心霊スポットで動画撮影しにきたらほんとに出てきちゃった 作:ムツヒロ
「う、嘘・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あ、あの着ぐるみだ・・・・・・・・・・・・!」
「あ、あれが三人の言ってた着ぐるみ・・・・・・!?」
着ぐるみ野郎を見て怯える生駒と白石。そういえば桜井だけはまだ遭遇したことなかったな。
「ど、どうしよう・・・・・・・・・・・」
「ち、近づいてくる・・・・・・・・・・!」
着ぐるみ野郎がどんどんと俺たちに近づいてくる。
「・・・・・・・・・・・・・・お前ら、先に行け」
「えっ?」
「あいつは・・・・・・・・・・俺が引き止める!!」
俺は近くに落ちている鉄パイプを拾い着ぐるみ野郎の方へ走った。
「杉元くん!!」
「杉元!!」
「お前らは早く部屋の中に入ってオルゴールを探せ!!」
「で、でも!!」
「行け!!長くは足止めできねぇ!!」
「そんな・・・・・・・・・!」
「・・・・・・・・・・・行くわよ!二人とも!」
「奈々ちゃん!?」
「奈々!?」
「あいつの思いを無駄にしちゃだめよ!早く手掛かりを探すわよ!!」
「きゃっ!」
「ちょ、ちょっと!?」
桜井が二人の手を引っ張り204号室へ入っていった。
「三人とも、頼むぜ・・・・・・・・・・・・」
俺は俺の仕事をする!
「よう、久しぶりだな・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あんたここのオーナーなんだろ?その鉈振り回して暴れてスタッフも殺したんだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「娘を殺した犯人探して関係のない人間殺すとか最低な野郎だな!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「!!」
着ぐるみ野郎が近づいてきて鉈を振り下ろし攻撃してきた。だが俺は避けて奴の間合いに入った。
「とぅ!!へぁーー!!」
足の関節部分に一撃喰らわせ体制を崩し胴体に力を込めた一撃をおみまいさせ着ぐるみやろうを吹き飛ばす。
「はぁ・・・・・・・はぁ・・・・・・どうだ・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ちっ、だめか・・・・・・・・・・・・・・」
攻撃喰らってもすぐに立ち上がる着ぐるみ野郎。やはり幽霊相手に物理攻撃は通用しないか。
「おい、あんた・・・・・・・・・・・こんなことはもうやめろ!」
俺はダメ元で説得する作戦にでた。
「こんなことをして娘さんが戻ってくると思うのか!?関係のない人を襲って殺しても何も戻りはしないんだぞ!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
着ぐるみ野郎の動きが止まった。もしかしていけるか!?
「今のあんたを見て娘さん、今頃悲しんでいるはずだ!優しかったあの頃のあんたに戻ってほしいって思ってるはずだ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「いい加減に目を覚ませよ!!あんただって本当はこんなことしたくないんじゃないのか!?そうだろ!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
着ぐるみ野郎は俺の話を聞いてしばらく動かなかった。これは上手く行ったかと思ったが・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「くっ、だめか・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
俺の説得も虚しく着ぐるみ野郎は再び俺に襲い掛かってきた。
「もうやめろって言ってんのに・・・・・・・・・・・・・・・この!馬鹿野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
俺は鉄パイプを握り直し着ぐるみ野郎の頭に振り下ろそうとするが
「なっ!?」
着ぐるみ野郎は鉄パイプを掴み攻撃を防いだ。こ、こいつ学習しやがったのか!?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「うぉっ!?」
片手だけで鉄パイプごと俺を持ち上げる。なんて力だ!!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!?」
持ち上げたまま思いっきり俺を吹っ飛ばす。
「うわああああああああああああああああっっっ!!!」
俺はそのまま204号室まで吹き飛ばされ壁に激突した。
「す、杉元君!?」
「だ、大丈夫!?」
部屋の中では三人が手掛かりを探している最中だったらしい。
「い、いてて・・・・・・・・・な、なんとか」
「あの着ぐるみは!?」
「この部屋に近づいてくる・・・・・・・・・・それよりオルゴールの方は?」
「だめ、見つかんない!」
手掛かりはまだ見つかっていない。これはヤバいんじゃないか?
