すみません、遅れました。
学園近くの喫茶店に入り、飲み物とケーキを注文する。
「ここのケーキ美味しいんですよねぇ」
「わかる。くど過ぎない甘さで種類も豊富だから全然飽きないんだよな」
向かい合う様にして席に座った私と山県トレーナーはそんな世間話をしていた。
その裏で私は、さてどう話を進めようかと悩んでいた。
◇◇◇◇◇
あの選抜レースの日から早数日。
私の所にはトレーナーさん達から割とひっきりなしにスカウトが来ていた。
だけど、その人達の中に私が最初に聞いた『適性が正確に解る』という条件に当て嵌まる人はいなかった。
半ば諦めかけていて、有名ドコロのチームにでも入ろうかと思っていた今日この頃。
ついに、チート持ちと思われるトレーナーさんを見つけることができました!
まあ、その前に胡散臭い人に絡まれたんだけどね……
でも、あれがあったからこそこの人と出会えた気がするからそこは感謝しないでもない。
…………いや、やっぱり嘘ついて詐欺まがいな事してきたのはダメでしょ。
私の淡い期待を返してくれって思ったもん。
閑話休題
そんなこんなで、遂に出会えたウマ娘の適性が解る山県トレーナーと私は担当契約をしたいと思ってるんだけど……
でもまだスカウトされた訳じゃないんだよねぇ〜
むしろ、話を聞かせてくれって私の方から言いだしたから、もしかしてこれ逆スカウトになってたりする?
いや、担当トレーナーになってもらえるならどっちでもいいんだけどね?
そんな事を考えながら世間話を続けていると注文した商品が届いた。
私は紅茶とティラミスでトレーナーさんはコーヒーとチョコレートケーキ。
さっそく一口食べてみると、その美味しさにたちまち笑みが浮かんでくる。
前に来た時に食べた他のケーキも美味しかったけど、このほろ苦くも甘くてサクサクふわふわのティラミスもとても美味!
ふと前を見ると、トレーナーさんも美味しそうにケーキを食べていて、それがどこか子供っぽくも感じる。
そういえば見た目若そうだけど、年齢とか聞いてなかったなぁ。
そうしてお互いにケーキを食べ終わった頃、本題へと入る。
「トレーナーさんはその能力はいつ頃から?」
「物心付いた頃からだ。確か4〜5歳ぐらいだった気がする」
「なるほど……」
私がチートを手に入れたのは10歳の時だ。
このズレはやっぱり個人差か種族差の違い?
いや、でも私の場合は前世の記憶が混ざったのが6歳ぐらいだったから、それを含めて考えるととそこまでズレてないのかな?
「なあ、俺からも質問いいか?」
「あっ、はい。じゃあ、交互に質問していく感じで」
「ん、了解。まず聞きたいんだが、お前は俺の能力についてどこまで知ってるんだ?」
「……どこまで、というと少し難しいですけど……今は貴方がウマ娘の頭上にその子のS〜Gのランク付けされた各適性が見えるという事ぐらいですね。あっ、あとONOFFが切り替えられるのと一斉に多くのウマ娘を見ると気絶するんですよね」
「ああ」
「なので、今の段階で私が知っているのはこれぐらいです」
「いや、今のでよくわかった。お前、コレに関して結構詳しいな?」
はい? 今の説明を聞いてどうしてその結論になるの?
だってそんな切り替え機能とか気絶するとか全然知らなかったけど?
