心霊スポットで動画撮影しにきたらほんとに出てきちゃった 作:ムツヒロ
「お堂・・・・・・・・・・・かな?」
「ほんとだ。入り口のものよりは、新聞に載っていたお堂に近い形してるわね・・・・・・・・って、うわぁっ!?」
「ど、どうした?」
「足元でお地蔵様だらけで・・・・・・・・・ちょっとびっくりした・・・・・・・・」
「えっ?きゃぁっ!?」
「うわっ!?」
足元をよく見てみるとそこには大勢のお地蔵様がいて驚く俺たち。
「これ・・・・・・・水子地蔵?」
「すごい数・・・・・・・・・・・」
「こんなところに一人で来て人形を取って帰るなんて持ち出した人、すごい度胸ね・・・・・・・」
「そうね・・・・・・・・けど、案外子供だと知ってる子に誘われたらついて行っちゃうかも・・・・・・・・・」
「確かに・・・・・・・・ここ、明かりさえあればかくれんぼには最適そうだな・・・・・・・・」
「そうね・・・・・・・・・・・・・」
「お堂の方へ行きましょう・・・・・・・・・・・」
お地蔵様を見ながらお堂の方へ向かう俺たち。
「ついに来たな・・・・・・・・・・・」
「開けるわよ・・・・・・・・・・・・」
「う、うん・・・・・・・・・・・・・」
「ええ・・・・・・・・・・・・・・・」
扉を開けると中には神棚があった。
「それじゃあ・・・・・・・・人形置くよ?」
「う、うん・・・・・・・・・・・」
人形を神棚の中央に置き一歩下がる俺たち。
「置いたよ。これで、いいんだよね?」
「多分・・・・・・・・・・・・」
「何も起こらないわね」
「何か、拍子抜けだな」
「そうだね・・・・・・・・本当にこれでよかったのかな・・・・・・・?」
「考えていても仕方ないわ。用も済んだことだし、とっとと外に出ましょ!」
「そうだな」
<バキバキバキバキバキ・・・・・・・!>
「!?」
「ね、ねぇ・・・・・なんか揺れてない?」
「本当だ・・・・・・・・」
「じ、地震?」
「こんなタイミングで!?」
<ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・!>
「きゃあっ・・・・・・・・!」
「どんどん強くなってる!!」
「まさか、人形を戻したせい!?」
「ここ地下だぞ!崩れたら生き埋めになっちまう!」
「とにかく急いで外に向かいましょ!」
「う、うん!」
俺たちは急いできた道も戻り出入口の方へと走る。
「はぁ・・・・・!はぁ・・・・・・・・!」
「急げ!急げ!」
「天井も崩れて始めてきたわ!」
「頭上のほう注意して!!」
洞窟がどんどんと崩れていき俺たちは走る速さを上げていく。
「あっ、目印だ!」
「やった!」
来た時に付けた蛍光塗料のマークの目印が見えてきた。あともう少しだ!!
「これで地上に出れるわ!」
「脱出できるわね!」
「ああ!!」
<ガガガがガガガガッッ!!!>
「!!危ない!!」
俺は前を走っている三人を突き飛ばした。
「きゃっ!!」
「いた!」
「ちょっと!何すんのよ杉元・・・・・・・・・・って、ええっ!?」
「そ、そんな・・・・・・・・・・!」
「天井が崩れて・・・・・・・・・・!」
「・・・・・・・・・・・・みんな・・・・・・・・無事か・・・・・・・?」
「杉元君!?」
「杉元!!」
「私たちは平気だよ!杉元君は!?」
「そうか・・・・・・よかった・・・・・・俺の方は・・・・・・・・・ちょっと腕の骨折れたかも・・・・・・あと体少し打ったみたいでいてぇや・・・・・・・・・・」
「そ、そんな!」
「私達を庇ったせいで・・・・・・・・・!」
「い、今助けるから!!」
「む、無理だ・・・・・・・こんなでかい岩お前ら三人がかりでも持ち上げられないだろ・・・・・・・・・?」
「そんなのやってみなきゃわからないよ!」
「そ、そうよ!」
「俺のことよりお前らは逃げろ・・・・・・・・・・・・もうじきここは崩落する・・・・・・・・・出入口はもうすぐそこなんだから出られるはずだ・・・・・・・・・・」
「だめだよ!杉元君だけ置いてはいけないよ!」
「見捨てて私達だけ逃げるなんてできないわ!」
「杉元も一緒に帰るわよ!」
「馬鹿野郎・・・・・・・・!!ここで全員生き埋めされて死ぬなんてことあっちゃだめだろ・・・・・・・・・?それにお前らにはチャンネル登録者数を100万人して大物動画配信者になるっていう目標があるだろ・・・・・・・・・?」
