ドルアーガの冒険   作:まぁしい

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8 イシターの巫女見習い(2)

 

「そうですか、1日で商隊の積荷を22個も回収するとは…。かなりの実力をお持ちだとは思っていましたが予想以上でした」

 

「ルエリアも驚いていたがそれほどのもんなのか?モンスターの実力は低かったぞ?」

 

「普通は飛行系モンスターを倒す場合、前衛の戦士と後衛の魔法使いが組まないと狩りが難しいものですからね。戦士だけでは剣で1合するのが精一杯でしょう」

 

「モンスターをスキルで挑発してやれば難しくはないだろう?」

 

「…ガッツさんはもしかしてスキルをお持ちなんですか?国に実力を認められた冒険者にしか使えないと聞いたのですが…」

 

えっ、だって挑発スキルのプロヴォーグはMMO開始時に入国審査官から簡単なクエストで手に入れられるもんじゃなかったっけ?

 

でも普通に考えたら襲われやすくなるスキルって、ある程度Lvが上がってからでないと危険かもしれないな…。そこで、

 

「…俺の場合は自分の国で手に入れたスキルだから系統が少し違うかもしれないがな」

 

とアドナーンに言って強引に誤魔化してみる。

 

「そうだったのですか。危険と隣り合わせのスキルですから実力がないと使えないでしょうね」

 

「俺も最初は慣れない武器に手間取ったが、最後はそこそこ振れるようになったから問題は無かったぞ」

 

「さすがですね。普通ソロで狩りをすれば2日はかかると思いますよ」

 

「運も良かったんだろうよ」

 

フェザームーブⅡで移動時間が短縮出来たのも大きかったしな。

 

「ところでガッツさん、ラットもかなり狩ったんじゃないですか?」

 

「ああ、クモとラットも狩ったが、それが?」

 

「もしラットの肉を処分していなかったら私どもへ卸していただけませんかね。燻製用に欲しいと思っていたんですよ。雑貨屋よりは多少色を付けますから」

 

そうなのだ。俺のイベントリにはなぜかディンギィラットやラジャフラットの肉がある。

 

ラット系は金属や皮しかドロップしなかったのだから、これもこの世界の新しいアイテムなのだろう。

 

それもモンスターごとに皮や肉の種類が違って表示されるところが目新しい。

 

「それほど数は無いが、自分で加工する予定も無いから譲ってもいいぜ」

 

「それでは通常の1割り増しということで、スモールやディンギィなら1個10銅で、ラジャフなら15銅で買い取らせていただきたいのですが?」

 

「その値段で問題ないが、ラジャフが少し高いのはなぜだ?」

 

「はい、狩場が遠いので希少価値が高いことと、こちらの方が美味しい肉なのですよ」

 

バビリム平原でもラットを狩って干し肉にするクエストがあったからモンスターの肉でも食用にはなるんだなぁ。

 

「では引き取ってもらうか。ディンギィが5とラジャフが7だ」

 

「ありがとうございます。それでは合わせて155銅で買い取らせていただきます」

 

俺はステイタスカードをアドナーンに触れさせトレードを行う。

 

「確かに受け取りました。機会があれば、またお譲りください」

 

「こっちこそいい値段で引き取ってもらってありがたい」

 

「今度はうちのアイリーン特製、美味しいラットの燻製を一度お試しください。微量ですが体力回復効果もありますから」

 

「ふっ、商売上手だなアドナーン。後で少し分けてもらうとするか」

 

「これまたありがとうございます。サービスさせていただきますよ」

 

そう言って微笑むアドナーンを背に俺は部屋へ向かい寝ることにした。

 

 

 

 

 

ゆっくり目に起床した俺は食堂で朝食を取ると、ニンギシュダを木を探すためラジャフ街道へ向かう。

 

記憶が合っていれば“石碑”が近くにあったと思う。

 

正式名を“郷愁の石碑”といい、ゲーム中に死んだ時に復活するポイントとして登録したり、移動術でワープできる場所なのだ。

 

ラジャフ街道をダッシュとウォークを繰り返しながら進むと、30程してから右手に石碑を発見できた。

 

近くにある大木がニンギシュダの木らしい。分かりやすく解説の碑が前にあった。イージーじゃねえか。

 

早速俺はニンギシュダの木に手を合わせると短剣で樹皮を剥ぎ取るとバッグにしまった。

 

ついでに近くのモンスターも軽く狩りながらラジャフへ戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

材料屋に行くとアトラが居たので声をかける。

 

「おい、取ってきたぞ」

 

「おお、ニンギシュダの樹皮を持ってきたか。ちょっと待っててくれ…」

 

アトラは店の奥へ行くと何か作業をして戻ってきた。

 

「これがルウアに頼まれた装飾具だ。早く持っていってやりな。首を長くして待っているだろうからな」

 

「ああ、持って行ってやるよ」

 

軽く手を上げて挨拶して店を出ると、偶然広場でルエリアとルウアが二人で話しているのを発見した。

 

「ルウア、装飾具が出来たぞ」

 

「あっ、出来たんですね。よかった~、助かりました。早くエブラ様に渡さないと!これ、たいした物じゃないですが受け取ってください。このくらいしかお礼できないですけど…」

 

そう言うとルウアはブロンズイヤリングを取り出して俺に渡した。

 

「報酬が目的で依頼を受けた訳じゃないが、その気持ちとして貰っておくぜ。タダほど高い物は無いからな」

 

「ガッツさん、ありがとうございました」

 

ルウアは深く頭を下げると、急ぎ足でイシター神殿へ向かうのを見送った。

 

ううん、いい光景だ。豊かな胸がゆさゆさと揺れている。あれに挟まれたらさぞかし…。

 

いろいろムフフな妄想中の俺だったが、隣に居たルエリアが声を掛けてくる。

 

「何見てんのよ!」

 

「い、いや、走り難そうだから転ぶんじゃないかと心配で…」

 

「まあいいわ。ルウアの依頼もクリアしたようだし、やっぱりやるわねアンタ」

 

「普通にやっただけだがな」

 

「うん、あなたになら任せてもいいかもしれないわね」

 

「何のことだ?」

 

「実は、神殿のエブラ様から相談事を受けているの。腕の立つ冒険者を紹介して欲しいって言われてるんだけど、話を聞いてあげてくれないかしら? 」

 

「神殿か、面倒なのは避けたいんだがな」

 

「エブラ様に会って、話を聞いてあげて欲しいの。あなたなら大丈夫だと思うわ。  聞いてくれないと、エロい目線で見ていたってルウアに言いつけるわよ」

 

「わ、分かった。エブラ様の話を聞けばいいんだな?」

 

「分かればいいのよ。そうと決まったらエブラ様のところへ行くわよ、付いて来て!」

 

そう宣言するとルエリアも急ぎ足でイシター神殿へ向かうので俺もそれを追った。

 

ふっ、残念ながらルエリアのあれは揺れないようだ。

 

「…何か言った?」

 

「…何にも」

 

彼女はテレパスなのか?多分、ただの女の感だろう。もちろんそれでも十分脅威だがな。

 

こうして二人はイシター神殿へ向かうのだった。

 

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