ドルアーガの冒険   作:まぁしい

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22 見習い冒険者(2)

俺はパーティでウルフと戦うため、休憩中にルエリアとルウアにある確認をした。

 

「二人ともこれだけ戦えるならばスキルを持っているんじゃないか?」

 

「私は剣士スキルのうち<ソニックブロウ>と<アタックスタンス>を使えるわ」

 

ルエリアの剣士スキル<ソニックブロウ>は高速で剣を振り下ろし、敵に風属性のダメージを与える剣技だ。スピードと攻撃力を兼ね備えた剣士らしいスキルと言える。

 

<アタックスタンス>は攻撃的な構えを取ることで武器の性能を引き出すスキルだ。一定時間攻撃力が増加するのだが、自分の集中力を上げる効果があるのだろう。

 

両方のスキルとも自分のLv(実力)が上がれば攻撃力が増加したり、効果の持続時間が伸びるので戦いで長く愛用するスキルだ。

 

「ルエリア、戦う前には<アタックスタンス>を使ってくれ。俺が壁になるからその隙にウルフを倒すんだ」

 

「了解よ。<ソニックブロウ>も使って速攻で倒すわ」

 

「そうしてくれ。動きながら群れで襲ってくるウルフと戦うのは大変だが、俺が注意を引きつけて動きを止めるから確実に倒すんだ」

 

ルエリアは俺の言葉を聞いてうなずく。

 

「ルウアの持ってるスキルは何だ?」

 

「はい、私のスキルは<ヒール>と<ブレッシングシールド>です」

 

<ヒール>はドルイドのスキルで対象を光のオーラで包んで癒す治癒魔法だ。HPを50~100程度回復させる。

 

<ブレッシングシールド>は対象を光のオーラで包み込み一定時間防御力を上昇させるもので前衛職にはありがたいスキルだ。

 

「では戦闘前に全員に<シールド>をかけてくれ。二人はまだ防御力が低いからもしもの時は優先的に<ヒール>で回復するんだ。まあ、俺が守るからルウアに攻撃が行くことは無いがな」

 

「ありがとうございます。ガッツさんがそう言ってくれると安心です」

 

「私の方はどうでもいいってわけ?」

 

ルエリアに横目で睨まれた。怖いんで勘弁してください。

 

「そんなことは無い。俺もしっかり援護するし、ルエリアの実力を(ある程度)信頼してるんだ」

 

「それならばいいけど」

 

「よし、装備を点検したらウルフ狩りに向かうぞ」

 

「「はい!」」

 

俺たちは身に付けている鎧や武器の点検を時間を掛けて行う。自分の命を守る重要な道具だから真剣だ。

 

十分確認したが新しい装備な上に、ここまでの戦闘ではまともな攻撃を受けていないので装備に破損は無かったようだ。

 

俺が立ち上がると二人も肯いて後を付いて来る。三人は幅3mほどの木製の橋を渡ってウルフがいるエリアに向かった。

 

 

 

 

 

ウルフが出現するのは北のエリアなので比較的安全な街道を進んでそこへ向かう。途中でスモールウイングとウェブメーカーを1匹づつ倒したが、残念ながら目ぼしいアイテムはドロップしなかった。

 

そうこうして1時間ほど歩いて行くと街道沿いにボウケンが立っていた。ウルフのクエストを吹っ掛けてくるヤツだ。

 

「おお、また来たのだなガッツとやら。むむ、一緒にいるお嬢さんはどういう関係だ?(こんな美人を二人も連れて歩くなどうらやまし…、けしからん!)」

 

「ガッツ、この人だれ?」

 

ルエリアが胡散臭そうな目で俺に聞く。

 

「こいつはボウケンだ。以前にここへ来た時にウルフを一定時間内で倒すという挑戦を受けたんだ」

 

「ふうん?あんまり強そうに見えないわね?」

 

「な、何をいうかね!この放浪の冒険者ボウケンはヤングウルフとアダルトウルフを倒した実力者なのだよ。甘く見ないでくれたまえ!」

 

「そうなのですか、ガッツさん?」

 

「ウルフのテリトリーに一人でいるんだ。それなりの実力は持っているはずだぞ」

 

「そうだとも!ウルフなんて恐るるに足りん。(いざとなったら自慢の防具と快足で逃げるのだがな)」

 

「その勇者ボウケンに頼みがあるんだ」

 

「(勇者ボウケンとは…、いい響きだな!)何だね。言ってみたまえ」

 

「この二人にも挑戦を受けさせてやって欲しいんだ。俺はパーティとして戦う時に防御はするが、基本的に攻撃はしないことを約束する」

 

「(こいつは戦わないのか…)いいだろう。二人のお嬢さん方に挑戦を受けてもらおうじゃないか。名前を伺おう」

 

「剣士のルエリアよ。よろしくね」

 

「巫女のルウアです。よろしくお願いします」

 

