「のけ者にされた…」
時間は流れH城址から帰還し激戦で疲れた体を休めた夜宵達に詠子は不貞腐れていた。
「ごっ…ごめん!急な話だったから仕方なくて…ほら夜宵ちゃんも謝って」
不貞腐れる詠子を螢多朗は必死に慰めるために夜宵にものけ者にしたことを謝るように促すが。
「…怖かったわ~詠子が課題で行けなかった心霊スポットどちゃくそ怖かったわ~」
「むーっ!!」
出る言葉は謝罪の逆直球ストレート剛速球の煽りだ。そんな煽りをすれば詠子は怒りを収めるどころかますます怒るだけだ。
「いや、正直マジでヤバかったんすからね。H城址の霊マジで強くて幻燈河先生を守っているだけで背一杯だったんすよ。詠子さん行ったら死ぬかも知れなかったかもしれないっすよ」
詠子をなだめるために虎杖はH城址の霊の恐ろしさを伝えようとする。
(ナイスだ悠仁君)
煽る夜宵とは違いなだめるために言葉を紡ぐ虎杖に螢多朗は安堵する。
「…うん分かったH城址でどんなことがあったか教えて?」
((聞くんかい!!))
小さく可愛らしくH城址の戦いを聞こうとする詠子。
「…―――――とまぁこんなところだったけど。ご機嫌斜めな詠子に和解の意を込めて」
H城址の出来事を話した夜宵は詠子に提案する。
「もっと怖そうなところに行きたくない?」
そう言う夜宵に詠子は目を輝かせていた。
「いや、本気でH城址ヤバかったんだけどそれよりもヤバイ場所に行こうとするのに何でそんなに楽しそうなの!?」
恍惚とする詠子に思わず虎杖はビックリする。
「…ごめんね僕の彼女がホラー大好きで…でも夜宵ちゃんH城址でさえあんなに危なかったのにもっと危ない所に行って生き残る勝算あるの?」
ツッコミを入れる虎杖に
「いける。大僧正の強さが確認できたそしてH城址の霊もいる…分霊を身代わりにしていけば鉄壁になる」
「何でH城址の霊を身代わりにする前提何だよ!?」
夜宵の外道戦術に虎杖は思わずツッコミを入れる。螢多朗も同じ考えだったのかうんうんと頷く。
「ね…ねぇ!…行先は!?行先は何処!?」
夜宵の外道戦術にドン引きする男二人をそっちのけに詠子は夜宵に行先を問う。
「…―――――次の目的地は『和服の女性の噂』が有名な場所加えて『封鎖された奥から泣く声が聞こえる』『何かが近づいてくる』などなどの霊的噂話が多い禁歩地―――――…東京都青梅市―――…旧Fトンネル」
『―――――きゅ、旧Fトンネルゥッ!?ほ、本当ですか虎杖君!?旧Fトンネルに呪霊探しに行くというのですか!?』
所変わって寳月家の庭で虎杖は伊地知に電話で報告をしていた。
「らしいっすよ、新しい『卒業生』を回収してから行くらしいす」
そう言う虎杖の携帯の先では伊地知がおよよと力無い声が聞こえる。
『あの場所は危険な一級呪霊が出没する場所で心霊系ユーチューバーなどのせいで犠牲者が多少いますが、新しいトンネルなどのあまり人が通らない場所のため討伐のための術師がまだ決まっていない状況です。H城址とは違い明らかに今の虎杖君には荷が重すぎます』
「・・・・・ごめん伊地知さん。俺じゃあ夜宵達を止まられない」
『・・・・・分かりました…虎杖君。時間を稼いでください七海一級術師を大至急来れるようにします』
「えっ!?ナナミン来るの!?まじかぁ、それなら大丈夫かな。分かったす伊地知さん何とかします!」
「・・・・・悠仁君電話終わった?」
玄関にいた螢多朗が虎杖に声をかけて来る。
「ウッス、…実は補助監督の人から援軍を連れて来るって言われたからそれまで待っててくれって言われました」
「援軍?強い霊能力者なの?」
「マジで強いっすよ!俺も前の任務で一緒に仕事をしたんですけど頼りになる大人の人っす」
「そうなんだ。悠仁君が強い人って言うなら…安心だね」
若干口ごもるが螢多朗の顔は柔らかい。夜宵を越える身体能力、霊を相手に拳で相手をする虎杖の実力を知っているからこそ、その虎杖が強いという強い霊能力者が援軍に来る事は戦闘能力がない螢多朗や詠子にとっては幸いだ。
