また息抜きに書いてみました。
時系列は懐かしめですが、楽しんでいただけると幸いです。
それではどうぞ。
スタジオ併設型ライブハウス『
「ピアノコンクール……?」
「はい。今度開催するコンクールに……出場しようと思ってるんです……」
ある日の練習後。
彼女曰く、今度開催予定のピアノコンクールに出場しようと思ってるとの事。
「そういえば、前に出たいって話してたね」
「ええ、その話はしていたけど、随分前の話じゃなかったかしら?」
「りんりん、このコンクールが始まるのを待ってたんだよね?」
「…昔出た事があるやつだっけ?」
「うん、コンクールに出る時は……このコンクールにしようって決めてたから……」
ちなみに悠里は成り行きで友希那達が組んでるバンド『
悠里は最初こそ断ったが、幼馴染みである友希那の熱意……他の4人にも負け、6人目のメンバー扱いとなっている……
「その言い方だと、何か思い入れのあるコンクールなの?」
「思い入れとは……違いますけど、その……」
「?」
友希那の言葉に、言い淀む燐子。
「でも、大丈夫? コンクールは人がたくさんいるから苦手って言ってたよね?」
「うん……参加する人もたくさんいるし……このコンクールは公開審査だから……見に来る人もたくさんいるんだ……」
「そ、それは緊張するね」
大勢の人の前で1人で演奏する事を想像したリサは、アタシならヤバイかもと呟いた。
「…大勢って言っても、その時によるんだけどね。…でも、燐子ちゃん……平気なの?」
「平気じゃないけど……挑戦してみたいんだ……」
今ならちゃんと向き合えるような気がするからと燐子は悠里に言う。
「……そう。うまくいくといいわね」
「氷川さん……はい、ありがとうございます……」
「そうなると、コンクールの準備を始めないといけないわね」
「…確かに」
友希那の言葉を聞いて、悠里も必然的にそうなるよなーと頷く。
「個人練習の時間を作って……課題曲の練習をしようと思います……」
バンドの練習に支障をならないように気をつけるので……と付け足しながら、予定を話す燐子。
「あはは、別にそんなのいちいち断らなくたっていいって」
「ええ、リサの言う通りよ。人の挑戦に水を差すような事はしないわ」
「友希那さん……今井さん……」
しかし心配する事なく、案の定の反応だった。
「ところで、りんりん? 課題曲ってどんな曲なの?」
「…その前に参加要項って、発表されてたっけ?」
「うん、今日、発表されたから……サイトに書いてあると思うんだけど……わたしもまだ……どんな曲なのか……確認してないんだ……」
あこと悠里に課題曲を訊かれた燐子だが、実際にまだ自分も確認していないのだ。
「へえ、じゃあ見てみよっか。えーと、このコンクールだよね。課題曲は~……」
「あ、あったあった! これだよ、きっと!」
そう言ってリサは早速、スマホで燐子が出るコンクールのサイトを検索し、あこが課題曲らしきものを発見した。
「「!」」
その課題曲を見て燐子だけでなく、悠里も少し驚いていた。
「これは……クラシックの曲かしら?」
「おそらく。私もあまり詳しくありませんが……」
友希那と紗夜も課題曲を見た感じ、クラシックの曲に見えた。
「「…………」」
「りんりん? ゆうりん? どうかした?」
燐子と悠里の反応がおかしい様子にあこが首を傾げながら訊く。
「う、ううん……その、知ってる曲だったから……」
「…昔、
なんと課題曲の正体は、その昔、2人が演奏した事がある曲だと言うのだ。
「え? 前にコンクールに出たのって小学生の時とかだよね?」
「その頃に、高校生向けの課題曲を弾いていたの?」
リサと友希那が訊く。悠里と燐子がコンクールに出たというのは聞いた事があるが、それは小学生の時。しかもその頃に高校生向けの課題曲を弾いていたというのも驚きである。
「あ、あの……ピアノの先生がこれぐらいの曲なら……弾ける筈だからって……」
「そういえば昔、そんな事言ってたよね……えっと、僕の場合は……」
燐子に続き、悠里が課題曲について話そうとした時……
「水無月ちゃ~ん」
「「「「「?」」」」」
ピンク髪のショートヘアの135cmくらいの小学生くらいの女の子が悠里に声を掛けてきたのだ。
当然、何も知らない5人……特に悠里に好意を抱いてる2年生組の4人は、知り合い?とばかりに、悠里に視線を向ける。
女の子は、トテトテと足音を立てながら、こちらにやって来た。
「こんにちは! 奇遇ですね! お友達とお茶会ですか?」
「こんにちは、
「「「「「せ、先生っ!?」」」」」
その言葉を聞いた5人は驚きの表情と声を上げる。何せ、悠里がピンク髪の少女の事を『先生』と言ったからだ。
