心霊スポットで動画撮影しにきたらほんとに出てきちゃった 作:ムツヒロ
忘れてませんよ?ほんとですよ?
「ここが事務室っぽいわね」
事務室に辿りついた俺たち。何か手掛かりがあればいいけどな。
「じゃあ、入ってみよ」
「う、うん・・・・・・・・・」
生駒が事務室のドアのドアノブに手をかけて開けようとするが
「だめ、開かない。ここも鍵がかかってる・・・・・・・・・・」
「何でどこも鍵がかかってるのよ・・・・・・・・」
他の部屋同様鍵がかかっていた。
「本当に中は当時のまま、朽ちていったって感じだね」
「どうする?ドア壊して入るか?」
「ちょっと杉元、なんでもかんでも力で解決するんじゃないわよ。これだから脳筋は」
「誰が脳筋だ。じゃあ他に方法あんのかよ?」
「うーん・・・・・・・真上の部屋に秘密の抜け道があってそこからは入れたりしないかしら?」
「本気で言ってる?」
「半分くらい」
本気なのか冗談なのかわからない提案をする桜井。そんな都合よく秘密の抜け道なんてあるか?
「て、天井が抜けてたら上から入れるかも?」
「抜けてたとしても危ないわよ」
「ご、ごめん。そうだよね・・・・・・・・」
生駒もなんか無茶苦茶な提案を出すが白石に却下された。
「まぁ、けど他に心当たりがあるわけでもないし、一回試しに上の部屋を見に行ってみない?」
「え~・・・・・・・・・・」
結局事務室真上の部屋に行くことにした俺たち。本当に事務室に入れる抜け道とかあればいいんだけどな・・・・・・・・・・・・・・・・
「あと着ぐるみ野郎に出会わないといいけど・・・・・・・・」
運よく着ぐるみ野郎とさっきから出会ってないけどいつどこでまた襲ってくるかわからないから警戒しないとな。
「ねぇ、三人とも待って・・・・・・・・・・」
「どうした?」
「どうしたのよ?」
白石の言葉に一旦足を止める俺たち。
「あそこ・・・・・・・・・・・・・・誰かいる・・・・・・・・!」
「へっ?・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」
白石が指を指した方を見る俺たち。そこには体が半透明で顔の表情が見えない女の子が立っていた。
「女の子・・・・・・・・・・・・・?」
「間違いなく幽霊よね・・・・・・・・・あれ・・・・・・・」
「ああ・・・・・・・・そうみたいだな・・・・・・・・」
俺は今幽霊を見ている!本当に実在していたんだ・・・・・・・・・・!
「あっ!」
「消えた!なんで!?」
女の子の幽霊は突然フッと消えた。
「お、落ち着きなさいよ梓!」
「今、あの子が消えた部屋って行こうとしてた事務室の上あたりの部屋だよね」
「確かに・・・・・・・・・・・・・・」
「行ってみるか」
「やだよ!戻ろうよ!」
「大丈夫よ!あたしたちがついているから」
「ううっ・・・・・・・・わかったわよ・・・・・・・」
白石を宥めて女の子が立っていたところにある部屋に向かい入る。
「この部屋がさっきの事務室の真上あたりよね?」
「大丈夫・・・・・・・・?さっきの女の子、隠れてたりしてない?」
まだ女の子幽霊にビビっている白石。もういい加減なれてくれよ。
「うん、誰もいないみたいだよ」
「そう・・・・・・・・・・・・・・」
「ここは普通の客室みたいだな・・・・・・・・・・・」
「流石に秘密の抜け道なんてないか・・・・・・・・・・・・」
「当たり前でしょ・・・・・・・・・・」
「床が腐り落ちてそうな所とかもないね」
「そうね・・・・・・・・・この部屋は比較的綺麗なまま残ってるみたい。まぁ、泊まれって言われたら泣きたくなるぐらいには廃墟感あるけど・・・・・・・・・」
「あはは、確かに・・・・・・・・・・・・・・」
<ビシャッ!!>
「ひぃっ!?」
「なっ!?」
「な、何っ!?」
突如バスルームのドアに真っ赤な血のようなものが飛び散っている。
「な、何この光・・・・・・・・・・・」
「この音もなんだろう・・・・・・・お風呂場?やっぱり誰かいる・・・・・・・!?」
「もうやめてよぉ・・・・・・!ここも奈々の仕掛けた部屋なの!?」
「流石に仕掛けた部屋に入るなら事前にちゃんと言うわよ・・・・・・・!」
「もう本当嫌・・・・・・・・・・勘弁して・・・・・・・・」
桜井の仕掛けではなくマジの心霊現象を目の当たりしている俺たち。すると・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「ちょ、ちょっと美桜!?」
「なんで見に行こうとするのよ!?」
生駒がバスルームの中の様子を見に行こうとする。正気かお前!?
