心霊スポットで動画撮影しにきたらほんとに出てきちゃった   作:ムツヒロ

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梓ルート終盤!!
待たせてしまってすまね!


真相&帰還(梓ルートver)

「ここに隠れていればもう大丈夫だな」

 

 

「そ、そうね……‥‥‥‥」

 

 

俺と白石は着ぐるみ野郎から逃げているうちにどこかの部屋に辿りつきそこに隠れた。

 

 

「………‥‥‥杉元君」

 

 

「なんだ?」

 

 

「ごめん、私を助けるためにまたこのホテルに戻させてしまって…‥‥‥」

 

 

「白石…‥‥‥‥」

 

 

「私、また足引っ張って‥‥‥‥役に立たなくて…‥‥‥‥」

 

 

「そんなことないぜ」

 

 

「えっ?」

 

 

「白石が着ぐるみ野郎引きつけてくれたおかげであの二人だけでもここから出してやることができた。それにここに戻ったのも俺個人の意思で決めたことだ。自分のせいにするな」

 

 

「杉元君……‥‥‥‥」

 

 

「みんなで脱出しようぜ。誰一人欠けることなくな!」

 

 

「………‥‥そうね、ありがとう」

 

 

白石を励まし再びここから出る方法を考えることにした。

 

 

「さて、どう脱出するか…………‥‥」

 

 

「杉元君、ちょっと見てもらいたい物があるんだけど」

 

 

「なんだ?」

 

 

「まずこれなんだけど…‥‥‥‥」

 

 

白石が見せたのはなんと市松人形の首だった。

 

 

「うわっ!な、なんだよこれ!?」

 

 

「あの着ぐるみが倒れた時中から出てきたものなの」

 

 

「着ぐるみ野郎の中から?」

 

 

なんで人形の首なんか入ってるんだよ?

 

 

「あとこれも」

 

 

白石はスクラップブックのあるページを見せた。そこには『遊園地、建設地から無数の子供の骨 相次ぐ事故 関係か?異例の地鎮祭、供養と共に』や『子捨ての山から取り替え子伝説まで』や『呪われた土地、Tの歴史を辿る』などのタイトルで書かれた当時の新聞記事や着ぐるみの中に入っていたあの人形写真が貼られていて写真には丸いペンで執拗に囲まれているページだった。

 

 

「『堵替塚が呪われた土地』って‥‥‥‥どういうことだ?」

 

 

「遊園地、建設地から無数の子供の骨、相次ぐ事故…‥‥‥‥異例の地鎮祭行事、子捨ての山から取り替え子伝説まで…‥‥‥まさか!」

 

 

「もしかしたらこれが事故やここのオーナーを狂わせた全ての元凶かもしれない」

 

 

「そ、そんな………‥‥ねぇ、見て!この人形の写真、これとそっくりじゃない!?」

 

 

着ぐるみの中に入っていた人形と写真の人形を見比べてみると確かにそっくりだ。

 

 

「ほんとだ‥‥‥‥記事には奉納人形って書かれてるな」

 

 

「この場所は40年近く遊園地があったしこのホテルも廃業されるまで長い間運営されてたはずだよね?」

 

 

「そうだけど……‥‥‥」

 

 

「この人形が子供たちの霊を封印する鍵だったけど誰かがこれを持ち出して封印を解いたってわけね」

 

 

「う、嘘だろ…‥‥?」

 

 

「多分、ここのホテルの人が子供たちの霊に魅入られてこの人形を封印から持ち出してしまったじゃ・・・・・・・・・・」

 

 

「じゃあ、今このまま外にでたとしても‥‥‥‥」

 

 

「多分、あのオーナー父娘と同じような道を辿る気がするわ…‥‥‥」

 

 

「まじかよ‥‥‥‥!」

 

 

白石の推測を聞いて驚愕する俺。このまま出られても助かることはできないのか?

