呪術収集   作:黑米田んぼ

12 / 27
一足早いですが筆が乗ったので投稿です。呪術師と夜宵対旧Fトンネルの悪霊どうぞ楽しんでいってください。


第12話 旧Fトンネルー伍

「―――――ここからは反撃」

 夜宵は思った。何で今まで沢山の困難に見舞われ自分よりも身体能力が高そうな相手を相手でも自分なら勝てる。年相応の全能感はあるのだろうだがそれでも自分の体はこんなにも他の同学年はおろか年上の男でさえねじ伏せれるほどの身体能力を誇っているのか。事故の影響で脳のリミッターが壊れたから?・・・少し違うのだろうと夜宵は改めて理解した。

 

―――――寳月夜宵はあの事故の影響で無意識に呪力の扱いを習得していた。無意識に自身の心の震えで生まれた呪力を全身にみなぎらせてぶつかって来た。そして、虎杖悠仁という自分の上位互換が現れた。

 恵まれた体格、男女の身体の差などで気にする方が馬鹿らしい程にぶっ飛んだ身体能力。―――そして、霊を殴り飛ばせる力。

 

 夜宵は聞いた何故霊を殴れるのか掴めるのかと。虎杖は言った。それは呪力という人間の心の震えで生み出される精神的エネルギーを使っていると。

 そして夜宵は実践した。愛用のバールに呪力を注ぎ込む事で敵の攻撃を防ぐことが出来た。…もっとも、七海曰く呪力の込め過ぎでバールは儚くも壊れてしまったが。

 

―――――ならばこそ頑丈且つより強い力を持つであろう鬼子母神の指に問いてみた。

 

「…私の呪力を注ぎ込んでも良い?」

『―――――』

 指は答えない…いや、口が無いだけなのだがゆっくりと震えて入れ物であるカンガルーの人形にコクリと頷くようにして見せた。

 

 かくして出来上がったのは悪霊に対抗するに相応しい寳月夜宵の主武装になるであろう黒黒と禍々しいオーラのビームソードが出来上がったのだ。

 

 

 

 

 

 

『―――――ギリリィ』

 歯ぎしりをしながら夜宵達を睨みつける旧Fトンネルの霊。顔にはSトンネルを倒して奪ったSトンネルの顔の皮を被りガッチリとした筋肉隆々な霊体を一枚の真っ白な和装一枚を着込み腰を何処で用意したのか腸を帯のようにしている。

 

 そして、右腕に力こぶを作りながら誰に振り下ろしてやろうかとこれまで多くの人を殺し皮を剥いで顔が無い犠牲者を生み出したのだろう愛用の斧を構えている。

 

「―――――虎杖君。そして、夜宵さん。お二人は呪力を上手く操っています。少なくとも『今』はそれでいい」

 七海が前に出る。旧Fトンネルの霊も七海に視線を向ける。これまで散々彩を邪魔し自分の腕を切り落とした鬱陶しい程に生きのいいエモノだからこそその殺意は七海へと向けられる。

 

「ですが。それだけではいけない。肉体と呪力の僅かな誤差を狭めること領域へと対策など知るべき事は沢山ある」

 七海は鉈を旧Fトンネルの霊に向ける。その鉈の先には旧Fトンネルの霊の体、旧Fトンネルの霊が斧を持っている右腕へと向けられていた。

 

「私の術式はどんな相手でも弱点を作り上げる術式。七対三対象の長さを線分しその点に攻撃を与えるとクリティカルヒットする術式です」

 七海は迫り旧Fトンネルの霊に切りかかろうとする。

 

 勿論旧Fトンネルの霊もまた自分の斧の射程距離に入った七海をぶつ切りにしてやろうと斧を振り下ろす。短い片手でも扱いやすい鉈と両手で使うような大きな斧ではリーチの差を考えれば間違いなく旧Fトンネルの霊の方が良いはずだ。

 

―――――ザシュ ポトリと旧Fトンネルの霊の腕が落ち持ち手を失った巨大な斧はガランと地面にぶつかる音を響かせる。

 

「そうすればこの鉈でも簡単に大ダメージを与えられます」

 そして、斧と呪霊に距離を取らせる為に七海は旧Fトンネルの霊に呪力を込めたヤクザキックで飛ばせた。

 

「えっ、それって相手に力を教えるってことじゃあ」

 七海が自分の術式の事を語る事に疑問を覚える螢多朗。

 

「そのとうり。ですがこの行為には様々な駆け引きが出来ます」

 一歩下がりながら七海は術式の開示について語り始める。

「術式の開示によって弱くなる術式や特に意味の無い術式などがあり開示する事でブラフをかけることなど戦略の幅を広げられます。…しかし、術式の開示において一番のメリットは術式の開示による縛りで生まれる術式の威力を高める事にあります」

 

「縛り?」

 

「…そう、縛りとは術師が交わす誓約と誓約。事呪術師に置いて縛りは様々な用途で扱われる。他者と交わす破ると如何なるペナルティが降り落ちるか分からない約束事の縛り。術者が自分自身にする事で力にするものなど様々です」

 

