にーあなんとかかんとかいきるねーしょん   作:興梠 すずむし

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生きてました


みつかっちゃったねーしょん

フワリと浮き上がり、カッと集中線を引いて一言。

 

『爆誕。当機復活せり!!』

 

起動というより、生きていた頃の「目が覚める」という感覚に近かった気がする。

さすが強化にナマモノを使うだけあるというものだ。

文頭に二文字つくのデフォなんだね。

言語回路は結構ボディに引っ張られるらしい。

 

『煩悶。しかしやることが無いのは変わりないか』

 

そう、ボディはポッドになったが相変わらずやることが無い。

ゲームでは行動指針があり、レベルもあり、やり込み要素もある。

だがポッド単体にはそんな便利かつ面白いものはない。

 

『退屈。暇だ…貢ぐために素材でも集めるか…?』

 

……いや待てよ?適当に呟いたけどこれありじゃないか?

もしかしたら、これ私のために!?トゥンク…みたいな展開が期待できるかもしれない。(ハイパーご都合解釈)

なんということだろう、私は天才かもしれない。

 

『決意。だったらやるっきゃねぇよなぁ!?武器集めつつ素材狩りだぁ!!』

 

戦化粧とばかりに白いラインを引いた箱をパカっと2つに割ってレーザー照射の準備を始めてテンションの赴くままにキュインキュイン音をかき鳴らしながら殲滅を決意した。

 

〜side バンカー〜

 

「……し、司令官、なんか、なんか変なのがいます!」

 

「はぁ…。具体性の欠く報告はやめろ、6O」

 

オペレーター型のヨルハ機体から上がった報告に、白い衣服を纏った司令官が顔を顰める。

報告を上げた機体へ指示を出し、眼前にある巨大なスクリーンへ投影させる。

 

果たしてそこに映っていたモノは─────

 

『奮起。キェエエエエエエエエエエ!!!機械生命体がなんぼのもんじゃい!!!!無駄無駄無駄無駄、無駄ァ!!!』

 

奇声をあげながら機械生命体を殲滅する、紛失していた随行支援ユニットであるポッドの1つであった。

 

「コイツは…ポッド028、だったか…?」

 

黒一色で統一されていたボディは数センチほどの幅で白いラインが引かれており、どこから拾ってきたのかかつて東端の島国で使われていた刀と黒い太刀を振り回している。単独で。随行支援とは?

確かに変なのと言いたくなる気持ちもわかる。

 

「しかし、コイツを付けていたヨルハ機体は…あぁ、人格に問題を抱えやすいから廃番になった型か」

 

一緒に任務にあたった機体に恋をしては激しい嫉妬を抱いて対象や対象近くの機体に攻撃を繰り返していたのだったか。もはや懐かしさを感じる記憶だが。

 

おっと、ヤツの殲滅作業も終わりか。

 

一息つくように突き出た岩の上に乗っかっているポッド028。数秒じっとしていたが不意に上部に突き出た部分がキョロキョロと何かを探すように動き始めた。

そして、

 

『感知。司令官……貴様、見ているな!?』

 

「なん……!?」

 

有り得ない!!こちらは衛星から受信した映像を見ているんだぞ!?

バンカーのサーバーに再接続された記録がある訳でもないというのに、一体どうやって感知したというんだ!?それに、なぜ見ているのが私だとわかったのだ。いや、それ以前にどう再起動を果たしたのか、中にいるモノの正体は────

 

そこまで考えると、映像には草陰からイノシシと呼ばれる四足獣が走っていったのが見えた。

 

『……違ったかぁ。ん、あれ!?文頭消えた!?ウホホホホ!!これで勝つる!!』

 

音声でドンドコドンドコ♪と口ずさみながら小躍りするように空中で小さく揺れ始めたポッド028を見て、とりあえず安堵した。どうやら気付かれた訳ではなさそうだ。

 

「だが、依然として頭に過ぎった疑問が解消されてないのは事実、か」

 

この箱にはしばらく悩まされることになりそうだ。

 

「オペレーター6O、独立行動を始めたポッド028の近くにいるのは誰だ」

 

「あ、はい!えーっと…近くにいるヨルハ機体は2Bさん、それと9Sさんみたいです!」

 

「そうか、その2人ならば問題はあるまい。ポッド028をマーク、2人に共有し、監視するよう伝えろ」

 

「了解しました」

 

連絡を始めた6Oを後目に、司令官は画面に映るポッド028を見てため息をついた。




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