「今の説明でランクはS〜Gって言ったよな? お前さんの適性ランクはAが最高だった。Sがあるなんて俺からは一言も言ってないのにそれが出てきたって事は、その存在を知ってるって証拠だろ」
「いや、でも私は切り替えとか気絶とかは一切知らなくて……」
「そっちはおそらく俺側の問題なんじゃねぇかな。努力した結果切り替えられる様になったとか脳が耐えられなくて気絶したとか」
「……そうなんですかね?」
「まあ、とりあえずはそれでいいだろ。んで、そっちの次の質問は?」
彼は一旦この話題を置くことにした様だ。
まあ、色々話していく内に分かってくることもあるだろうしね。
「では、次の質問ですけど。見えるのは適性だけですか? 他に何か見えたりとかは?」
「無いな。見えるのはウマ娘の適性だけだ……よし、テンポ良く行こうぜ。他に何か見える物でもあるのか?」
「…………信じてもらえるかどうか怪しい話なんですが」
「はっ! そんなもん今更だろ。俺の能力だって信じてくれそうな人は少ないだろうし」
「それもそうですね……正直、これは臆測も含んでますが――」
私は前世のウマ娘の知識をもとに彼に自分の考えを伝えた。
・ウマ娘のスピードやスタミナといったステータスが見える。
・ウマ娘のやる気が不調や絶好調といった感じで見える。
・ウマ娘の体力や失敗率が見え、過度なトレーニングや故障等を未然に防げる。
・効果的なトレーニングやレース用のスキルを閃きウマ娘にそれを教える。
他にも、ウマ娘に匹敵するフィジカル持ちとか、故障した脚を予定より大幅に早く治したりとか、個人で着ぐるみや銅像作ったりとかあった気がする。
それを聞いた彼は渋い顔をしていた。
「まるでゲームかなんかみてぇだな」
鋭い。
まさにアプリ版のトレーナー達が持っている能力そのものだ。
流石にアニメとかコミック版のトレーナー達はここまで異常じゃないだろうけど……ないよね? ちょっと自信ない。
「トレーニングを閃くとか、その日のウマ娘の調子の良し悪しなんかはトレーナーの能力として持っててもおかしくない。実際、俺もなんとなくそういうのがわかるしな。ウマ娘に匹敵するフィジカルってのもまあ、家系にウマ娘がいれば遺伝とかであり得そうだ。だが、俺みたいに適性だとかステータスだとか故障するしないが見えるなんては流石にチートが過ぎるな」
「そうですよね〜」
「まあ、どんな能力があるのかは分かった。そっちの番だ」
「はい……山県トレーナーはその適性ランクを上げることはできますか?」
私がそう聞くと彼は少しだけ俯き、腕を組んで目を瞑った。
あれ、もしかしてマズイ事聞いちゃった?
そんな私の不安を余所に彼は目を開ける。
「トレーニング次第ではできなくはない」
「あっ、そうなんですか。急に考え込み始めたので何事かと……」
「だけどな、流石に限度がある。例えばBやCの適性Aにする事は出来ても、GをB以上にすることはできない。出来てもC迄だ。あと、Sとかどうやれば良いのか検討もつかない。多分、そのウマ娘のポテンシャル次第なんじゃないか? もしくは神がかり的なナニカとかな」
なるほど、三女神による想いの継承イベントですねわかります。
そして、トレーナーの手で上げられるのは最初の因子継承時の範囲までと。
「いいか? 次の質問だ」
「はい」
「お前の能力はなんだ? どうせ持ってるんだろ、俺みたいにチートをよ。じゃなきゃ、あの差し適性で勝てるなんて流石におかしいからな」
「…………私の能力はおそらくスキルチートです」
「はっ?」
私が自分のチート能力を伝えると、彼は困惑した表情を浮かべた。
まあ、急にこんな事言われてもよくわからないよね。
「ちょっと待て、さっきの説明通りならウマ娘のスキルってのはトレーナーが担当に教えたりするもんじゃなかったのか?」
「基本的にはそうです。稀に、無意識に自力で習得する様な天才もいますけどね」
アルマちゃんとかアルマちゃんとかアルマちゃんとか……
「なるほどな。んんっ? っておい、まさかお前……」
「私はスキルをトレーニングとか一切無しで自分の好きな様に覚えることができます」
「チート過ぎるだろそれ!?」
「まあ、そうですよね。一応、スキルポイントっていうのを貯めて消費したり、一部条件が足りないのかロックがかかってるスキルもありますし、取得した後に使ってみて体に馴染ませたりもしなくちゃいけませんけどね」
「……因みにだが、そのスキルポイントってのはどうすりゃ貯まるんだ?」
「基本的にはトレーニングするだけでちょっとずつ貯まります。レースに出れば普段の数倍のポイントを稼ぐ事もできます」
「やっぱチート過ぎるな……」
彼はそう言って、後頭部を掻きながら溜め息をついた。
「私からの質問です。山県トレーナーは現在担当されてるウマ娘は何人いますか?」
「……………………ゼロ」
「えっ?」
「だからゼロだ。まだ1人も担当したことがねぇよ」
「あっ、すみません。新人の方だったんですね」
「……2年目だ。今日まである先輩のチームでサブトレをやってた。まあ、ついさっきいきなりクビにされたけど」
「えぇ……何したんですか一体……」
「真面目に仕事してただけだ。そしたら、そこの先輩トレーナーに今日でクビだからとりあえずお前をスカウトしてこいって言われたんだよ」
「それはまた……良かったのか悪かったのか……」
スカウトさせる為に今日いきなりサブトレクビにするとか、なんというか無茶苦茶なトレーナーだなぁ。
でもそのおかげで(以下略
「さて、腹の探り合いはもう良いか?」
「……もう一つ聞きたいことが」
「なら先に俺に2つ質問させてくれ。これが最後の質問だ」
「わかりました。どうぞ」
山県トレーナーは意を決したようにコチラをジッと見つめてくる。
えっ、急になに? 一体何を聞く気?
