それと話は変わりますが夜宵ちゃんの身体能力事故の影響で脳のリミッターが外れているらしいですね。ソースはラジオで原作者がゲストで来た時に言われたらしいのでこの世界では夜宵ちゃんは脳のリミッターが外れた+呪力で戦うと言う設定です。ついでに言うと悪霊はその地に居座るとその地に集まって来る噂や曰くを取り込める設定にしています。そうやって膨れ上がった呪い同士を食い合ってバカみたいな力を持つ呪霊になる前に定期的に掃除している設定です。
―――――彼女を見つけたのはただの偶然だった。
「この地に居た神霊が消えた?」
もはや信仰も無く何時この地に禍を引き起こすか分からない神の魂。これからの戦力の為に取り込もうとやって来た■■…だがその地にかの神はもう居なかった。その地に残っていたのは神と特級クラス三体分の残穢。
「これは面白い事だ。彼ら以外にも呪霊が徒党を組んでいるのかな…いや、…もしかしたら」
そして■■は残穢を頼りに呪霊の行方を調べそして驚愕した。
「いやはや。まさかあの年であれ程の呪霊を作り出したとは驚愕だ」
寶月夜宵。成り代わり達がやろうとしているとある呪霊『暁闇の胚』の作成。その結果がどうであれそれは自分の手から離れた混沌。興味を持ちその手伝いのために器となる東京にある霊脈の流れを調べ、とある呪物を置くのに相応しい陣を考案し、自分の息がかかった呪術界のスパイたちに手を出せないように情報操作をさせた。
そんな【友人】が手掛けている大規模呪術テロの要である胚の母体の霊の娘こそが彼女だった。
「いやはや、愛程歪んだ呪いは無いものだ」
呪力に目覚め追いかけているのだろう自分から両親を奪った暁闇の胚をそしてそのための牙を今も研いでいるのだろう。
「その姿勢、熱量、私としては誉めたいものだがね」
だからこそ■■は監視だけに留めた。・・・だって仕方ないだろう。こんな面白いモノ見届ける価値があるのだから。
「どうか。大きく実ってくれ寶月夜宵。大きく熟したその時私が収穫しよう」
不敵に笑う夏油傑。1000年呪術界の闇で暗躍している悪霊は、自分が仕掛けたとある罠に対峙している彼女と自分の■■に傲慢な言葉をかけた。
「何で宿儺の指が此処にあるんだよ!?」
「・・・・・」
夜宵の重瞳が眼前の呪霊を見る。その目にはこれまで見たような悪霊とは一線を画すほどの異形がそこにいた。
旧Fトンネルの主の体の7割以上を取り込み更にこの地に噂される恐れを吸収しその禍々しい呪いの呪体を更に禍々しくさせていた。
『ニィ――――』
宿儺の指の呪霊体は自分が傷つけた七海に視線を向け襲い掛かった。
「くぅッ…」
呪霊体の凶爪を鉈で受け止める七海だが不意打ちで受けた傷からは今も七海の血液を垂れ流し七海の戦闘継続力を削っていっていた。
「はっ!?ナナミン!!」
七海がこの呪霊との闘いを長く続けられないと判断した虎杖は呪霊体に呪力の籠った右ストレートを叩き込んだ。
『フェ?』
「こっちだオラァ!!」
続けざまに三日月蹴りを呪霊体に叩き込む。常人であれば内臓をハンマーで叩かれた威力戦闘など出来るはずが無い。
『エヘェ』
呪霊体は怯まないし怯えない。濃縮された悪意は自分に挑もうとしている人間に向かって七海を切り刻もうとしていた凶爪を振りかざす。
「―――逕庭拳!!」
一瞬の隙間を潜り抜けて放たれた虎杖固有の技。フィジカルギフテット顔負けの身体能力による呪力の痛みが遅れてやって来るこの技は極めればSランクの悪霊相手でも十分通用する武器だろう。
『ウヘェェェェ!!』
―――――だが、相手は少年院の時よりも遥かに厄介な個体。数十人の人の魂を捕食し、東京都有数の有名心霊スポットの恐れを取り込んだ悪霊の体を取り込んだ呪霊体。そのフィジカルは自然呪霊にも接敵する程の強さを誇る。
