ヴリトラハン   作:雀盆

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慢心創痍

 

「ハッピーかい?」

 

 ルフィはベッドで眠るナミの横で忙しなく部屋を右へ左へとぐるぐる歩き回って大体15分が経った頃、この城の現在の家主が帰宅してきた。冬国なのに軽装な格好をしたお婆さんと二足歩行の獣男が部屋に入ってくる。彼らこそイオリやドルトンが言っていたDr.クレハとトナカイの化け物チョッパーである。

 

「お前らが医者か?!頼むナミを助けてくれ!」

 

 ルフィは直ぐに土下座をして頼み込む。部屋に入るなり不法侵入していた者が土下座をしてきたのだ。当然クレハとチョッパーはその光景に固まってしまうも、ベッドで寝かされた呼吸を荒くしたナミを捉えると直ぐに顔つきは医者としての仕事顔に切り替える。

 

「一旦話はあとだね。チョッパー直ぐに始めるよ」

 

 クレハとチョッパーによる適切な処置のおかげで無事ナミの身体は回復に向かう。

 

「もうこれで大丈夫だろう」

「本当か!ありがとう!」

「さて、色々と話は聞かせてもらうよ。お前さんらは一体どうやってこの山を登った?」

「あ、あぁそれはイオリの能力でここまで来たんだ。それよりナミはもう大丈夫なんだな?!」

「あぁ、全部処置が良かったお陰であと一日遅かったら死んでいた」

「容態もだいぶ良くなっていた。これを処置したのはお前か?」

「─────タヌキが喋ったァァァァ!!」

「ぎゃぁぁぁああぁ!!!タヌキじゃねぇよ!俺はトナカイだ!」

「飯ぃぃぃぃい!!」 

 

 ルフィは喋る二足歩行のトナカイに興味が引かれ、逃げるチョッパーを追い掛けるように部屋の外に出ていく。騒がしくなったせいで先程まで眠っていたナミが目を覚ます。

 

「っん…ここは」

「起きたかい?」

「貴方は」

「若さの秘訣を知りたいのかい?」

「それは結構です。そうじゃなくてここは」

「お前さんはケスチアに罹っていたんだ。少なくともあと1週間は安静だよ。私は医者でね。お前さんを直してやったんだ。そうだな。お前さんらの乗ってきた船に乗っている財産半分が治療費だ」

「そんな法外な治療費無理よ!」

「何言ってんだい!当然の対価だよ。海賊ならそれくらい持ってるだろう」

 

 そしてクレハから退院はさせない旨を聞いて更に文句をあげるナミ。廊下からはチョッパーを捕まえようと駆け回るルフィ。全体的に喧騒としてきたところにちょうど戻ってきたイオリがナミとクレハの言い合いに割り込む。

 

「スマンがクレハ。こっちは時間が無いんだ。お前が海賊をやってくれるんならその提案にも乗れるが、国の一大事でな。悠長にここで休んでいられないんだ」

「まさかアンタがこのガキ共と一緒にいるとはね。何年振りだい?」

「治療費は前の貸しで事足りるだろ。医者がいればここに留まる必要も無い。城中を走り回ってるあのトナカイ。アイツも医者だろ?」

「チョッパーはアタシの一番弟子だよ。腕もピカイチ。それにしてもお前さんが居たのならあの処置も納得さね」

「チョッパーを仲間にしてもいいか?」

「あたしゃ関係ないね!あの子の闇は…いやイオリよりは深くはないだろうが、あの子も充分深い傷を負っている」

「その辺はルフィが何とかするだろうさ。アイツは無自覚で人の心を救う」

 

 

 

───────────────────

 

 

 

「それで"帝釈天(インドラ)"が現れたのは本当なの?」

「あぁ、Mr.3がやられた。奴のでんでん虫から直接な」

 

 砂漠の国、アラバスタ王国のどこかの都市にあるどこかの建物の地下。バロックワークス社長であるクロコダイルが拠点にしている場所で苛立ちを隠せない様子で"悪魔の子"ニコ・ロビンにMr.3からの報告を喋っていた。実際はMr.3ではなくイオリだったのだが。

 

「あの男が王女ビビを守ってるとくれば、簡単に手を出すことは出来ねぇ」

「それほどの男なの?正直な話、私は噂程度でしかその実力を聞いたことがないから」

「海賊の中でも現在頂点に位置する四皇(奴ら)とタメを張れる実力を持っている。こちらから手を出さなければいいが、少々厄介なことにn──っ?!」

 