「この世界は一体どういうモノで、お前さんは何者なんだ?」
そう…きたかぁ……
彼は動揺する私の目をジッと見たまま逸らさない。
「あの…それは一体どういう……?」
「なんだ? 急に察しが悪くなったのか? それとも、誤魔化したいだけか?」
見透かされている。
はてさて、これはどこまで話せば良いのかなぁ……
前世云々はウマソウルって事にすればまだ受け入れられやすそうだけど、この世界は元々アニメやゲームの世界だと教えて信じてもらえるのだろうか?
スキルチートについて話した今、正直彼に知られたらマズイ事は特にない。
だけど、それが今後この世界にどう影響を与えるのかが怖すぎる。
ただでさえウマ娘世界は、史実を下にいくつもの分岐が用意されている程、不安定なのだから。
「……今更何を出し渋ってるのか知らないが、俺の仮説を言ってやろうか?」
「仮説?」
「おう。例えば、この世界が元々小説やマンガ、ゲームや映画なんかの創作の世界だとか」
「えっ?」
「例えば、お前が実は転生者ってやつで、前世は人間だったかもしくはウマ娘生2周目とか」
「うぇっ!?」
「……お前、無表情のくせにめちゃくちゃわかりやすいのな」
トレーナーの仮説を聞いて耳と尻尾がピーン! となりながら驚く私に彼はそう言ってくる。
「はっ! まさかトレーナーも?」
「残念ながら俺はマジで一般人だ。いや、他の奴らからすればチート持ってる時点で
「じゃ、じゃあどうして?」
「そりゃあ俺だってマンガやアニメは見るし、能力の事について調べたり考えてる時にそういう発想だって思いついたりもしたんだよ。だから、お前さんの話を聞きいてもしかしたらと思ったわけだ。というか、俺の能力とかさっき聞いた能力がまんまゲームとかそれ系のアニメっぽかったからな」
「まさか、そんな所から考察されるなんて……」
「で? 本当に転生者なのか?」
「まあ、はい」
私は自分が前世の記憶を持っている事を説明した。
そして、前世の世界では『ウマ娘プリティーダービー』というゲームやアニメ、マンガ等のコンテンツが存在しており、私や彼の能力はそのゲーム由来のものの可能性があるという事も。
「なるほどなぁ。つまりウマ娘という創作の世界にお前はウマ娘として転生してきた上にチートも持ってると」
「うん。そして、同じくチート持ちのトレーナーを見つけたというわけなんだよ」
「いきなり口調が崩れたなおい……敬語はもう良いのか?」
「……正直、家族にすら話した事無かったモノを教えた時点でもういいかなって」
「いやお前、流石に家族には相談しろよ……」
「できるわけないじゃん!!」
私は勢いよく立ち上がってそう叫ぶ。
テーブルがガタンッと音を立てるし、周りのお客さんや店員さんも何事かとコチラを見ていた。
私は顔が熱くなるのを感じながら、軽く一礼して椅子に座り直す。
「こんな話、信じてもらえるわけがないし、仮に信じてもらえたとしても孤児の私が迷惑かけるわけにはいかないでしょ!」
「そんなもんかね。つーか、俺には話したじゃねーかよ」
「貴方が聞いてきたからでしょ。それに――――」
「同じチート能力持ちだから、ってか?」
「………………そうだよ」
「……そうか」
私達の間に沈黙が流れる。
あーあ、失敗しちゃったな。
でも仕方ない。地雷を踏んだのは向こうなんだから。
それにお互い色々と好都合だろう。
そう、これは仕方がないことなんだ。
「私からの最後の質問」
「……おう、なんだ?」
正直、私はもうとっくに決めていた。
だから――――――
「私と契約してくれますか? 勿論、してくれますよね?」
