「団体戦終了!?全部東京校の赤で!?」
呪霊が祓われた事で判明する札が一斉に赤く燃え広がり対抗戦が終わってしまった。
「…五条先生。悠仁達って強力なマップ兵器のような術式を持っている人はいるの?」
一斉に焼き払われた事で夜宵は虎杖達東京校の中に対城宝具のような術式を持っている人がいるのでは?と五条に聞いたが。
「今日は参加していないよ…しかし、困ったな。GT五条の生徒たちが全部祓って言いたいけど」
「外部の人間でも札は赤くなる…侵入者?」
「天元様の結界が機能しないってこと?」
この異常事態にすぐさま対応するために夜宵達はすぐさま虎杖達がいる対抗戦の場所へと赴いた。
「…不味い帳が下りる五条!帳が降りる前にアンタだけでも先に行って!!」
狩場を覆う黒い呪力のカーテンを見て歌姫は即座に五条に行かせるように促すが。
「…いや、帳は既に完成してる」
そうこう言っている間に帳は完成している。五条に近づいた夜宵の耳に小さく「上手いな」と五条が誉めたのを聞いた。
「ま、下りた所で破りゃいい話でしょう」
「出来るの?」
「七海クラスならともかく普通の術師は難しいわ」
そうこう言っている間に何故か五条手が帳に弾かれ…
「どうしてアンタが弾かれて私達が入れるのよ…」
「おお、入れる」
それ以外は皆帳の中へと入れていた。
「ああ、そう言う事ね。歌姫、お爺ちゃん、夜宵。先に行ってよ」
「ハァッ!?何言って…ちょっと夜宵ちゃん!!」
五条の言葉を聞いていの一番に赴く夜宵に慌てて歌姫も行く。
(―――――この気配。螢多朗が居なくても分かる間違いなく卒業生クラス手持ちの装備じゃだめ早く悠仁と合流して…)
そう考えていると歌姫が後ろからやって来る。
「戻りなさい夜宵ちゃん。この帳を閉じた相手は呪詛師それもかなりの実力者、ましてやこの瘴気特級クラスが来ている可能性があるから」
そう歌姫が夜宵に戻るように説得させるが…
「オイオイ、五条悟いないじゃなん」
手斧を持った見るからに危険な香りがする呪詛師がやって来た。
「…」
ゆっくりとバールを構えて夜宵は呪詛師を睨みつける。対抗戦を通して呪力を使った体術戦を持って夜宵のリミッターが外れた身体能力+呪力で太刀打ちできる相手には限界があるのは夜宵とて理解していた。
「うーん。まだ、小さいな。もうちょっとデカくなってもらわないと帽スタンドにもなれやしない」
・・・よし殺そう。何だか知らないがアイツは私を馬鹿にしている。そう判断した夜宵は駆けだした。
「…おっと、この餓鬼やるじゃないか」
「!?」
夜宵が振るったバールの一撃は呪詛師の斧によって防がれた。
「ッ…」
攻撃が来る前に夜宵は素早く後ろへ下がり呪詛師の攻撃に警戒する。
「…そうだな、あの重瞳辺りはそそるな。良いインスピレーションが浮かびそうだ」
しかし、呪詛師は戦いよりも夜宵を殺して作品にしたいのだろう集中していなさそうだった。
(…このまま押し切るか。それとも)
呪力量、得物、体格差。あらゆる場面を考慮して塩を目くらましにして逃げようかと思考を巡らせていた夜宵の耳に。
「歌姫、この子を連れて先に行け。生徒たちの保護を優先極力戦うな」
京都校の学長、楽巖寺が前に赴き二人に学生たちと合流するように促した。
「お爺ちゃん大丈夫?」
「幼子に心配されているほど老いてはおらん行きなさい」
そう言われて夜宵もまた歌姫に付いて行った。
「待て待て!!なにせっかく浮かんできたのに行かせるんだ!!せめて女を殺らせろ!!爺のスカスカの骨とシワッシワの皮じゃあ何も作れねーよ!!」
「スカスカかどうか―――――儂を殺して確かめろ」
直後夜宵の後ろからロックな音が響いた。
「了解、西宮もそのまま硝子のとこにいて。大丈夫三輪は冥さんが見てる…あれ夜宵ちゃんは…!?」
電話をかけた歌姫は既に安全圏にいる生徒の無事を確認してふと振り返ると夜宵はおらず代わりに先ほどの手斧と同じくほぼ半裸の呪詛師がしかけた不意打ちを回避した。
「…ねぇ、この辺りで紫のかかった9歳ぐらいの子供を見かけなかったかしら?」
「そんなことどうでも良いじゃん。それよりもさ、俺ちゃんと当たったと思ったのに外れちゃったんだよね。これだから俺は…」
歌姫の質問など知らんぷり、『文字道理』人間の手がついている剣を持っている呪詛師は自分の事ばかりを呟いていた。
(ッ…ちゃんと合わせていたはずなのに…まさか、自分の意思で別の場所に!?早く帳を壊しなさいよ五条!!)