「す、杉元・・・・・・・・・・・・」
「俺はただの撮影係兼雑用だ・・・・・・・・・替えの人間はいくらでもいる・・・・・・・・・・・・・・・けどお前らの代わりはいないんだ・・・・・・・・・・・・」
「杉元君・・・・・・・・・・・・」
「お前らと動画撮影してそれを配信する日々・・・・・・・・・・楽しかったぜ・・・・・・・・・・・・・」
「ううっ・・・・・・・・杉元君・・・・・・・・」
「早く脱出してまた面白い動画撮れ・・・・・・・・・・俺からの最後のお願いだ・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・行きましょう・・・・・・」
「奈々ちゃん!?」
「杉元の思いを無駄にしちゃだめ・・・・・・・・・・!私たちが生きてここから脱出しなきゃいけないの!」
「で、でも!!」
「美桜、奈々の言う通りにしましょう・・・・・・・・・」
「梓ちゃんまで!」
「こんな大きな岩どかせるのなんて私達だけじゃ絶対に無理だしもうすぐここも崩れる・・・・・・・・・・・・今私たちにできることはあの出入口に向かってここを脱出することだけしかないの・・・・・・・・・・・!」
「そんな・・・・・・・・・・・・・」
「生駒・・・・・・・・・・・二人の言う通りにしろ・・・・・・・・・それしかもないんだよ・・・・・・・・・・」
「嫌だよ!みんなで帰ろうよ!!」
「生駒・・・・・・・・!!頼むから早く脱出してくれ・・・・・・・・・・・!」
「美桜!!」
「早く出ましょ!!」
「杉元君!!離して二人とも!!」
「あとは頼んだぞ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「うわっ・・・・・・・・・・・!?」
「ま、眩しい・・・・・・・・・・・」
「朝だ・・・・・・・・・・!」
お堂から出てくる三人。朝日が暗い雑木林を照らし小鳥たちが鳴いている。
「うん・・・・・・・終わったんだ・・・・・・・!」
<バキバキバキバキ!!>
「えっ!?」
「お堂が・・・・・・・・・・!」
お堂が地震の影響で崩れ倒れた。
「崩れちゃった・・・・・・・・・・・地下への入り口・・・・・・・・・」
「こ、これじゃあもう・・・・・・・・・・・・・・」
「い、嫌ぁ・・・・・・・・・・・・杉元君・・・・・・・・!」
「美桜・・・・・・・・・・・・・・・」
「杉元・・・・・・・・・・・・こんなお別れなんて嫌よ・・・・・・・・・・」
「杉元君・・・・・・・・・どうして・・・・・・・・もう少しで脱出できたのに・・・・・・・・・」
杉元がもう助からないと思い悲しみに暮れる三人。
「私たちを助けるため庇うなんて・・・・・・・・・・・かっこつけすぎよ・・・・・・・・ぐすっ・・・・」
「彼のこと・・・・・・・・・一生忘れないわ。絶対に・・・・・・・・・・・・・」
「もっとお話したかったし・・・・・・・・・動画撮影したかったのに・・・・・・・・・・ううっ・・・・・・・・」
「何がなんだって・・・・・・・・・?」
「「「えっ?」」」
三人が声をした方を見るとそこには片腕を抑えながらふらふらと歩くボロボロになった杉元がいた。
「杉元!?」
「「杉元君!?」」
「よ、よぅ、なんとか脱出できたぜ」
「生きてる!?まさか幽霊じゃ・・・・・・・・・・!」
「そんな訳ないだろ!!足生えてるし透けてないだろ!?」
「た、確かに・・・・・・・・・・・・」
「じゃあ、本当に・・・・・・・・・・・?」
「ああ、ちゃんと生きてる人間だよ」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・た」」」
「えっ?」
「「「良かった!!」」」
「うぉぉぉ!?」
突然三人に抱き着かれ驚く杉元。
「よかった・・・・・・・・ホントに・・・・・・・・!」
「もうだめかと思ってた・・・・・・・・・・・!」
「杉元君・・・・・・・・お帰りなさい・・・・・・!」
「ああ、ただいま・・・・・・・・・・・・・・」
「でもどうやって地下から出れたの?」
「ああ、それなんだけど・・・・・・・・・・・・・・・・」
『あいつら行ったみたいだな・・・・・・・・・・・・・・・・・』
三人を崩れてきた岩から庇い腕の骨折れたみたいだし体のあちこち痛いし通路は岩で塞がれてこれはもう助からないな・・・・・・・・・・・・
