呪術収集   作:黑米田んぼ

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明けましておめでとうございます。沢山のコメントありがとうございます。


第5話 H城址

「―――じゃあ、今日はここまでにしようか」

 時間は17時夕暮れになったからこそ螢多朗は授業の終わりを告げた。

 

「うん」

 夜宵もまた螢多朗の言葉を聞いて教材を纏めていた。

 

「―――――やっと・・・終わった・・・・」

 余裕な夜宵と違い一方虎杖は疲れ切っており魂が抜けきる程に消耗していた。

 

「悠仁大丈夫?」

「…何で夜宵はそんなに余裕なんだよ俺の問題も簡単に解いていってさ」

「―――フッ、デキが違う。・・・・・螢多朗、悠仁ちょっとぶらぶらしよう」

 

 そう夜宵が言い三人は自転車と歩きで散歩に出かけた。

 

「・・・・・やはりチャリンコも良い」

 昨晩の一件を気に気に入ったのか楽し気な夜宵に螢多朗は呆れる。

 

「……それにしても大変な事になったね」

 ふと、螢多朗は何で夜宵は自分達を連れ出したんだと思いそれと無く聞き出せないかと話し出す。

「うん」

「そうっすね」

 

「新しく出来た教え子が呪術師だったり神様に喧嘩を売ったりこれじゃあ命が幾つあっても足りないよ」

「あ、…あははは、そうっすね」

「螢多朗も対外」

「う……」

 ぐうの音も出ない事を突かれた螢多朗。

「僕自身驚きでいっぱいだよ。普段ならビビッて仕方ないのにね。なのに居ても立っても居られないんだ・・・そう言えば悠仁君はどうして呪術師になったの?」

 そう言えば興味が湧いたから聞いてみても良いのかなと思い虎杖に聞いてみた螢多朗。

 

 

「俺っすか・・・う~~ん、俺つい最近までただのボンピーだったんですよ」

「一月も経ってないの?」

「まぁな、それでうちの爺ちゃん死んじゃって。その時の遺言お前は強いから人を助けろって。その遺言に従ったらいつの間にか呪術師になっちゃったって感じで」

「・・・・・なにそれ」

「―――そうっすよねぇー!俺も言って何言ってんだこいつって思いますよ」

 

「そうなんだ・・・・・悠仁もうちょっとスピードを上げても良い?」

「へ、良いけど」

 そう言い虎杖は螢多朗達の前を走る。

 

「―――――私はママを取り戻すために一人で頑張って戦ってきた。螢多朗が守ろうと前に立ってくれたこと。悠仁が関係無いどころか私が悪いのに螢多朗を助けてお化けを倒そう戦ってくれて、そんな二人が一緒に戦ってくれるって意思を示してくれたことが嬉しかった。…だからつい盛大に喧嘩を売ってしまった」

「ほんと手のかかる生徒だよ夜宵ちゃん」

「ホントだよ五条先生が見つけなかったら秘匿死刑になっても仕方なかったぜ夜宵」

「むぅ・・・」

 ぐうの出ない正論に夜宵はうめき声しか出せない。

 

「せっかくだから螢多朗に言っておきたい事がある」

「何?」

 聞き返す螢多朗。

 

(ちょっと恥ずかしいけど。二人乗りだから顔を合わせなくて済むから悠仁も顔を見たりしないだろうから言えること)

「前に囮役として信頼していると言ったけれど…それ以上に……」

 

 

 

 

「―――――無二の相棒だと思った。ありがとう螢多朗」

 

(これが言いたかったんだね)

 クスリと笑う螢多朗。

「そして、これからもよろしくね悠仁新しい盾役」

「―――おう!、最高のタンクを見せてやるよ」

「もう、二人とも危ない事はしないでよね」

「善処する」

「それが仕事何で俺呪術師なんで」

 

「…もう、夜宵ちゃん何処か行きたいところはある?こちらこそ日頃のお礼でどこでも連れていくよ悠仁君はどうする?」

「先生仲間外れは酷いっすよ俺も付いて行きます」

「・・・・・じゃあ」

 夜宵が指さす先に三人は進んでいく。

 

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・夜宵ちゃん…も、もう日も暮れたけどまだなの…?」

「まだまだ」

 夕暮れの太陽が沈み月が昇り夜へと時間がたつほどに自転車をこぎ続けていた螢多朗。

「…悠仁君は大丈夫?」

 流石に心配した螢多朗が虎杖に聞いて来た。

「問題ないっす!!」

「げ…元気だね…い…一体どこに向かっているの…?」

 

「・・・・・・実は直ぐに行く予定だったからマップには書いていない心霊スポットがある」

「え!?・・・ちょ、何を言っているの?」

 

