心霊スポットで動画撮影しにきたらほんとに出てきちゃった 作:ムツヒロ
励みになります!
「着いた・・・・・・・・・・」
三階のリネン室の前に辿りついた。ここに二人がいるんだな。
「よし、入ろうぜ」
「ええ・・・・・・・・・・」
ドアノブに手をかけ中へ入った。
「杉元君!!」
中には生駒、桜井の二人がいた。どっちも怪我とかはしていないようだ。
「無事だったのね!」
「ああ、なんとか」
「梓ちゃんも!」
「ええ、無事よ」
「良かった~」
一安心する生駒。心配かけてすまんな。
「んっ?これは・・・・・・・・」
机の上を見るとそこにはなぜか桜井が配信用で使っているノートPCが置いてあった。
「なんで桜井のPCがこんなところに?」
「奈々ちゃん、杉元君たちにもちゃんと話そう」
「わ、わかってるわよ・・・・・・・」
「??」
どうゆこと?
「す、杉元。実はね・・・・・・・・・」
桜井は友達と一緒に生駒と白石とついでに俺までドッキリに仕掛けようとしていたらしく驚かす仕掛けのある部屋まで桜井が俺たちをそこまで連れていき仕掛けで驚く俺たちの姿をカメラで納めるということだったらしい・・・・・・・・・のだが予定と違うことばかり起き始めた。
「元々あたしがあんたたち三人を三階まで連れてくる予定だったのよ。なのに、あんた達は途中でいなくなっちゃうし仕方なく先に待ち合わせばしょにしてたリネン室に来たら友達はいないしスマホは圏外で繋がらないし・・・・・・・・・挙句の果てにリネン室に閉じ込められちゃって必死に開けようと色々している内に今度は棚が倒れてきて身動き取れなくなっちゃって・・・・・・」
「閉じ込められた?棚が倒れてきた?」
なんか俺が気を失っている間に色々あったみたいだな。
「奈々ちゃん、倒れてきた棚に押し潰されそうになったんだ」
「なにぃ!?」
めちゃくちゃ危ないじゃないか!!小柄な桜井なんてペシャンコになるぞ!?
「桜井!お前大丈夫だったのか!?」
「う、うん。美桜がチャットで脱出方法教えてくれたおかげでなんとか助かったわ」
「そうか、よかった」
桜井よ、あとで生駒にちゃんとお礼しろよ。スイーツバイキング連れて行ってやるとかさぁ。
「じゃ、じゃああの着ぐるみは?」
「着ぐるみ?あぁ、ロビーにあったアレのこと?昔向かいにあったファンタジーランドの着ぐるみらしいわよ。アレがどうしたの?」
「どうしたのじゃないわよ!私と美桜と杉元君はその着ぐるみに殺されそうになってたのよ!!」
「殺されそう・・・・・・って、え?何?全然話が読めないんだけど・・・・・・・・」
桜井はあの着ぐるみのことを知らないらしい・・・・・・・・どういうことだってばよ?
「さっきからずっと血の付いた鉈を持ったその着ぐるみに追いかけ回されてるんだよ」
「着ぐるみが鉈って・・・・・・・ま、待ってよ何それ。そんなのあたし聞いてない・・・・・・」
「もう何度も追われてるから見間違うはずないわ!」
「ああ、俺もそう思う。最初に出くわしたときに奴と戦ったしな」
「戦ったの!?」
「ああ、鉄パイプ使って一撃お見舞いさせてやったがな」
「す、すごい・・・・・・・・」
「奈々!どんな危ないやつと手組んだの!?そのお友達さんにドッキリで襲わせたんじゃないの!?」
「ち、違うわよ!そんな物騒なこと計画するわけないじゃない!!」
「じゃあ何?そのお友達さんが勝手に私達のこと襲ってるってこと!?」
「待ってよ梓!?あたしが信頼している友達よ!やっちゃいけないことくらいは弁えてるわ!それにその友達って、確かにあたしよりは背は大きいけど梓や杉元どころか美桜より小柄な子だよ!?」
そういえばあの着ぐるみ野郎は俺と同じくらいの背丈していたし桜井の言う友達にしてはデカすぎるな・・・・・・・
「元々あたし達の予定では308号室で驚かしたらすぐにネタばらしする計画だったし・・・・・・着ぐるみなんて・・・・・・・・」
「そんな・・・・・・それじゃあ、アイツは何で動いてるのよ・・・・・・」
「わ、分からないわよ・・・・・・あたし、まだ動いてるところ見てないし・・・・・・」
着ぐるみを見たのはどうやら俺と生駒と白石だけみたいだ。じゃあやっぱり桜井達の仕業じゃないらしい・・・・・・・・・