 冷や汗を流しながら今後の作戦をどう動かすか思考に耽ろうとした時、丁度嫌いな人間からのでんでん虫が鳴り響く。

 

「フッフッフッフッ!久しぶりだなァワニ野郎!」

「ドフラミンゴ何の用だ」

「フフフフフ!いぃやあ?相変わらず国盗りに精を出してて忙しいそうだと思ってな、労いに来てやったんだ」

「下らねぇ用なら切るぞ」

「四皇ビッグマムの船が楽園(パラダイス)に入った。目的は不明だが、乗っているのは将星カタクリ含む幹部10人で構成された一味が絶賛天下り中だ。フフフフフフフ!目的は何だろうなぁ?」

「チッ!ニコ・ロビンか…」

「手貸そ───」

 

 クロコダイルはこれ以上話す必要が無いと判断して強制的にでんでん虫を切る。この平和な海に四皇が来るとなれば計画を早める必要がある。目的は明確では無いが、普段連絡してこないドフラミンゴが態々連絡してきたということは少なからずクロコダイルに関すること。四皇ビッグマムは兼ねてより情報収集においては四皇一の情報通。ポーネグリフを読むことが出来るニコ・ロビンの拿捕を狙っている可能性が高いと判断したのだ。

 ロビンも四皇についてはその凶悪さを知っていた為、四皇に狙われている立場に戦慄していた。新世界に入った海賊の一部は海賊王になるための条件のひとつにポーネグリフが関わっていると知っている故の今回のビッグマムの行動であるが、未だその事を知らないロビンからすれば、理由が不明確故の恐怖心に支配されていた。

 

「Ms.オールサンデー!直ぐにアラバスタ沿岸に見張りの社員を配置させろ。ビッグマムの船が見え次第直ぐに連絡するように指令を出せ。お前も一人での行動は成る可く控えるんだな」

「ええ、直ちに」

「それと奴らを招集させろ。作戦の決行を早める。Mr.2にも連絡して回収を急がせろ」

 

 

 

──────────────────

 

 

 そして、場所は戻りドラム王国は現在少しばかりの窮地に陥っていた。外海で海賊行為をしていたドラム王国の国王ワポルが忠臣を引き連れて王城の前に帰還していた。

 

「麦わらァ!お前がなんでここに!ここは俺様の城だ!」

「もうアタシの城だよ」

「カバめ!勝手に住み着いた盗人が!図に乗るな!」

 

 ここからルフィ、チョッパーによるワポル一味の物理的国外追放が行われるのだが、更に場面は変わりイオリのところへ。

 彼はまた一人、ある問題に借り出されていた。現在麦わらの一味にはでんでん虫やビブルカードなどの連絡手段等をイオリによって教え込まれている。そのおかげでナミ、サンジ、ウソップにはでんでん虫とイオリのビブルカードが渡されている。ルフィとゾロには一応渡しているがビブルカードは兎も角、性格的にでんでん虫を持ち歩いてるか怪しいが、一味はそれぞれで離れた場所での連絡経路を確保していた。

 そして、現在の城にいるメンバー以外の構成は船番していたゾロが何故か上裸で林道にいたところにサンジとウソップ、ビビが合流し、計4人で雪崩に巻き込まれた村の人たちの救出を行っていた。因みに雪崩だが、王城に向かったワポル一味がラパーンという兎の獣に襲われた際に発生したものである。

 

 さて、話は戻るが雪崩から村の人たちを救出して間もなくCP-0が現れたのだ。ゲルニカと辛うじて動けるラスコー、そしてもう一人の白いローブに包まれた男の姿。

 彼らの目的は王女ビビの拿捕。目的のためなら邪魔する者を全て殺す。今回の任務に関しては見られた者を全て何者であろうとも消さねばならない。

 村の人々はゲルニカらに不意打ちを食らうように次々と倒されていく。そして相手が誰かは不明だが、目の前で平然と殺戮ショーを繰り広げる男たちを見ない振りなど出来る訳が無いゾロたちは、彼らを守る為に戦い始めるも覇気使いに六式使い。到底適う訳がない。手も足も出ずに両翼の2人がやられると、ウソップは情けなくも泣きながらでんでん虫でイオリに連絡することとなる。

 

「やはり協定は無意味だったな」

 

