スキルチートなウマ娘になりまして。   作:coka/

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 お久しぶりです。
 桜花賞だったのでちょっとだけ再開します(遅刻)
 休載理由とか連載再開目処に関してはあとがきにて。
 


第12R:トレセン学園と選抜レース

 

 トレセン学園に入学してから約1ヶ月が経ちました。

 

 いやはや、4月に入学した途端に春のファン大感謝祭に参加する事になるとは思わなかったよね〜

 といっても、新入生の私達がやる事は体育祭とかスポーツ大会みたいな感じで先輩達が用意した競技に自由に参加するだけでした。

 しかも、別に競技に出なくても救護員とかのサポート係でも良いという……

 という事で、私はサポートに徹してました。

 

 あとは、授業に関しては問題なく進んでるし、友人もそこそこ出来たので充実してると言えるかなぁ〜

 それにしても、今年の新入生の面子がどう考えてもヤバすぎる。

 まず、教室内を見渡すと目に入ってくるのは机で本を読む紫がかった葦毛のウマ娘。

 その姿はどこか気品が漂っている様にも見える。

 実物見るとやっぱりクールな美少女って感じだね!

 あの子がかっとばせー!とかパクパクですわ!とか言うのかぁ。 

 

 そして、その葦毛のウマ娘に話しかけようと近づいていく、ポニーテールと前髪の長い流星が特徴的なウマ娘とか。

 二人で軽く言い合いをしている気が強そうなツインテールのウマ娘と片目を隠したボーイッシュなウマ娘とか。

 あと、それを見てなんか尊死してるウマ娘。

 あっ、今青い髪のウマ娘が教室に元気よく入ってきたよ。

 

 はい、どう見てもネームドウマ娘ばかりです。ありがとうございました。

 ね? ヤバいでしょ?

 

 えっ? アッ、ハイ。大丈夫です、忘れてませんよ? というか、さっきからずっと隣の席で見つめ続けられてたら忘れるの無理じゃない? あと、地味に私の心読んでない? あ、読んでないですか、そうですか……

 

 閑話休題。

 

 そんなヤバめな面子に囲まれてはいるんですが、ここに居るウマ娘全員が今年デビューをするというわけでも無いのでそこは安心してます。

 というか、全員デビューは流石に魔境が過ぎるよ……

 

 でもまあ、リスク回避も兼ねて私は今年デビューできれば良いなとは思ってる。

 まあ、そもそも私みたいなモブウマ娘はトレーナを探す所から始めないといけないんだけどねぇ……

 とりあえず、今度行われる予定の選抜レースに出走登録をしておいた。

 本格化云々もあるとは思うけど、そこは多分大丈夫だと思う。

 ……というか、私ってサラ系でもなんでもない和ウマ娘だと思てるんだけど、そもそも本格化とかってあるのかなぁ?

 

 色々と疑問は尽きない所だけど、そんなことよりも一つ問題がある。

 

 私、未だに自分の適性がよく分かってないんだよね。

 

 ダートと芝両方走れそうというのは流石に分かってはいるんだけど、距離や脚質に関しては完全に未知。

 一応、短距離と逃げは行けそう?といった感じではあるんだけど、逃げに関しては脚質系スキル盛り盛りだったからなぁ〜

 教官に聞いてもその辺よく解らなかったし。

 ……う〜ん、仕方ない。

 今回の選抜レースは適性を判断する機会と思って走ろう。

 その為に、同級生の某オールラウンダーさんがアプリのシナリオでやっていたみたいに芝とダート両方に登録しました!

 

 …………考えてなかったけど、私のせいで両方出るの禁止とかになったらどうしよう。

 

◇◇◇◇◇

 

 そんなこんなで選抜レースの日がやってまいりました!

 そして、今回はなんと錚々たるウマ娘達が出走する予定です!

 

 エントリーナンバー1、その鍛え上げられた筋肉は伊達じゃない! メジロライアン!

 

 エントリーナンバー2、青春こじらせ系のギャルお嬢様! メジロパーマー!

 

 エントリーナンバー3、そのパリピ姿まさに太陽神! ダイタクヘリオス!

 

 …………はい、終わった〜!!!!!!!

 

 いやいやいや、この世代と一緒とかもう終わりでしょこれ!

 だって、今日は出場しないみたいだけどメジロマックイーンとかイクノディクタスとかダイイチルビーとかもいるじゃんこの世代。

 短距離〜長距離まで層が厚すぎて勝ち目薄過ぎるんですが!?