「どこかにあるのオルゴール・・・・・・・・・!」
「・・・・・・・・・・あっ、これって!」
生駒が何かを見つけたらしい。オルゴールだといいが・・・・・・・・・・
「これって・・・・・・・・・・・・・・」
「ファンタジーランドのマスコットの絵が描かれてるわね」
あの着ぐるみ野郎と同じブタのマスコットキャラが描かれている箱だった。
「これは・・・・・・・・・・・?」
中を開けるとゼンマイや凸凹した金属の筒などの小さい機械が入っている。
「これって・・・・・・・・あの女の子が言ってたオルゴールじゃ・・・・・・!」
「そうじゃねぇか!!」
テープで女の子が言ってたオルゴールだ!これならあの着ぐるみ野郎をどうにかできるかもしれない!!
「このオルゴールの音をあの着ぐるみ野郎・・・・・・・・・・・オーナーの霊に聞かせてやればもしかしたら・・・・・・・・・・・!」
「止められるかもしれない!!」
「美桜!ゼンマイ回して鳴らして!」
「う、うん!」
生駒がオルゴールのゼンマイを回す。だが・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」
「音が鳴らない・・・・・・・・?」
「うそ・・・・・・・・・・!?」
オルゴールからは音色が鳴らなかった。
「こ、壊れてくるのかな・・・・・・・・・?」
「ど、どうしよう・・・・・・・・・・・?」
「あ、あいつがこの部屋に来る前になんとかしないと・・・・・・・・・・・!!」
「桜井どうし・・・・・・・・・・!!」
部屋のドアの方を見るとそこには着ぐるみ野郎が立っていた。
「き、来た・・・・・・・・・・・・・!」
「ど、どうしよう・・・・・・・・隠れなきゃ・・・・・・・!」
「もう無理よ・・・・・・・・それに隠れるところなんかないわよ・・・・・・・!」
逃げ場なし隠れる場所もなし絶対絶命となった俺たち。
「ひ、ひっ・・・・・・・・・・・・・・!」
「奈々ちゃん!!」
着ぐるみ野郎が一番近くにいた桜井を標的にして近づいてくる。
「い、いや・・・・・・・・・・・来ないで・・・・・・」
「奈々!!」
「桜井!!」
桜井は恐怖のあまりその場から動けないでいた。
「奈々ちゃん!!」
近くにいた生駒が桜井を守ろうと着ぐるみの前に立つ。
「二人とも!!」
「くっ・・・・・・・・・だめだ!間に合わねぇ・・・・・・・・・・!」
壁に激突した時のダメージがまだ残っていて体がうまく動かない!このままだと二人が!!
「キャッ!!」
「奈々ちゃん!!」
着ぐるみが鉈を振り下ろそうとしたその時
<♪♪♪♪~♪♪♪♪~♪♪♪♪~>
「こ、この音色は・・・・・・・・・・・・」
「オルゴールか・・・・・・・・・・?」
壊れていたオルゴールが音を出し始めた。そして
「見て!着ぐるみが!」
「止まっている!」
着ぐるみの動きがなぜか止まり動かなくなっている。
「・・・・・・・・・!」
「あれは・・・・・・・・・・・」
すると生駒の隣に突然女の子の幽霊が現れた。
「何をする気だ・・・・・・・・・・?」
女の子の幽霊は着ぐるみの前に立ち何かを語るかのような仕草をした。
着ぐるみもそれに反応したか鉈を下ろして女の子の方を見た。
「何が起こってるの・・・・・・・?」
「わ、わからない・・・・・・」
しばらくして女の子の霊は動きを止めたかと思ったらこちらの方を向き手を振って着ぐるみと手を繋ぎながら消えていった。
着ぐるみも女の子の霊が消えたと同時に中身の抜けた感じに倒れ動かなくなった。
「な、何、今のは・・・・・・・?」
「あの着ぐるみ、崩れ落ちて動かなくなったね・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・っ」
「梓・・・・・・・・・?」
突然白石がその場にしゃがみこんで泣き始めた。
「梓ちゃん?なんで泣いているの?え・・・・・・・?怖かった?もう大丈夫だよ!」
「ちが・・・・・・・ちがうの・・・・・・・私達を助けてくれたのかな、あの霊・・・・・・・・女の子だったよね・・・・・・・?」
「うん・・・・・・・・・・・・」
「さっきの・・・・・・・・・」
「うん・・・・・・・・・・・・・」
「あの着ぐるみも・・・・・・・・あの音声で叫んでたオーナーさんだったのかな・・・・・・?」
「もしかしたら、オルゴールの音で何か思い出したもかもしれないな・・・・・・・・・・」
