月の少年と再演のプレリュード   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。
少しオリジナル要素が入ってます。

それではどうぞ。


第4話 音に込められた想い

CiRCLEのスタジオにて。燐子は考え事をしていた。

 

「(わたしがピアノを弾く理由って……なんだろう……? そんな事……考えたことなかった……)」

 

それは自身がピアノを弾く理由について。CDを出したい、有名になりたいとか……そんな目標がある訳じゃない。

 

「りーんりん! おつかれさま!」

「あ、あこちゃん……?」

 

すると、あこがスタジオに入ってきたのだ。今日のバンド練習の時間は、もっとあとの筈だが?と燐子は首を傾げる。

 

「りんりんの応援をしようと思って、早めに来たんだ! リサ姉と紗夜さんも一緒だよ!」

 

あこがそう言うと同時に、リサと紗夜もスタジオに入ってきた。

 

「大丈夫、燐子? なんだかぼんやりしてたみたいだけど……?」

「スタジオのドアが開いたままになっていたわ。気をつけてください」

「えっ、ほ、本当だ……ごめんなさい……」

 

紗夜に指摘され、スタジオのドアが開いてた事に気づき謝る燐子。

 

「うーん、その感じだとコンクールの練習まだよくない感じ……?」

「うん……ごめんね……応援してもらってるのに……応えられなくて……」

「ううん! あこが勝手にしてるだけだもん!」

 

気にしないで!と燐子に言うあこ。

 

「そうそう。誰にだって調子が上がらない時はあるんだし」

「そういう時は(こん)を詰めすぎない方がいいわ。少し気分転換でもしてみたらどうかしら?」

「気分転換ですか……?」

 

紗夜の提案も一理ある。しかし気分転換……と言っても、何をすればいいのだろうか?

 

「……あっ! いいこと思いついた! みんなでゆうりんの演奏を見に行こうよ!」

「ゆうりくんの?」

 

なんと悠里の演奏を見に行こうとあこは言うのだ。

 

「うん! 気分転換にすっごくいいと思うの!」

「そんな気軽なものじゃないでしょう? 悠里さんの迷惑になるわ」

「え~! だって、ゆうりんの先生も気分転換に見に来てもいいよって、あこ達にも言ってたじゃないですか~」

 

練習の邪魔になったら迷惑でしょと注意する紗夜にあこが先程のやり取りを話す。

 

「えっと……」

「あー、ここに来る前にロビーで悠里の先生が来ていて、気分転換に悠里が居るスタジオに来てもいいよって言われたんだ」

「そ、そうなんですか……(氷川さんが言ってた意味が分かる気がする)」

 

事情が分かっていない燐子にリサが説明。確かに紗夜が言ってた通り、気軽に見に行っていいものだろうか?

 

「…呼んだ?」

「呼びましたか?」

「「「「えっ!?」」」」

 

すると聞き覚えのある声がしたので、振り返ると、件の悠里と桃がそこに居た。気づかなかった事に驚く4人。

 

「びっくりしたー。ゆうりん、居たなら声かけてよー……」

「え? 休憩中になんか僕がいる場所に行くみたいな話が偶々聞こえたから……」

 

別に今の僕悪くないよね?と首を傾げる悠里。

 

「コンクールの練習の調子はどうですか?」

「えっ、えっと……その、まだよくなくて……」

 

唐突にコンクールの練習の調子はどうか?と桃に訊かれた燐子は驚いたが、正直に答える。

 

「ふむふむ。それなら先生が気分転換になるような曲を弾いてあげましょう♪」

「え? いいんですか……?」

「構いませんよ。それに先生は今回のコンクールで課題曲を提供しただけであって、それ以外は関係ないのです!」

 

燐子の疑問の意味を理解してた桃は、その理由を説明する。

 

「ちょっと待っててくださいね~? 先に楽器の用意をしますので……」

 

そう言って桃が取り出したのは、悠里と同じショルダーキーボード。ただし色は自身の髪色と同じピンク色だ。

 

「水無月ちゃん、譜面台を置いてくれますか?」

「はーい。みんなはその辺に座ってて?」

 

譜面台の設置を悠里が手伝いながら、3人に座ってと促す。

 

「そうですね~……気分転換になりそうな曲はたくさんありますが……」

「桃先生ー、僕もそうなんですが、燐子ちゃんは人見知りと偶にプレッシャーを感じる時があるんですー」

 

曲を探す桃に悠里が手を挙げながら、燐子の特徴を言う。あながち間違ってない事に苦笑いな燐子。

 

「なるほど~……それなら必然的に曲も()()()になりますね」

 

そして弾く曲が決まった桃はショルダーキーボードを構え、5人の前で弾き始めた。

 

「「「「……!」」」」

 

初めて聴く曲に悠里以外の4人は、息を呑みながら、桃の演奏は凄いと思った。

 

「(この感じ……そうだ、Roseliaに入った時の……みんなの演奏にわたしの演奏を合わせた時の感じに似てる……でも……)」

「(この曲……聴いてて凄く楽しい……けど……)」

「「((懐かしいって感じたのは……何でだろう……?))」」

 

聴いてて凄く楽しいと燐子と悠里は思ったのと同時に、桃が弾いてる曲が何故か()()()()と感じたのだ。

 

そして、ある光景が思い浮かんだ2人。

 

「「((そういえば……あの時も……))」」

 

それはまだ悠里と燐子が幼い頃、知り合って間もない時の記憶だった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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