 麦わらの一味を傷つけない。加えて国の住人も含めた何もしない条件でゲルニカを見逃すという協定。しかし、イオリが到着してみれば、ゲルニカとラスコー、そしてもう一人知らない顔が村を蹂躙していた。ゾロやサンジも軽い傷を負っているのもあり、完全に協定は無くなったと判断していいだろう。

 

「この国は既に国王が居ない王の選別期間。故に現在この国は国では無い」

「屁理屈だな」

「お前らは所詮海賊…守る意味が無い」

「──無辜の民を殺していい理由にはならねぇな」

 

 ウソップにビビを守るように告げるイオリは件の三名にゆったりとした足取りで近づく。一歩、また一歩と進むごとにイオリから放たれる圧は増大して膨れ上がる。一度は伸されたラスコーは恐怖心から後退る。

 徐々に人獣形態に変わっていく様は雪国に舞い降りた神そのもの。二対四本の腕にはそれぞれイオリ本来の武器右手には『童子切安綱』と左手には『金剛』を携えている。イオリの元々の漢服唐装のような服装と端正な顔立ちも相まって天女を彷彿とさせる神秘的な格好となる。

 

「ソイツがお前たちが死ぬ覚悟をしてまで動こうとした切り札か?」

「お初にお目にかかります。当方はプロヴァンス」

「CP-0は相変わらず社畜根性丸出しなようでこっちは嬉しいよ」

 

 言葉が途切れるとイオリの覇王色で直ぐにラスコーはダウン。ゲルニカはその凶悪さを知っている故に嫌な冷や汗が止まらない。プロヴァンスはと言うと、彼はCP-0の中でも新人故に、実力の差分を理解していないのだ。若干覇王色に耐えれる時点で自分は強いと勘違いしているのだろう。ここだけの話だが、プロヴァンスはその実力を買われ出世街道を練り歩くエリート諜報員、傲慢になるのも仕方ないだろう。

 

「フッ!伝説の海賊と聞いて見ればこの程度の覇気ですか。ゲルニカさん、ここは当方に任せてください」

 

 プロヴァンスは何処からその自信を得ているのか不明だが、イオリを完全に舐め腐っている。周りに一般人や仲間がいる中で全力の覇気など出来る訳もなく、範囲を絞り且つそれなりの力で放たれた覇気は億超の海賊相手でも怯むほどの覇気。それを耐えているプロヴァンスは確かに実力は高い方だろう。

 

「お前が俺を?おいおい随分と舐められたもんだな」

「所詮はゾオン系のタフなだけの男でしょう」

 

 プロヴァンスの周囲は突如としてゆらゆらと揺れる空間を作り上げる。波打つ空気は蜃気楼のように幻影を映し出す。波状的に発散された空気の波は次第に街全体を飲み込むほど拡大していき、ある一定の領域を創り出すと波の発生地点であるプロヴァンスから五本の線が延びる。その線は高い金属音を発しながら五芒星を描くように展開すると今度はイオリの元へ夾叉(きょうさ)する。

 

「音叉領域・毘舞羅飛(ビブラート)!」

 

 プロヴァンスの展開した音叉領域はプロヴァンスから15mが最大値の五芒星の領域。この場ではイオリのみがその領域に含まれていた。村の住民やゾロ、サンジは既にウソップとビビによって無事避難していた。

 

「音の攻撃か。いや…少し違うな。一体なんの悪魔の実だ?」

 

 五芒星の頂点から休みなく襲いかかる可視化された波がイオリの元へ押し寄せてくるが、難なく処理出来ていた。しかし、この領域は常に音が鳴り響き増幅していく音叉のような空間。長くいればいるほど対象者に苦痛を与えていく。

 

「当方はナミナミの実の波状人間。世界は常に波によって動いています。音もしかり、物が向かう方向もそうです。直線、蛇行、停止、あらゆる波を操るそれが当方!自然(ロギア)系最高峰の力です!!」

 

 波ってそういうもんだったか?実際、悪魔の実は所有者の夢や想像を形にする不思議な実。こいつがどんな解釈で波を操るかはこいつ自身の頭にしかねぇ。やれることは色々と多いってことが測れるくらいか。自然界に溢れる波長も範囲内であれば、光やベクトル操作も可能ということになるのか。

 

「音叉領域に入った時点でここから抜け出すのも不可能!既に貴方は詰んでいるのですよ」

 