オルゴールの音色を聞いて動きが止まったしそうかもしれない。娘との楽しい日々を思い出して・・・・・・・・・・
「そうね・・・・・・・・・二人ともずっと同じところにいたのに・・・・・・・・・お互いのこと、見えてなかったのかな・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・同じところに逝けてたらいいわね」
「うん・・・・・・・・・・・・・」
俺たちはオーナーと娘さんが天国へ一緒にいけることを願った。これでもう大丈夫だな・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・あー!なんかちょっと、恥ずかしい。とっとと脱出しましょう!」
「あら、急にやる気出してくるじゃない」
「そうね、なんだかちょっと肩が軽いわ。このホテルのことも怖くなくなってきたかも?」
「良かったね、梓ちゃん」
今まで一番怖がってた白石も元気を取り戻しいつもの感じに戻った。
「ありがとう美桜。・・・・・・・・・・・・・・ところで、奈々」
「ん?どうかした?」
「とりあえず今夜の間は、いつもみたいに先に歩いてほしいんだけど・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・へ?」
今怖くなくなったって言ってません出したか白石さん?
「白石・・・・・・・・怖いの平気になったんじゃあ・・・・・・・・・?」
「いや、ちょっとだけだからね!?そんな急に苦手意識って・・・・・・・・変えられないじゃない?」
すぐに克服はできないと言い訳する白石。やはりすぐには無理だったか~
「・・・・・・・・・ぷっ!」
「あははっ!」
「ちょ、ちょっと!二人とも笑わないでよ!」
「お、おい二人とも笑うのは良くないって・・・・・・・・・・・くくっ」
「杉元君まで!!」
俺も二人に連れられおもわず笑ってしまう。いや、我慢できるわけないでしょうが。
「これでも少しは頑張ってるのよ!前みたいに怯えて動けなくならないようにとか!」
「ふふっ、そうだね。・・・・・・・・・・ふふふ」
「そうね、とりあえず出口に向かってみましょ。もう追いかけられることもないだろうし」
「そうだな」
これでこのホテルともおさらばできるな。あ~疲れた~
「んっ・・・・・・・・・・・?」
「どうかした?」
「いや、なんか着ぐるみの中になんか入ってるんだけど・・・・・・・・・」
きぐるみの中からなんか黒いものがはみ出ていてそれを引っ張り出してみた。すると
「ひっ!?」
「に、人形!?」
それは市松人形だった。なんでこんなもんが着ぐるみのの中に!?
「どうして人形がこの中に・・・・・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・誰かが持ち出した・・・・・・・・・・・・・?」
「美桜?」
生駒が急に変な事を言い始めた。
「・・・・・・・『持ってってもらった』って言ってる」
「え?」
「美桜?」
「?どうしたの?」
「なぁ、生駒。誰がそう言ってるんだよ?」
この部屋には俺たち四人しかいないしこの人形のことも知らない。一体誰と会話してるんだよ?
「誰って・・・・・・・・ずっと一緒についてきてくれてる、その子・・・・・・・・・・」
生駒の指さす方を見るが誰もいない。
「や、やだなぁ美桜。誰もいないよ?」
「そうよ、美桜そんな子どこにも・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・っ!?」
「どうしたの杉元・・・・・・・・・ひやっ!?」
生駒の後ろの方をみるとそこには半透明で顔がよくわからない子供が大勢いた。
「どうしたのみんな・・・・・・・・・・・!?」
生駒も子供たちに気づいて後退りする。
『ねぇ、何して遊ぶ?』
『ねぇ、何して遊ぶ?』
『何して遊ぶ?』
『何して遊ぶ?』
『ねぇ?』
『ねぇ?』
『ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?』
『キャハハハハハ!!』
『アハハハハハハハ!!』
「いやあああああああああああああああ!!」
どうやらまだ異変は解決していないみたいだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
実はまだもう少しだけ続きます。