「・・・・・・・・・あれ?消えた?」
「音も止んだ・・・・・・・・・・・」
血のような光も何かを潰すような音も消えた。
「何だったのよ今の・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・ちょ、ちょい生駒!?」
止んでもバスルームの中へ入ろうとする生駒。
「美桜!もういいでしょ!?」
「ちょっと覗くだけ・・・・・・!」
そう言ってバスルームのドアを開ける生駒。中は一体どうなってるんだ!?
「ひっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・誰もいない・・・・・・・・・」
中は誰もいないし変な様子もなかった。
「何だったのかしら、さっきの・・・・・・・・・」
「本当に何もいない・・・・・・・・・・?大丈夫・・・・・・・・・?」
「うん、本当に何もいないよ・・・・・・・・・・・・ん?」
「こ、今度はなに・・・・・・・・!?」
「・・・・・・・・・・・鍵?」
生駒はどこかの部屋の鍵を拾ったみたいだ。
「もう、脅かさないでよ・・・・・・・・けど、どうしてこんなところに鍵が?」
「わかんない・・・・・・・・・・・・」
「これが事務室の鍵だったりしないかしら?」
「そんな都合のいい展開あるわけないだろう・・・・・・・・・・・・・」
「いや、きっと事務室の鍵よ!そうに違いないわ!」
「その根拠にない自信は一体どこから湧いてくるんだよ」
「けど、試してみる価値はあるかも。もしこれで開いたら、ラッキーだし」
「とりあえず持っていきましょ」
事務室の鍵らしき鍵を持っていき再び事務室へ向かう。これで開かなかったら無駄足だぞ?
<ガチャ>
「開いた!!」
鍵はどうやら事務室の鍵だったようでドアが開いた。
「中へ入りましょ」
「おう」
「う、うん・・・・・・・・・」
「何もでませんように・・・・・・・・・・・・」
事務室の中へ入る。中はやはり当時のままになっていて書類などが床に散らばっている。
「散らかってるな・・・・・・・・・・んっ?」
入り口の扉の近くに管が通った細長い入れ物がいくつか並んでいた。
「これは確か・・・・・・・・・・・・・」
エアシューターってやつか?これで部屋から鍵を返したりするのか?
「ボタン押したらなんか出てくるかも・・・・・・・・」
俺はボタンを押していくが特に何も起きなかった。
「何にも反応しないな・・・・・・・・・んっ?」
一番端のエアシューターのカプセルの中になにかワイヤーのような細い線みたいなのが引っかかっているぞ?
「抜いてみるか」
線を引っ張ると特に抵抗なくとることができた。
「意外と簡単に抜けたな・・・・・・・・・・・」
結構長いなこれ・・・・・・・・・・・・一体何に使うんだ?