 覇気で身体を覆ってるお陰で音の反響による精神的疲労は無いと言って等しい。奴がペラペラと得意気に喋ってくれるおかげで能力の解析も容易くなった。波、確かに音は波となって伝播していく。同じく、力の向きもそうだ。事実、奴の周りは先程から薄いヴェールのようなものに覆われているおかげかユラユラと実体を目で捉えられない。光の波長を調節することで視覚情報を狂わせているのか。

 全方位から奴の声が聞こえるようにここは所謂、結界。打ち砕くには術者本人を殺すか、過剰な覇気で打ち消すか…覇王色で能力自体を収めるか。最後は皆を巻き込むから却下として、覇気での打消は精々延命処置に過ぎないだろう。であれば、現在の省エネ覇気で戦う方が“もしも”が無くて済むだろう。

 俺の雷も風も嵐も火も全て波の前では打ち返される。奴の狙いもそうだろう。俺の技で俺を倒すのが一番手っ取り早い。

 

奏鳴歌(ソナタ)伽藍夢幻狂想曲(ミッシングファンダメンタル)

 

 イオリがプロヴァンスの元へ近付こうとした時、地面から不器用な形をしたブリキが出現し武器を片手にイオリへ攻撃を始める。彼らは幻、幻覚に近い存在だが、音叉領域にのみその実体を許された響兵。彼らが動く度に発生するギシギシ音もまた、明確な形となって増幅されていく。

 音を出せば実体化し、領域の壁に衝突する事に威力と大きさを増していき、プロヴァンスを守る槍となり矢となり壁となる。堅牢、鉄壁の要塞に身を潜めるプロヴァンスは狙った敵を逃がさぬよう攻撃の手を辞めない。並の海賊であれば簡単に殺されていたであろうその能力は、その枠組みから外れているイオリの能力すらも封じて見せた。

 

「これで仕舞いです!」

 

 四方八方から襲い来る波の攻撃は遂に何千発となりイオリの元に凶弾として向かい迫る。丁寧に折り重なった音は幾重の幻想を生み出し、無色の刃と共に襲い来る。絶体絶命の刹那、イオリの頭はいつも以上に冷めていた。まるでゾーンに入ったかのように迫る弾幕が遅く流動しているように感じていた。このままであれば着弾は同時。猛烈な死の香りが身近に迫ってなお、イオリは未だに脱力した状態を崩さない。

 

「一刀雷仙・神鬼鏖殺(しんきおうさつ)

 

 無の極地に至ったイオリは突如として鬼人のような覇気を出すと共に、彼を中心に広がるドーム状の覇気のオーラに弾幕が触れる度に切り落としていく。

 

「この空間において反射される攻撃は全く同時に着弾するようには出来ていない。数ミリのズレが、コンマ何秒かの差でその座標に衝突するように組み込まれているのだろう?」

 

 雨のように降り注ぐ攻撃を捌きながらも平然とした様子で一歩一歩着実に前に進み出す。刀以外にも左手に持つ“金剛”でも雷弾を放ち相殺していく。正確に打ち鳴らす金剛はまるでリズムゲーをしているかのように迫り来る全方位の弾幕を打ち消していく。

 

「まぁ仮に同時でも変わらんが、少しずらせばミスを誘発できるとでも思ったか?それともこの程度の量で俺を倒せるとでも思ったか」

 

 簡単に歩み寄るイオリに対して特に余裕な表情を崩さないプロヴァンス。その自信は慢心ゆえなのか、ただ力量差を理解出来てないだけなのか、隠し玉があるのか不明だが、攻撃の手を緩めない。

 普通の人間、そこそこ名の知れた海賊であれば悪戦苦闘するだろうこの結界はこれまで何人もの人間が餌食となってきた。

 

「並の海賊であれば簡単に片付いたんだろうがよ。相手が悪かったな」

 

 あと十歩進めばその喉元に刀を突きつけれるといった距離に着いたイオリからは鬼神のような禍々しいオーラが溢れ出す。

 

「一刀雷仙・龍燐無骨(りゅうりんむこつ)

 

 居合の型で右手に持つ童子切安綱に溢れる覇気を収束させていく。神の雷を纏った黒刀は猛烈な死を呼び込む。雷速の縮地で瞬時に迫ると全く同時に四太刀を重ねる。右回転の風車のように十字に斬り抜かれたプロヴァンスは喋る間もなく地面に倒れる。

