「さて、どうしたものですか」
眼前に見える大自然そしてぐるりと円形に周りを囲う上が見えない壁、そして黎明卿ボンドルドになってしまった自分の手を見つめながらそう呟く。ほんとうにどうしましょうか……
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「ふむ、興味深い」
人間大程あるカブトムシのような昆虫を見て触る。
先程は少々悩みましたがなってしまったものはしょうがない。前世に未練が無いかと言えば嘘になるが悔やんでも意味は無いので開き直ってこの世界で生きる事にした。
今は触っているのは人間とほぼ同じ大きさでだいたい150cm程の大きさを誇る刀のような角を一本だけ生やした昆虫、色は黒色で鉄では無いかと思う程に硬い外殻を持っている。
先程は同じ種類の生物と角で切り結び相手を一刀両断していたところを見たのですが私には敵意を向ける事無くかなり大人しいです。おそらく同じ同族か完全な敵対生物にのみ攻撃的になる種なのでしょう。
ところで先程からこのアビスであろう場所を彷徨いていたのですがもしかしたらここはアビスでは無いのかも知れません。
かつてアニメのメイドインアビスで見た大穴アビスに住まう生物は一匹もおらずかといって見た事のない生物しかいないので仮にですがこう結論付ました。ここはアビスではあるがメイドインアビスの世界のアビスでは無いと。
アビスは存在するがメイドインアビスとは別世界なのでしょうが一体どういう世界なのでしょうか。アビスの中は指針になりませんし。
とりあえず上を目指したいところではあるのですがアビスの呪いが怖いです、しかし、この世界のアビスも呪いがあるかはわからないのです。
とりあえず軽くジャンプはしてみましたが特に体調に変化は無かったのですがそれがここが意外に低い階層だからかそれとも呪いの種類や度合いが違うのかわからないのです。
……とりあえず上を目指して呪いを受けた時は受けた時で考えましょう。
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……ふむ、特に呪いを受けること無く外に出れましたね。カートリッジなんていうおぞましいものは持っていませんし、なら呪いを受けなかった事といい、眼前に広がる火山地帯の景色を鑑みるにやはりメイドインアビスの世界では無いようですね。ただ道中遺物のようなものを拾ったのでやはり完全に違うというわけでも無さそうですね。
とりあえず遠目に見える街にでも行きますか。ビルなどが見えますから文明は前世と同じぐらいですかね?
しかし、中々に歩きにくいですね。まあ、探窟家であるボンドルドボディにかかればそこまで体力的には苦ではありませんね。
それから徒歩2時間ですかね?ようやく街に着く事が出来ました。ただ、着いたのは温泉街のようですね。ここは火山が近いですから熱湯が湧き出ているのでしょう。
にしても見渡した限り住人は三種類、獣人にロボットそれと天使の輪のようなものを頭に浮かべ銃火器を手にした少女達。……ブルーアーカイブの世界ですか。
とんだ場所に来てしまったようです。
ブルーアーカイブの世界は住人がとにかく頑丈です。それこそ銃弾を受けても痛いで済むぐらいには。故に些細な喧嘩ですら銃火器が登場し治安は最悪と言っていい。美少女版グラセフとも言われるとんでも世界です。
しかも、学園都市キヴォトスを滅ぼす要因がそこらじゅうにゴロゴロしています。この世界の命運を握る先生が何かの拍子でミスをしたらプレセンルートか、滅亡ルートまっしぐら待った無しです。
控え目に言ってお先真っ暗では?しかし、この世界に生まれた以上は死にたくありませんし。
私はふと来た道を見る。この道の先にはアビスがあります、そして遺物も。この世界風に言えばオーパーツですかね。
先生を手助けすればもしかしたらこの第二の生を長く生きられるかもしれませんね。なら、やる事は一つですか……。
まあ、とりあえずこのオーパーツでも売ってお金を手に入れますか。何をするにもお金は大切なものです。
「おい、そこの怪しいおっさん」
「おや?」
突然背後から呼びかけられましたね。怪しい事は否定しませんがおっさん呼びはやめて頂きたい。
振り返れば見えたのはヤンキーですね。ブルーアーカイブの世界ではよくいるモブの子達です。私は黒髪ポニテのヤンキーモブと水着金髪ヤンキーモブが大変素晴らしいと思います。
「あんたの持ってるやつ。オーパーツだろ?寄越しな、あたし達が高く売ってやるよ」
なるほど、なるほど、これがカツアゲですか。基本的にブルアカの住人は生徒達以外は武器を持たない事が普通です。しかし、なぜ持たないのですかね?
私も武器を持たない一般人として見られたのですね。確かに目立つ武器は持っていませんが武器は私も持っているのですよ。
「おい!聞いてんのかよ!?」
「ああ、失礼。考え事をしていました。……さて、
「な、何だこれ!?」
「は、外れねぇ!?」
「ちくしょう、離せ!!」
しかし、やはりこの治安は少々心配になりますね。