無個性の高校生社長   作:プラチノ

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にじさんじメンバーともうそうでないけど加賀美ハヤトさんと関係が深い人を数人、いずれ登場させようと思っている所存でございます。


EP.2「裏側と入学」

《結果発表の数日前》

 

「実技総合成績が出ました」

 

その声と共に大きなスクリーンに受験生の実技のポイントが書かれた順位表が表示される。

スクリーンには上位十名が表示されていた。

 

1位 爆豪勝己 77P((ヴィラン)P77  救助(レスキュー)P0)

 

2位 加賀美隼人 75P((ヴィラン)P31 救助(レスキュー)P45)

 

3位 切島鋭児郎 74P((ヴィラン)P39 救助(レスキュー)P35)

 

4位 麗日お茶子 73P((ヴィラン)P28 救助(レスキュー)P45)

 

5位 塩崎茨 68P((ヴィラン)P36 救助(レスキュー)P32)

 

6位 拳藤一佳 65P((ヴィラン)P25 救助(レスキュー)P40)

 

7位 飯田天哉 61P((ヴィラン)P52 救助(レスキュー)P9)

 

8位 緑谷出久 60P((ヴィラン)P0 救助(レスキュー)P60)

 

9位 鉄哲徹鐵 59P((ヴィラン)P49 救助(レスキュー)P10)

 

10位 常闇踏陰 57P((ヴィラン)P47 救助(レスキュー)P10)

 

「レスキューポイント0で1位とはなぁ!!」

 

「『1P』『2P』は標的を捕捉し近寄って来る。後半他が鈍って行く中、派手な個性で寄せ付け迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

 

審査員が、金髪のツンツンヘアーと目つきの悪い顔が特徴的な爆豪という受験生の映像を見て感想を言う。

爆豪は街を縦横無尽に駆け回り、ハイペースで次々とギミックを爆破して回っていた。

周りの受験生達に悪態をついて脅かしたり『死ね』などといった暴言を吐いていたためレスキューポイントは0だったが、それでもギミックを壊して稼いだ点数だけで1位を取っており、才能と技術は頭ひとつ抜けている事は誰の目から見ても明らかだった。

 

「対照的に敵ヴィランポイント0で8位。アレに立ち向かったのは過去にもいたけど…ブッ飛ばしちゃったのは久しく見てないね」

 

「思わず YEAH!って言っちゃったからなーーー」

 

「しかし自身の衝撃で甚大な負傷…まるで発現したての幼児だ。妙な奴だよ。あそこ以外はずっと典型的な不合格者だった」

 

「細けえ事はいんだよ!俺はあいつ気に入ったよ!!」

 

「YEAH!って言っちゃったしなーー」

 

審査員が、説明の時に眼鏡の受験生に注意をされていた緑谷という受験生のポイントや過程を見て感想を言った。

緑谷は爆豪とは対照的に終盤まではポイントを全く稼げておらず誰の目から見ても落ちこぼれという印象だったが、0ポイントヴィランから逃げる時に転んだ受験生を助けようとして超パワーのパンチでヴィランをブッ飛ばし、レスキューポイントで60ポイントも稼いでいた。

だが、自分の個性を制御し切れずに腕がボロボロになっており、その点に関しては審査員達も不安に感じていた。

 

「あと2位のこの子もすごかったな。まさか0ポイントヴィランを支えるなんて…」

 

「ブッ飛ばすのと比べると霞むけど支えるのもなかなかきついだろうし。」

 

次に審査員が目をつけたのは2位の加賀美。

スタートダッシュは躓くものの見事なフィジカルで(ヴィラン)を殲滅。加賀美が所持していたサポートアイテムの一つである【グラップリングガン】を使いながら町を飛び回り、もう一つのサポートアイテム【アパッチリボルバー】のメリケンサック形態で派手に(ヴィラン)を粉砕していた。そして0ポイントヴィランの出現後、一瞬動きを止めてしまうもののすぐに自分が不利だと判断し、戦場から離脱しようとする。だが目の前の負傷者が危険な状況になるとすぐに飛び出し0ポイントヴィランを止めた。その結果45Pのレスキューポイントを獲得した。

受験者の中でも目を引くパワーとスピード、サポートアイテムの運用法、状況判断能力、そして最もヒーローに必要ともいえる自己犠牲能力。加賀美はヒーローに必要な能力のほとんどを保持していた。今回の試験は爆豪の個性が有利だったためトップを取り損ねたがこの試験で最もヒーローに近かったのは加々見と言えるだろう。