「杉元、何か見つかった?」
「ああ、これなんだけどさぁ」
「ピアノ線?この機械のパーツだったのかしら?」
「多分そうだと思う」
ああ、これピアノ線っていうんだ。なんかワイヤーにしては細過ぎるなーって思ったぜ。
「うーん・・・・・・・これ、何かに使えたりするかな?」
「サスペンスだと定番の凶器だけど・・・・・・・」
「そうなの?」
「うん。見たこと無い?人の首に巻きつけて絞殺したりとか・・・・・・・あと、道路にこのピアノ線を張っておいて、通った人を殺害するトリックとか」
「あぁー」
急にバイオレンスなこと言う白石。ちょっと怖いよあなた。
「あー!それだよ!」
「おわっ!」
「わっ!びっくりしたぁ・・・・・・急にどうしたのよ?」
「エントランス!頑張れば出れそうだけど行き止まりで着ぐるみが来たらひとたまりもないって話、してたよね?」
「そうね」
「それがどうかしたのか?」
「これ!エントランスにつながる通路にこのピアノ線を張っておけば足止めになるんじゃないかな!?」
「あっ!」
「そっか!確かにこれなら見えにくいし引っかかってくれるかも!」
「確かに長さもあるし、退治はできなくても時間稼ぎはできるかもしれないな!」
「一か八か、試してみる?」
「よし!エントランスへ向かいましょ!」
「うん!」
脱出できそうな手段を発見しエントランスへ向かう俺たち。
ピアノ線、上手く仕事してくれよ!
「よいしょ、こんな感じでいいか?」
俺たちはエントランスに着き作戦通りにピアノ線を公衆電話と柱に結んだ。
「多分、大丈夫じゃないかな?」
「作ってみると案外細すぎて不安になるわね‥‥‥‥コレ」
「や、やめとく……‥‥?」
「いや、やれることはやったわ。あとは見つからないことを祈りながらあの髪の毛みたいなのを攻略しましょ」
「そうだな」
俺たちは出入口に向かい大量の髪の毛のようなものを見て気味悪がった。
「うへぇ……‥何度見ても気持ち悪い‥‥‥‥。これをかき分けていかないと出られないの…‥‥‥?」
「多分…‥‥‥‥」
「でも隙間から外がちょっと見えてるぞ」
「頑張るしかないわね‥‥‥‥」
「じゃあ開いたら俺が先に行くよ」
「だ、大丈夫?」
「ああ、それにさっきこれ見つけたから」
俺はさっき事務室で見つけたカッターナイフを出した。これで髪の毛を切っていきながら道を作っていく。
「気をつけてね‥‥‥‥」
「ああ…‥‥‥」
俺は先頭に立ち髪の毛を掻き分けて進んでいく。
「ん‥‥‥‥っしょ。っち、意外と硬いな…‥‥‥‥」
髪の毛は意外と硬くカッターの刃が中々通らない。
「んしょ‥‥‥‥!よし、開いてきてるぞ!」
あと少しで一人ずつなら通り抜けれそうだ!
「ん~!」
「あともうちょい!」
後ろの三人も髪の毛を掻き分け進んでいる。その時だった
<カラカラカラカラ…‥‥‥‥>
「!?」
今の音、まさか!
「三人とも、止まって!」
「えっ!?」
「な、何よ」
「アイツがいる…‥‥‥!」
「やっぱり来たか‥‥‥‥!」
予想通り着ぐるみ野郎が来やがったか…‥‥‥‥
「奈々ちゃん、梓ちゃん、杉元君、早く!」
「分かってる!」
急いで髪の毛を掻き分けるが硬くて通るのに時間がかかる。
「ダメ、気づかれた!」
「ど、どうしよう!?」
「無理よ!こんなの絶対間に合わない!どこか逃げ場所は…‥‥‥あーもう!」
「………‥‥」
「梓ちゃん!?」
白石が少し歩きだした。何をする気だ!?
「私があの着ぐるみの気を引いてくる」
「え?梓ちゃん!?」
白石のやつ自分が囮になって着ぐるみ野郎を引きつけると言った。
「おい!何言ってんだ白石!囮なら俺が…‥‥!」
「杉元君は二人を連れて先に出て!」
「で、でもよ!」
「っ!」
「待て!白石!」
白石はそのまま着ぐるみ野郎の方へ走っていった。
「こっちよ!」
着ぐるみ野郎の視線を自分の方に引きつける白石。
「梓!」
「早く行って!」
「‥‥‥‥バカ!」
「奈々ちゃん、梓ちゃんが!」
「分かってるわよ!けど、あたし達はこっち!」
桜井は髪の毛を掻き分け出ようとしている。
「っ!梓ちゃん!!」
「くそっ!二人は先に出てろ!」
「えっ、杉元!?」
やっぱり白石だけに任せられない!俺も囮になるぜ!!
