神出鬼没のおかしな猫   作:メヌエットゆりー

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猫に温泉は拷問では……?

「社員旅行に行くわよ!!」

 

急に何を言い出すんだこのポンコツは。

私たちは炬燵に入りながらテレビを見ていたのだが

テレビで温泉の特集やってるからって判断が早すぎる。

 

「……社員旅行……楽しそうだね」

 

よっしゃ!!お前ら40秒で支度しな!!ご主人が行くって言ったんだ。社員旅行行くぞー!!!

 

「アルちゃんはどこに行きたいの?」

 

そういえばそうだ、どこか聞いてないな。どうせ社長のことだし何も考えてないだろ

 

「レッドウィンターにある温泉郷よ」

 

ええぇぇぇ!!!!あの社長が?あのいつも思いつきで行動して何も考えてない社長が??

 

そんなことを思っているとハルカが答えを出してくれる

 

「…レッドウィンターってこの前にニュースで言っていたあそこですか……?」

 

とりあえず場所はわかったので私はノートパソコンを私の部屋から持ってくる。全員共用のパソコンなのだが私の部屋にいつも置かれている。社長はタイプライターを片付けてパソコン置けばいいのに。

 

報告書もローマ字で書いてるやつを私やご主人が手直しして依頼者に報告しに行ってるんだぞ!!いくら仮面ライダーWを見て勢いで買ったタイプライターとはいえそこまで再現しなくてもいいじゃないか。

 

「猫ちゃんありがとう♪」

 

えらく上機嫌だな?そんなに温泉が好きなのか?というかお風呂好きか

 

私は変化する。小さなバッグがアクセサリーになっている首輪をつけていたこと以外はそこまで変わらない

 

 

私はその状態でパソコンから温泉郷の予約、近くにあるホテルの予約、特急列車の座席指定、近くにある美味しいお店や観光名所をまとめる

 

 

「…こんなのこともできたの?」

 

そうだぞご主人────私の旅行プランは世界一!!!満足できんことはない!!

 

とりあえず作ったプランをみんなに見せる

 

「一泊二日で朝の9時から電車に乗って、帰りは夜の8時…」

 

「いいプランじゃない!」

 

社長がそういうと私の頭をわしゃわしゃ撫でる。撫で心地はご主人が1番で社長は最下位だ。基本的に雑い

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

窓から見える景色に真っ白な雪が見えてくる頃

 

「はい、アルちゃんUNOって言ってないー!!」

 

白目になるあと一枚だったはずの社長。私たちは電車の中でUNOをしている。私とハルカがあと2枚、ご主人とムツキさんはあと3枚だ。

社長は3枚ドローして4枚。

 

「仕方ないわね、赤のドロー2よ!!」

 

「青のドロー2で」

 

「き、黄色のドロー2です!」

 

「ごめんね猫ちゃん。ドロー4」

 

あっ大丈夫ですよ。ドロー4あるんで

 

「な、なんですってー!!!」

 

14枚のカードを引かされる社長、ひとえにテメェの運が悪いせいだが

 

その後もUNOは続き

 

一位 ハルカ

二位 ムツキさん

三位 私

四位 ご主人

最下位 社長

 

こうなった、まあ最下位の予想だけはできたかな。ハルカが申し訳なさそうにしてたけどあそこから社長を一位にするのは無理じゃないか?

 

そうこうしていると電車が目的の駅に停まる。

 

雪が降っており、外は寒いのでコートやマフラーをしてから外に出る。

 

ここからは歩いてホテルに向かうことにする。とりあえずチェックインをして荷物を預けたいからだ。そのあと温泉郷に行く予定になっている。

 

ちなみに私はかっこよさ重視の防寒具を持ってきたアホを温めるために赤と黒の子猫に変身してカイロの代わりになってやっている。この姿はほのおタイプだから体温が高いのである。

 

「あなたがいて助かったわ───ありがとう」

 

感謝をする前にその無駄に持ってきた帽子を脱いでから言え。

え?なに?雪が積もる帽子をしたかった?その帽子燃やしてやろうか!