「―――――」
心配している歌姫の想像は当たっていた。夜宵は歌姫から離れ走っていた。
(…やはり、この先に悠仁とSSSクラスのお化けがいる)
夜宵は自身の術式、雛祭呪法の副次効果を使った。寳月夜宵の術式、雛祭呪法は呪いの向かう先を夜宵の呪力が付いた被害者の体の一部を通して別の相手に移す術式。それは言わば夜宵自身の呪力がマーカーのように付いているようなものであり虎杖に事前につけていた身代わりの人形を通して居場所を薄っすらだが把握できた。―――――もっとも、それ以上に夜宵でさえ分かるほどの強力な呪霊の気配の先に虎杖がいると夜宵は思っていた。
「…悠仁!!」
帳が弾けるそのタイミングで夜宵は虎杖と東堂、そして森の恐れから生まれた特級呪霊・花御がいる場所に辿り着いた。
「夜宵!今のお前じゃあだめだ!逃げろ!!」
夜宵が来たことに気づき虎杖は逃げるように促した。
(…確かにこの気配、嘗て戦った神様に並ぶほどの気配。鬼軍曹があれば『本気』で戦ってくれたのに)
夜宵の髑髏のような重瞳に花御が映る。大樹のように屈強な肉体。地面に開花した左肩の異形の華。そして花御から漏れ出る強力な呪詛。卒業生を持たない今の夜宵は明らかに戦力不足。サポートも虎杖は兎も角碌に戦った事の無い東堂に合わせられるか変わらない。事サマナーの弱点はサマナー自身頭が落ちればそのままゲームオーバーなのだ。
―――――だが、この戦いにおいて勝利条件は既に達成しているのだ。五条悟が帳を破ってやって来たのだから。
『いないてっ驕程るすに手相を悟条五。すまき退』
今の花御に五条は倒せない。故に逃走するという異形の声が夜宵の耳に入る。独自の言語なのに意味は分かる。それに苦しむ加減は人それぞれなのだろう。夜宵はそこまで気にしていなかった。
「待ちやがれ!!」
追い込んでおいてこのまま逃がさないと追いかけようとした虎杖だったが。
「待てブラザー!それ以上進むな巻き込まれるぞ!」
「巻き込まれるって?」
そう夜宵と虎杖が疑問を抱いた瞬間。
術式順転「蒼」術式反転「赫」―――――虚式「茈」
架空の質量が花御のいた所を薙ぎ払った。―――――襲撃の終わりである。
正直対抗戦は良くも悪くも十分収まるお話だった。単眼猫が言っていましたが五条が強いんですよね。尚且つ状況が状況卒業生とか出せない花御VS零式鬼軍曹は好カードでしょうが絶対に持ち込めないだろうと思ったので今回の出番は此処まで次回対抗戦エンドロールと100円ハウス編へ進めたいと思います。頑張って盛り上げたいな…