もう、逃さない。
◇◇◇◇◇
「正直な話をするとだな、あんまり気乗りはしてないんだよ」
「なんで? 元々私の事スカウトしようとしてたんでしょ?」
「お前のちぐはぐさが気になったから色々調べてたら、先輩に見つかってスカウトして来いって追い出されたってのが現状だな」
次の日、私達は学園内の廊下を二人で歩いていた。
「何が不満なの? ぶっちゃけ、私そこそこ優良物件だと思うけど? チート込みで」
「そうだな。長距離が少し不安だが、全コース走れるしスタミナもかなりありそうだった。脚質は逃げか追い込みに絞ればそこまで問題にもならないだろう」
「じゃあどうして?」
「…………まあ、そこは追々話すさ。お前だってまだ俺に言ってないことの一つや二つあるだろう?」
「そりゃあ、女の子はミステリアスな方が魅力的だってよく聞くしね〜」
「………お前昨日は自分の前世の性別知らないとか言ってなかったか?」
「今は可愛い美少女ウマ娘だも〜ん」
「いやまあ、ウマ娘は基本顔が整ってるけどさ。自分でいうか普通……」
そんな他愛もない話をしていると、指定された部屋へと到着する。
「お〜、ここがトレーナー室。初めて入った!」
「えっ? お前、結構スカウト受けてたんじゃなかったか?」
「うん。でも大体は廊下とかコースとかでだったから、入ったことなかったんだ〜」
「あっそう」
そっけない返事をしつつ、彼がいくつかの書類を机の上に置いた。
「さて……改めて聞くが本当に良いんだな? 俺は適性が見えるってだけの2年目トレーナーだ。しかもこの能力を活かす為だけにトレーナーになった様な夢のない男だぞ? しかも、いつの間にか変な噂まで流れてやがった。そんなトレーナーと契約をすると?」
「あの時、結果的にとはいえ貴方は私を助けてくれたでしょ? 私は自分で見たもの聞いたものだけを信じるよ。それに適性がわかる待望のチートトレーナー。それを私が逃がすとでも?」
「適性はもう知ることができたんだから他のトレーナーの所に行けば――――」
「今言ったでしょ? 逃さないって。お互いに秘密を知ったんだから最後まで私の地獄に付き合ってもらうよ?」
私がニッコリと笑みを浮かべながらそう言うと、彼も引きつった笑みを浮かべた。
「ハァ……しかたねぇ、腹は括った。これからよろしくな、フレチャアンヘル」
「こちらこそよろしく、山県忠助トレーナー。お互い、首を括らない様に頑張ろうね」
「うわぁ、縁起でもねぇ」
こうして、私達は担当契約を結んだ。
まあ、契約書は既にトレーナーが今朝提出してるんだけどね。
だからこの部屋を与えられた訳だし。
改めて私達は握手をして、早速いくつかの申請書類に名前を書いていく。
まあ、賞金用の口座申請とか練習用の施設の使用申請とかトレーニング用品やその他備品関係の申請とかだけどね。
私の名前が必要な書類をトレーナーが渡してきて、それに次々とサインをしていく。
「そういえば聞いてなかったが、お前レース目標とかあるのか?」
「レース目標?」
「どういうレースに出たいとか逆に出たくないとか。あとは夢とかでも良い。とりあえずレースに対するお前の指針が聞きたい」
「あー、例えばクラシック三冠とかトリプルティアラとか?」
「そりゃまた、急にでかい夢が出てきたなぁおい。いや、お前のスペックなら行けなくはないだろうが……」
「いや、例えばだからね? 行くとは言ってないよ?」
「ふむ……もし行くとしたらどっちが良い?」
トレーナーが急にそんなことを聞いてきた。
むっ、とりあえずそれを最初の指針にするつもりだなぁ?
