心霊スポットで動画撮影しにきたらほんとに出てきちゃった 作:ムツヒロ
「凄い・・・・・・・・・・本当にこんなところにお堂がある・・・・・・・」
非常階段で外に出てホテルの裏側へ向かった俺たち。そこには古ぼけたお堂がぽつんと建っていた。
「地図の通りね。でも写真のお堂とは少し違うみたい・・・・・・・人形はどこに置かれていたのかしら・・・・・?」
「多分、このお堂を開けたらわかるかな・・・・・・・?」
「鍵がかかってるみたいだな・・・・・・・・・」
「開くのかしら、これ?」
お堂の扉は鍵がかかっていて中央の金属でできた飾りには溝が彫られている。
「ねぇ、この飾りの周りのところ外れない?」
「えっ?ほんとに?」
「どれ・・・・・・・・・おっ、外れた」
飾りの周りの部分を少し力を入れて引っ張ると外れることができた。
「多分、これを飾りに嵌めればここが開くんじゃないかしら?」
「さすが梓。冴えているわね」
「私がやってみるわ」
白石に開錠させてもらう。
「ここがこうで・・・・・・・・・こうして・・・・・・・・・よし!」
<ギギギギギギィィィィィィ・・・・・・・・>
「開いた!!」
お堂の扉が開き中の様子がわかるようになった。
「な・・・・・・・・・・」
「何これ・・・・・・・・・・・」
「隠し階段・・・・・・・・・・?」
中には地下へと続く隠し階段があった。一体どうゆう作りになってんだこのお堂は?
「なんか、凄く生暖かい風が・・・・・・・・・・」
「ど、どうするのよ?」
「・・・・・・・・・・俺が行く」
「一人で?この下に?」
「ああ」
「杉元君、だめよ。一人じゃ危ないわ」
「大丈夫だ。人形置きに行くだけだし・・・・・・・・・・」
「なにかあったらどうするのよ?全員で行けばなにかあった時に対処できるでしょ?」
「そ、そりゃそうだな・・・・・・・・・・・」
なんかいつの間にか頼もしくなったな白石のやつ。
「じゃあ全員で行きましょ」
「そうね・・・・・・・美桜も行けそう?」
「うん、大丈夫。行こう」
こうして全員で地下へと向かうことにした。
「何ここ・・・・・・・・・」
「洞窟・・・・・・・・・・?」
「こんな地下空間があるなんて・・・・・・・・・・」
地下は洞窟のようになっていてかすかに水の音がしている。
「水の音・・・・・・・・・?」
「川が流れているのかしら・・・・・・・・・・?」
「どんな水量か分からないから迂闊に近寄らないほうがいいな・・・・・・・・・」
「うっかり落ちて溺れるのだけは嫌だわ」
「それじゃあ行きましょう」
洞窟の中を進んでいく俺たち。
それからどれくらい経ったかわからないがその時だった。
「ふ、二人とも・・・・・・・・・・あれ・・・・・・」
「どれよ?」
「ほ、ほら、あれ」
白石が指指した方を見るとそこには大きな古いお堂があった。
「お堂・・・・・・・・・・・かな?」
「ほんとだ。入り口のものよりは、新聞に載っていたお堂に近い形してるわね・・・・・・・・って、うわぁっ!?」
「ど、どうした?」
「足元でお地蔵様だらけで・・・・・・・・・ちょっとびっくりした・・・・・・・・」
「えっ?きゃぁっ!?」
「うわっ!?」
足元をよく見てみるとそこには大勢のお地蔵様がいて驚く俺たち。
「これ・・・・・・・水子地蔵?」
「すごい数・・・・・・・・・・・」
「こんなところに一人で来て人形を取って帰るなんて持ち出した人、すごい度胸ね・・・・・・・」
「そうね・・・・・・・・けど、案外子供だと知ってる子に誘われたらついて行っちゃうかも・・・・・・・・・」
「確かに・・・・・・・・ここ、明かりさえあればかくれんぼには最適そうだな・・・・・・・・」
「そうね・・・・・・・・・・・・・」
「お堂の方へ行きましょう・・・・・・・・・・・」
お地蔵様を見ながらお堂の方へ向かう俺たち。
「ついに来たな・・・・・・・・・・・」
「開けるわよ・・・・・・・・・・・・」