「奈々・・・・・・・本当に知らないんだよね・・・・・・?」
「うん・・・・・・・・・・」
「わかった。じゃあ、ひとまずその友達を捜さないとだね」
白石もは落ち着き納得し桜井の友達を捜しに行くことを提案した。
「そうだった!そんなやばいやつが闊歩してるなら、普通にあの子も危ないじゃない・・・・・・!」
「どこにいるのか検討はついてるの?」
「ううん、分からない・・・・・・・そっちもずっと電話が繋がらないのよ」
「そっか・・・・・・・・じゃあ、気をつけながら捜そう」
「そうだね・・・・・・・・・・・」
「あと何か使えそうな物も持っていこう」
リネン室にある使えそうな物をバックに入れ俺たちは部屋を出た。
「三階で落ち合う予定にしてたからこの辺りにいる気はするんだけど・・・・・・・下に降りたほうがいいのかしら?」
「そうだな、いったん下の階に降りて・・・・・・・・!」
「どうしたの?」
「階段が瓦礫で塞がれてやがる・・・・・・・・」
さっき俺が上がってきた階段がなにかの拍子で瓦礫が崩れ塞がれていたのであった。
「えぇ!?」
「これじゃあ下の階に行けないじゃない・・・・・・!」
「ど、どうしよう・・・・・・・・」
「うーん・・・・・・・・・あっ、そういえば確か非常階段があったわ!」
「本当!?」
「ええ!奥の方に非常階段用のドアがあったわ!」
「よし、そこへ向かうぞ!」
俺たちは非常階段へと繋がるドアがある奥の方へと向かった。
「あ、ほらあった!」
桜井の言った通り非常用階段のドアが突き当たり廊下の奥の方にあった。
「はぁ・・・・・・・これで出られるわね」
「良かったぁ・・・・・・・」
「さっさとこんな物騒なところ出ようぜ」
俺たちはドアの前まで行きドアを開けようとした。だが
「あれ?」
「どうしたの?」
「なんか、向こう側で何かが引っかかってるみたいなんだよ」
「もう、なんで!いつになったら出られるのよ!」
「お、落ち着いて梓ちゃん・・・・・・・」
「でもカギはかかってないみたいだし、この引っかかってるものをどうにかできれば開けれるかもな」
「あっ・・・・・・そう言えばリネン室に窓があった気がする。そこから、どうなってるのか見えるんじゃない?」
「確かに、あの位置ならちょっと身を乗り出せば見えるかもしれないな!」
「よし、じゃあ一度リネン室に戻りましょうか」
ドアの向かい側がどうなってるのか確認するため俺たちはさっきのリネン室へ戻ることにした。
「ほら、梓も行くわよ」
「あっ、待って」
白石がドアから離れようとしたその時
<ガラガラガラ!!>
「きゃあっ!」
「梓ちゃん!」
「白石!」
「いったぁ・・・・・・・・」
突然防火シャッターが下がってきて白石の足を挟んだ!
「ひっ・・・・・・・!?梓っ!?足!」
「そんな!?」
「だ、大丈夫、溝に挟まっただけっぽい・・・・・・ただ・・・・・・・ん・・・・・・っ!はぁ・・・・・・・だめだ。く・・・・・・・・っ、抜けない・・・・・・・・っ!」
足は大丈夫そうだけど抜けなくなって身動きが取れなくなってしまった白石。
「俺がシャッターを持ち上げてみる!」
俺はシャッターを持ち上げてみるがビクともしない。
「くっ・・・・・・・・・重たすぎる!持ち上がらない!」
「杉元でもダメなの!?」
「ど、どうしよう・・・・・・・!」
「防火シャッターってことは開け閉めするための何かがあるはずよね!?」
「えっと・・・・・・・・・・・・んっ?この扉は・・・・・・・・」
シャッターの横に小さい扉がありそこを開けると一本の棒が飛び出している。
「これは・・・・・・・・・・・」
「もしかしてここにハンドル的なものをくっつけて回せばシャッターが持ち上がるんじゃない?」
「そうか!!」
「けどハンドルはどこに?」
「多分この辺りの部屋にあるはずだ!」
「そうね。手分けして探しましょう!」
「梓ちゃん、必ず助けるから待っててね!」
「ええ、みんなも着ぐるみに出会わない様に気をつけてね」
俺たちは手分けしてシャッターを持ち上げるために必要なハンドルを探しに行った。
急がないと白石が危ない!待ってろよ!すぐに助けるからな!