(クソッ!何とかして先生達を避難させないと)
あの時の失敗はしない全員揃って帰還する。少年院のリベンジに虎杖は燃えていた。
(―――これが宿儺の指。悠仁をこっち側に引きずり込み悠仁の人生を狂わせた堕天の呪いの姿)
これでSランク級の上位は来るだろうこれが20本揃えばどうなるか。
「ともあれ出さない理由は無い」
バックから風呂敷を背負った犬のぬいぐるみの卒業生を取り出しその封を解こうとした―――――その時だ。
『■!』
呪霊体が何かを呟きチューインガムのようなものを手で伸ばし夜宵に射出し夜宵の手にあった卒業生を飛ばしてしまう。
「―――――」
思わぬ出来事に一瞬、夜宵の思考に空白が生まれる。
『ニヒィ』
呪霊体は虎杖をタックルで飛ばし莫大な威圧感を与えた夜宵にその凶爪を浴びせる。
「―――――ッ」
凶爪のダメージを身代わりに肩代わりさせ夜宵は鬼子母神の指で反撃を見せる。
『ニヒィ』
だが、相手はSランク上位のフィジカル。旧Fトンネルの霊の心臓を取り込んだことで多少悪知恵が上がったのか鬼子母神の指の一撃を片腕で受け止め即座に分離させ余った手で夜宵に掴みかかった。
「なっ!?」
夜宵の服の襟を掴み宿儺の指の呪霊体は夜宵を地面へと叩き投げた。
「「夜宵ちゃん!!!」」
「夜宵!」
螢多朗が詠子が虎杖が投げられた夜宵の安否を心配する。
「・・・・・いっ」
雛祭呪法の欠点を見事に突かれた夜宵は尋常ならざる怪力と大地のありがたみを心行くまで堪能させられた…故に。
「足が…」
お気に入りの服を台無しにされ手にも血が見えたがそれ以上に投げられた痛みで夜宵の右足は動かなくなっていた。
(咄嗟に呪力で守ったのに)
事故のショックでどれだけ脳のリミッターが外れていても呪力で体を保護したとしても強く打った痛みはそれを遥かに超えていた。
(どうする。夜宵はもう動けねぇ。ナナミンもあの怪我じゃあこれ以上戦えない…どうしたら…どうしたら良いんだ)
想定外の存在今この場で最も動けるのが自分と分かっているからこそ虎杖はそれに苦悩し始めていた。
「悠仁!これを!!」
判断を促せない虎杖に夜宵は一つの鍵を投げ渡した。
「信じてわたしを!!」
夜宵の指が指し示すもの。それは今日自分達が回収し夜宵が呼び出そうとしていた卒業生のぬいぐるみがそこにあった。
「…分かった!!」
虎杖はこの場を乗り切るために再び『呪い』に頼ろうとした。だが、それは宿儺のように訳の分からない災厄では無く短いが共に戦った戦友の言葉を信じたのだ。
「卒業生を解放するにはその子に合わせた真の名前として名付けた『諱』と動かすための『言霊』を言わないといけない」
「じゃあその諱と言霊を教えてくれ夜宵!!」
卒業生を回収し夜宵から受け取った鍵を錠前に差し込みながら夜宵に聞く虎杖。
「諱と言霊は―――――」
夜宵が口を動かす。それと同時に。
『ニフィィ――――!!』
迫る呪霊体その凶爪は今度は虎杖に迫っていた。
「虎杖君!!」
「悠仁君!!」
七海と螢多朗の声が虎杖に届く。そして呪霊体の凶爪は―――――
『ニ?』
ガチャン、卒業生を封じていた拘束具達が地面へと落ちていき犬のぬいぐるみから溢れるオーラが凶爪を阻んでいた。
「上へ投げて!!」
夜宵の指示に虎杖は真上へ投げる。…そして。
「散華して…――――――殉国禁獄鬼軍曹!!!」
卒業生を解放したのだ。
次回は未定色々と書きたいものが増えたり今同時進行している物を進めたい。それはそれとして旧Fトンネル編いい加減早くても後二話で終わらせて対抗戦編に進めたい。