「よし、ルエリア、ルウア。ヤングウルフの牙を5個、2時間以内に集めるのだ。これが出来たら私からプレゼントを贈ろうじゃないか」

 

「良かったな二人とも。それじゃあウルフを狩るために出発だ」

 

「「はい!」」

 

「もう行ってしまうのかね?何なら私の輝かしい冒険談を聞かせてもよかったのだが」

 

「悪いが二人の実力だと制限時間いっぱいでクリア出来るかどうかなんだ。先を急がせてもらう」

 

「そ、そうか。残念だが、また後でゆっくりと話すことにしよう」

 

俺たち三人はボウケンのもとを早々に後にしてウルフ討伐へ向かうことにした。

 

 

 

 

 

「ねえ、ガッツ。二人の攻撃だけで群れで襲ってくるウルフと戦えるの?」

 

「私も少し心配です」

 

「大丈夫だ。始めに<プロボ>で敵を挑発して俺に注意を引き付ける。特にリーダーのアダルトウルフはヤングウルフより少し強いから念入りにやる。ルエリアはヤングウルフから先に倒していくんだ」

 

「まずは数を減らしていく訳ね」

 

「そうだ。残り2頭ほどになったら隙を見てルウアも攻撃するんだ。もちろん無理をする必要は無い」

 

「分かりました。ここまで二人で戦ったので連携してやれると思います」

 

「よし、それならばウルフを狩るぞ」

 

「「はい!」」

 

いい返事だな。何か気持ちいい。大学の時に家庭教師のバイトとかやればよかったかなぁ。まあ、俺は頭悪かったから無理だったけどね。

 

俺は移動しながら一番近くにいるモンスターを察知する能力でヤングウルフを発見して二人にウルフの方へ向かうことを知らせる。

 

急ぎ足で5分ほど移動すると50m先に4頭のウルフの群れを発見した。

 

「いいか。まずは各自スキルでステータス強化だ」

 

ルエリアは自分に<アタックスタンス>を掛けて攻撃力をアップ。ルウアは三人に<ブレッシングシールド>を掛けて防御力をアップさせた。

 

まずは俺がウルフの群れに近づいて<プロボ>で注意を引き付ける。特にリーダーのアダルトウルフには2重掛けだ。

 

すると、3頭のヤングウルフが牙をむいて俺に襲い掛かってきた。

 

「ギャン!」

 

本当は一撃で倒せる相手だが、剣の側面でウルフの横っ面を殴っていなしたり、上体をスウェーさせて攻撃をかわす。

 

そこへルエリアが剣を上段に構えながら走りこみ、背を見せているヤングウルフに必殺の一撃を入れた。

 

「<ソニックブロウ>!」

 

高速でウルフの首筋に振り下ろされた剣は、風属性の大ダメージを与える。さらに、瀕死状態のウルフの頭に突きを入れて止めをさした。

 

一瞬ルエリアにウルフ達の注意が向くが、俺は牽制に両手剣をウルフへ突きつけながら再度注意を引き戻す。

 

「はっ!」

 

絶妙のタイミングでルエリアはウルフの横腹に突きを入れてダメージを与えると、今度は<ソニックブロウ>で止めをさした。

 

その状況を見ていたアダルトウルフはルエリアを危険な存在と見て襲い掛かろうとするが、俺が剣を向けながら素早く攻撃の射線に入り牽制する。

 

「行かせん!ルウア!」

 

ここでルエリアを後ろでフォローしていたルウアに残ったヤングウルフをダブルチームで攻撃するよう指示する。

 

こうなれば実力と数で勝るこっちのペースだ。説明が短くて悪いが1匹づつタコ殴りして倒しました。

 

「ルエリア、いい連携だったな。ルウアも頑張ったな」

 

「ガッツに注意が向いていたから攻撃が楽だったわ。パーティで戦うってこういうことなのね」

 

「ウルフの動きが早いのでびっくりしました。ルエリアと一緒に戦う時も牽制ぐらいしか出来なくて…」

 

「それでいいんだ。ルウアは攻撃を必ず当てる必要はない。敵に隙が出来るだけで仲間への負担が減るんだからな」

 

「はい」

 

「この調子なら十分クエストもクリア出来そうだな。少し休憩したら次の群れを探すぞ」

 

「「はい!」」

 

 

 

 

 

俺達はそんな調子でウルフの群れを探しては連携して倒していった。気が付くと、一時間半ほどでクエストの基準をクリア出来ていたようだ。

 

そこで俺は今日のウルフとの戦いを終了することに決め、ボウケンのところへ向い二人へのプレゼントをゲットした。

 

ボウケンはうちの美少女二人に自慢話をしたがっていたが、村に戻る時間だからといってスルーしたよ。付きまとわれるとウザイしね。

 

ちなみにプレゼントはルエリアがキャスティングソード(刺突剣)で、ルウアがストーンクラブ(棍棒)でした。予備の装備としてとりあえず確保です。

 

そんなこんなで二人の見習い冒険者と初パーティーを組んだ1日は終了したのだった。

 

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