弦ちゃんは次々と依頼をこなして行った。

 美術部の描いた綺麗な絵画を2階から飛び降りて1階に運んだり、吹奏楽部の道具を1人で何個も運んで行ったり、なんか力技多くない? と思ったのは内緒だ。

 

「か、快弦ちゃん?」

「なに?」

「その〜、貴女の能力って力をモリモリにするタイプなの?」

 

 快弦ちゃんは立ち止まる。

 そして、その片目だけの瞳で私を見る。

 その目は、何だか……悲しみを持っているような、怒りを持っているような……?

 

「能力を知ったところで……」

「えっ?」

「何でもない。私は、()()()()()()

 

 そう言うと、歩いていってしまった。

 えっ、もしかして能力の話って地雷なのかな……だとしたら、悪いことしちゃったな。

 私はこう思いつつ、後を追う。

 なんだかパッと見はクール系だと思ったけどもしかして暗い過去を持ってる子なのかな……。

 

「……ねぇ、あれ何?」

「あれ?」

 

 指で指された方向を見ると、不良のような人達が小柄な子を虐めているらしい。

 やはり、ああいう光景を見るのはダメだ。

 私は下駄箱の方へ走ろうとすると、快弦ちゃんが目の前から消えた。

 

「……え?」

 

 私はそんな惚けたような声が響く。

 その後に、不良達の呻き声のようなものが聞こえてきた。

 見れば、快弦ちゃんが不良の1人の腹に拳をめり込ませていた。

 

「あんまり、こういう光景は見たくない」

「てっ、テメェ!? うごぉ!?」

「うるさい」

 

 快弦ちゃんは不良の拳に腕を絡ませて校舎の壁に叩きつけるかのようにぶん投げる。

 その後の不良の攻撃を見ずに避けて、その突き出された腕をアッパーしてから振り返って蹴りを入れる。

 そして、最後のもう1人は逃げようとしている。

 それを逃さないのか、石を拾い上げてぶん投げる。

 

 コンっとあんまり鳴っちゃいけないようないい音が鳴った後にドサッと倒れる。

 

 そして、快弦ちゃんは不良の体を漁っているのかしゃがみこんでから、小柄な子に何かを差し出した。

 

「これ」

「……へ? こ、これ……」

「速く。先生が来るからさ」

 

 何かを手渡した後にこちらに帰ってきた。

 何事も無かったかのように目の前を歩く。それを私はパチパチと目を瞬いた後に、追いかける。

 

「何を手渡したの?」

「金」

「金!?」

 

 犯罪!?

 すると、続けるかのように口を開いた。

 

「アイツら、カツアゲしてた」

「あっ、だから……」

「ついでに半分頂いた」

「ダメじゃん!!?」

 

 私のツッコミを無視したのか、部室へと入る快弦ちゃん。

 私もその後に続いて中に入るのであった。

 

「おお、おかえり〜いろいろ聞いてるよ〜」

 

 快弦ちゃんはドサッと座り、手を見ている。

 香蔵さんはその隣に座って快弦ちゃんの手を見ている。

 

「綺麗な手だねぇ〜美貌とか気にしちゃってる?」

「えっ、まぁ……」

 

 陽キャぁ……。

 そんなオーラを感じていると、香蔵さんが続ける。

 

「顔も綺麗だし? 片目隠さない方が……あぁ、いや、それも萌えるってやつか!」

「……そう、ですね……」

 

 ん? なんだか言い方が……。

 そう思っていると快弦ちゃんはバツが悪そうな顔をして出ていってしまった。

 それを黙って見ていた私たちは、ため息をつく。

 

「なんだか、気難しい子だねぇ……」

「口数が少ないんだろ」

「鬼円の言う通りかも」

 

 確かにあんまり喋らないよね。と香蔵さんが言う。

 ああいうクール系の女の子は初めて見るなぁ。初めて会った時の冷世ちゃんはクール系……というか、全体的に冷たかったから違うか。

 とりあえず、今日の快弦ちゃんの態度や行動を話し終えた私は一息つくのであった。

 

「有り得ない力でぶん投げた……か」

「鬼円と似たような能力かな?」

「多分な……まぁ、俺の場合は複雑だからな」

 

 確か、鬼円の能力は自身の身体能力の強化……と、刀を生み出すんだよね。

 記憶という名の海を辿って確かめる。

 

「身体能力の強化にも色んな種類がある。もしかしたら、俺とは違う可能性だってあるしな」

「なに? 鬼円、もしかして似た能力だからって心配してる?」

「違ぇよ。それ言ったら金之助だってそうだ」

 

 香蔵さんの言葉に乱暴な言葉で返す鬼円。

 鬼円はバッグを手に持ち、部室の扉に手をかける。

 

「今日んとこは言ってても仕方ねぇ。俺は帰る」

「うん、そうだね。私達も帰ろっか」

「……はい」

 

 私は少し考え込みながら部室を出るのであった。

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