『最後にかっこいいことして死ねるならいいか・・・・・・・・・・・」
あいつらが有名配信者になるとこが見れないのが心残りだがまぁ仕方ないか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『ここが完全に崩れるまで待ちますか・・・・・・・・・・・・・・・・・」
目を瞑りここが完全に崩れるまで待とうとしたその時
『・・・・・・・・・・・・んっ?』
服の袖をなにかぐいぐい引っ張られる感触がして俺は目を開けた。そこには・・・・・・・・・・・
『君は・・・・・・・・・・・・・・・』
ホテルでオーナーと一緒に成仏したはずのオーナーの娘の幽霊がいた。
『成仏したはずじゃ・・・・・・・・・・・・』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
『えっ・・・・・・・・・・・・?』
娘の幽霊は少し歩き一つの通路の入り口の前で止まって俺に向かって手招きをした。
『こっちにこいってことか・・・・・・・・・・・?」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
俺の返事に無言で頷く娘の幽霊。一体何があるんだ?
『行ってみるか・・・・・・・・・・・・』
痛みに耐えながら立ち上がり娘の幽霊がいる通路前まで歩いて向かう。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
『ついてこいってか・・・・・・・・・・・・・』
娘の幽霊の後に続き歩いていくと
『これは・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
少し急になっているが上り降り可能な斜面があり入り口らしきところからは陽の光日の光が差している場所だった。
『俺をここまで案内してくれたのか・・・・・・・・・・・・』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
相変わらず何も話さず無言で頷く娘の幽霊。
『また助けてもらったな。ありがとうな・・・・・・・・・』
俺は娘の幽霊にお礼を言って斜面を上がっていった。
「よいしょよいしょ・・・・・・・・・・・・・うっ!』
陽の光が眩しく目を遮る。これは脱出できたようだな・・・・・・・・・・・・・・・
『やった・・・・・・・・・・・・・出れた・・・・・・・・でもここどこだ?』
<ガラガラガラ!!>
『入り口が・・・・・・・・・・・・・・・・』
入り口が崩れこれでもう地下へ行くことはできなくなってしまった。あと少し出るのが遅れたら俺は生き埋めになると思うとゾッとするな・・・・・・・・・・・・・・
『とりあえず三人を探すか・・・・・・・・・・・・・・』
多分ここはホテルの近くだろう。三人もおそらく脱出できたはずだ・・・・・・・・・・・・・・・・
「ということだったんだ」
「そんなことが・・・・・・・・・・・・」
「娘さんの幽霊が助けてくれたんだ・・・・・・・・・・」
「ああ、彼女がいなかったら俺は助からなかったぜ」
「その子、お父さんを助けてくれたお礼に杉元君を助けようと戻ってきてくれたんだと思う・・・・・・・・・」
「多分そうかもな・・・・・・・・・・・・・・・・」
<ブゥー!ブゥー!ブゥー!>
「あ、あたしだ・・・・・・・・・!」
桜井のスマホに着信が入りバイブ音が鳴り慌てて画面を見ている。
「どうしたの・・・・・・・・?」
「誰から・・・・・・・・・・・?」
「企画を手伝ってもらった友達・・・・・・・・・・・」
「てことは、無事だったのか!?」
「かもしれないっ・・・・・・・・・!」
「奈々ちゃん!早く出ないと!」
「そうね!」
急いで電話に出る桜井。友達の子も無事みたいで良かったぜ~
「いちちち・・・・・・・・・・・・」
「杉元君大丈夫!?」
「そういやケガしてるんだった」
「とりあえず病院に行きましょう!車の運転は私がするから!」
「悪い、頼むわ・・・・・・・・・・・・」
こうして恐怖の一夜が終わり俺たちは朝日を見ながら帰ることとなった・・・・・・・・・・・・・・・・・
次のエピローグでこのルートは終わりです。このルートは・・・・・・・・・・