呪術収集   作:黑米田んぼ

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皆さんお久しぶりです。相も変わらず展開しきれず雑に納めてしまいました。今回は回収編花魁回収をダイジェストにしました。次の本格的に動く方に期待してください。


第24話 旧I水門――弐

「…で、改めて聞くがこの廃ホテルに特級相当の呪霊を封印したらしいがこの廃ホテルとその呪霊。卒業生だったなそれの情報はちゃんと教えてもらうぞ」

 成り代わり対策と注意を一通り済ませた伏黒は改めて夜宵に問う。自分で作った呪霊でここに封印したのならば大まかな情報を持っているはずだと。

 

「うん、まず、このホテルは『女の霊が徘徊する廃ラブホテル』ここはそう言う噂がある心霊スポット。元々はヤクザの所有するホテルでその組の偉い人が気に入った女性を拉致して楽しんだ後殺した処分場所でもあった。そのせいで殺された女性たちが地縛霊になってしまい夜な夜な脱出しようと屋内を徘徊している。とオカルト掲示板に書かれていたけど。実際はそれともう一つ別の怪奇現象が起きている。殺された被害者の女性は薬物を打たれて殺されたらしいから薬物中毒でふらつきながら出口を探している。…だけど、恐らく亡くなった場所から先はいけないのか突然消えて元の場所に戻る。恐らく殺された女性たちが逃げ出したいという『恐れ』が実際に存在しない部屋―――『秘密の部屋』を作り出した」

 

「…まさか、呪霊が居るんじゃないか?そんな噂があるとそこに惹かれる呪霊が…って」

「有り得る話だな。其処ら辺はどうだ夜宵?」

「…それは多分無い。だいぶ前に来た時はそう言った霊は居なかった。だからと言って今もそう言った噂に惹かれた呪いが住み着かないとは思わない。皆注意して…それで話を戻すけどその『秘密の部屋』に卒業生を封印した」

 

「「「何でだよ!?」」」

 よりにもよって一番危険な部屋に呪霊の巣窟のど真ん中に特級呪霊を封印したんだと虎杖達のツッコミが夜宵に降り注いだ。

 

「理由は一つ存在しない。部屋は特定の手段を踏まない限り入れない。それは外から霊の観察をして気づいた場所だから普通の人はおろか悠仁達みたいな術師でも簡単に見つけられない」

「それじゃあ、夜宵ちゃんは入り方の手順が分かるんだよね」

「勿論。侵入条件は・・・・・」

 

 

 

――――――夜宵の証言では廃ホテル内を徘徊する女性の霊は秘密の部屋から逃げているのだが、逃げる霊の目印にしている部屋番号を変更して本来行きたい秘密の部屋へと行くように誘導することに成功した。―――――が、そうして見つけた秘密の部屋に安置した卒業生はこの廃ホテルの領域と言っても良い異界を支配し自身が生前いた遊郭に改造し夜宵は秘密の部屋に入る事が出来なくなってしまっていた。

 

「…だから、俺や虎杖それと…幻燈河さんが招かれる可能性があるから呼び出したのか」

「…うん、ぶっちゃけ私はめっちゃ嫌われているけど螢多朗や悠仁達なら望みがある。男性であるがゆえに積極的に招かれる可能性がある。ぜひ協力して欲しい」

「…夜宵。お前なぁ」

「…はぁ、仕方ない。どの道危険な呪霊がこのまま力を付けて封印を解かれたらシャレにならない行くぞ虎杖」

「応!」

 そう言い一同は廃ラブホテルに足を踏み込み―――――

 

「ッ!?」

 螢多朗だけ孤立してしまった。

 

 

 

 

 淡宮神社人形供養などの民間からの供養の為にまたはそこまで問題無い低級呪物を保管するこの神社。

「・・・・・」

 その淡宮神社の神主にして螢多朗の実の祖母、淡宮董子は本日は何の用事もなく境内の掃除をしていた。

 

「やあ、神主さん精が出るね」

「うん?…五条家の当主様かね。こんな所に何の御用だい?」

 境内に入って来たのは五条悟。ここ最近危険な呪物を保管した覚えが無く董子からすれば忙しいはずなのに何故此処にと頭を捻っているが。

 

「いやさ、神主さんお孫さんが居たよね―――――手が呪われているご長男が」

「――――――――ッ!アンタまさか!?…あのガキだね!?もう嗅ぎ付けられたんだね」

「おっ、流石に分かっていらっしゃる。まぁ、流石にあんな事をしていたらいやでも注目を集めるよ」

「ッ~~~~!!……螢ちゃんは?」

「この間学長と面談してね大変な目に遭ったけど。正式に呪術師になったよ」

「……………そうかい。…螢ちゃん。…あんな暗い世界何で…入らないでも良いのに…」

「あれ程の才能腐らすのは勿体ないよ。それに、決めたのは彼自身だよ。手の呪いを解くためにより強力な呪いで呪いの本体を打ち崩すつもりなんだろうね」

「…否定はしないさ。私の孫たちは誰も彼も霊を嗅ぎ分ける特異体質。特に燐ちゃんの才能は私が認める程だよ。…そして、螢ちゃんは呪術師としての才能は孫たちの中で一番高い」