<ズチャッ>
「キャッ!!」
「白石!?」
何かが崩れ落ちる音がしたが‥‥‥‥まさか!?
「おい!大丈夫か!?」
「す、杉元君!?」
白石は見たところ無傷のようだ。じゃあさっきの音は?
「!!これは…‥‥‥」
地面を見るとそこには東部が転げ落ち胴体もうつ伏せで倒れている着ぐるみ野郎いた。
ピアノ線が上手く仕事してくれたか!?
「梓!」
「大丈夫、梓ちゃん!?」
二人も白石が心配で来てしまったようだ。
「だ、大丈夫よ……‥‥」
「嘘…‥‥‥うまく行ったの?」
「みたい…‥‥‥‥?」
「梓ちゃん!近づかないで、危ないよ!」
白石は倒れている着ぐるみ野郎に近づいた。お、おい!危ないぞ!?
「……‥‥‥はぁ、大丈夫そう…‥‥‥」
「よかったぁ…‥‥‥‥」
「もう、心臓が止まるかと思ったわよ‥‥‥‥!ホントあとで覚えときなさいよ、梓!」
桜井はぷりぷりと怒りながら入り口の方へ戻る。
「こっちもあと少し!」
髪の毛をだいぶ処理で来てもう少しで出られそうだ!
「開いた!とっとと出るわよ!」
入り口が開きこれでこのホテルから出ることができるぞ!
「……‥‥‥」
「梓!なにしてるの!?」
白石は着ぐるみ野郎をじっと見つめていた。
「あ、ごめん!安心してボーッとしてた‥‥‥‥」
「先に出るぞ!お前も早く来いよ!」
「う、うん!すぐに行く!」
俺たちは先に外に出た。
「やっと出られた!」
「外だ…‥‥‥!」
ついにホテルから脱出することができた俺たち。ほんとエラい目にあったぜ~
「!待って、出口が塞がってきてる!」
「なに!?」
出口がゆっくりとだが再び髪の毛によって塞がろうとしていっている。
「梓ちゃん!早く!」
「ちょ、ちょっと待って!」
白石は急いで入り口に向かって走ってくる。
「もう!気を抜くなら外出てからにしなさいよ!」
「ごめん!」
白石が出ようとしたその時だった。
「へっ……‥‥?」
着ぐるみ野郎が鉈を持ち上げたまま白石の方へ走ってくるのが見えた。
「!!梓!!!」
「梓ちゃん!!!」
「白石!!!」
あの着ぐるみ野郎!なんで復活してんだよ!?
「助けなきゃ……‥‥!」
助けに行こうする生駒。だが
「入り口が…‥‥‥!?」
髪の毛が急に伸び入り口を塞ごうとした。
「くっ!させるかよ!!」
俺は助走をつけて飛びこみ再びホテルの中へ入っていった。
「杉元君!!」
俺が入った瞬間に入り口は完全に塞がれ二人の声は聞こえてこなくなった。
「白石は……‥‥いた!」
白石は壁際まで追い込まれ逃げることができず着ぐるみ野郎は今にも鉈で白石を殺そうとしていた。
「いや……‥‥いや…‥‥‥‥美桜‥‥‥‥奈々…‥‥‥杉元君……‥‥」
「…………‥‥‥‥」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「白石ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
俺は強烈な蹴りを着ぐるみ野郎にくらわせる。着ぐるみ野郎は吹き飛び壁に叩きつけられた。
「す、杉元君…‥‥‥‥?」
「白石!ここは逃げて隠れるぞ!!」
俺は白石の手を握りどこか隠れそうな部屋に逃げ込んだ。
本編の死亡イベントをことごとく破壊していく杉元が頼もしすぎるよ…‥‥‥‥