 

「パワーとスピードは個性によるもの…だとしてもあそこまでのパワーは出せん。今までどれだけ鍛えてきたのか…」

 

加賀美の個性は本来ないはずだが雄英に受かるために『個性:エンチャント』と加賀美が偽装した。

 

「サポートアイテムの使い方が抜群にうまいのはやはり【加賀美インダストリアル】の息子だからか…」

 

「この子いいわね…たった一人の受験生を救った結果、ちゃんと自分のもとへ恩は帰ってくる…とても青春!いい!青臭い!」

 

「だが…この2位の子が助けた受験生は…」

 

「ああ…まぁ…普通科になるだろうな…」

 

次の話題となったのは加賀美が救出し、そしてその加賀美を救出しようとしたボサボサ髪の男子生徒、心操人使。個性とこの試験の相性が悪かったため緑谷と同じく、序盤からヴィランポイントを稼ぐことができなかった。最後に加賀美を救出(未遂)したことでレスキューポイントが入ったものの合格ボーダーを超えれず普通科入学に決定した。

 

「ただ普通科とはいえヒーロー科に編入できるチャンスはある。頑張ってほしいな。」

 

そう。雄英は体育祭などで良い結果を残せばヒーロー科に編入することができる。入学試験が自分の個性と合わず受験に失敗した生徒はこのチャンスを狙うしかないのだ。

 

「でも問題はここよね…」

 

「ああ、ボーダー越えが41人。これは…誰を落とすか迷うな…」

 

例年、ヒーロー科の人数は40人となっている。ただ今年は41人。40位が2人で判断しにくい状況となっている。

 

「いいや!全員合格としようじゃないか!」

 

「いやいやいや校長!?そしたらクラスのバランスが…!というか伝統が…!」

 

「いいのさ!有望な生徒はどれだけいても困らないのさ!伝統?そんなものPLUS ULTRAを掲げる学園ではあまり考えなくていいことなのさ!」

 

「そこは必要ないって断言してほしかったですけどね……」

 

「ではクラス分けはどうするんです?絶対にどちらかのクラスは21人になりますよね?」

 

「ああ、そこも考えてあるのさ!…A組を21人のクラスにしようと思うのさ!そしてB組のいない1人分の枠は普通科からの編入生枠とするのさ!」

 

「ふむ…まぁそれなら…」

 

「でも該当する生徒がいなかったら…?」

 

「その時は誰かを除籍させるしかないですね。」

 

「相澤君!?」

 

「冗談です。」

 

「HEYHEYHEY!!冗談でも言っていいことと悪いことがあるだろ!!」

 

「というか相澤君が言うと冗談に聞こえないよ…」

 

そう、この相澤消太という男。合理主義を徹底しすぎるあまり、見込みなしと判断し除籍指導をした生徒数は154人にのぼり、昨年は1クラス全員を除籍処分にしている。

 

「該当する生徒がいなかったらまぁその時はその時なのさ!いいね?」

 

「校長にそう言われちゃ誰も何も言えないですよ…」

 

「じゃあそういう方向でいくのさ!」

 

「では次はクラス配属についてですね。」

 

「今年は良くも悪くも問題児ばかりですからね…」

 

「爆豪君と緑谷君は離しますか?」

 

「いや、二人にはライバルとして高め合ってもらいたいのさ!だから同じクラスにしようと思うよ!」

 

「えぇ…それは…どうなんでしょうか…?」

 

「一緒にするとしても誰か仲介役が必要ですね。資料を見る感じだとこの6位の拳藤とかどうです?」

 

「…いや拳藤君にはB組を引っ張ってもらおうと考えているよ。」

 

「では誰が?」

 

「……加賀美…ですか?」

 

「その通りなのさ!加賀美君に任せようと思うよ!」

 

「まぁ彼なら…」

 

「拳藤とは同じ中学だ。お互いに助け合っていけるだろう。」

 

「もう一人、委員長候補の生徒がいる。その子ともうまくやっていけるといいな。」

 

もう一人の委員長候補とは7位の飯田天哉のことである。彼は良くも悪くも真っすぐすぎる性格なので生徒を引っ張ってくれる存在になることだろう。

そしてなんやかんやありつつ順調に他の合格者もそれぞれのクラスに配属されていく。担任も決定し、A組は相澤、B組は管*1が受け持つことになった。

____________________________________________

 

《現在》

 

4月某日、私たち(私と拳籐さん)雄英高校の入学式に来ていた。

 