 プロヴァンスが倒れると同時にイオリを囲っていた音の領域は解除される。外からは中の様子が良く見えていたようでビビとウソップが泣きながら待っていた。村の人々も起きていたようで助けてくれた感謝を口々に伝えていく。

 

「イオリ、一体どうやってあの野郎を斬った。俺がいくら攻撃しようともまるで流動する液体に触れたかのように無傷だった」

 

 ゾロやサンジはこの戦いを最初から見守っていた。良くも悪くも思う気持ちはあれど、純粋に皆を守ったイオリに祝福を述べると共に、自分たちでは歯が立たなかった敵を汗ひとつ流すことなく倒すことが出来たイオリに少しばかりの疑念と圧倒的な劣等感を覚えていた。

 

「ルフィにも教えたが、覇気と呼ばれる技術だ。この先も航海を続けていくのなら必須級の技。教えてもいいが、それよりも先にゲルニカ」

 

 イオリに問い掛けられたゲルニカは今の今までずっと建物の壁に寄り掛かり始終を傍観していた。

 

「全てはその男が勝手にやったことだ。こちらとしても厄介だった男を消せてラッキーだった」

「それで申し開きは?」

「交換条件といこう」

「それを頼める立場にあると思っているのか」

「あぁ。我々の任務は犯罪組織バロック・ワークス社の社員にアラバスタ王国のビビ王女と似ている女がいると政府に通報が入り、その真偽を確かめることと、もしも真実であればマリージョアに連行すること。しかし、実際は調査してみれば麦わらの一味と行動を共にしている痕跡が見られた。その結果がこれだ。任務が遂行出来ないとなれば、我々は王女ビビが海賊と共に行動していたと政府に逆賊として手配させる腹積もりだった」

「なんだと?!ビビちゃんを犯罪者にする気か?!」

「そんなことよりなんでビビが俺たちと一緒に行動しているのかバレたことの方が大事だろう!」

 

 ゲルニカが今回の任務について詳らかにした内容に勿論、サンジやウソップが反論する。それはそうだろう。本来、ビビが麦わらの一味と共にしているなんて情報が何処から漏れるというのか。予想出来るとすれば、ウイスキーピークで活動していた当時のミス・ウェンズデーの写真が出回ったのだろう。一人くらいはアラバスタ王国の王女ビビを知っていてもおかしくは無い。それにあの街にはビビは可愛すぎた。

 ︎︎そのウイスキーピークでミス・ウェンズデーもとい、王女ビビと麦わらの一味が一緒に同行していると分かり、ここまで追ってきたのだろう。

 

「ここで俺たちは死ぬ訳にはいかない。かと言って現在、“帝釈天(インドラ)“の元から逃げる術を持ち合わせてない。そこでだ。我々は政府に王女ビビは見なかったと報告する。無論、逆賊として手配するような真似はしない。その代わり、ここでは見逃してくれ」

 

 政府の諜報機関の男から意外な提案をされたことで一時戦闘態勢に入ったゾロやサンジはその緊張を解く。無論、イオリは今も尚ゲルニカの心情の変化を捉えるべく、見聞色の覇気を全開にゲルニカへと引き絞る。

 

「お前は既に一度俺の前で約束を反故した。信用は既にない」

「…」

「一手足りないな」

「五老星より“円卓の座(イスカリオテ)”が動き出した。13名全員が“帝釈天(インドラ)”を抹消するためにな。近いうちに接触を計ってくるはずだ」

「情報…か。まぁいいだろう。であれば即刻出航してくれ。無論、村の人々への手当と支援を忘れずにな」

 

 情報と口止めを兼ねた元ドラム王国の国民への手当や支援を粗方済ませた後、ゲルニカは出航していった。

 そして、この後、一行は王城へと向かったワポルを急いでロープウェイに乗って追い掛けるのであった。道中、サンジやゾロに覇気について教えたり、“円卓の座(イスカリオテ)”について知っていることを話すイオリは上に着く頃には疲れ果てていた。圧倒的強者を前に腰を抜かしてしまったウソップは王城についても治ることが無かった為、無様にもサンジに雑に運ばれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




理由の無い低評価程戸惑うものは無いですね。
低評価するのならどの点が納得いってないのか言葉で伝えて貰えると改善すべき点は改善しようと思ってます。
単純に内容が気に食わないとかだったらなんもせずにブラバして貰えると助かります。
そのためのあらすじの注意書きですので。
感想お待ちしております。
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