 

 

「ど、どうしたらいいんだ…‥‥‥‥?」

 

 

「……‥‥‥‥人形を、元の場所に戻したら…‥‥‥」

 

 

「え?」

 

 

「この地図の場所を見て」

 

 

白石はホテルの地図を広げとある箇所に指を置いた。

 

 

「ホテルの裏側…‥‥‥ほら、非常階段の方にチェックがついてるでしょ?ここにもしかすると写真のお堂があるかもしれない」

 

 

「‥‥‥‥どうする?」

 

 

「行くしかないわね…‥‥」

 

 

「だな………‥‥‥」

 

 

何があるかわからないが行くしかない!生きてここから出るために!!

 

 

「よし、非常階段で外に出よう」

 

 

「でも非常階段のドアって髪の毛みたいなのが絡まって開かないんじゃ・・・・・・・・・・・」

 

 

「あっ、確かに…‥‥‥‥」

 

 

「入り口の時みたいに開けられるかもしれないわね。行ってみましょう」

 

 

「ああ、そうだな」

 

白石と共に非常階段のドアの様子を見に行った。

 

 

「あ、あれ?」

 

 

「嘘‥‥‥‥髪の毛が無くなってる?」

 

 

非常階段のドアに絡まっていた髪の毛のようなものはなぜか無くなっている。これならドアを開けて外に出ることができる。

 

 

「なんかよくわからないけどこのままホテルの裏側へ向かってみよう」

 

 

「ええ」

 

 

俺たちはホテルの裏側のお堂へ向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「凄い……‥‥本当にこんなところにお堂がある…‥‥」

 

 

非常階段で外に出てホテルの裏側へ向かった俺たち。そこには古ぼけたお堂がぽつんと建っていた。

 

 

「地図の通りだな。でも写真のお堂とは少し違うな…‥‥人形はどこに置かれていたのか・・・・・?」

 

 

「多分、このお堂を開けたらわかるじゃないかしら…‥‥?」

 

 

「鍵がかかってるみたいだな…‥‥‥」

 

 

「開くのかしら、これ?」

 

 

お堂の扉は鍵がかかっていて中央の金属でできた飾りには溝が彫られている。

 

 

「ねぇ、この飾りの周りのところ外れないか?」

 

 

「えっ?ほんとに?」

 

 

「どれ・・・・・・・・・おっ、外れた」

 

 

飾りの周りの部分を少し力を入れて引っ張ると外れることができた。

 

 

「多分、これを飾りに嵌めればここが開くんじゃないかしら?」

 

 

「さすが白石。冴えているな」

 

 

「私がやってみる」

 

 

白石が木製のパネルを飾りに嵌め変えていく。

 

 

「ここがこうで・・・・・・・・・こうして・・・・・・・・・よし!」

 

 

<ギギギギギギィィィィィィ・・・・・・・・>

 

 

「開いた!!」

 

 

お堂の扉が開き中の様子がわかるようになった。

 

 

「何これ…‥‥‥‥」

 

 

「隠し階段……‥‥?」

 

 

中には地下へと続く隠し階段があった。一体どうゆう作りになってんだこのお堂は?

 

 

「なんか、凄く生暖かい風が……‥‥」

 

 

「しかもかなり暗いわね……‥‥」

 

 

これは入るのにかなり抵抗が…‥‥‥‥いや、今はそんなこと言ってる場合じゃないか。

 

 

「行こう」

 

 

「そ、そうね……‥‥」

 

 

階段を降りていくと地下は洞窟のようになっていた。

 

 

「洞窟・・・・・・・・・・?」

 

 

「こんな地下空間があるなんて・・・・・・・・・・」

 

 

よく耳を澄ませるとかすかに水の音がしていた。

川でも流れているのか?

 

 

「先へ行くか」

 

 

「ちょっと待って。すごく入り組んでるし、何か目印を残していったほうがいいんじゃないかしら?」

 

 

「あぁ、それがいいかもしれないな。来た道さえ分かればちゃんと戻れるだろうし」

 

 

「そうね。こんな地下で迷子になったらまず助からない自信があるわ」

 

 

「壁がいいか・・・・・・・・・じゃあこの蛍光スプレーで目印を付けておこう」

 

 

俺は拾っておいた蛍光スプレーを出して壁に蛍光塗料を吹きかける。

 

 

「これでよしっと・・・・・・・・・・」

 

 

「それじゃあ行きましょう」

 

 