「螢多朗、悠仁ちょっと忘れていた事がある」
夜宵が二人に声をかけて来る。
「え?どうしたの夜宵ちゃん」
「…――――ずっと忘れていた。旧Fトンネルに行く前にこれを何処に隠すか少し話したい」
そうして三人を今に集めさせた夜宵はH城址で回収した腕の呪物を見せた。
「ゲッ!?…それを伊地知さんに言うのをすっかり忘れていた!?」
「ちょ…!これ…持って帰ってきちゃったの!?」
件の呪物を見て虎杖や螢多朗は目を丸くした。
「うん」
「え…それって…本物のミイラの腕…!?」
「いや・・・待って……こいつは死体損害遺棄罪じゃ…」
「さ、…流石にこれを家に置いておけないよ…」
流石に犯罪に入る事に詠子もビビる。
「それ高専に回収してもらうか。流石に善良な一般霊を呪霊にするものは回収しないと」
そう虎杖が提案するが…
「…ごめんけど悠仁の案は受け入れられない」
その提案を夜宵は却下する。
「どうしてだよ」
「…悠仁の提案は悪くないと思う…けど、悠仁の補助監督って人はH城址の霊が善霊だって言った。実際そうだった。…でも、悪霊化したH城址の霊を呪術高専が放置しておくはずがない。そう考えたらH城址の霊は高専が確認した後に呪物を設置したか…もしくは呪術高専の中にこの呪物を意図的に放置し悪霊を生み出し犠牲者を増やそうとする存在がいる可能性がある」
「…それ…は…」
そう言われると何も言えない虎杖。
「やっぱり螢多朗の部屋に…」
「やっぱりって何!?僕が捕まっちゃうよ。てか普通に嫌だよ!?」
「で…出かけて帰って来るまでに隠し場所を探してとこ…」
「そ…そうしよう!」
「一番現実的なとこに落ち着いたか…」
「高専に渡せないならそうなるよ」
―――――それから支度をして。
「おまたせ」
人形や服の準備を終えた夜宵が玄関から出て来る。
「お!夜宵ちゃん準備出来た?」
そう言う詠子は動きやすい衣装に着替え終えていた。
「おーっ!詠子こそガチ装備!」
「えへへ、心霊スポット突撃用に勝負服を準備していたんだ~だって!これから向かうのは危険度Sランクの心霊スポット旧Fトンネル!気合も入るよ~」
「幻燈河先生、詠子さん正直危ないから置いてい来たんですけど…」
「・・・・・ごめんね悠仁君。…胃が痛い」
「よーしそれじゃあ心霊スポットに向けてー!」
「れっつごー!」
「すと!」
四人を入れた車が出発しようとしていた。
「…その前に夜宵ちゃん新しい卒業生を回収するんだよね」
「そう。昨日そこそこ消耗していたし。いずれかが暴走した時のための保険をもう一つ用意する」
「そういえば家に置いとけないんだけ…?」
「封印していても一区画くらいに影響があるだから」
「そう、だから人気のない所の場所に隔離して必要な時に回収する…その場所は青梅市の多摩川河川敷。そこは霊的エネルギーが溢れれうパワースポット――――…『龍脈』などと呼ばれる『立川断層』の上に重なる場所」
「そこにはどんな呪霊が封印されているんだ?」
「…―――――一つ訂正するならまず今回の卒業生は悪霊じゃない善霊…それでも危険」
卒業生が封印されているパワースポットへと車が走る。
「―――――あの子は南方戦線で戦った旧日本軍の霊生前から限りなく『不死身』に近い回復力を持っていて、その死後その特性を継承しそれ故に今まで殺害した敵兵数百人の魂が今もなおまとわりついていて食べられている。けど消えないから成仏できずに怨念を振りまいているから成仏を条件に協力しているけど周りの敵兵は封印から漏れ出て襲ってくる。そんな霊…だからこの中で一番敵兵を対処できる悠仁今度も頼むよ」
そう言い夜宵は虎杖に梅雨払いを頼んだ。
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