スキルチートなウマ娘になりまして。   作:coka/

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 Merry Christmas

 中山大障害と有馬記念を始めて見ましたが面白かったです。
 一度でいいから現地で見てみたいですね~



第7R:フォームを見直そう!

 

 

「ほいじゃ、今日はここまで」

「押忍、ありがとうございました!」

 

 6月上旬。

 私が空手を習い始めてから2ヶ月以上が経過した。

 月水金と、たまに土日のどちらかにある週に3〜4回の稽古は意外と楽しかったりする。

 

 最初に覚えたのは丁寧な柔軟ストレッチと重心の移動を意識した脚運びだった。

 継ぎ足という名前の歩法で、後ろ足を前足の横を通しながらカーブを描いて前に出す動き方。

 重心を落としてつま先寄りに置きながら、上半身はブレること無く真っ直ぐに固定する。そうすることで体幹が鍛えられるみたい。

 ただ、最初の方は慣れない動きをしているからなのか上半身がブレブレだったり、ちょっとだけ腰が痛かったりしました。

 その後は、突きや蹴り、払いなんかを習う。

 前屈立ちと呼ばれる、アキレス腱伸ばしみたいな形で脚を動かしながらこの三つをやっていきます。

 はい、普段使わない筋肉を使っているのでめちゃくちゃ腕とか背中が筋肉痛になりました。

 まだ子供だから回復もめちゃくちゃ早いけどね!

 

 そして、今は色々な型の練習をしたり回し蹴りや手刀受け等の新しい技を習ったりしてます。

 

 あと、合間にカラオケやプールへ行って肺活量を鍛えたりもしてます。

 というか、登山での高地トレーニングをする前に先ずこっちをやるべきだったのでは?

 

 

 それから、ある日の木曜日。

 突然おばちゃんがグラウンドでトレーニング中の私に声を掛けできた。珍しい。

 

「空手を習い出してから良くはなったみたいだけど、まだ走るフォームが変だねぇ」

 

 えっ……

 

「私のフォームそんなに悪い?」

「悪いとまでは言わないけど、良くもないね」

「それならもっと早く、それこそ去年教えてくれれば良かったのに……」

「あの時は体力強化がメインだっただろう? フォームとか走法まで手が回らなかったんだよ」

「そっか……それで、フォームってどうすればいいの?」

「ふむ。まあ、アンタならピッチ走法を取り入れて走らせるのが良いんだろうけど……」

 

 ほう、ピッチ走法。

 つまり私にアストンマーチャンになれと?

 あの回転数を活かした素早いおみ足はとても美しくてカッコ良かった覚えがある。

 でも、あれできる気がしないんだけど……

 

「だけど、アンタはどうにも普通に走るのが向いてなさそうなんだよ。普段、手を振るのも煩わしいみたいな走り方してるしね」

 

 おおう、そこまでお見通しですか……

 そうなんだ。あのゴルフ場の芝生で全力疾走をしてからというもの、どうにも手を振って身体が捻るというのが煩わしく感じてしまっている。

 無駄、とまでは言わないんだけどそこに意識が向いて変に体力が削られたりしてしまってる現状は結構辛いです。

 

「という事で、ちょっと試させてみようと思うのがあるんだけどねぇ?」

「なんと〜、それは一体!?」

 

 なんか、おばちゃんがワザとらしく提案して来たので乗ってみる。

 わりと意外な事に、おばちゃんはめちゃくちゃノリが良かったりするのである。

 

「ここをこうして、こっちがこうで――――」

「えっ!? いやまあ、確かにできなくはないと思うけど……」

 

 という事で、おばちゃんの提案通り走ってみる。

 先ず上半身は殆ど捻らず正面で固定する。丁度、空手の時みたいに。

 腕は脇を軽く締めて、肘から下を上下に動かす事を意識する。

 脚は回転数と重心を意識したピッチ走法気味で。

 そして――――

 

「うわぁぁぁ、体力的には楽だけどめっっちゃくちゃ走りにくい!」

「ほらほら、また手がもとに戻ってるよ!」

「ひえ〜、む〜り〜!」

 

 前に出す脚と同じ方の腕を上下に動しながら走っております。

 

 走る時って本来、前に出す脚とは逆の腕を振るよね。でも今回はその逆。

 まるでロボット歩きをしているみたいに走っております。

 それこそ、空手での追い突きなんかを意識しながら。

 

 ただ、前世の知識を合わせてもこんな走り方をするのは本当に始めてな為、すごくやりにくい。

 腕と脚を同時に動かす事を意識し過ぎると早く走れないし、逆に早く走ろうと思えば思う程手足がもとに戻る。

 めちゃくちゃギコチナイ走り方になってます……

 ただ、この走り方は体の軸が安定してスタミナも減りにくくなるのか、体力的には結構楽なんだよね〜

 

「はい、休憩。とりあえず形にはなって来たけど、まだまだだね。今後はこれを意識しながら走りな」

「は、は〜い……」

 

 いや〜キツイです……

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 新しいフォームに悪戦苦闘しつつトレーニングを続ける事、約1ヶ月。

 段々とこの走り方にも慣れてきたという事で、今年もまた御嶽山での高地トレーニングにやってまいりました!