目印を付け地下空間を散策していく。

しばらく歩いて行くと

 

 

「ね、ねぇ……‥‥あれ‥‥‥」

 

 

「なんだ?」

 

 

「ほ、ほら、あれ…‥‥‥‥」

 

 

白石が指指した方を見るとそこには大きな古いお堂があった。

 

 

「お堂…‥‥‥‥?」

 

 

「ほんとだ。入り口のものよりは、新聞に載っていたお堂に近い形してるな‥‥‥‥って、うわぁっ!?」

 

 

「ど、どうしの?」

 

 

「足元でお地蔵様だらけで…‥‥‥ちょっとびっくりしただけだ‥‥‥‥」

 

 

「えっ?きゃぁっ!?」

 

 

足元をよく見てみるとそこには大勢のお地蔵様がいて驚く俺たち。

 

 

「これ…‥‥水子地蔵?」

 

 

「すごい数だな…‥‥‥‥」

 

 

こんなところに一人で来て人形を取って帰るなんて持ち出した人、すごい度胸だな…‥‥‥‥

 

 

「お堂の方へ行こう…‥‥‥‥」

 

 

「え、ええ…‥‥‥」

 

 

お地蔵様を見ながらお堂の方へ向かう俺たち。

 

 

<カラカラカラカラ…‥‥‥>

 

 

「えっ?」

 

 

「この音……………‥‥‥まさか!」

 

 

マジかよ、ここまで追いかけてくるのかあの野郎!

 

 

「す、杉元君……‥‥!」

 

 

「しつこい奴だ!」

 

 

後ろを振り返るとそこには着ぐるみ野郎が立っていた。

 

 

「……‥‥白石、人形を置くのは任せた」

 

 

「えっ!?」

 

 

「俺があいつを足止めしておく。その隙に人形を置け!」

 

 

「あ、危ないわよ!?」

 

 

「大丈夫だ。あいつとは一度戦ってるんだ。動きも単純だし問題ない」

 

 

俺は着ぐるみ野郎の前に立ち戦闘態勢に入った。

 

 

「いくぜ!!」

 

 

着ぐるみ野郎は鉈を降り下ろす。しかし俺はそれを避ける。

 

 

「おらぁっ!!」

 

 

顔にパンチを叩きこむ。

 

 

「でやあっ!!」

 

 

今度は蹴りを浴びせる。この連撃を喰らって着ぐるみ野郎はよろける。

 

 

「どうだ、この野郎」

 

 

着ぐるみ野郎は体制を立て直し再び俺に襲いかかる。

 

 

「しつこい奴だ!」

 

 

着ぐるみ野郎の鉈攻撃をまたかわす。すると

 

 

<ガキン!!>

 

 

鉈が壁に引っ掛かり抜けにくくなった。これはチャンス!

 

 

「どりゃあああああ!!」

 

 

思いっきり蹴り飛ばし着ぐるみ野郎を吹っ飛ばす。

 

 

「どうだ!見たか!」

 

 

頭が取れ倒れたまま動かなくなった着ぐるみ野郎。

 

 

「白石はどうしたんだろうか…‥‥‥」

 

 

「きゃあああああっ!!」

 

 

「!!」

 

 

白石の悲鳴が聞こえその方を見るとそこには半透明の子供のような手がたくさん現れ白石に襲い掛かろうとしている。

 

 

「白石!!今助けに……‥‥‥がっ!!」

 

 

白石を助けに行こうとしたが倒れていた着ぐるみ野郎がまた起き上がり俺の首を掴み持ち上げた。

 

 

「杉元君!!」

 

 

「し、白石……‥‥人形を早く供えろ……‥‥」

 

 

「で、でも、手が……‥‥!!」

 

 

「お前ならできる…‥‥‥‥俺は信じている…‥‥‥!」

 

 

「杉元君………‥‥‥‥っ!!」

 

 

白石は手を払いのけお堂の中にある神棚に人形を置いた。すると

 

 

 

「手が……‥‥‥‥!」

 

 

「消えていってる……‥‥!?」

 

 

手が徐々に薄くなっていき最終的には全ての手が煙のように消えて無くなっていった。

 

 

「よ、よっしゃあ……‥‥‥がはっ!!」

 

 

人形は戻せれたがまだこいつがいるんだった!し、締め付けがだんだんと強くなっていきやがる‥‥‥‥!!