「…そうなんだ。まぁ、正直驚いたよ。まさか単純な呪力量で憂太と互角で呪力の質を含めたら憂太を越えるなんてね。(…それだけじゃなくあの目はろくでなしの目だよ。おばあちゃんには悪いけど彼は『こっち側』だよ―――)」

 

 

 

「ゴクッ………」

 虎杖達と分断され卒業生が自身の記憶と土地を練り上げて作り上げた異空間に攫われた螢多朗は鬼軍曹の『祈り』によって衰弱していた体を休ませている間練習していた呪力によって自身の呪いを探知する霊媒体質を呪力で強化して近寄る呪霊から身を隠し隠密に徹していた。

 

「…」

 卒業生が封印されている『秘密の部屋』のための細工をして部屋の近くに隠れゆっくり、ゆっくり、自分の近くにやってくる女性の悪霊。対処できる方法はあるがそれでも、下手に暴れて他の霊が数で囲まれれば長生き出来ないぐらいには螢多朗は冷静に自分と虎杖のような強者を比較して隠密に徹する事にした。

 

「・・・・・ぅっ」

 女性の悪霊が近づいてくる…怖い。

 

「ふぅっ・・・・・」

 女性の悪霊が次の部屋に向かっていく。…良かった。

 

「…このまま行かないと‥‥」

 女性の霊が部屋に入る度に響く絶叫。強化された霊媒体質が周囲に広がる濃密な負のオーラを感じ螢多朗の恐怖を駆り立てさせるが、自分だけが卒業生を回収できる。卒業生さえ回収することが出来ればこの異界から脱出出来る。それだけがこの恐怖を終わらせてくれるのだから…

 

(あそこが秘密の部屋…)

 肝を冷やしながらやっとこさ目的の秘密の部屋が目の前に現れた。早く回収しようと足を進めるが・・・・・・

 

 

 

 

『―――――――――変わって』

 偶然にも秘密の部屋の隣を通ろうとしていた女の悪霊が螢多朗の前に現れ成り代わろうと手を伸ばしていく。

「ッ!?」

 やられてたまるか。螢多朗も呪力を拳にこめて悪霊を突き飛ばす。

 

『いぎぃっ!?』

 螢多朗自身はそこまで相手を害そうとは思わなかった。反射的に突き飛ばしただけだ。…だが、螢多朗は高い呪力量が高い人間まだまだ呪力操作の精度は低い故に反射的に突き飛ばした手には明らかに必要以上の呪力量が乗っておりもろに受けた悪霊は分かりやすい程にダメージを受けていた。

 

(早く行かないと)

 恐らく祓えるのだろうが変に時間をかけて他の霊や呪霊が来たらとても捌き切れないと判断した螢多朗はそのまま秘密の部屋に滑り込んだ。

 

 

 

「…なるほどな」

 一方現実側にいる夜宵達は消えた螢多朗のあれこれを推測していた。

「伏黒、何か分かったか?」

「ああ、玉犬が反応している。恐らくなんだがこの廃ホテルは結界術と幻術を合わせていると思う。玉犬が幻燈河さんの気配を探知した」

 伏黒の傍に黒と白の狼のような大きな犬。犬の式神『玉犬 渾』は既に螢多朗の匂いを嗅ぎつけて動き出そうとしていた。

 

「…おお、優秀なわんこだ」

 夜宵は玉犬の頭を優しく撫でる。

 

「えっと、つまりどういう事伏黒君?」

「ええ、半封印されている卒業生は封印されていても出せる自身の呪力を拡散してこの廃ホテルを覆い。自分を解放してくれそうな相手に自分が見えるように幻術の世界に入れているんでしょう。現に幻燈河さんのGPSはホテルの中を指している。霊達も動いている。幻燈河さんが向かっているだろう秘密の部屋に向かいながら孤立している幻燈河さんを援護しながら卒業生を回収する―――」

 

 

 

 

 それから程なくして螢多朗は詠子の強力もあり無事卒業生を回収する事に成功した。

 

「…ふぅっ、何とか終わった」

「うん、無事卒業生も回収し終えた事で―――旧I水門にれっつごー」

「すと!!」

 

「…虎杖、あのガキ鬼だな」

「えっと、まぁ、色々とあるんだよ…」

 

「お~い、男ども。伊地知さんの車に早く乗れ」

「応!そんじゃあ行きますか!」

「ああ…」

 

 

 

「――――――さて、さっさとコイツを仕込みますかね」




今年も残り10日。正直もう一方も8割書き終えていますがそれを直ぐに投稿出来ても来年までに次を出せるか分かりません。
原作者が4月まで冬眠するご様子ですが自分はやる気があるうちは続けて行きますのでお楽しみに。後個人的な話ですが三期生と一期生が待ち遠しいです。ではまた皆さん次の話でお会いしましょう。
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