〜side 2B,9S〜
「えぇ!?ポッド028がここにいたんですか?!」
『ええ。つい先程しばらく出かけると言い残して出ていきましたが…。聖地巡礼?をすると言っていましたよ』
歌姫ボーヴォワールを討伐した2B、9Sが非敵対的だと自称する飛行型機械生命体を追って、パスカルの治める機械生命体の村へとたどり着いた。
2人の連れているポッドを見て、パスカルは最近村のはずれに住み着いた変わった言動のものがいたことを話した。
「見つからないと思ったら、こんな所に…」
「ここを張ってれば会えることがわかっただけマシだと思おう、2B。ッはぁ〜!長かった〜!」
ここ数日の苦労が報われるとわかってぐっと体を反らせて伸びをする9S。表情の薄い2Bも心做しか安堵しているように見える。
しみじみと任務の終わりを感じる2人を眺めていたパスカルが思い出して『あ、そうでした!』と声を上げた。
『お2人のようなアンドロイドが来たら、お渡しするようポッドさんから伝えられていたんでした。こちらへどうぞ』
「僕たちのような、ということはヨルハ機体ってことかな。ポッドなら合流して直接渡せばいいのに」
パスカルを警戒して距離を開けてついていく9Sと共に、確かにそうだと無言で頷いて同意を示した2Bも半歩前を歩き出す。
ついて行った先にあったのは、大量の素材の山であった。
「うわ、武器の強化に必要だって言われてた素材が結構揃ってる!?って、キノコ?それに木の実や卵…、鳥の物かな。あとは、樹液…?」
「ポッドの強化に使う素材だ…」
「あっ、なるほど!あれ、なんだろうこれ」
素材を前に大はしゃぎする9Sだったが、素材置き場の脇に文字が掘られた木の板を見つけた。
「えぇと、なになに?『つーびーたそ、ナインズきゅん、歌姫ちゃん討伐お疲れ様♡これからも任務頑張ってね☆ 名無しのポッドちゃんより』?……なんだかイラッとするな、これ。いや、そんなことより!2B、これって…」
「そうだね。私たちは、捕捉されていたことになる…」
「一体どうやって…」
「わからない。でも、少なくとも敵対する意思はないかもしれない」
「まぁ、そうかもだけど…。僕たちに塩を送る行為でしかないもんなぁ…」
しげしげと素材の山を見上げて何とも言えない表情をする9S。バンカーへ報告する内容が増えたのは良いが、謎は増える一方であった。
これを使えばあと少しの素材で武器もポッドも強化され、これからの任務もいくらか楽になるだろう。
しかし、奇怪な言動といい、一向に合流しないことといい、このポッドは本当に目的がわからない。その正体も。
この村を離れるタイミングにしても、こちらの動きを捕捉してわざわざ避けているように思える。
手助けする意図、その中身は正体も含め全てが謎。
「ところで2B、この量の素材どうやって持ち帰ろう…」
「……レジスタンスに手伝ってもらおうか」
〜side 028〜
た、足りない!何もかもが足りない!!
えぇ…めっちゃ高級品じゃんヨルハ機体…。
設備も材料も一級品じゃないと作れなくない?
だってマジで精密機械だよこの子ら。
そこらの工場で作ればすぐガタが来そう…。
「まずは清潔な作業環境が必要だなぁ〜…。砂埃とか入ると全然ダメだわ」
アームを組みながら唸ってみるけど当然ながら問題は解決しない。さてどうしたもんか…。
ラボを作るにしてもどこに作るかだよなぁ…。
後々のことを考えると結構なスペースが欲しいんだよねぇ。
でもなぁ〜!!余計なクソデカ建築して景観を損ねたくないんだよなぁ〜!!そんなことも言ってらんないけど、ぐぐぐ…!景観の保持と清潔な大規模スペースの確保、両方やんなきゃいけないのがオタクの辛いところ…。
「アッ、あそこ改造して作れば良くない?どうせ家主いないし」
ある程度の清潔さもありスペースも申し分ないじゃん!舞台の1つ潰しちゃうからあんまり気は進まないけど…。けどこれしかなくない?なくなくない?
「よし!エイリアンの宇宙船、乗っ取るぞー!!」