最初からオリ展開でいきますので、嫌な人はブラウザバックでお願いします。
感想と高評価お願いします
泥棒猫との出会い
──東の海 トアール列島ガマの町
「ちょっと!離しなさいよ!私何もしてないじゃない」
最弱の海と名高い東の海に位置するトアール列島は駆け出しの海賊たちがこぞって停泊することでちょっとだけ有名な場所である。そんな島の中で最も繁盛している町がガマの町である。
ここには荒くれ者が集う狂った町で、闇市や裏マーケット、奴隷市場や水商売、薬、海賊、窃盗なんでもありとも言われている。
そこの元締めをしている男の屋敷の地下には、男が気に入った女を暴行する為に監禁したり、気に食わない者を拷問するために閉じ込めておく牢屋部屋がある。今日そこに一人の女が新しく連れ込まれてきた。
「いいから黙って大人しくしていろ!すぐネトリアーノ様がお前に天国を見せてくれるからよォ!」
女を連れてきた太った男連中はゲスな笑い方をしながら鈍重な分厚い扉を閉じていく。地下にあるこの部屋には通気口となる穴と食事が出される穴以外何も無い、ほぼ真っ暗な部屋は天井にぶら下がる1つのランタンが弱々しく照らしているだけだった。
「ちょっと!何よそれ!いいから出してよ!」
女は手錠はされていなかったのか閉められた扉を必死に何度も叩いて外に出してもらうように懇願していた。
「辞めておけ。そんなことしても無駄だ」
女の必死の抵抗に煩わしく思ったのか同居人の男が口を開く。
「何よアンタ」
「俺か?俺はイオリっていう。まぁ旅人だよ。よしなに」
「私はナミ。無駄ってどういうことよ。私ほんとに何もしてないのよ。捕まる理由がないわ」
「捕まる理由なんざナミの顔見りゃ分かる」
「はぁ?!私の顔がなんだってのよ」
「だからよぉ──」
どうやらナミは自分がどうなるのか分かっていないため、イオリはそれはもう丁寧に相手の神経を逆撫でしないように捕まった理由の推測とこれからの確定事項を伝えることにした。
「───ってこと。分かったか?」
「はぁぁぁあぁあ?!!ふっざけんじゃないわよ!私が何したっていうのよ!私は善良な市民よ!」
「何処がだッ!善良な市民なんかこの島に居ねぇよ。居るのは狂った荒くれ者共だけだ。テメェこの島に何しに来たんだ?」
「?!何って私は…」
イオリの見透かされてるかのような圧にナミは自身の事情を話すか口篭ってしまった。そもそも見ず知らずの人間に話すモノでもなければ、要らない同情を買うだけの無駄話になるだけ。
「俺に嘘は通じねぇ。正直に話せ。何しに来たんだ?」
「私は海賊専門の泥棒。だからこの町にいる海賊たちが集めてきた財宝を根こそぎ奪っていこうとしたのよ」
地面にへたりこんで力なく話すナミからは言い知れぬ想いが伝わってくる。ナミの過去は説明するまでもなく悲惨であり、自身の育った村を解放すべく村を買う金を集めている。なんて事情はさすがに話せないことであるが。
「なんでまたそんな危険なことを」
イオリからしてみれば目の前にいるナミは荒事など出来ないましてや海賊相手に泥棒をする程強い女には見えない。イオリはナミの雰囲気からして異常な想いがあると察しながら立ち上がるとナミの姿を改めて観察する。
「テメェその左肩の入れ墨!」
イオリが見たのはナミの左肩に刻まれている入れ墨は見た事のあるものであった。
これはイオリが何故この島に居るのかに遡ることになるが、イオリが新世界より流れに流れ辿り着いた場所というのが東の海であった。ユラユラと船の上で寝ていた頃、運悪く魚人族に船を破壊され、載せていた荷物を奪われ海に身を投げ出されたのだ。突然の出来事で海に落ち行く中どうにか理解したのは、魚人の身体に太陽のマークとサメを模したような入れ墨があったことだけ。
その後、海に流されこの町の屋敷の主ネトリアーノの乗る船に捕まりこうして地下牢に連行されているのである。
そして、イオリが見た入れ墨とナミの左肩にある入れ墨が全く同じモノだと気づいたのだ。
「その入れ墨魚人共も入れていたな。海賊が海賊専門の泥棒とは面白いな」
「わ、私は別にあいつらの仲間じゃ?!」
「へぇ、そりゃいいこと聞いたな。おい、ナミ!