 

 

「がっ……‥‥‥」

 

 

や、やばい…‥‥‥‥このままだと……‥‥‥‥

 

 

「やめなさい!!この着ぐるみ!!」

 

 

「し、白石…‥‥‥‥?」

 

 

白石が着ぐるみ野郎に近づき背中を殴りつける。

 

 

「杉元君を離しなさいこの!!」

 

 

「白石……‥‥‥‥」

 

 

止めろ……‥‥‥危険だ…‥‥‥殺されるぞ………‥‥

 

 

「…………‥‥‥」

 

 

「どわっ!!」

 

 

着ぐるみ野郎は俺から手を離し狙いを白石に変えた。

 

 

「ひ、ひっ…‥‥‥‥」

 

 

「ごほっ!ごほっ!し、白石…‥‥‥‥!」

 

 

だめだ、息が整わなくて立ち上がれない…‥‥‥このままだと白石が…‥‥‥‥

 

 

「い、いや、来ないで………‥‥」

 

 

「……………‥‥‥」

 

 

着ぐるみ野郎が白石に手をかけようとしたその時

 

 

「えっ……‥‥‥‥?」

 

 

「あれは……‥‥‥?」

 

 

白石と着ぐるみ野郎の間に半透明の女の子が突然現れた。

 

 

「あの子は一体………‥‥‥」

 

 

女の子は着ぐるみ野郎をじっと見つめ何かを伝えようとしている。すると着ぐるみ野郎は動かなくなり女の子を見つめる。

 

 

「動かなくなった……‥‥‥?」

 

 

「……‥‥‥‥あっ」

 

 

少しして女の子は着ぐるみ野郎の手を握り俺と白石の顔を交互に見て手を振り消えてしまいそして‥‥‥‥

 

 

<ドサッ>

 

 

「わっ!」

 

 

「倒れた!?」

 

 

着ぐるみ野郎が倒れた。まるで中に入っていたものがすっぽりと抜けたように見え二度と動くことはなかった。

 

 

「…………‥‥」

 

 

「白石……‥‥!」

 

 

俺は近づき白石の安否を確認した。

 

 

「大丈夫だったか!?」

 

 

「‥‥‥‥う、うん。大丈夫……‥‥」

 

 

「白石‥‥‥‥?」

 

 

「……‥‥‥ううっ」

 

 

「ええっ!?」

 

 

白石が急に泣き出したぞ!?

 

 

「どうした!?怖かったのか!?もう大丈夫だ!」

 

 

「ちが…‥‥‥違うの‥‥‥」

 

 

「えっ‥‥‥‥?」

 

 

「私たちを助けてくれたのかな、あの霊‥‥…‥‥女の子だったよね」

 

 

「うん…‥‥‥‥」

 

 

「あの着ぐるみも…‥‥‥もしかしたらオーナーさんだったのかな」

 

 

「多分そうかもしれないな……‥‥」

 

 

女の子と手を繋いでたし多分あの着ぐるみ野郎の正体はここのオーナーの霊が乗り移ったものかもしれない。

 

 

「二人とも‥‥‥‥同じところに逝けてたらいいわね‥‥‥‥」

 

 

「そうだな‥‥…‥‥」

 

 

「……‥‥‥‥私ね、小さい頃、父と姉を無理心中で亡くしてるんだ」

 

 

「えっ?」

 

 

初めて聞いたぞそんなこと。

 

 

「私が五歳の頃でね、親はすでに離婚してほとんど記憶ないんだけどね。ただ……‥‥実は私がお化けとが怖いのもさ、ちょうど父と姉が亡くなった日一人で留守番してたの」

 

 

「……‥‥……‥‥」

 

 

俺は白石の子供の頃の話を黙って聞くことにした。

 

 

「母が仕事に出てて、一人で遊んでたら少しだけ押し入れの隙間が開いてるのに気がついたの。なんだろうって扉の前に行ってみたら隙間から子供の手が見えて、おいでおいでって手招きするのが見えたの」