 というか、その次の世代もテイオー世代でしょ!?

 アニメ2期じゃん!! 勝てるかバカ〜!!

 

 くっ、せめて…せめて一つ上の世代だったらまだ勝ち目もありそうだったのに……

 

 と、そんなショックを受けていると、一人のウマ娘がこちらにやってきた。

 

「どうしたのアンヘルさん。これから選抜レースなのに元気がなさそうだけど」

「スノー先輩……」

 

 声をかけてくれたのは、私と同室で高等部のスノースウィート先輩だった。

 

 彼女は綺麗な白毛のお嬢様然としたウマ娘で、左耳には緑色の髪飾りがある。

 そして、この先輩も何かと注目されているウマ娘の一人だたっりするのだ。

 最初出会ったときにモブウマ娘かなとか思ってすみませんでしたorz

 

 それにしても、この世代お嬢様多い。多くない?

 というかメジロが多い……

 

「それで、どうかしたの? 今朝はあんなに張り切ってたのに」

「いえ、この面子を見てちょっと今後の未来に対して一切の自信が無くなった所です」

「えっ?……あ〜、なるほど。確かに有名所のメジロのウマ娘が二人いるものね。それに、今年入学したメジロの子も次回の選抜レースに出走するみたいだし」

 

 いや、まあそれだけじゃないんですけどね?

 というか、マックイーンの事も知ってるとか耳が早いですね……

 

「でもね、アンヘルさん。ここにいる全員が同じレースを走るという訳ではないのだから、そこまで悲観しなくても良いと思うわよ? それに、彼女達がどの路線を進むのかにもよって変わってくるんだし」

「それはまあ、そうなんですけどね……」

「ほらほら、そろそろ第1レースが始まるわ。敵情視察も兼ねて見に行きましょう!」

 

 そのままスノー先輩に連行されて、他のウマ娘達のレースを見ることとなりました。

 

 でも、確かにいつまでもクヨクヨしてちゃダメだよね。

 未来の事は未来の私に考えてもらうとして、今は目の前のレースに集中したいと思います!

 

 

 

  

 

 

 

 はい、芝中距離2000mは強敵でしたね。

 

 いや、実際すごく強敵だった。

 というのも、どうやら私には差しが向いてないみたいで、めちゃくちゃ走りにくかった。

 【集中力】のおかげでスタートが上手く行き過ぎてペースを中団付近まで落とさなきゃいけなかったし、どのタイミングで抜けば良いのか全くわからなくて苦戦した。

 前も塞がれ気味で思う様に走れなかったんだよねぇ。

 最終コーナーで加速できたおかげで、何とかギリギリ1着だったけどさ。

 でも、途中で先頭のウマ娘に並んだ瞬間、なぜか加速しきれなくなった時はどうしようかと思ったよ……

 スタミナも結構切れてたし、最後の最後に根性出して抜くことができなかったら負けてたね。

 もう絶対差しでは走りません!

 

 という事で何とか芝のレースを勝つ事ができました。

 次はダートの方に行かないとなぁ〜、なんて思っていたらスカウトをしに来たであろうトレーナーさん達が私を囲んで声をかけてくる。

 わぁ〜、今回のメインであろうメジロライアンのレースの直ぐ後のレースなのにこんなにも来てくれたんだ。

 若めの人が多いから新人〜中堅位のトレーナーさん達なのかな?

 というか、私聖徳太子じゃないからそんな一遍にスカウトされても聞き取れないんですが!?

 なるほど、これが嬉しい悲鳴……

 

 でも、私この後ダートも走るんだよねぇ。

 なので、申し訳ないですが一旦保留で!

 

「すみません! スカウトして頂けるのは嬉しいんですけど、私この後ダートのレースにも出る予定なのでその後にお願いできますか?」

「「「「「はっ?」」」」」

 

 私がそう言うと、周りのトレーナーさん達はポカーンとした顔をしていた。

 よし、この隙に!

