「逃げろぉぉお!!!怪物だ!!!」
「化け物がやってきやがったァァ!」
ここは新世界に位置するワノ国、今この国は外からやってきたカイドウと呼ばれる海賊が暴れ回っていた。
鎖国中のワノ国は中に入るのも外に出ていくのもどちらも大罪。だが内側に燻っていた悪性が外海にいた暴虐の使徒をこの国に招いたのだ。その結果、代々光月家が将軍に就いていたが光月スキヤキが降ろされ、後任に就いたのが息子の光月おでんではなく、黒炭オロチという男であった。この男はカイドウと取引することでワノ国を奪ったのだ。真の将軍家であるおでんは黒炭との確執を無くすために謝罪の盆踊りを1年披露するも最後には処刑となった。
おでん率いる赤鞘九人男と呼ばれる配下達は散り散りとなり、己の宿願を果たすために20年の我慢を強いられることになった。また、ワノ国に住む者たちはこれから訪れる長き冬に耐えるべくその命を次の世代へと繋ぐ決意を胸に日々オロチとカイドウによって強いられた過酷な労働に勤しむことになった。
「九里が壊滅したって話は本当だったのか!」
「昨日今日でか?!クソ!俺たちが何をしたって言うんだ!」
「うるせぇ!いいから黙って逃げるんだ!」
そう、つい昨日光月おでんがオロチによって処刑され、赤鞘九人男はおでんの意志を継ぐために九里へと走った。道を阻む百獣海賊団を押し退けて城で待つトキ、モモの助、日和を助けるために血を流し涙を流し一切振り返ることなく走り続けた。
カイドウは反逆の意志を潰すために九里へと向かいその全てを破壊し壊滅させた。オロチは燃え上がる九里を見て踊っていたそうだ。
「フンっ!弱過ぎるぞ、侍ィ!」
カイドウが振りかざす棍棒によって鈴後の町は破壊されていく。
何故、カイドウが鈴後にいるか。それはオロチに「鈴後にはおでんみたいに言うことを聞かない侍がいる」と言われた為である。
本来であれば、扱き使われるようなことは嫌うカイドウだが、本人も少し気になるところがあったのか特に文句言うことも無く、この鈴後へと訪れていた。
カイドウは常に強者との闘争を求めていた。かつて自身が搭乗していた船は強者の集まりだった故に出会う者たちも皆己の闘争心を燃やしてくれる相手が多かった。ワノ国では邪魔が入らなければ負けていたかもしれない程洗練された覇気を扱うおでんと出会った。
であれば、おでんと同様従わないと宣う奴がどれほどの強さか気になるのも当然である。ワノ国にこれ以上強い奴は居ないと半ば退屈していたカイドウは今とても昂っていた。
「出てこい!このまま滅んでもいいのかァ!」
「おーおー、こりゃまた随分と派手に暴れてんなぁ、カイドウ」
逃げ惑う鈴後の住人の流れに逆らい一人の男がカイドウの前へと姿を現した。黒を基調とした装束を身に纏った男は右手に持つ刀を肩に担いだ状態で町を破壊するカイドウにまるで懐かしむように問い掛ける。
「アァん!誰だテメェは────!?お前は…」
「何も可笑しい話じゃねえよ。俺は元々ワノ国出身だからよぉ。大体20年ってとこか」
カイドウは信じられないモノを見たかのように瞠目していた。この男が自身の知っている人間だからではなく、何しろ自分の目の前に立っている男は──
「どういうことだ。何故──何故あの頃と姿が変わってねェ」
──かつてロックスの船の見習いとして乗っていた自身が知る姿形と変わっていないのである。20年の月日があって老いることなく変わらず若い状態にいる男に思考が固まってしまっているのだ。
「だっはははは!歳を取りたくても能力のせいでずっとこのまま。寿命ってのは遥か未来」
「そういや何の能力か終ぞ教えないまま別れちまったからな。ま、それよりもなんでここに来やがった」
「おいイオリ!おめェ俺の部下になれ。そうすりゃァすぐ話が終わる」
「断る。俺はもう戦わねぇってキメてんだよ」
「はっ!従わねえなら殺すのみ。後でじっくり話は聞いてやるよォ!雷鳴ィ!八卦ッ!!!」
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『富・名声・力、この世のすべてを手に入れた男、海賊王 ゴールドロジャー。彼の死に際に放った一言は人々を海に駆り立てた。「俺の財宝か? 欲しけりゃくれてやる。探せ! この世の全てをそこに置いてきた!」男達はグランドラインを目指し夢を追いつづける。世はまさに大海賊時代!』
「あれから随分と流されちまったが、ここは何処だ?新世界のどっかであることは確かなんだろうが。それにしてもワノ国の未来が誰かも分からねぇ海賊達に委ねられるとは夢みたいな話だな」
新世界 どこかの海域に小船一隻でユラユラと波と風に任せて進んでいるのは数時間前までワノ国でカイドウに追い掛け回されていたイオリという男である。
髪の色は白銀、目の色は鮮やかな赤、身長は195cm、左腰に差している最上大業物の刀を持つ男である。
彼の素性はワノ国の鈴後で生まれ、歳5つで興味深さで悪魔の実を食べ色々な出会いを経て精神年齢24歳でロックスの船に乗り、その4年後にまた海へ1人で彷徨い続けた憐れな男である。
実力で言えば鷹の目ミホークのように1人で海に出ても暇つぶし程度にしかならないくらいの強さである。
「さてと、仕方ないがあと20年気長に待つとしますか」
イオリの格好は黒が基調とした黒白の漢服唐装のような着物を着ています。彼は一応侍として数えられますが、元々海賊であり侍文化もそこまで執心してないので、髷もない浪人です。
更新は不定期になります。ただでさえもう一つも執筆止まってますからね。