「う、うん・・・・・・・・・・・・・」
「ええ・・・・・・・・・・・・・・・」
扉を開けると中には神棚があった。
「それじゃあ・・・・・・・・人形置くよ?」
「う、うん・・・・・・・・・・・」
人形を神棚の中央に置き一歩下がる俺たち。
「置いたよ。これで、いいんだよね?」
「多分・・・・・・・・・・・・」
「何も起こらないわね」
「何か、拍子抜けだな」
「そうだね・・・・・・・・本当にこれでよかったのかな・・・・・・・?」
「考えていても仕方ないわ。用も済んだことだし、とっとと外に出ましょ!」
「そうだな」
<バキバキバキバキバキ・・・・・・・!>
「!?」
「ね、ねぇ・・・・・なんか揺れてない?」
「本当だ・・・・・・・・」
「じ、地震?」
「こんなタイミングで!?」
<ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・!>
「きゃあっ・・・・・・・・!」
「どんどん強くなってる!!」
「まさか、人形を戻したせい!?」
「ここ地下だぞ!崩れたら生き埋めになっちまう!」
「とにかく急いで外に向かいましょ!」
「う、うん!」
俺たちは急いできた道も戻り出入口の方へと走る。
「はぁ・・・・・!はぁ・・・・・・・・!」
「急げ!急げ!」
「天井も崩れて始めてきたわ!」
「頭上のほう注意して!!」
洞窟がどんどんと崩れていき俺たちは走る速さを上げていく。
「はぁ……はぁ……」
「大丈夫か生駒?」
「う、うん……」
「一体どこまで続くんだ……出口はどこだ……?」
「来る時はこんなに長くなかったよね……?」
「ああ……」
記憶だとそんなに距離長くなかったはずだ。
「……って、あれ?」
「どうした?」
「奈々ちゃんと梓ちゃんがいない!」
「なに!?」
まさかはぐれたのか!?
「奈々ちゃーん!梓ちゃーん!」
「桜井-!白石-!」
二人の名前を呼ぶ俺と生駒だったが返事がない。
「近くには……いないみたいだ……」
「そうだね………」
「……生駒、お前は先に出口へ行け。二人は俺が探すよ」
「えっ、で、でも……!」
「大丈夫だ。必ず二人を見つけてくるから!」
「あっ、杉元君!」
俺は二人を探しに来た道を引き返した。
「(無事でいろよ二人とも!!)」
「はぁ……はぁ……も、もう走れない……」
息が荒れしゃがみ込む私。崩れそうなのはわかるけど足が限界に近いわ。
「頑張って奈々!美桜も大丈夫?……美桜?……!奈々!美桜がいない!」
「え、えぇぇ!?噓でしょ!?はぐれちゃったの?」
「分からない……!それに杉元君もいないみたい!」
「杉元も!?」
二人がいなくなり焦る私たち。
「捜しに行かなきゃ!」
「!奈々!ダメだよ!」
二人を探しに行こうとするが梓に止められてしまった。
「何よ!なんで止めるのよ!」
「だってこのままじゃ全員生き埋めになっちゃう!私達は先に出て、助けを呼びに行こう!」
「でも、だって美桜と杉元が!!」
「分かるけど!!」
「梓は二人を見捨てるっていうの!?」
「違うわよ!でも、このまま全員崩落に巻き込まれたら誰の助けも呼べない!せめて私達だけでも先に出て、助けを呼びに行かなきゃ!」
「じゃあ梓が外に行ってよ!あたしは二人を捜しに行くから!」
「こんな真っ暗な地下道の中で、もし奈々が全然別の場所に迷い込んだらどうするのよ!奈々も美桜も杉元君も誰も助からなくなるかもしれないんだよ!?」
「それは……!でも……!」
「一度出るわよ!急いで!」
「……ッッ!ごめん美桜!杉元!すぐに助けを呼んでくるから……!」
結局、私たちは二人を置いて先に外に出て助けを呼びに行くことにした。
「……あそこ、出口よね!?」
出口らしき箇所を見つけた梓。
「あともうちょっと……!」
「頑張って!奈々!」
「ええ!」
出口に向かって走り出そうとしたその時
「!?」
「ね、ねぇ……な……奈々……?だ、誰かが……あ、足を、掴んでる……」