 

 

「………‥‥‥」

 

 

「なんだろうって近づいてみたらすごい力で手を掴まれてさ、引きずり込まれそうになったんだ」

 

 

「それは……‥‥」

 

 

「なんとか振り解いたあとにもう一度押し入れを見たらもう扉も閉まってて……‥‥恐る恐る扉を開けたら中はいつもどおり母の服が並んでるだけだったの‥‥…‥‥その夜、お父さんとお姉ちゃんが死んだって話を聞かされてあれはもしかしたらお姉ちゃんが私に助けを求めてたのかもなって‥‥…‥‥」

 

 

「……‥‥‥‥」

 

 

「ずっと後悔してて‥‥‥‥それ以来、幽霊とかそういう話が全然怖くなっちゃったんだ」

 

 

「……‥‥‥」

 

 

「あの二人の、消える前の姿を見た時なんだか他人事みたいに思えなくてさ……‥‥‥私のお父さんとお姉ちゃんもあんな風に二人で逝けたのかな、なんて‥‥…‥‥」

 

 

「……‥‥‥大丈夫だ、きっと‥‥‥‥」

 

 

あの親子も白石のお父さんとお姉さんもちゃんとあの世に逝けてるはずだ。

 

 

「‥‥…‥‥あのさぁ、白石。実は俺もお前と似たような境遇があってさぁ‥‥‥‥」

 

 

「えっ?」

 

 

「俺も母と妹を事故で亡くしてるんだよ」

 

 

「ええっ!?」

 

 

白石の話を聞いて俺と似ているとこがあると気づき、今度は俺の過去話をすることにした。

 

 

「俺が中二の頃、妹は母親と一緒に遊園地に遊びに行ってたんだ。俺は部活動で父親は仕事で行けなかったんだ………‥‥‥」

 

 

「うん……‥‥」

 

 

「その日の夕方、家帰ったら父親が血相変えた表情で俺に母と妹が事故で死んだことを伝えたんだ」

 

 

「っ…‥‥‥!」

 

 

「帰り道に横断歩道を渡る途中に居眠り運転のトラックに轢かれてさぁ‥‥…‥‥運転手も衝撃で頭打って即死だった」

 

 

「…………‥‥」

 

 

「それでな、妹と母が亡くなる前の時間だとおもうんだけどさぁ、部活の練習で使った用具を部室に戻している最中に物置の扉が少し開いてるのに気がついて閉めようとしたんだ‥‥…‥‥そしたら小さい手が俺の腕を掴んでさ」

 

 

「それって‥‥……‥‥」

 

 

「ああ、白石と同じ体験をしたんだ。俺は慌ててその手を振り解いて一目散に部室から出て家に帰ったんだよ。その後はさっき言ったとおり母と妹が死んだことを聞かされたんだ‥‥…‥‥」

 

 

「……‥‥…‥‥」

 

 

「あいつ……‥‥‥妹はさぁ、俺にすごく懐いてて将来の夢は俺のお嫁さんになるとか言うぐらいに俺のこと好きだったんだよ‥‥‥‥…‥‥」

 

 

「……‥‥‥‥」

 

 

「俺もそんな妹のことが好きだった…………‥‥けど、事故で死んだこと聞いた時俺の中で何かが割れて壊れる音が聞こえたんだ。俺が部活休んで一緒に遊園地一緒に行ってやれば妹も母も助けられたかもしれないってずっと後悔していたんだ………‥‥」

 

 

「杉元君……‥‥‥‥」

 

 

「あの手はきっと俺に助けを求める妹の手に違いないって今でも思ってる‥‥‥………‥‥」

 

 

「杉元君、もういいよ……‥‥」

 

 

「あいつは俺より頭良かったし私立の中高一貫の学校通うつもりだったしピアノコンクールでも賞とかいっぱいもらってプロのピアニストになれるかもしれないって言われるほど優秀だった……‥‥‥俺はスポーツを中途半端にやって勉強も普通にやって将来の夢とかもなく空っぽのままに生きていてる‥‥……‥‥」

 

 

「杉元君、もういいってば……‥‥!」

 

 

「俺があいつの身代わりになってやればよかったんだ……‥‥」

 

 

「杉元君!!」

 

 

「うおっ!?」

 

 

突然、白石が俺にハグしてきた。

 

 

「そんなこと……‥‥そんなこと言っちゃダメよ!」

 

 

「なっ‥‥…‥‥えっ?」

 

 

「妹さんもきっと杉元君が身代わりになって死ぬことを望んでないはずよ!」

 

 

「っ!!」

 

 

白石の言葉を聞き俺は正気に戻った。俺は今までなに言ってたんだ?