《《 》》
「くっ・・・・・・・・・・・・・・・やっぱりだめね・・・・・」
皆がハンドルを探しにいって少し経った。
私は自力で出れないか試しているが何も変わらなかった。
「みんな・・・・・・・・お願い早く・・・・・・・・・」
あの着ぐるみがいつくるかわからない。もし今この状況で来たら逃げることができない。
「もう一度・・・・・・・・・・・・・」
<カラカラカラ・・・・・・・>
「えっ・・・・・・・・?」
何今の音は?
<カラカラカラ・・・・・・・>
「どんどん近づいてくる・・・・・・・・・!」
もしかして三人が戻ってきたのかと思うけどなんか少し違う気がする。
「・・・・・・・・・・・・・あれ?」
音が止んだ?
「どうして急に・・・・・・・・・・・・・!」
後ろに誰かの気配を感じた。あの三人なら声をかけてくるはず・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・っ!?」
恐る恐る後ろを見るとそこには大きな鉈を持ったあの着ぐるみが私を見下ろしていた。
「ひっ・・・・・・・・・・や・・・・・・・・」
私は今目の前の光景に恐怖し完全に硬直してしまった。
「やめて・・・・・・・・・・お願い・・・・・・・・!」
歯をガタガタ揺らしながら命乞いをするが無理だと感じた。
私は恐怖のあまりに失禁してしまい下着とスカートが濡れているのを感じた。
「殺さないで・・・・・・・・・・・・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
着ぐるみが鉈を持ち上げ振り下ろそうとする!
「いやああああああああああああっ!!」
いやだいやだいやだいやだ!!死にたくない死にたくない死にたくない!!
溺れて死ぬよりも痛くて苦痛を味わう方法で死ぬなんて嫌だああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!
「でやあああああああああああああっ!!」
着ぐるみが鉈を下ろそうとしたその時聞き覚えのある彼の声が聞こえ着ぐるみは彼の拳で殴り飛ばされるのが見えた。
《《 》》
「くそっ、ここにもねぇ!」
ハンドルを探し回っているが中々見つからない。急がないと白石が!
「杉元!!」
「桜井!そっちは!?」
「だめ、見つかんない!」
「くそ!」
あとは生駒だけか・・・・・・・・・・・頼む、ハンドル見つかってくれ!
「二人とも!!」
「美桜!」
「生駒!」
生駒が戻ってきた。んっ、手に持ってるのはもしかして・・・・・・・・・・
「見つかったよ!ハンドル!!」
「でかした美桜!」
「早く白石のところに戻るぞ!」
「ええ!」
ハンドルを見つけたことだし早く白石の元に戻ることにした。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・!?」
「どうしたの杉元・・・・・・・・・・・!!」
「ひっ!?」
白石がいる非常階段前ところに戻るとそこには着ぐるみがいて鉈を振り下ろそうとして白石を殺そうとした。
「あっ、ああ・・・・・・・・・・・・」
「梓・・・・・・・・・・・!」
「くっ・・・・・・・・・・・・・!」
俺は考えることよりも足が動き着ぐるみの元へ走り寄った。
「でやあああああああああああああっ!!」
俺は力を込めて着ぐるみを殴り飛ばした。
着ぐるみは吹っ飛ばされゴムボールが弾むように跳ねていった。
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・・白石!大丈夫か!?」
「す、杉元君・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
白石は泣きそうな顔で俺を見つめていた。
あっ、白石のやつもしかして・・・・・・・・・・・いや、言わないでおこう。
「今シャッター上げてやるからな!」
ドアを開けて棒とハンドルをくっつけて回す。
<ガラガラガラ!>
するとシャッターは上がっていきこれで白石は身動きが取れるようになった。