だがしかし、実を言うと私の目標はもう決めてある。
というか、耳飾りを決めた時に自ずとコッチにしようかなとは考えていた。
……正直、世代的にも正解だったかもしれない。
「私はティアラ路線に進むよ」
「ほう、その心は?」
「まず1つ、私の髪飾りが左側だから」
「前世関係か?」
「まあ、髪飾りが右だとクラシック路線に進む子が多くて左だとティアラ路線に進む子が多いって覚えておけばいいと思うよ」
「ふーん、そんなもんかね」
「稀に違う子もいるけどね。2つ目は距離適性。長距離がBとはいえやっぱり不安は払拭しきれないから」
「まあ、妥当だわな」
「で、3つ目。今年のクラシック路線……というか今年
「ほう? つまり前世のゲーム知識で所謂ネームドのウマ娘がクラシック路線に出ると?」
「そう。それも複数」
「なるほどな。で、ティアラ路線にはネームドがいないのか?」
「…………いる。私が知ってるのは2人。でも、もしかしたら他にもいるかも」
確かあの2人は、この世代のティアラ路線で勝利してはいなかった筈。
つまり、勝った子達がこっちでウマ娘化していたらネームドが増える可能性が高い。
あと、うろ覚えだけどあの時代は秋華賞が無かったんだっけ?
まあ、こっちにはちゃんとあるから良いけど……
「それなのにティアラ路線に?」
「クラシック路線よりはマシ」
「マジかよ……」
それを聞いてげんなりととした様子のトレーナー。
いや、だってアイネスフウジンにメジロライアン、メジロマックイーンに下手したらメジロパーマーやダイタクヘリオスまで出てくる可能性があるから流石にキツイと思うんだよ。
まあ、ヘリオスは適性的に素直にマイルスプリンター路線行くか逆にティアラ路線に来るって可能性の方がありえそうだけどね。
「という事で、私の目標はトリプルティアラです!」
「簡単に言ってくれるなぁ……」
「やっぱり走るってなったらさ、獲れる物は獲りたいもんね」
「まあ、適性的には問題ないし、お前もチート持ちだしな」
「ああでも、ダートも走りたい。特に笠松なら家族も見に来られるし」
「おい、流石にそれはローテ厳しいんじゃないのか?」
「そこを調整するのがトレーナーのお仕事では?」
「…………よし、とりあえずはデビュー戦に勝ってからだな」
あっ、露骨に話逸らした〜
まあ実際、デビュー戦はアプリの方でも事故が多いから気をつけなきゃね。あのオグリキャップも最初は2着だっんだし。
さてと、それじゃあさっさと書類を片付けてトレーニングを始めますか〜
ジュニア級メイクデビューに出走
◇◇◇◇◇
「ああ、もしもし? 久しぶり、俺だよ俺。いやいや、今時オレオレ詐欺とか無いから。いや、確かにここ数年色々忙しくて連絡もしなかったのは悪かったけどさ。一応年賀状は送ってただろ? ああうん、分かったよ今年はどっかで顔を出すから。うん、それでさ実は――――――」
◇◇◇◇◇
それから、ここ数日はトレーナーの考えたメニューを熟しながらトレーニングを行ってきた。
いやはや、やっぱりプロは違うね〜
今までなんとなくやってたトレーニングから、一気に負荷が大きくて効率的なものへと変化した事で、課題だったスピードとパワーが強化された気がする。
トレーナー曰く……
「元々、スタミナと根性は選抜レースの時点で他のウマ娘と比べて群を抜いてそうだったからな。逆にスピードとパワーが今一つって感じだったからそこを重点的に鍛えただけだ。はっ? 賢さ? 知るかそんなもん。ここはゲームの世界じゃねぇだろうが。つーか、スキル関係は俺よりお前の方が詳しいだろ絶対」
とのことらしい。
私の賢さのパラメーターが、今どうなってるのかものすごく気になる事以外は割と順調に進んでいると思う。
まあ、このまま行けばメイクデビューも余裕余裕♪
なんて思ってた時期が私にもありました。
ジュニア級メイクデビュー
京都 芝1200m(右) 晴れ 良
2枠2番 スノースウィート
3枠3番 フレチャアンヘル
ああ、どうしてこうなったんだろう…………
はい、という事で遂に担当契約&しれっと転生者バレしました。
まあ、転生者云々とかの葛藤を描くのも面白いかとは思うんですが、そこを深堀りしてまでシリアスにしたいわけじゃ無いのでこうなりました。(どの口が言うのか……)
さあ、次回はいよいよメイクデビュー!
対戦相手の1人はまさかの同室!?
果たして、フレチャアンヘルは無事デビュー戦を勝利することができるのか!
次回もどうぞお楽しみに〜