 

「という事で、すみませんが失礼しますね〜」

 

 そう言い残して、私はそそくさとその場を離れた。

 さてと、レース開始まで休まないとなぁ〜

 

 

「聞きましたよアンヘルさん。この後、ダートのレースにも出るらしいですね?」

 

 水分補給をしていたらスノー先輩に声をかけられた。

 因みに先輩はもう走り終えてて、スカウトも受けてたよ。

 

「ええ、まあ。前にも軽く相談したと思うんですが、私自分の適性っていうのがよく解らなくてですね」

「覚えてますけど、だからって1日に2レースも出るなんて……」

「やっぱり無謀でしたかね?」

「……体調の方は大丈夫なんですか? レース中どこか少し走りにくそうにしてたのが見えたけど」

「あはは…私スタミナだけはあるみたいなので、少し休めば大丈夫かと」

 

 そうなのだ。あれだけスタミナが皆無だった私の体は、おばちゃんのスパルタ特訓によって長距離にも出られそうな程までにスタミナが付いているのである!

 授業とか模擬レースで走れた時はビックリしたよね。

 

 しかも、次に出るのはダートのマイル1600mだ。

 つまり、バクトレ理論で行けば先程の芝2000と合わせて総合距離3600mとなり、春天*1も走れる可能性が出てくるという事!

 ……いや、別にあのトンデモ宇宙論をマジで信じてる訳じゃないんだけどさ。

 

 とにかく、今回の連戦で1600mをしっかりと走れれば長距離も行けるんじゃないかという希望が見えてくる。

 因みに今回は追込みで行きたいと思います!

 

「まあ、ケガだけには本当に気をつけてね? 一回の故障で選手生命を絶たれてしまうウマ娘や重症の場合亡くなってしまうウマ娘だって居るんですから……」

「はい、気をつけます」

 

 所謂、予後不良って奴ですね。

 ウマ娘世界なら私の前世の世界みたいに安楽死や肉にされるなんてことは無さそうだけど、デビュー前に戦線離脱とかはしたくないから勿論気をつけてますよ!

 おばちゃんに脚のマッサージ習っておいて良かったな〜

 

 という事で、次のレースも頑張ります!

 

 

 

  

 

 

 コースに入って砂の感触を確かめる。

 場の状態はすごく良さそう。

 スタミナも回復したし、脚も重くない。

 よし、大丈夫そうだね。

 

 因みに、天気の方は少し曇ってはいるけど雨にはならない。

 

 先程の芝のレースでもそうだったけど、私の出走するレースにネームドのウマ娘は居ないみたいだ。

 

 勿論、元は有名だけど漫画版みたいに名前が変わってるとかだったら全然解らないんだけどね?

 前世の私は競馬の方にはほとんど興味無かったみたいだし。

 しいて言うなら、某白い奇跡とか漆黒の帝王とかの方が記憶に残ってる。

 

 閑話休題。

 

 とりあえず実装されてたネームドが居ないのはありがたいね〜

 これで心置きなく走ることができる。

 

 そんな事を考えていると、ゲートインの時間がやってきた。

 何度入ってもこの妙に手狭な圧迫感には慣れないけれど、程よい緊張感を持つことができる。

 そして、どこか心が落ち着いていく。

 

 

 さあ、幕が上がるぞ。

 

 

 

 ガコンッという音と共にゲートが開く。

 

 【集中力】

 

 スキルは発動している。

 だけど、今回の作戦は追込み。

 できるだけ後方に位置付けたい。

 だから、この集中力を活かして()()()()()()()()()

 

 【⚠出お――】【追込のコツ○】【良バ場◎】

 

【春ウマ娘◎】【曇りの日◎】【地固め】

 

 出遅れスレスレの所で走り出す。

 

 どうやら上手く行ったらしく、私は最後尾に位置付ける事ができた。

 勿論、前方のウマ娘とは離れすぎておらず、なんなら真後ろに付ける事ができた!

 

 【スリップストリーム】【冷静】

 

 自分の速度が上がるのを感じる。

 だけどまだ抑える。

 1600mは短い様でいて意外と長い。

 だから中盤まで脚を溜めておく。

 

【コーナー巧者】【コーナー回復○】【不動の心】【お見通し】

 

 そして、そのまま第一コーナーを曲がり第二コーナーへと入っていく。

 前にいたウマ娘に外から追いついて、並んだタイミングで息を入れる。

 視野がわずかに広くなった気がした。

 前方を見ると先頭から後方までが良く見えている。

 

 【中盤巧者】【直線加速】【直線回復】

 

 向正面に入ってレースは残り半分。

 後方組の二人を完全に抜き去って、息を入れつつ中団との間に付けた。

 これで今の私は7番手の位置。

 もう一人二人抜いておきたい所だけど…………

 

 

 行ってみようか。 

 

 

 【影踏み】【打開策】【早仕掛け】

 【直線巧者】【尻尾上がり】

 

 脚に力を入れて仕掛ける。

 前にいたウマ娘を一気に抜き去った。

 そこから徐々に徐々にと速度を上げていく。

 

 【推力十分】【切れ味】

 

 第三コーナーを回ってレースは終盤といった所で、5番手の子を抜いた。

 さあ、ここからだ。

 

 【前列狙い】【コーナー加速】【仕掛け抜群】

 

 最終コーナー、ここで私は一気に前へと躍り出た。

 周りのウマ娘達がどこか驚いているのを感じる。

 だけど、そんなのは関係ない!

