加賀美SIDE
「ウラアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
自意識があるのかも分からないまま駆け出していた。ヴィランを殴り飛ばしていた。ただただ無我夢中に。
そして
気づいたころには全て終わっていた。私はその後、病院で検査を受け警察から事情聴取を受けていた。事情聴取をしていた警察の方からあの後なにがあったのか教えてくれた。どうやら私は
「なぜすぐに助けを呼ばなかった」「なぜ両親の応急処置をせずに殴りかかった」「なぜあんなになるまで殴り続けた」
と質問+説教を受けたが全く頭に入っていなかったからか全て答えることができなかった。そんな自分の精神状況に見かねたのか、説教はそれ以上されなかった。
事情聴取が終わった後、警察の方が自宅まで送ってくれるそうなので甘えといた。送ってもらっている間はずっとぼんやりと外を見続けていた。本当はこの先の会社のことや自分の将来のことについて考え直さなきゃいけないのだろうが、何も考えることなくただた外を眺めていた。時々、運転していた警察官が私を慰めるような発言をしていたがあまり覚えていない。
その後、帰宅した私は特に何かをするわけでもなくベッドに突っ伏した。不思議なものでこういうときは普通泣いたり、叫んだりするものなのだろうが私に残ったのは消失感のみだった。
後日、警察の方から
「意識が戻った
と連絡を受けた。私はとてつもない怒りと同時に悔しさを覚え、そして後悔した。
「なぜ私たちの会社なのだ」「なぜ私の両親が殺されなければいけなかったのだ」「私が早く応急処置をしていれば」「私がヒーローぐらいの力をもっていたならば」
などと怒りを含んだネガティブ思考を続けているうちに一つの結論にたどり着く。
『自分の大切なものを絶対に守れるくらいのヒーローになればいい』
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なんだこの切り方…とりあえず私の過去話はこれで以上です!ここからは今現在の視点に移るのですが…今私はどんな状況でしょーか!
正解は…先生との進路相談中でした~。ちなみにあの事件から半年近くたってますよ~。
「おい、加賀美どこを見てる。俺はこっちだぞ」
「あ、すいません。読者に過去の話を…」
「何を言っている?お前はそんなキャラじゃなかったはずなのだが…まぁいい、俺の話は?」
「聞いてませんでした」
「本当にどうしたお前?いつもはちゃんとした生徒だろう。」
まぁちゃんとしてないと社長としての面子まるつぶれですからねぇ…
「仕方ない。もう一度言うぞ?お前、本当に雄英に進学でいいんだな?」
「はい」
「それもヒーロー科に」
「はい」
「経営科じゃなくていいのか?」
「はい」
「ほんとのほんとに?」
「そろそろしつこいですよ!?先生こそキャラ壊れてますって!」
「お前のせいだぞ」
「理不尽!!」
「とりあえず進路の希望は分かったが…まぁ俺も別に深く聞こうとは思わん。お前なりの理由があるのだろう?」
「えぇまぁ。」
「ならもう突き進め、応援しているぞ。」
「先生…
キャラブレブレすぎてちょっと怖いです。」
「おい、雰囲気ぶっ壊すな」
「でも、ありがとうございます。」
「情緒どうなってんの?」
「先生が言います?それ?」
「…まぁいい、進路相談は終わりだ。さっさと帰れ。」
「…ごまかした…」
「なんか言ったか?」
「イイエナンデモー、サヨ―ナラ―」
こんな茶番をしながら相談室から出た私。なんの話してたっけ…?ああ、進路相談でしたね。キャラ変の話ばかりでどこかにぶっ飛んでました。
「あれ、加賀美じゃん、今終わったとこ?」
なーんて馬鹿な思考をしてるとどこからか声が…
「いや、どこからかじゃなくて、目の前にいるじゃん。」
「ナチュラルに心読むのやめてくれません?拳籐さん」
少し呆れてるような顔の拳籐さんがいた。
拳籐一佳さん。私のクラスの学級委員長でTHE姉御って感じの女性。そして美人、ものすごく美人。
「私進路相談これからなんだよね~」
「おや、そうでしたか。ではせっかくの機会ですし一緒に帰りませんか?」
「珍しいこと言うな。どした?風邪か?大丈夫?」
「そこまで言います?私だってクラスメイトと帰り道に将来の話くらいしたいものですよ。」
「ふ~ん?」
「なんですかその反応」
「別に~」
「早く入ってこーい!!」
「あっやべ、それじゃあまた後でな!加賀美!」
「はいはい・・・」
逃げたな…
この後読書でもしながらテキトーに時間を潰していると
「おまたせー、ほんとに待ってたんだな」
「有限実行の男・加賀美なので」
「…ほんとにどした?いつものお前じゃないっていうか…先生も言ってたぞ?『加々見は大丈夫そうだったか?急に人格が変わったみたいで恐ろしかったぞ』って」
失礼な。
「勝手に二重人格者にしないでいただきたい。」
「私に言うなよな。それで?どしたの?今日は。」
「ん~…まぁ決意が固まってテンションが上がったんじゃないですか?」
「なぜに疑問形?まぁいいや、進路って?どこ行くの?」
「雄英ですけど」
「へぇー私と一緒じゃん。どこの学科?やっぱり経営科?」
「いいえ?」
「じゃあサポート科?加賀美の会社ってたしかヒーロー関連のものだし。」
なぜ私の周囲のことをこんなに知っているかというと…
私が加賀美インダストリアル代表取締役社長になったこと(実際に社長として名前を出すのは高校生になってからですが)を拳籐さんだけに話したからですね。理由は簡単、一番信頼しているから。親が殺されて精神が死んでた私をよく気にかけてくれたんですよねぇ…懐かしい…半年前の話ですけど。そこからよく拳籐さんと話すようになったんですよ。そのタイミングでしたかね、会社のことを話したのは。
「たしかに私の会社はそうですけど…違いますね。」
「え…普通科?」
「なんか一つの学科だけ露骨に避けてません?」
「え、もしかして…」
「ええ。私はヒーロー科に行きます。」
この話は拳籐さんにしてなかったですね、そういえば。社長になった理由もテキトーにごまかした覚えがあります。まぁでも親が殺されたっていうことも隠してますし。今更ですね。
「え…でも加賀美…【無個性】なんじゃ…」
私が無個性っていう話は意外と校内で知っている人多いんですよね…まぁ私が入学してすぐの自己紹介の時に言ってしまったことが原因なんですけど。まぁ私の【無個性】ってそれだけじゃないっぽいですし
「まぁそこは…運動神経とサポートアイテムに頼ることになると思います。」
「う~ん…大丈夫なの?それで。」
「まぁ…私はオールマイトみたく全員を救いたいなんて思っちゃいませんから。自分の身の回りの大切なものを守れればいいんです。ついでに市民を守れればって感じですかね?端的に言うならばヒーロー免許をとれればそれでいいって感じですね。」
「それヒーローを目指す理由としてはどうなの?」
「最悪でしょうね」
「えぇ…」
「まぁ私戸籍ごまかすつもりですし、個性の部分」
「え、それいいの?」
「さぁ?」
「…まぁ頑張れよ!私もヒーロー科希望だし!」
ツッコミ放棄した…もうちょっとがんばってほしかった…
「へぇ、拳籐さんも…そうですね。一緒に頑張りましょう。」
「おう!じゃあ私こっちだから。またな!」
「ええ。また。」
さて…と…これから仕事ですかね…入試に向けての対策もしなければですし…忙しいですけれど頑張ってみますか!無個性なりに!
不定期投稿ですみません。次は入試になると思います。コメント・評価お待ちしております。