メガフロートの大型ドックには現在何隻かの艦船が係留されている。
プレアデスアークⅢ、昴達が地球に来るときに乗ってきた40mクルーザータイプの宇宙船である。
リバイアサン、
ポセイドン、
そして、500m級多目的工作艦が2隻停泊していた。
内1隻は、ドック内で展開中であり、もう1隻を改修中である。
3隻の多目的工作艦の内1隻を戦術機用の空母に改修中なのである。
更にドック内には、120m級汎用型巡洋艦が5隻停泊していた。
造船設備が有るのに何故空母への改修を同型の工作艦で行っているかと言うと、造船所では150m級の偽装フェリーを建造していたからである。
この偽装フェリー、外観は現在の地球で使用されている貨客フェリーにそっくりだが、実はこれも宇宙船である。
内部に
これから日本国内で発生するBETA由来の生ゴミを回収するための船である。
現在戦術機空母に改修中の多目的工作艦だが、元は120m級汎用型巡洋艦の簡易空母としても運用された経験から、ある程度の物であれば何でも熟すだけの余裕を持つ艦船である。
艦を最大展開すれば浮きドックとしても使用できるし、各種整備に移動工場や移動基地としても稼働する。
今回は、独自開発した戦術機の運用と組立整備工廠としての役割を担う形となる。
ワルキューレは、単独でも地球を複数回回れるほどの活動範囲を持つが、まだ出来たてホヤホヤの機体だ。
試験飛行もまだで完熟するまでには運用データが足りていない。
今後の事も考えて運用する移動基地としての空母を仕立てる事になったわけである。
艦の全長が500mと大きいのでワルキューレで使用する部分などたかが知れているのだが万が一を考えて色々と手を入れているところで有るのだった。
ちなみに120m級汎用型巡洋艦を2隻、一番下の船倉に保険として格納してゆく事にした。
残りの3隻は護衛である。
改修前の状態でも30m級万能雷撃機サンダーバードの空母として稼働する。
30m級万能雷撃機サンダーバードは、単独でも恒星間を飛び越え敵惑星への電撃侵攻が可能な機動力を持つ中型戦闘機である。
ペイロードに丁度ワルキューレを1機格納出来るだけのスペースが有ったため、部隊の迅速な展開とトラブル時の回収を行う事になった。
ワルキューレは、直接の出撃発艦も可能だが今回は試験運用のため、イザという時の機体回収を最重要課題としたのだ。
このサンダーバードは管制AIのコントロールによって目的地まで迅速に到達し作戦を実施、補給及び支援を行い終了とともに機体を回収し帰還する予定である。
この戦力だけでもハイブ攻略が出来そうではあるのだが、今はまだ様子見である。
今日は8月11日。
情報によると帝国政府は、在日米軍及び国連軍に京都の放棄と東京への正式な遷都を通達らしい。
既に大阪・小浜間の最終防衛ラインでは戦闘が始まっている。
何時まで持つかは、本土防衛軍の頑張り次第だろう。
随分と時間を稼いであげたのだからここは是非踏ん張って欲しいところである。
「俺達はこの後、四国の高知に向かう。そこに母艦に改修した工作艦を停泊させて機体の完熟訓練を行う」
[肯定。瀬戸内海側からBETAを間引くわけですね]
「そうだ。今回は偽装フェリーが間に合わないからリバイアサンに同行してもらってゴミ拾いと証拠隠滅を行う。ポセイドンは、今まで通り海洋浄化と情報収集に着手してくれ」
『『了解しました』』
「ナノマシンの準備は何処まで進んでる?」
アステローペが答えた。
[地球全体をカバーするだけの量となりますともう少し時間を頂きます。日本本土分だけならばあと2日頂ければ散布が可能な量を確保できます]
「俺達は、広島方面に侵攻してBETAの間引きをしながらワルキューレの完熟訓練と運用試験を行う。BETAの帝都侵攻部隊を後方から挟撃して圧力の軽減を図る事となる。手の空いてる者は一緒に来てくれ、アステローペとアルキオネは、このままナノマシン散布の準備を進めるように。メローペは、上空待機のサンダーバードからワルキューレの管制と無人随伴機体のコントロールを頼む。タイゲタはポセイドンと一緒に情報収集を頼む。日本帝国軍は防衛戦に集中していると思うが何時こちらに気がつくか分からない。大阪湾にいる国連軍の艦隊にも気を配ってもらいたい。ハコは、母艦でCPだ。単独行動は厳禁、スリーマンセル以上での機体行動を厳命する」
[[了解しました]]
[ハーイ♪]
[ラジャー]
「やっと妾の出番ジャな」<シャシ
「旦那様に良いところを見せませんと」<ラクシュ
「害虫は駆除しないといけません」<リリアナ
「そうそう」<裕美
「BETAの行動パターンやモーションデータの記録は忘れないでね」<双葉
「背中は任せろ」<ジェニー
「ふむ、機体の限界性能を極めてみようか」<聖
「みんな、気をつけるんだよ」<銀河
[肯定。パイロットスーツは各自のガードスーツを流用できるように調整してあります。機体が損傷した場合は、無理せず
「分かった。それじゃみんな、始めようか?」
[[[[「「「「「「「「
臨時空母を旗艦とした4隻のウンサンギガ艦隊は、メガフロートを発進しドール部隊の待つ四国、高知を目指すのだった。
※MMM(モレキュールマテリアルマシン)
:潤沢なエネルギーを使用して取り込んだ物質を原子にまで分解し、必要なマテリアルとして自由に分子変換し素材として還元するマシン。