 まあ、やることは去年と同じ。道路とウッドチップと砂利のコースを走らされ、次の日には登山を開始しました。

 勿論、手脚を同時に動かすフォームを意識しながら。

 しかし、今回はなんと1日目に頂上まで登ることに。

 いくらスタミナが付いて来たとはいえ、そこそこキツかったです……

 そして、賽の河原にてライチョウさんと再会。

 私のハンカチはまだちゃんと着けてくれてました!

 

 そうして、今年も頂上と賽の河原でトレーニングを行う。

 去年はスタミナが続く限り好き勝手に走っていたんだけど、今年は腕と脚を同時に動かしながらなので、変に意識をしすぎて呼吸が乱れる。

 特にキツイのは階段ダッシュ。

 何度も何度も手脚がもとに戻る為、永遠と上り下りを繰り返すはめになったのです。

 おばちゃんの鬼畜……!

 

 そんな風にトレーニングをしながら三日を過ごし、四日目にはライチョウさんに挨拶をして下山。

 次の日はまたお土産を買いつつ、早朝とお昼過ぎからゴルフ場を全力で走る。

 やっぱり芝生の上は走りやすくて良いよね〜

 あっ、流石に今年は意識が切れるギリギリまで走ったりはしませんでした。

 この頃には、新しいフォームもやっと身に付いてきたみたいで、あまり意識をしなくても脚と同じ方の腕を上下に動かしながら走ることができるようになりました!

 最初は本当にロボットみたいなギコチナイ走りでしたが、今では結構スムーズに走れている。

 ただ、普通に歩いてる時も手足が同時に動いてしまっているので、他のヒトやウマ娘からは変な風に見られちゃいそうだけど……

 まあ、普段から無意識に出来る様にしないとだから、これによる視線とか羞恥心とかは致し方ない犠牲ということで!

 …………なんか、どんどん普通のウマ娘からかけ離れていってる気がするんだけど、これ大丈夫?

 私も自称普通のウマ娘と名乗る逸般ウマ娘の仲間入りか?

 

 それにしても、こういう時に限ってフォームに関係するスキルとかは存在しないんだもんなぁ。

 こればっかりは、地道にトレーニングを続けていくしかないんだよね〜

 

 

 そんな感じで、今年の高地トレーニングも終わり、夏休み前の終業式までトレーニングを続けていった。

 隔日で空手道場に通い、体幹を鍛えながら技や型を習う。

 時間がある時はプールに行って肺活量を鍛える。

 もしくはカラオケに行って、ウィニングライブ用に歌やリズム感を鍛える。余裕があれば軽くダンスの練習も。

 流石に、アニメみたいな伝説の棒立ちライブになるのだけは絶対に回避したいしね。

 

 そうして、迎えた終業式の日。

 事件は起こった。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「…………これ、どういうことですか?」

「いやまあ、私に言われても困るんだけどね?」

 

 流石に学期毎の始業式や終業式には必ず登校しなさいとの事で、私はいつも通り別室登校をしていた。

 最初は保健室登校だったんだけど、他の生徒の出入りも多いからという理由で相談室みたいな小さい部屋が今の私の教室となっている。

 で、そこにわざわざ保健医の先生が来てくれてるんだけど、問題はそこじゃない。

 

 今日は学期末という事で終業式の後に成績表も返ってくる。

 因みに私が通っているこの小学校は各教科3つの項目があり、ABCの三段階で評価がされる。

 普段から授業に参加していないとはいえ、出された課題や提出物はしっかりとやっているしテストの成績も文句の付けようがないでしょと自負している。

 その為、オールAは流石に無理でも、Cが一つもない程度には評価をされていた。

 まあ、学校での生活関係の項目だけはほとんど○が無かったけどね。月に数回しか登校しないから、そこは自業自得である。

 

 さて、そんな不登校であってもそこそこ優秀な私の今回の成績はというと……

 

 

 

 

 

(国語) オールC
(算数) オールC
(理科) オールC
(社会) オールC
(英語) オールC
(図工) オールC
(保健体育) オールC

 

 

 はい。前世ですら見たことのないオール最低値でした。

 こりゃ、一難去ってまた一難かなぁ……?

 





 なんか変なフォームを覚えさせられました。
 そして、成績最低値という事件発生。
 彼女はこの窮地を脱する事ができるのか?
 来週もお楽しみに〜

 ※なお、次回は大晦日なので18時頃に投稿いたします。

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