ドルアーガの冒険   作:まぁしい

16 / 40
読んでいただきありがとうございます。


16 黒のオベリスク

<ファイヤーボール>の習得に成功したものの、急速な魔法の習得は目立ちすぎると感じた俺は新たな魔導書の購入を1週間後することにした。

 

早くて2ヶ月掛かるものを3日で済ました上、<ファイヤーボール>にいたっては単体で2ヶ月掛かるものさえ1日で終えてしまった。

 

この辺のチート具合はテンプレだと思うが、またメリヤ婆あたりに追求されると面倒なので、今後は多少調整する必要があるかもしれない。

 

次の魔法を習得するまで、俺は魔法スキルの向上と供に剣技スキルなどと組み合わせた戦闘スタイルを創って行く必要性を感じていた。

 

実はこれまでこの世界では剣技スキルを使っていないのだ。

 

俺の主戦剣技スキルはソルジャー(戦士)の基本スキルの一つである<クラッシュスマイト>(以降<クラスマ>に省略)なのだが、このスキルを使うのに不安があったからだ。

 

この技は土属性のスキルで、両手剣・両手斧を装備時に高くジャンプし、上から敵をたたきつける攻撃スキルだ。若干の気絶効果もある。

 

一見簡単そうだが動きに難しいところがある。空中で前転しながら武器で相手を叩き切るのだ。

 

俺は体操部でもなかったので空中で前転なんて出来ないし、ましてや重量のある両手剣を持ってやるのは無理がありすぎると感じていた。

 

それ以前に普通に剣を振り回すことさえぎこちなかったのだから、こんな大技を使えるとは到底思えなかった。

 

あれほど身体能力が高い原作のガッツですら”狂戦士の甲冑”を装備した状態でなければそんな動きは出来なかったはずだ。(でも、装備してやっちゃうところが凄いよね!)

 

そこで、<クラスマ>は今後ゆっくり挑戦することにし、比較的実行しやすい剣技スキルをいくつか試すことにした。

 

まず一つ目は<ヒートボディ>だ。このスキルは火属性で、熱気を体にまとい体当たり攻撃をすることで火属性のダメージを与え、少しの間気絶させることができる。

 

気絶効果により相手の攻撃を抑え、さらにパーティー戦ではターゲットを固定することが出来るためソロでもパーティでも重宝する有効なスキルだ。

 

これは<クラスマ>との併用により気絶効果を長くすることで、より有効に使える良スキルと言っていいだろう。

 

その他にも、戦士(ソルジャー)が使用できるステータス強化系のスキルである<シールド>や<スピード>、<ガッツ>を試すことにする。

 

ちなみに、<ガッツ>は名前と同じなのだがベルセルクとは関係が無いと思われる。効果は、火のオーラをまとい体中の筋力を増幅させ、攻撃力を上昇させるというものだ。

 

もしも関係があるとすれば、ガッツポーズの”ガッツ”の方ではないかと思ったりする。

 

こうして1週間は剣技スキルを主に訓練することとしたが、スキルの威力を考えるとこれまで戦っていたラジャフ街道のモンスターではLvが低いため一撃で倒してい練習にならない。

 

このため訓練の場所をもう少しLvの高いモンスターが生息する他のフィールドとすることにした。その場所は”黒のオベリスク”通称”黒オベ”だ。

 

黒のオベリスクはラジャフ村から直接行くことが出来るため勝手がいいフィールドだ。モンスターのLvは15~18あるので<ヒートボディ>一撃で倒れることはないだろう。

 

遠距離攻撃の<ファイヤーボール>と近距離攻撃の<ヒートボディ>の連続攻撃も練習したいので、それに耐えてもらわなければ困るのだ。

 

そこで俺はラジャフの北側にある黒オベの入口へ向かう事にした。

 

 

 

 

 

黒オベに行くためには橋を渡るのだが、その入口の両側には甲冑を装備して槍を持った二人の衛兵が立っており、その片方の30歳台の衛兵が話しかけてきた。

 

「おい、お前は冒険者か?」

 

「そうだ。最近ラジャフに来たガッツだ」

 

「そうか。ラクター隊長が噂をしていたガッツだったのか。私は衛兵のロデューだ。黒オベに行くのか?」

 

「そうだが、何か用か?」

 

「ああ、頼みがあるので少し話を聞いて欲しい。元々このラジャフ村は、北に広がる森で採れる木の実や材木をバビリムに売ることで生計を立てていたんだ。けど、最近は塔の復活のせいかえらく毒蛇が増えてて困っているんだよ…」

 

「ラジャフ街道でもモンスターが活発化していたな」

 

「そうなんだ。俺たちもヒマを見て、オベリスクスネークを駆除はしてるんだがどうにも追いつかなくてな。もしオベリスクの方に行くなら、手伝ってくれると助かるんだが」

 

ゲームであったオベリスクスネーク狩猟クエだな。このモンスターは体長2m弱のヘビだ。報酬は素材だったか?

 

「いいぜ。ただし、ついでに狩るだけだぞ」

 

「手伝ってくれるのか?ありがたい。結構多くて困っていたんだよ。駆除の証拠に蛇の皮を広場に面した衛兵詰所まで持ってきてくれたら、1匹あたり20銅の報酬を渡すよ」

 

「分かった。駆除したらそこまで持って行けばいいんだな」

 

「頼む。腕は立つようだが相手は毒蛇だから注意してくれ」

 

「解毒薬もあるし大丈夫だ。またな」

 

ここでの狩猟報酬は金銭だったようだ。換金の面倒が無いし助かる。ゲームだと一定量が無いと報酬が受け取れないのと違ってフレキシブルなやり方がいいよね。

 

こうしてLv16オベリスクスネーク狩猟クエを訓練のついでに受けた俺は、橋を渡って黒オベのフィールドへ入った。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

<補足>

 

狂戦士の甲冑:ベルセルクの原作でガッツが装備する呪いの甲冑。鉱精(ドワーフ)が製作した呪いの甲冑。着用した者の深層に眠っていた怨念を引きずり出して激情を起こさせ、その怒りから全身の痛覚を麻痺させて肉体の持つ力を限界まで引き出し、使徒を一方的に殺戮するほどの超人的な力を発揮させる。その反面着用者の心身にはとてつもない負荷が襲いかかり、肉体は著しく損傷する。

 

<シールド>:光属性。自分の精神を集中し気をコントロールする事で一定時間自分の防御力をアップさせるスキル。

 

<スピード>:光属性。光のオーラをまとい、体を軽くすることで、攻撃間隔を早めるスキル。

 

黒のオベリスク:通称「黒オベ」。地名の由来は、フィールド中心部南西にある石碑で、神話のドルアーガ戦役に勝利したイシターを讃える賛辞が刻まれた石碑であり、黒曜石で出来ている。誰によって建立されたものか不明だが遥か神話の時代から、この地に建つとされている。




誤字、脱字、誤り、勘違い等は適宜修正したいと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。