私たちの足を誰かが掴んでいる気配がした。
「き、きっと、美桜と杉元よ……あ、あたしたちを、驚かすつもりで……」
「二人とも……」
「み、美桜の声……?」
「おーい………」
「杉元の声も聞こえたわ……!」
「ほ、ほらぁ、やっぱり……!もう、二人とも趣味がわる……」
「「オいテいカなイで……」」
「「いゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」」
謎黒い手に引っ張られる私と梓。
「だ、誰か……!助けて……!」
来るはずもない助けを求める私。これは二人を置いて行った罰なんだ………
「す……杉元………!!」
私の頭に浮かんだのはあの
「もう……だめ……!」
「わ、私も……!」
梓も私も限界を迎え手に引っ張られ暗闇に飲み込まれようとした。その時
「まだ終わってねぇ-------ぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「まだ終わってねぇ-------ぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
二人の手を掴み引っ張られるのを止める。
「す、杉元!?」
「杉元君!?」
「ギリギリセーフ!!間に合った!!」
引きずられる二人が見えて急いで向かいなんとか間に合った!!
「ぐぬぬぬぬぬぬぬ…‥‥!!」
力が強いなこの!片手で人一人引っ張るのきついぜ!
「す、杉元!離して!このままだとあんたまで…‥‥‥!」
「うるせぇ!!約束したろ!絶対守ってやる!みんなで帰るって!!」
「杉元……‥‥」
「うぬ‥‥…‥‥うおおおおおおおおおおお!!」
根性おおおおおおおおおお!!!筋肉舐めんじゃねぇぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
「うわっ!」
「きゃっ!」
「どわっ!?」
二人の足を掴んでいた手たちが足から離れた。
「いたた…‥‥‥」
「大丈夫?奈々?」
「ええ‥‥‥‥」
なんとか二人を助け出すことができた。さぁ、あとはここから脱出するだけだ。
「二人とも脱出すんぞ!」
「出口わかるの!?」
「ああ!生駒は先に外に出ている!」
「そう、急ぎましょう!」
俺たちは急いで出口を目指した。
「はぁ‥‥‥はぁ‥‥‥‥」
「ま、まだなの…‥‥‥?」
「もう少し……‥‥‥あった!」
外に繋がる階段を見つけ急いで駆け上がる。
「はぁはぁ…‥‥外よ!」
外に出ることができ脱出することができた俺たち。
「た、助かった~」
「ああ‥‥‥‥」
「みんな~!」
「あっ、美桜!」
先に出ていた生駒がこっちに近づいてくるのが見えた。
「梓ちゃん!奈々ちゃん!杉元君!無事で良かった!!」
「美桜こそ!」
「みんな無事よ!」
三人は抱きつき俺だけは少し離れたところで見守っている。野郎が入るわけにはいかんだろ。
「はぁ~疲れた~」
どっと疲れその場に座り込む俺。
「朝日か‥‥‥‥」
日が昇り太陽の光が俺や周囲を照らしてくれる。
「終わったんだな…‥‥‥」
色々あった長い夜だった……‥‥‥
「杉元~!」
「んっ?」
桜井が駆け寄ってこちらに来るのが見えた。
「どうした?」
「帰るわよ!いつまでもこんなところいられないわ!」
「ああ、そうだな」
俺もこんなおっかないところ早く出たいからな。
「よっこいしょっと」
重い腰を上げて立ち上がった。
「ほら、行くわよ!」
「はいはい」
せかすなよリーダーさんよ‥‥‥‥
「あっ、それと」
「?」
桜井が振り返りこちらに近寄ると
「ちゅっ」
「!?」
桜井が俺の頬にキスをした!?
「え、ええっ!?」
「守ってくれてありがとうね♪」
そう言い残し車のある場所まで行ってしまった桜井。
「なんだったんだ……‥‥‥」
俺は口をポカーンと開けたまま俺はゆっくりと歩きだした。
次回、奈々ルートエピローグ