 前方にいたウマ娘達を抜き去って先頭へ。

 

 【直線一気】【末脚】【まっしぐら】

 

 脚が軽い。

 スタミナは十分残っている。

 ふと、笠松でのレースを思い出した。

 あの時はただ無我夢中に走っていたけれど、今の私なら!

 脚を動かす。姿勢を低く保つ。

 まるで自分が矢の様に飛んでいくイメージで!

 

 【       

 

 そして、私はそのままゴールした。

 

 追込みの作戦をとって体力の温存が出来ていたからなのか、まだ息は上がってない。

 なんか、良い手応えを感じた気がした。

 もしかして、私追込み得意だったりする?

 

 そんな呑気な事を考えながら移動しようとすると、またもトレーナー陣に囲まれてしまった!

 

「ぜひウチのチームに!」

「いいや、俺の担当になってくれ!」

「私をぜひ貴女のトレーナーに!」

「どうだ、ウチに来る気はないか?」

「ワシの所に来るなら歓迎はするぞ」

 

 お〜、今度はベテランっぽい人までスカウトに来てくれてるみたい?

 でもな〜

 やっぱりこう、アプリのゲームみたいに運命的な出会いというものにも憧れがあるにはあるし……

 

 あ、そうだ!

 

「あのっ! この中に私の適性が()()()解るトレーナーさんとか居ませんか!」

 

 そうだ、最初からこうすれば良かったんだ!

 私みたいな転生者でスキルチートを持ったウマ娘が居るんだから、アプリみたいにウマ娘の適性とかステータスとかが見えるトレーナーさんがいるかもしれないじゃん!

 しかもアプリだと期待の新人トレーナーとかだから担当もまだ決まっていないはず。

 という事で、能力持ちのチートトレーナーさん手上げて!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………あれ? 居ないの!?

 

 

 

*1
天皇賞(春)のこと





 今回は主人公選抜レースに出るの巻でした。
 前回の話で分かっていた方もいるかと思いますが、アンヘルちゃんは所謂1990年世代です。
 アニメでもゲームでも各ウマ娘の育成以外では細かい描写が少なく、最近再開したシングレの第四章以降が丁度この世代ですね。
 
 あと、しれっと同級生や同室の子が出ています。
 同室の子であるスノースウィートは半オリジナルウマ娘です。
 今後もオリジナルだったり名前等を変えた半オリジナルのウマ娘が登場していくのでお楽しみに。
 先出ししておくと、ウイニングロンドがいます。


 さて、改めまして久しぶりの投稿となってしまいすみません。
 休載してた理由としましては、3つあります。
 大まかなストーリーのプロットはあるのですが、細かい展開の部分で行き詰まって書き溜めたストックが切れた事が一つ。
 シングレ休載やイクノディクタス実装による資料不足&情報収集等があった為。
 最後に、メインシナリオ第2部がティアラ路線だった為。
 これに関してはデアリングタクト初登場の時から、次がティアラ路線なのかなとは予想してはいたのですが、実際に公式から発表されてモチベーションが下がりました。
 年代が違うとはいえ、このタイミングで本家がやるなら二次創作でやっててもなんだかなぁという感じで。
 まあなんというか、総合すると色々本家ウマ娘と運悪く(運良く?)タイミングが被ったのが原因です。
 
 なので、もう少し情報を待ちつつ次話以降のストックがある程度溜まった頃にまた連載を再開したいと思います。
 とりあえず、オークスの頃位には再開したいです。

 楽しみにしてくださってる方々には大変申し訳ありませんが、今しばらくお待ち頂けると幸いです。

 それでは、次回もどうぞお楽しみに〜


ぱかぱか裏話
☆現在ウマ娘コンテンツにて実装されそうで一切登場していないフローラとサニーは今の所出る予定はありません。
 実装or別名で登場したら考えます。

※2024年4月現在、半オリジナル含めて実在する競走馬の名前と被らないようにキャラを名付けております。
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