(―――――チャンスだ)

 何故か七海が攻撃を止めて喋っているのを見て急いで斧を取り戻さなければと手を伸ばす旧Fトンネルの霊。

 

「オラァ!!」

 だが、それは虎杖の逕庭拳によって阻止される。

 

「さっきは良くもやってくれたよなお返しだ!!」

 やっと暴れられる。これまで散々戦闘を我慢させられ哀れな犠牲者達を見せられ溜まりに溜まった怒りで出来た呪力で虎杖は旧Fトンネルの霊を殴り飛ばす。

 

『舐めるなァァァァァ!!!!』

 旧Fトンネルの霊もまた殴られっぱなしでは終われない痺れを切らしたのか声をあげながら虎杖に掴みかかる。

 

「よっと」

 しかし、その程度では意味が無い伸ばされた腕を掴み組み技をしかける。

 

「悠仁そのまま!!」

 押さえつけた虎杖を見て夜宵は仕掛ける。

 

「分かった行け夜宵!!」

 近づく夜宵に虎杖は旧Fトンネルの霊を抑え込んで夜宵の攻撃をサポートする。

 

「―――――喰らえ」

 振り下ろされる鬼子母神の指。神の一部と夜宵の呪力が入り混じった黒き一線は旧Fトンネルの霊を切り裂く。

 

『ギャァァァァァァッッ!!!』

 たまらず悲鳴を上げる旧Fトンネルの霊夜宵の一撃に堪えたのか力無く膝を付く。

 

『ふざけるな!!この餓鬼!!』

 手痛い一撃を喰らいもはや流れないだろう頭の血が減ったのか旧Fトンネルの霊は冷静に関節外し力を抜きまるで蛇か軟体生物かのような自由さで虎杖の組み付きから逃げて夜宵に殴りかかろうとするが。

 

「―――――そして、術師が自身に交わす縛りの一例として『時間』があります。例えば特定時間の間呪力を全力で行使する代わりにその時間を過ぎたら呪力量が大きく低下する。縛りをする事でその時間は膨大な呪力量と術式の火力を上げることが出来たりします」

 旧Fトンネルの霊の攻撃を七海が受け止める。

 

「―――――私の場合法定労働時間である8時間。大体9時から17時この間私は呪力を抑えています。…そして、今残業時間になった時時間外労働となり抑えていた呪力プラス縛りによって解放された呪力によって私は通常以上の呪力を得ることが出来ます」

 七海は鉈を一線するそれによって旧Fトンネルの霊が被っていたSトンネルの皮が切られる。

 

「生憎と残業はあまりしたくありません」

 そして旧Fトンネルの霊は次々と七海に切り裂かれる。

 

「―――――これで終わりです」

 縦に一線横に一線。それによって旧Fトンネルの霊の胴体はパックリと開きその首は宙に舞う。

 

 

 

 

「―――――倒したら捕まえられない」

 このままだと旧Fトンネルの霊は消える。七海はこの霊を祓うつもりだと夜宵は気づいた。

 

「こんな殺人鬼捕まえてどうする気ですか祓いますよ」

 止めを刺そうと七海は旧Fトンネルの霊の頭に近づこうとしたが。

 

「なっ―――――」

 殺気に気づき防御しようとした七海だがそれよりも早く七海に異形の指が刺さり七海のスーツは血で真っ赤に染まる。

 

「何で…いるんだよ…」

「悠仁アレを知っているの?」

 驚愕する虎杖に夜宵は聞く。

 

「アイツは…前に俺達が戦ったのとは違うけど此処にもあったのかよ」

 

 青白い肌胴体の真ん中に頭の系5つもある目玉。4つの猛禽類の足のようなものが頭についている異形の化け物。

 

「―――――宿儺の指が何でここにあるんだよ!!?」

 旧Fトンネルの霊の胴体の呪力を吸収して肥えに肥えた特級呪霊宿儺の指の呪霊体が旧Fトンネルに現れたのだ。

 

 

 

 

 

「―――――おや、等々動いたのかね…ほう。その上彼もか」

「夏油何見ているの?」

 特級呪霊達が拠点にしているとある山でスマホを見ている夏油傑に真人は尋ねる。

 

「ああ、昔とある神霊を手に入れようと訪れたのだがその神霊は何者かに祓われていたんだ。そして調べて彼女を知ったんだ。幼いその年で恐ろしい程の呪いを生み出したことになってファンになってしまってね。彼女ならそう遠くないうちに来るだろうと思い仕掛けた所謂推し活みたいなものだよ」

「あ、虎杖もいるじゃん」

「そうだね。…さぁ、どうする悠仁…寳月夜宵」

 まるでピンチになった特撮ヒーローを見ているような顔で夏油は旧Fトンネルの戦いを見守っていた。

 




呪術廻戦「待たせたな」
これは二つの作品のクロスオーバーならばこのような展開になっても不思議ではないでしょう。呪術廻戦とコラボするのです彼を出すなら相応の相手を出すべきだと俺は思っています。次回は皆さま大好きであろう彼の出陣です。私も好きな卒業生なので頑張って書いていきたいと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。