「梓!」
「梓ちゃん!大丈夫!?」
「いたた・・・・・・・・ありがとう三人とも・・・・・・・・」
「着ぐるみがまた来る!一旦隠れるぞ!」
「梓、立てれる!?」
「ごめん、すぐには・・・・・・・・・・」
「仕方ない・・・・・・・よっと!!」
「えっ、きゃあっ!」
俺は白石をお姫様だっこして持ち上げた。
「二人とも行くぞ!」
「え、あっ、うん」
「だ、大胆・・・・・・・・・・・・」
俺たちは適当に空いてる部屋のトイレに隠れ着ぐるみを撒いた。
隠れている最中白石は顔を赤くしていたけど仕方ないよな?ああしないと連れてけなかったんだし・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《《 》》
「あれだな・・・・・・・・・・」
リネン室に行き部屋の奥の方にある窓見た。取っ手に手をかけて開けようとするが
「あれ・・・・・・・開かない・・・・・・・」
ここもかよ。まぁ、廃墟だしあちこちボロボロで壊れてるところがあっても不思議じゃないか。
「立て付けが悪いのか?ふんぬっ!!」
力を思いっきり込めるが開く気配はない。
「だめかぁ・・・・・・・・・」
「蝶番が錆びちゃってるのかもしれないわね」
「どうする?ガラス叩き壊して開けるか?」
「うーん、さすがに危ないわね・・・・・・」
「そうだよな・・・・・・・」
飛び散ったガラスで怪我とかしたら大変だしな。
「ねぇ、これ使えないかしら?」
「これは・・・・・・・・・」
白石が見つけたのは潤滑油の入ったスプレー缶だった。おお、これなら錆びた蝶番に吹きかければ窓が開くことができるぞ!!
「早速試してみましょう!」
「ああ!」
スプレー缶を白石から受け取り窓の蝶番の部分に潤滑油を吹きかけ取っ手を持ち押してみると
「開いたわ!」
見事開くことに成功した!よっしゃあ!
「うわぁ・・・・・・外、真っ暗」
「よし、外の様子見てくる」
「き、気をつけてね・・・・・・・・」
俺は窓から少し身を乗り出し外の様子を見た。外は真っ暗で何も見えず闇が世界を包み込んだような感じがした。
「見えづらいなぁ・・・・・・・うんしょっと」
「杉元君、大丈夫?落ちないでよ!?」
「大丈夫だよ白石」
縁起でもねぇこと言うなよな。
「あっ、ドアノブと手すりがビニール紐で結ばれてるみたいだな」
非常用階段のドアのドアノブと手すりに緑色のビニール紐がなぜか結ばれている。なんでこうなってんだろう?
「多分これのせいで開かないんだと思う」
「じゃあ、その紐を切れたら」
「外に出られるってことね!」
「そうだな。とりあえず紐が切れそうなものが欲しいな」
「はさみあるけど使えるかな?」
「うーん、ちょっと届かないから使えねぇな」
「そっか・・・・・・・・・」
「ねぇ、このガラス片は?」
桜井が落ちていたガラス片を見つけた。
「これならいけるかもな」
「はい、手切らないでね」
桜井からガラス片を受け取りビニール紐を切る。
「よし切れた!」
これで非常用階段への扉が開くぞ!
「紐が切れたぞ!」
「これで非常用階段の扉が開くね!」
「さっすが杉元!こういう時に役に立つ男ね!」
おい桜井、一言余計だぞ。
「非常用階段のところへ向かいましょう!」
「おう、そうだな」
これで下の階に行けれるな。早く桜井の友達見つけてこんなやべーところさっさとずらからるぞ!
「ねぇ、杉元君」
「んっ、どうした?」
「あ、あの、また助けてくれて・・・・・・・・ありがとう」
「良いって事よ」
「杉元君は本当に頼りになるわ・・・・・・・・・・それに比べて私は役に立たない怖がりだし・・・・・・・・」
「白石、あんま自分を自虐的になるなよ。白石が活躍する時が来るかもしれないだろ?」
「杉元君・・・・・・・・・・・・・・」
「早くこんなところ出て着替えないとな。匂いでバレるかもしれないからさ」
「っ!?それ言うのはやめてよね・・・・・・・・・///////////」
「了解」
俺と白石はそんなやり取りをして非常階段の方へ向かった。
梓ちゃんがだんだん不憫な扱いをされていく・・・・・・・・・・・