 

 

「杉元君、妹さんの分まで生きましょう?あなたが元気で過ごしている方が妹さんも喜んでくれるはずよ」

 

 

「白石…………‥‥‥」

 

 

ああ、お前の言う通りかもしれないな………‥‥

 

 

「………‥‥ありがとう。俺が間違ってた」

 

 

俺はあいつの分まで生きる。そう決意し白石にもお礼を言った。

 

 

「どういたしまして」

 

 

「よし、これで全て解決したしここからでy<ゴゴゴゴゴッ!!>な、なんだ!?」

 

 

「じ、地震!?」

 

 

こんなタイミングでかよ!?

 

 

「マズい!このままだと生き埋めになるぞ!」

 

 

「早く出ましょう!」

 

 

「おう!」

 

 

俺たちは入る時につけた目印を目指しここからの脱出を図った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「梓…‥‥‥杉元……‥‥」

 

 

「梓ちゃん…‥‥‥杉元君…‥‥」

 

 

ホテル前。先に脱出した奈々と美桜は中に取り残された二人の心配をしていた。

 

 

「この髪の毛みたいなのが硬くて開かないし………‥‥」

 

 

髪の毛は硬くなりびくともせず退かすことができなくなっていた。

 

 

「梓ちゃん……‥‥無事でいて…‥‥‥!」

 

 

「だ、大丈夫よ。杉元がいるからきっといつもみたいに助けてくれるわよ……‥‥!」

 

 

そう美桜を励ます奈々だが内心不安でいっぱいだった。

いくら杉元でもあんな得体の知れない化け物相手にどこまで相手できるかわからないしもしかしたら二人とも殺されてるかもしれないと思ってた。

 

 

「もうすぐ夜が明けるわ……‥‥‥」

 

 

陽が昇り始め恐ろしい夜の幕が閉じようとしていた。

 

 

「そろそろ警察呼びましょう……‥‥」

 

 

「う、うん………‥‥」

 

 

奈々はスマホを取り出し警察を呼ぼうとしたその時

 

 

「………‥‥い!」

 

 

「えっ?」

 

 

「奈々ちゃん、今のって……‥‥!」

 

 

「まさか!」

 

 

森の方から声が聞こえそこ向く二人。

そこには杉元と梓がゆっくりと歩いて向かってくる姿が見えた。

 

 

 

「梓ちゃん!杉元君!」

 

 

「二人とも!無事だったのね!」

 

 

二人の元に駆け寄る奈々と美桜。

 

 

 

「ああ、なんとか」

 

 

「心配したのよ!まったく!!」

 

 

「ごめんね、奈々」

 

 

「でもよかったよ!二人が無事で!」

 

 

「そうだ!あの着ぐるみは!?」

 

 

「大丈夫だ。あいつも原因も全て解決したよ」

 

 

「原因?どういうこと?」

 

 

「どういことなの!?話しなさいよ!」

 

 

「わかったから、まずはここから出てどこかで休もうぜ。話はそれからだ」

 

 

「じゃあ、私の家に行きましょう」

 

 

「ああ、そうしよう」

 

 

「ちょ、なんかあんたたち急に距離縮まってない!?」

 

 

「そうか?」

 

 

「気のせいでしょ?」

 

 

「いいえ!間違いないわ!幼馴染みの私の勘がそう言ってるわ!」

 

 

「奈々ちゃん、お、落ち着いて」

 

 

「そのことも話してもらうからね!!」

 

 

こうして杉元たちの恐怖の一夜は終わり、いつも通りの日々が戻ったのであった。

 




次回、梓ルート終了
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