ドルアーガの冒険   作:まぁしい

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12 異世界のスキル

呆然としている俺に気付いたアイリーンが声を掛けてきた。

 

「お帰りなさいガッツさん、どうなさいました?」

 

「…いや。世話になっている礼にラットの肉を使ってもらおうと思って来て見たんだが…」

 

アイリーンの魔法に驚いた俺は素直にそれを確認することにした。

 

「アイリーン、今のは…魔法なのか?」

 

「そうですよ?私も初級スキルの魔法なら少しだけ使えるんです。魔力が少ないのでこれぐらいしかできませんけどね」

 

「それでも使えるんだな?俺の国では神官か魔法使いしか魔法は使えなかったんだ」

 

「この辺りではだれでも魔力を持っていて、基本的には魔法を使えます。一部の才能のある人が厳しい修行をして神官や魔法使いになるんです」

 

「そうなのか。時間が空いたら少しこの国の魔法について教えてもらえないか?」

 

「それでしたら神殿の方に教えていただいた方が詳しいですよ」

 

「取りあえず基本だけでいいんだ」

 

「分かりました。申し訳ありませんが私は夕食の準備が忙しいので、話好きのうちの旦那様に頼んでおきますね」

 

「ああ、悪いな。忘れていたが、これがラットの肉だ」

 

「ありがとうございます」

 

ごめんねアイリーン、仕事の邪魔しちゃって。

 

心の中で誤りながら、俺は夕食後の魔法講義に心を躍らせていた。

 

それはそうだろう?一般村民が魔法使えるんだよ。

 

それも<ファイヤ>とかゲームで無かった魔法が。メイジの火の最下級魔法は<ファイヤーボール>だったからね。

 

もしかするとソルジャーで魔法スキルを使えなかった俺も、この世界では使えちゃったりする?

 

そうすると魔法戦士に転職できたりして…。ダーマ神殿は無いけどね。ムフフ…。

 

何だかどんどん妄想が膨らんできそうだ。楽しすぎる。

 

俺の知るドルアーガの世界では、冒険者に当たるプレーヤーは皆魔力を持っていた。

 

しかし、魔法を攻撃スキルとして使用出来るのはメイジ(魔法使い)とドルイド(神官職)だけだった。

 

ソルジャー(戦士)とスカウト(剣士)は魔力を剣技スキルで消費して攻撃していたのだ。

 

防御力の向上など、ステータスアップとして魔力をスキルで使うことは全職で可能だったが、<ファイヤーボール>などの純粋な攻撃魔法はメイジの独壇場であった。

 

もしも、遠隔攻撃が可能な魔法を俺が使えればかなり戦闘で有利になるに違いない。

 

戦闘スタイルもこれまでとは一変すると考えた方がいいだろう。

 

俺は夕食の味もおぼろげになるくらいに魔法について勝手な想像を膨らませていた。

 

 

 

 

 

「ガッツさん、お待たせしました」

 

アドナーンが客たちの夕食が一段落した頃にカウンターの隣の席にやってきた。

 

「悪いな無理を言って」

 

「いえいえ、いつも戦いのお話を聞いていますから少しは恩返し出来るってもんですよ」

 

「それじゃあいきなりだが、皆はどうやって魔法を使えるようになるんだ?」

 

「はい、まずは剣技や魔法スキルを売っている書店屋で必要な魔法の魔導書を買います。この魔導書にはルーンが書かれているので、それに手をあてて魔法のルーンを身体の中に取り込むのです」

 

「ほう…、そこは剣技のスキルを持つ時と変わらないようだな」

 

「そうですね。剣技の場合は秘伝や目録という形で売っているようです。ただし、それなりの強さや魔力の大きさを持っていないとルーンを身体に取り込むことは出来ません」

 

もしかしてこの世界ではLvやステイタスを数値で表す概念がないのか?

 

ステイタスカードで確認できるのは名前だけだし、アイテムも表示する意思がないと認識できないくらいだからな。

 

「ルーンを取り込めるかどうかは、どうやって確認するんだ?」

 

「書店屋には魔力や強さを測る水晶玉があって、そこに手を当てると水晶玉の色が変わり、その人がどの程度のルーンを取り込めるかが分かるのです」

 

どんな仕組みかは不明だが、水晶玉によってLvというか熟練度や魔力を図ることは可能のようだ。

 

「<ファイヤ>のルーンは簡単に取り込めるのか?」

 

「はい。初級魔法なので村人でも魔力があれば発火魔法の<ファイヤ>や水魔法の<ウォーター>を使うことができます。ただし、普通の人間は魔力が小さいので一日に2~3度使えればいい方ですね」

 

「俺にも使えるだろうか?」

 

「もちろん使えるようになると思いますよ。戦士系の冒険者の方も最低限の初級魔法は覚えています。野宿などにも便利ですしね」

 

「確かに<ファイヤ>や<ウォーター>だけでも使えれば野宿やダンジョンで便利だろうな」

 

「ただし、ルーンを取り込む時にかなり強い頭痛がおこるんですよ。そのため通常は1日1つしかルーンを取り込みません」

 

「そうなのか。身体にもある程度の負担が掛かるという訳だな」

 

「ええ。ですから魔導書を購入したらご自分の部屋でルーンを取り込むことをお勧めします。何かあったら私どもが対応できますし」

 

「そうした方が良さそうだな」

 

「はい。また、その人によって魔法との相性があるようです。魔法には火・水・土・風・光・闇の属性があり、一部無属性の魔法もあると聞いています」

 

「自分に合った魔法でないと十分な力が発揮できないということか?」

 

「そうです。実力のある方でも上位魔法を使えるのはメイジだけですし、光属性の回復魔法は神官であるドルイドが有利ですね」

 

「ほう。俺の剣技スキルにも火や土の属性があるから、その系統の魔法ならいけそうだな」

 

「その可能性は高いと思います。それでは明日にでも書店屋に行ってみてはいかがですか?ガッツさんほどの冒険者なら他にも氷結魔法の<アイス>なども使えると思いますよ」

 

「それは楽しみだな。広場にある書店屋でいいのか?」

 

「そこで結構です。初級魔法なら50銅程度で安く購入できますよ」

 

「よし。まずは<ファイア>あたりか」

 

俺はアドナーンに礼を言って部屋へ戻った。




誤字、脱字、誤り、勘違い等は適宜修正したいと思います。
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