 

ホテルに着いた私たちはご主人にチェックインを任せている間にロビーに置いてあったパンフレットを読む。ここのホテルはペットもOKと書いていたのですんなりとチェックインを終えて荷物を預けて温泉郷に向かうことにする。

 

温泉郷までの雪道を歩いていると社長が突然雪玉を作り始めた。それを察知したムツキさんも作ってるな。

 

私は社長の肩から離れてハルカの方に逃げる。すると雪玉を作り終わった社長が投げようとした瞬間に社長の顔にムツキさんが雪玉をぶつける。

 

「ハルカ!あなたも参加して!」

 

「猫ちゃん、どっちの味方するのかはわかってるよね?」

 

こいつら仲良いな。私はハルカの肩を降りてムツキさんの近くに行く。

ハルカも社長の側に近寄る。今日は銃火器の類はホテルに置いてきたので銃撃戦になることはない。

 

とりあえず私はこの状況にあった変身をする。先ほどの姿と同じ世界のネコ。手の鋭い爪は3本に増え、頭部や首回りからは鳥の羽根の様なゴージャスな飾りが扇状に生えている。

 

私はその姿になり目の前に『ゆきなだれ』で雪の壁を作り出す。

 

「えー!!それずるじゃない!?」

 

「ごめんねアルちゃん、猫ちゃんは私の味方だからね」

 

壁で時間を稼いでる間に私は雪玉を高速生産してムツキさんに渡す。

自分も雪玉を三つ持って、素早さを活かして社長に突撃する。

 

焦っている社長に横からムツキさんが当ててついでに私も社長の顔に2発投げる。

 

片方は当たるが片方は外れる、一度立て直すために壁の後ろに行こうとするがハルカが雪玉を持って待ち構えていた。

 

私は跳ぶように躱そうとするがさすがハルカ、高速で動く私の顔にクリーンヒットさせてくる。私も相打ち覚悟で投げた雪玉がハルカの胸に当たる。

 

「………温泉郷行かないの?」

 

あっそうだった、私とムツキさんとハルカは雪合戦を辞めて温泉郷までの道を歩こうとする。

 

あれ?社長は?──────見てみると雪まみれの顔になった社長が騒いでいた。

 

「私一度も投げれてないー!!」

 

うん、くだらないことだったな。とっとと温泉郷に向かうか。どうせ社長ならすぐについてくるでしょ。

 

 

 

 

そこそこの距離を歩くと大きな和風建築の建物が見えてくる。はえー、ここが温泉旅館か、硫黄の臭いがプンプンするぜー!!

 

全員でその建物に入り、ご主人が受付に話しかける。

 

「便利屋の5名様ですよね?あとお一人は?」

 

浴衣を着たクリーム色の髪に赤色の目をした人が5名なのにニンゲンが4名しかいないことに疑問を覚える。

 

ここはちょっくら人型に変身する。

 

いつものメイド猫に変……身!!

 

「ね、猫ちゃんが人になったーー!!」

 

驚くのも無理はない。

すると奥から浴衣を着たアレって何色だ?薄い緑?水色?のような髪色を持った女の子が出てくる。

桶の中に酒のようなものが見えるがこの子って頭に輪っかついてるし生徒なのでは?

 

「ノドカ、急に叫んでどうしたの?」

 

「シグレちゃん!目の前のこの女の子がさっきは猫で今は女の子で───」

 

お、落ち着け!!ピロロロロ

 

「大丈夫?のぼせて夢でも見たの?」

 

そりゃ信じないわな、この子を嘘つきにさせないためにも人型から猫に戻る

 

「ほら!女の子が猫に戻ったー!!」

 

「…これはすごいね」

 

慌てている女の子と冷静な女の子にご主人は私の説明をしてくれる

 

「この子はちょっと特殊だけどいい子だから安心して。5名にしたのはこの子の分だから」

 

「なんだかすごいお客さんだね」

 

「と、とりあえずどうぞ」

 

そう言うと脱衣所に案内される。ちなみに私はメイド猫の姿で入れとムツキさんにおど……げふんげふん。説得されました。

 

正直に言ってあまりお風呂は好きじゃない、というか水が好きじゃない。それでも我慢して入ることにする。

 

全員が服を脱ぎ、いざ温泉へ!という状況…やっぱりいつ見ても社長っておっきいよね、何がとは言わないけど。

 

全員で掛け湯をした後に温泉に入る。こういうところで律儀だからアウトローにならないんだってわかってないのか?