「私の部屋のシステムが崩壊した現状詠子の留守は安全保障上都合が良い。更に螢多朗を護衛できるフィジカルボディーガードの悠仁…そして昨晩偶然生まれた部屋に置けない卒業生が手元にある」

 

「「・・・・・・」」

 ぞわりとする薄暗い気配その気配に二人は気づく夜宵の意図に。

 

「だからこのタイミングは見逃せない。東京版と全国版の両方にその名を重ねる最恐心霊スポット――――――東京都危険度SランクH城址」

 

 そして到着する合戦の果てに多くの女性がその身を投げた城の跡地。儚き姫君が城主をする呪いの地に。

 

「…じゃ螢多朗いつもの―――――れっつごー!」

「・・・・・・・すと・・・」

 楽しそうに叫ぶ夜宵に対して力なく呟く螢多朗。

「あ、伊地知さんに伝えておこう」

 それはそれとして現状を報告するために伊地知に電話をする虎杖だった。

 

 

 

 

 

 

『―――――事情は五条さんから聴いていましたが…それにしてもH城址ですか』

 虎杖の報告を聞き呆れながらもそれでいて大人の対応を取る伊地知。

「そうなんすよ何か知りませんか伊地知さん」

『そうですね…まずH城址は戦国時代に多くの命が散りその事で生まれた呪力と死んだ女性達が集まり1級レベルの呪霊が住み着いています』

「そいつヤバいんですか?」

『いえ、そこまで危なくはありません。彼女の目的はあくまでもあの地で起こった事そして、その地にいた人たちの事を語り継いでもらう事が目的なのであまり変な事をしなければ酷い事はされません。その上あの地に集まる呪いを狩り寄せ付けない魔除けになっていますので出来れば捕まえないでください。白装束で首に切られた直後のような傷がついた女性型の呪霊です。高専の者と言えば何もしないはずです』

 

「だってよどうする夜宵?」

 電話内容を伝えた虎杖。

「・・・・・ふむ、じゃあ今日の所は身代わり用で卒業生を育てるためのレベルの低いお化けを捕まえることに専念しよう」

「ほっ、良かった。善良な霊なら怖くないよね」

 残念がる夜宵とは対照的に螢多朗の声は軽かった。

 

「・・・・・そうだ。二人ともSランク以上について今後の事もあるので特徴を伝えておいておく」

「…教えて夜宵ちゃん」

「Sランク以上の共通項それは―――――一度関わったら戻れない。距離を無視する呪いにかかる。または閉じ込められる」

「・・・マーキングをされるか領域に閉じ込められるってことか」

 以前の経験を元に虎杖は夜宵の言葉を飲み込む。

「悠仁君そういった相手と戦ったことがあるの?」

「ウッス、そいつら領域って自分のフィールドを作って閉じ込めるんすよ。そうなったら取り合えず先生は閉じ込められる前に逃げた方が良いすよ」

「そういうこと、それじゃあ霊を捕まえに…いざ」

 そう言ってH城址に視線を向けたら・・・

 

 

 

 

 

 

「―――――見学かえ?」

 突然老婆が現れた。

 

「えっ!?こんな時間に何で!?」

 驚愕する虎杖となりでは同じように螢多朗も驚いていた

 

「滝に行きたい」

 困惑する二人を尻目に夜宵は当初の目的地であった奥の滝に行くと伝えた。

 

「滝か…案内しちゃる」

 そう言い老婆は歩き出す。

 

「ちょっと!?」

 老婆について行く夜宵に二人も追いつく。

 

「や、夜宵ちゃん!?」 

「螢多朗、悠仁謂れを見て」

 困惑する二人を理解させる為に自分のスマホを見せる。

 

「・・・・・あれこれって?」

 謂れには老婆の話がある事に気づいた虎杖。

 

「分かった?これが件の一級のやり方なのかもれない。もしかしたら力を貸してくれたり卒業生相当の霊の場所を教えてくれるのかもしれない…けれど危ないかもしれないから螢多朗これを渡しておく」

 夜宵はグレイ人形を螢多朗に渡しておく。

 

「夜宵はどうするのかよ?」

 そういう虎杖に対して。

 

「私はこれ」

 そう言い卒業生と何かの仏像なのか指を見せる。

「それは?」

「鬼子母神の指」

「どこで手に入れたんだよ」

「とある廃寺」

 そう言って夜宵と虎杖は指の話をしていると。

 

「―――――ッ!?何かが後ろから近づいて来た」

 螢多朗が霊の気配に気づきビックリした。

 

「そうっすか?見えないっすけど」

「背景が真っ暗だから見えづらいのかもしれない螢多朗何かいたら教えて悠仁が捕まえる」

「俺がかよ!・・・・・・あれ?螢多朗先生?夜宵?」

 周りを見ると螢多朗も夜宵も居なくなり虎杖は独りぼっちになってしまった。




早ければ明日にでも続きを出そうと思います。
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