「おぉぉぉ…ついに本当に入学するんだ…雄英に…」

 

「急になんです?あなたらしくもない。」

 

「うるさいな!いいだろ!少しくらい感傷に浸っても!」

 

「それがあなたらしくないんですよ。いつもは姉御肌な人なのに急に妹みたいになっちゃって。」

 

「う…うるさいうるさい!なんだ妹みたいって!そういうお前は緊張しないのかよ!?」

 

「しないと言ったら嘘になりますね」

 

「するじゃないか!?」

 

「まぁでも人並み以上にこういう経験はありますから、別に気にならないレベルの緊張ですね。結局慣れですよ慣れ。」

 

「えぇ…そんなもんなの…?」

 

「そんなもんです、さぁ行きますよ。クラスを確認しなければ。」

 

「お前最近切り替え速くね…?もとからだっけ…?」

 

「もとからです。ほら行きますよ。」

 

「あ、ちょっと待てって!置いてくな!」

 

そんな茶番をしながら私はクラスを確認に向かう。まぁ拳藤さんの気持ちも分からないでもないですよね。誰だってそんなものでしょう。

……ふむ、A組ですか…拳藤さんとは別れてしまったみたいですね。

 

「…クラス、別れたな。」

 

「そうですね。」

 

「…大丈夫なのか?」

 

「なんの大丈夫なのかは知りませんが、まぁなんとかなりますよ。きっと。」

 

「…なにかあったら頼れよ?お前、そういうの(頼ること)下手なんだから。せめて私ぐらいには相談してほしいし頼ってほしい。」(目を離したらいなくなってしまうような気がするから。)

 

「ふふ、大丈夫ですよ。あなたは私の母親ですか?」

 

「そういうことじゃなくて…!」

 

「はいはい、教室行きますよ。拳藤さん。」

 

「逸らすなぁ!」

 

なんて話しているうちに教室につきました。

…あれ?さっき「教室行きますよ」って言ったばかりだったと思うんですけど………まぁいいです。きっとキング・クリムゾンでもしたんでしょう。気にしても無駄ですね。ちなみに拳藤さんとはついさっき別れました。

さぁ早速扉を開けて挨拶でも…

 

「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか!?」

 

「思わねーよ、てめーどこ中だよ端役が!」

 

思わずピシャンッと扉を閉めてしまいました。どういう状況ですかあれ?なにがどうなったら入学式で喧嘩もどきになるんですか?…いや見間違いかもしれない!もう一度…

 

「ボ… 俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ」

 

「聡明〜〜〜!?クソエリートじゃねえかブッ殺し甲斐がありそうだな」

 

「君ひどいな!本当にヒーロー志望か!?」」

 

もう一度ピシャンッと扉を閉めて…

 

「さっきからウッセーんだよ!!喧嘩売ってんのか!!」

 

「む!あまりドアで遊ぶのは関心しないな!ヒーローを志してるものが遊ぶだなんて言語道断だ!」

 

うん、入れなかったのあなたたちのせいですけどね?まぁいいですよ、私が大人になればいいんでしょう?なれば。

 

「ああ、失礼いたしました。少しドアを開けたときに違和感がありまして、何回か開け閉めして確認していたんですよ。私の家が工業系の会社なもので気になってしまいました。申し訳ございません。」

 

「そうだったのか!これは失礼した!」

 

「いえいえ、こちらこそ。そういえば自己紹介がまだでしたね。私、加加賀美隼人と申します。これからよろしくお願いしますね。」

 

「ああ、こちらこそよろしく頼む!俺は飯田天哉だ。」

 

「テメーら俺を無視して会話すんじゃねぇ!」

 

一通り挨拶も済ませたので自分の席に向かう。「無視すんじゃねぇっつってんだろうが!」なんか朝から疲れましたね…

 

「あの…もしかしてですけど『加賀美インダストリアル』の…?」

 

席についてやっと落ち着いたと思ったら話しかけられました。…少し見覚えがある気がするのは気のせいですかね?