 

まあ私には関係のないことだしなんでもいいか、とりあえず温泉にみんなで浸かる。うーんめちゃくちゃ熱い、40度とか熱湯だろ、私は猫だから35度ぐらいがちょうどいいのだ。

 

「ふ〜〜〜、気持ちいいわね」

 

「そうですね、アル様!」

 

この2人は顔が溶けそうになってる。

 

「ねー、気持ちいいよね」

 

「…そうだね」

 

この2人もいつもと変わらない感じだけど上機嫌だ。ニンゲンはお風呂好きだからな、毛繕いでいいと思うのだが…

 

私は熱いこの温泉を抜けてもう一つの温度が低めの温泉に入りに行くためにご主人の肩を叩き、指を指す。

 

「…あっちに入りたいの?」

 

私は首を縦に振り同意をしめす。

 

「…わかったよ────社長、私はこの子とあっちに入るよ」

 

「わかったわ〜気をつけなさいね〜」

 

とろとろになった顔で返事を返す。私はご主人に手を引かれてもう一つの温泉に入る。

 

ふぃ〜、まだ少し熱いけどこっちの方がマシだ。

 

心地のいい温泉に浸かっているとご主人が私を膝上に乗せる、そして看板を指差しながら

 

「…ここでなら猫に戻ってもいいと思うよ…」

 

その看板には熊も入る温泉。襲ってこないから安心して一緒に入ろうね。と書いてあった。

確かにここでなら戻れるか、そう思い元の姿に戻りご主人の膝上でのんびりする。

 

やっぱりこの姿が1番楽だな、人型も時間は伸びたとは言え辛いものは辛い、自然体が1番良い。

 

そうやってゆっくり浸かっていると熊が来た、熊も温泉に入り、ゆったりしている。看板に書いていたことは本当だったのか……熊が出たら威嚇して追い返すことを考えたけどもする必要はなさそうだな。

 

そうして温泉を楽しんだ後脱衣所で浴衣に着替えた後牛乳をみんなで飲む。

 

社長とご主人はコーヒー牛乳、ムツキさんはフルーツ牛乳、私とハルカは牛乳だ。

 

温泉上がりの牛乳はいつも2.2倍ぐらい美味しいぜ!

 

その後はマッサージチェアに座ったり、卓球をみんなでした。

 

社長が上手くてみんなびっくりしていた。私も驚いた。

高くボールを上げて振りかぶるものだと思っていたのに1番上手くて驚いた。ちなみに私はめちゃくちゃ下手だったよ。

 

温泉郷を出てまたそこそこ歩いた後に夜ご飯を食べるために目的の店に入る、調べたらここのボルシチが絶品だとかで食べログで評価も高かった。

 

全員分のボルシチとピロシキを頼み、待つことにする。

私はきちんとメイド猫になっているぞ、猫だと店に入らんからな。

 

いつものようにくだらない会話を楽しみながら待っていると料理が運ばれてくる。

 

「「「「いただきます」」」」

 

私は声が出せないので手を合わせて心の中でいただきますをする。

 

うーむdelicious

 

サワークリームと一緒に食べるとより美味い。みんなも美味しそうに食べているな

 

「ピロキシだっけ?気に入ったわ!」

 

「アルちゃん、ピロシキだよ?」

 

顔を真っ赤にして恥ずかしがる。やはりポンコツか……

 

ピロシキも美味いな、見た目は普通のパンで中に色々入ってるやつだ。

私は米よりもパンの方が好きだな〜というか箸が使いにくい。スプーンやフォークはいけるのだけど箸ってむずくね?どれだけ器用でも棒2本で飯を食えというのはすごく難しいよ。

 

この後の用事を考えながら今は目の前の飯を食べる猫でした。

 

 

 




2回に分けます


今回のニャンコ

ニャビー(ポケットモンスター)

マニューラ(ポケットモンスター)

みんなはこの猫の性別を誰だと思ってる?

  • オス
  • メス
  • オスでありメス
  • オスでもなければメスでもない
  • 性別 猫
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