「お友達の皆さん、初めまして。
「「「「「ど、どうも……」」」」」
「僕が高校1年生の時……えっと、
「正確には、今でも水無月ちゃんの先生なのです!」
「そうですね。
しかも悠里のクラスの担任という衝撃の事実。ちなみに藍音学院とは悠里が通ってる高校で、一部しか知らない学校である。
「…桃先生はどこかにお出かけだったんですか?」
「お出かけというより、ピアノコンクールの件での用事ですね。その帰りなのですよ」
「お疲れ様です。でも……よく許可を出しましたね?」
「当たり前なのです。断っても良かったんですが、条件付きで許可しました♪ ちょっとでも条件を破りやがったら、
『……』
桃が笑顔で『罰ゲーム』と言った瞬間、背筋に寒気を感じた6人。友希那達も初対面にも関わらず、何故か恐怖を覚えてしまう。
「それじゃ水無月ちゃん。先生は、予定があるので、失礼しますです」
「あ、はい……」
「帰る時は気をつけるのですよー!」
そう言うと、桃はその場から去って行ってしまった。
「…あー、びっくりした。まさか桃先生に会うとは……」
冷めてしまったホットコーヒーをゆっくり飲み、コンクールのサイトを見る。
「あの、悠里さん……」
「…何?」
「先程の方は……その、飛び級で教師になられたのですか?」
すると紗夜が言いにくそうに悠里に質問した。他の4人もそれが特に知りたい表情をしていたが。
「桃先生の事? ううん、普通に大学を卒業して、教員免許も取ったって聞いてるよ」
「ええっ!? じゃあ、あの人何歳なの!?」
リサの尤もな疑問に悠里は……
「僕も知らないんだよね。桃先生の年齢。あ、でも……友希那ちゃんとリサちゃんのお母さんなら知ってるんじゃない? かなり前に
これで分からなかったら、年齢不詳の先生だねーと質問に答えた。
「え……アタシと友希那のお母さんがあの人の教え子? 友希那、知ってた?」
「知らないわよ……初めて聞いたわ」
「…まあ、僕の母さんも桃先生の教え子だったみたいだし。色んな分野で教わる人も多かったって言ってたから……いや、まさかね……」
案外、ここに居る全員の親が何かしら桃先生に教わってたりしてたらヤバいよね?と悠里は苦笑い気味に言った。
「そういえば……さっき、ゆうりくんがあの人に言ってた……許可って……?」
「あ、その件ね……」
燐子の疑問に悠里はそうだったねとばかりに口を開く。
「実は、あの課題曲……桃先生が作ったオリジナルの曲の1つなんだ」
「「「「「ええっ!?」」」」」
衝撃の事実に驚きの声を上げる5人。
「…許可っていうのは……十中八九、コンクールの課題曲として提供してもいいかって事だと思う。トップの人、桃先生に土下座してお願いした筈だよ」
「いや、土下座は流石に大袈裟すぎない?」
「大袈裟じゃないよ? 確か2回目……そうだ、燐子ちゃんがコンクールに出場した時か。その時に運営が桃先生を怒らせたって本人から聞いた」
いやー、あの時の桃先生、怖かったなぁ……とリサに説明する悠里。
「原因はかなりあったみたいだけど、その内の1つは、無許可で運営が桃先生の曲を勝手にアレンジした事。怒って当然だと思わない?」
「そうね。私も同じ立場だったら、口も聞きたくないわ」
「同感です」
これには友希那と紗夜も共感してくれた。
「そんな訳で燐子ちゃん、頑張ってね。応援してるから」
「う、うん……ありがとう……」
そして悠里だけでなく、他の5人にも応援される燐子なのであった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
※主人公とオリキャラの簡単なプロフィールです。
容姿イメージ:『らき☆すた』の岩崎みなみ
誕生日:12月12日、いて座
血液型:A型
一人称:僕
容姿イメージ:『とある魔術の禁書目録』の月詠小萌
年齢:外見のせいで不明(しかし悠里曰く、年上なのは確実だと断言してもいいらしい)
一人称:先生
悩み事:昔の教え子達……特に『実家が和菓子屋の生徒』、『実家が日本舞踊の生徒』、『理事長をしてる前髪が独特の形の生徒』、『夫と総合病院の経営をしてる生徒』から愚痴を聞かれる事。
人物像:悠里が高校1年の時に通っていた月ノ丘高等学院のクラス担任。藍音学院でも教師を担っており、悠里が唯一敬ってる『先生』の1人。身長や声のせいで小学生と間違われるが成人女性。
教え子がたくさんおり、悠里曰く、自身の母や友希那とリサの母、月ノ丘高等学院の理事長と藍音学院の理事長も彼女の教え子で、限定的な期間だが、花咲川女子学園や羽丘女子学園でも教師をしていた事もあるらしい。