 

「ええ、そうですけど。」

 

「やっぱり!私、あなたを見かけたことがございましてですね!」

 

そう言われても…って思ったけどこの人…

 

「ああ、企業のパーティーでお見かけしたことがありますね。八百万社長の娘さん…であっていますか?」

 

「そうですそうです!!八百万百といいます!」

 

「八百万百さんですね。私、加賀美隼人と申します。これからよろしくお願いします。」

 

「ええ!こちらこそですわ!加賀美さん!」

 

私の会社『加々見インダストリアル』と八百万さんの会社は協力関係を結んでいて、時々合同でパーティーを開くことがあるんです。そこでお互い見かけたんですね。まさか同じクラスになるとは思いませんでしたけど。

 

 

 

…なんか感じ覚えのある気配が…

 

「先生!そんなところで寝ると体に悪いですよ!」

 

そう私が言うとクラスメイト全員が「?」って顔をしている。まぁそうでしょうね、まさか担任となる人が()()()()()()()()()()()()()()()なんて誰も予想できないでしょう。私もしてませんでした。

 

「これが一番合理的なんだ。」

 

そう返事したのは相澤消太先生。合理性を求め過ぎた結果、食事はゼリー飲料で済まし、格好は長い黒髪に無精髭というくたびれた姿。そして気づけば寝袋で睡眠をとっているというあまりにも極端すぎる先生です。

 

「それで体調崩したら元も子もないでしょうに。」

 

「うるさい」

 

やれやれ…この先生は……あれ?なんかクラスメイトがすっごい顔してるんですけど。

 

「まったく…お友達ごっこがしたいなら他所へ行け。ここはヒーロー科だぞ。」

 

(((なんか!!!いるぅぅ!!!)))

 

とでも言いたそうな顔してますね皆さん。思わず笑いそうになりましたよ。

 

「ハイ、静かになるまで25秒かかりました。コミュニケーションも大切だが……時間は有限。君たちは合理性に欠くね」

 

「担任の相澤消太だ、よろしくね。」

 

あ、こんなあっさり発表されるものなんですね担任って。

 

「早速だが、これ(体操服)着てグラウンドに出ろ」

 

「あと、扉に不具合はない。」

 

先生はそれだけ言って出ていってしまった。最後のは言わなくていいと思いますが。

…あ、これのことですかね、机の横にかかっていた袋。…あ、やっぱり。じゃあ早速着替えに…

 

「お前よく気づけたな!個性か!?」

 

「先生どういう関係なの!?」

 

「なんで先生あんな恰好なんだ?」

 

「最後の言葉はどういう意味?」

 

おおう一気に来ましたね、ネタを見つけたマスコミの方々と同じくらい寄ってくるんですけど。

 

「ま…まぁまぁ、とりあえず着替えに行きませんか?相澤先生も待っておられるでしょうし。」

 

そう言うとまぁそれもそうかという感じで解散していきました。勢いがすごいですねこのクラス。いいことなんですけれども。

じゃあ私も着替えを…

 

 

 

 

 

 

 

しました。(キング・クリムゾン)

それで?言われた通りグラウンドに出てみれば『個性把握テスト』ですって?自由にもほどがあるでしょう。まったく。クラスの皆さんも困惑してらっしゃったし…

ちなみにこれがその時の会話シーンです。

 

「個性把握…テストォ!?」

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事、出る時間ないよ。雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り。ハンドボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。中学の頃からやってるだろ?“個性”禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けてる。合理的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ。

 

爆豪、中学の時ハンドボール投げ何mだった。」

 

「67m」

 

「じゃあ“個性”を使ってやってみろ。円から出なきゃ何をしてもいい。早よ。思いっきりな。」

 

「んじゃまぁ…死ねぇ!!!」

 

ボオォン!!!

 

(((…死ね?)))

 

これは多分皆さんもこんな風に考えてるだろうなというただの想像です。というか考えててほしい。

 

「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段。」

 

「なんだこれ!!すげー面白そう!」

 

「705mってマジかよ!?」

 

「“個性”思いっきり使えるんだ!!流石ヒーロー科!」

 

この時点で(あ、やばい)って思いましたね。だってあの相澤先生ですもん。こんなセリフ聞いたら…

 

「………面白そう…か。ヒーローになるための三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

 

「よし。トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう」

 

「「「はあああ!?」」」

 

知 っ て た

 

「生徒の如何は先生(俺たち)の自由!ようこそ、コレが雄英高校ヒーロー科だ」

 

「…髪かき上げながら言ってもかっこよくはないですからね?」

 

「除籍にするぞ。」

 

「すみませんでした。」

 

入学早々試練が始まるとは思いませんでした。というか考えたくありませんでしたよ。

…私個性ないけど大丈夫なのでしょうか…考えてもしょうがないような気はしますが。

…でもまぁ気張っていきますか!!除籍なりたくないし!!(切実な願い)

*1
ブラドキングのこと




完結には間に合いましたね。よかったよかった。次も完結前に出せるようがんばります。
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