「え?!いいの?じゃ──「ただその代わり、なんでその入れ墨入れてるか正直に話せ」───っ!!」
───────────────────
その日、ガマの町にある一際大きな屋敷は喧騒としていた。屋敷にいる黒服を着た使用人や主が雇っている傭兵が騒がしく屋敷内を駆け回っていた。
「女が逃げ出した?!それはどういうこった!ちゃんと見張ってたんだろうなァ、テメェら!!」
屋敷の主ネトリアーノはその肥えた身体を揺らし、ベッドで気に入った女を痛めつけることで自身の欲望を満たしていた。絶頂な気分を味わっていた頃、部屋の外が慌ただしくなったことで、事の重大さに気づいたのだ。
「せっかく良い女を見つけたって言うのによォ。絶対見つけ出せよォ!逃がしたらテメェら全員打首だからなァ!」
屋敷中が逃げ出したナミの捜索で騒がしてくしている中、当人は身を潜めながら目的の場所へと進んでいた。
「ほんとにこっちであってるんでしょうね」
「こいつらが集めてきた財宝ってのはひとつの場所に保管してある。俺の刀もな」
ナミを先導しているのは地下牢に捕まっていたイオリである。イオリの刀は妖刀に分類されている。刀が持つ異様なオーラというのは慣れ親しんだ所有者にはその存在を知らせるように感知できる。それ故にイオリは自分の刀が保管されている場所というのを何となく察知している。
「っと、ここだな」
二人が辿り着いた場所は巨大な鉄扉がある厳重な部屋。本来であれば警備兵が何人も居る場所だが、既にイオリの手によって制圧されている。イオリが右手を扉に触れると、バチッと音が鳴ると同時に扉が轟音と共に崩壊していく。
「ナミ、急いで持てる分だけの財宝を持て。すぐにここから出ていくぞ」
「う、うん。それにしてもアンタ何者よ。片手でこんな分厚い扉壊しちゃうなんて」
ナミは目の前で起きたことに呆気に取られながらも部屋の中にたんまりと置かれている金銀財宝を袋に詰めていく。イオリは無造作に放り捨てられてある刀を見つけると状態を確認しながら答える。
「ま、悪魔の実を食っただけの旅人だよ」
「うぉおお!こっちからすっげぇ音したぞ!あいつらァ!絶対逃がすなァ」
どうやらさっきの破壊音に気づいたのか廊下の奥から多くの足音ともに叫び声が聞こえてくる。追手の中には屋敷の主ネトリアーノの声もする。恐らく屋敷の戦闘員全員がイオリとナミの元へとやってきているようだ。
「まままま不味いわよ!!どどどうするのよぉ?!」
「落ち着けって!すぐ終わる」
「でぇへへへ!ようやく見つけたぞ女ァ!んぇ?テメェは…そうかどうやって外に出たか知らないがテメェの仕業か!」
部屋の外を囲むように兵を布陣しているネトリアーノは激昂しながら銃を構える。狙いはイオリ。今回の事件の首謀と見られる男を撃ち抜き、反抗の意思を示したナミを徹底的に嬲る未来を想像してそれはもう気持ち悪い顔をしている。
「生憎だが俺たちは堂々とこの町から出ていく。死にたくなければそこを退け」
「あ゙あ゙?!この俺様を誰だと思ってやがる!俺様はこのガ──」
「紫電一閃・雷鶏」
イオリは部屋を取り囲む数十人の兵達をネトリアーノ含めて刀一振で斬り伏せた。その力はまるで雷鳥が轟くように身体を穿つ一閃であった。
「ほら、行くぞ。ナミ」
「あ、アンタ強かったのね」
「事情は聞いた。約束通り助けてやる。それにお前について行けば、俺の荷物を奪ったアーロンのとこに行ける」
誤字脱字がありましたら報告お願いします。