実は俺、BETA大戦に介入しました!   作:夢見る黄龍

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37.これまでのあらすじ

 

 

 

 さて、昴達がこの世界に転移してきて既に40日、地球上に降り立って1月(ひとつき)あまりが経とうとしていた。

 木星の裏側には、直径5千kmの人工惑星にまで拡張されたハコの外殻艦が居座り、太陽系内で地球以外のBETA狩りを行っていた。

 そして、既に近隣の恒星系(シリウスやアルファ・ケンタウリ辺り)にまでその手を伸ばしていた。

 地球上では、手始めに拠点のメガフロートの建設を急ぎ、同時に汚染された海洋の浄化を推し進めていた。

 この地球上では、寄る辺もなく何ら後ろ盾もない状態だった彼らだが、持ち前のチート技術で元の世界と比べても遜色のない、更に規模を大きく拡大したメガフロートが構築されていった。

 メガフロート建設も2度目ということもあり工期も大幅に短縮され、各施設も効率化された物で作られていた。

 ここに、稀に見る巨大な海上都市が構築されたわけである。

 その規模は、100km✕100kmと10,000平方km。

 形状的には、頂点の深さ1kmの扁平な逆ピラミッド型をした浮島である。

 

 BETAの日本への大規模侵攻は防げなかったが、蹂躙されていた四国の開放を果たし生存者の救出も行っている。

 四国開放時、殆ど死んでいた者も合わせると軍民合わせて3000名余の人命の救出及び蘇生に成功した。

 特に軍人は、漏れなく全員一度は死亡している。

 現在一般生活が可能な者達は、野菜や人造蛋白の製造ファームで働いており、後日切り離された施設ごと安全な四国に移動する予定だ。

 これら切り離された施設は、四国の海岸線に直接接続して海上都市として存続出来るところまで移動し、アースガードの食物製造工場として稼働する予定である。

 大多数が、日本には戻りたくないといっている様だが安全が担保できるのであれば故郷に戻るのが理想だろう。

 事実上、日本帝国政府の認識として既に鬼籍に入っている人達が殆どであり、それが生き残りとして自然と生存圏に戻れるように、その辺の政府との取り次ぎも巌谷さんにお願いする予定である。

 

 さて、すでに四国から九州へのメタルワームの逆侵攻は、開始されている。

 高島から佐田岬へ進軍していたBETAは、そのことごとくが佐田岬に上陸する前にメタルワームの餌となっていた。

 メタルワームは、高島から佐賀関をへて逆に九州に上陸している。

 

 九州で奮戦していた防衛軍の生き残りが全滅しこれを蹂躙していたBETAのその殆どが本州の侵攻に移動している頃、メタルワームによって密かに逆侵攻は実行されていたのである。

 この時、九州からすべてのBETAが居なくなっていたわけではなかったし、支配領域の監視に残されていた僅かな個体も存在した。

 しかし、この逆侵攻によってアッと言う間にBETAは、メタルワームに蹂躙されたのだった。

 

 メタルワームは、地球の浄化に一役買う存在である。

 BETAの駆逐はもちろん、環境に害のある物質を取り込んで分離濃縮し、後に分子変換しやすいペレット状にして地上に吐き出すのである。

 自身の増殖に必要なエネルギーや元素は、出来るだけBETAから摂取し地球環境を破壊せずに戦場を清浄化する効果がある。

 実際には、これまで人類が地球上で吐き出し蓄積されていた有害物質、主に放射性物質や重金属の他に化学物質や毒物も対象とされているので、戦闘の後に放置されたBETAの市街や食べ残しは元より破壊された戦術機など放置すると後の始末に問題なある物などを別け隔てなく体内に取り込み分解し無害な物質と濃縮ペレットにして排出される。

 当然メタルワームが処理した地域からは、有害な汚染物質などの他に人類・BETAの別け隔てなく地球の自然環境に影響しない様に分別される。

 放射性物質などは、集積しても臨界など起こさない安全な状態でペレット状に排出される。

 メタルワームの排出したペレット()は、収集分別するだけでリサイクルが非常に簡単である。

 これは、再資源化がとても容易であるという事で、専門家に言わせれば宝の山とも言えた。

 

 地球にも存在するミミズは、地面を掘り進む時進行方向の物質を体内に取り込んでおしりから排出するように進む。

 この時に土壌は、柔らかく耕され排出された物は、後に豊かな肥料となる。

 メタルワームの排出物は、肥料にはならないが無害化され有益な資源となる。

 そして、残された大地からは有害物質が取り除かれて清浄化されるという訳だ。

 

 先日まで四国に存在したメタルワームは、そのすべてが九州と一部本州の山陰中国地方に移動してBETAによって荒らされた土壌ごと戦場の処理を行っていた。

 所謂、戦場の清掃活動であるのだが、この時点でまだ生き残っていたBETAも漏れなく餌食となっている。

 端からそれらを見ると、どちらが敵か分からない様な絵面であった。

 実際のところメタルワームの見た目も、その大きさを別にすると新種のBETA(母艦級)に近い形状をしているので、どう贔屓目に見ても共喰いのように見えてしまうのは仕方がない。

 

 そして現在、メタルワームの一部が朝鮮半島を北上していた。

 これは、九州から逃げ出したBETAを追って行った殲滅部隊の一部である。

 日本での戦闘データを持ち帰らせるわけにはゆかないので仕方なく追撃させている次第だ。

 

 昴達が西ノ島を開放し壱岐から対馬に到着する頃には、すでにBETAの姿は何処にも無くメタルワームに依って処理された更地と僅かに残った自然だけだった。

 破戒された建造物や船舶のほか乗り捨てられた乗用車など邪魔になりそうな物もメタルワームが処理した後だった。

 

 

 

「結構おっきな島だけどサッパリとしちゃって何も残ってないね」

 

[肯定。メタルワームはそういう目的で創りましたからね、当然といえば当然の結果です。半島に遠征した個体は、サッサと帰って来て此方を手伝えと言い聞かせてあります]

 

「見た目に反して使い勝手が良すぎないかい?」

 

[肯定。一部にコズミックドラゴンの因子を組み込んだらしく、遺伝子レベルでマスターの言いなりだそうですよ。良かったですね]

 

「それ、あんまりうれしくないんだけど・・・巌谷さんは上層部との接触に成功したみたいだね。香月博士はここに残るのかな?」

 

[否定。部隊をここに置いて本人はメガフロートに同行したいそうです。『伊隅に任せておけば大丈夫』だそうです。ゆくゆくは宇宙(そら)にも付いてゆきたいとの事ですがどう致しますか?]

 

「それくらいの便宜を図っても良いんじゃない。その代わりと言っては何だけど他の有象無象の盾役ぐらいにはなってほしいね」

 

[肯定。適度にこき使えば良いわけですね。分かりました]

 

「お手柔らかにね」

 

 

 

 対馬では、フォートレスが対馬海峡に居座り半島に睨みをきかせる形で島の要塞化が開始された。

 メタルワームの吐き出したペレットは全て回収され有効活用された。

 オートワーカーと建設用ドロイドが縦横無尽に走り回り、見る見るうちに島全体が要塞化されてゆくのは、BETAの侵略にも似て異様な光景だった。

 それは、人が何処にもおらず全て機械(マシン)によって構築されてゆく様子が観測されていたからである。

 機械(マシン)は24時間休まずに動き続け、僅か一週間で完成したアースガードの対馬要塞島は、BETAソッチノケで全世界から注目の的になるのだった。

 ちなみに煩いハエが山のように寄ってきたが、全て機械(マシン)に排除された。

 

 

 

 

 

 

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