スキルチートなウマ娘になりまして。   作:coka/

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 短いですが、ほのぼの回です。


幕間︰児童ウマ娘養護施設

 

 

【6歳:2月下旬】散髪開始!

 

「ほら、じっとしてな? 下手に動くとそのウマ耳切り落としちまうよ?」

「ひえっ」

「園長先生脅し過ぎですよ?」

 

 私が小学校に通う事を知らされてから数日。

 今日は私の髪を切ってもらうことになりました!

 最初は床屋さんや美容院で切ってもらう予定だったんだけど、流石に長すぎるからという理由で最初はおばちゃん達に切ってもらうことになりました。

 多分、ウマ娘生初の散髪です!

 というか、あんまり気にしてなかったけど伸ばし過ぎだよね。

 前髪は2つに分けて後に流したりしてるとはいえ肩位まであるし、後髪に関してはお尻より下の所まである。

 正直、ストレッチしてる時とか邪魔でしょうがなかった……

 

「さて、とりあえず長すぎる部分は切ったけど、ここからどんな感じがいいかねぇ?」

「そうですね~、この子ならどんな髪型も似合いそうではありますが……」

 

 施設の職員さんがシレっとそんな事を言ってきた。

 まあでも、変におまかせとかにするよりは自分の意見も言っておいたほうが良いよね?

 

「えっとね? 後ろは肩位までの長さが良いかなぁ」

「ふむ、という事はミディアムとかボブとかの方が良さそうだね」

 

 そう言いながら、おばちゃんは私の後髪を大胆にカットして行く。

 

「おばちゃん、美容師とかやってたの?」

「ん? 別にそういうわけじゃないけどね。まあ、昔取った杵柄というやつさ」

「ふ〜ん?」

 

 なんだろ?昔から施設に来たウマ娘の髪を切ってあげてたとかなのかな?

 ここに来たウマ娘によっては、人見知りとか他人が怖かったりするかもしれないし……

 

「ほら、こんな感じでどうだい?」

「お〜、すごく良いと思う!」

 

 私の薄く白っぽいクリーム色の後髪が肩から少し上の所で切り揃えられていた。

 というか、おばちゃんめちゃくちゃ上手くない?

 

「じゃあ次は前髪ですね。園長先生ハサミ貸してください」

「あいよ。じゃあ、私は洗濯物でも取り込もうかね」

 

 そう言っておばちゃんは外に向かった。

 今度は職員さんが私の前髪をカットしてくれるらしい。

 

「とりあえず、こっちも長すぎる部分は切ってと……」

 

 チョキンチョキンと音が鳴る。

 

「そういえば、お姉さんは居つからここで働いてるの?」

「あれ? 教えてなかったっけ? あたしもね、ここの出身なんだよ〜」

「えっ、そうだったの!?」

「そうそう〜」

 

 何とここで新事実が判明した。

 いやはや、職員のお姉さんがウマ娘なのは会ってすぐに判ってた事だけど、まさかこの施設の先輩だったとは……

 

「じゃあ、お姉さんは私の大先輩なんだね〜」

「えっへん。実はそうなのです!」

 

 そんな感じで、お姉さんの幼少期の話を聞きながらチョキチョキと前髪を切ってもらう。

 

「でね〜? あたしがトレセン学園へ行きたいっ!って相談したら園長先生がね、『本気で競走ウマ娘になるつもりかい? あそこは勝負の世界だ。ちょっと脚が速いだけの並のウマ娘が太刀打ち出来るような甘い所じゃないんだよ? いったい何人のウマ娘が挫折して夢破れた事か……』って言い出してね?」

「へ〜、それでそれで?」

「それでね、あたしが『覚悟はできてます!』って言ったら―――」

 

 瞬間、ゴンッ!という音とジョキンッ!という二つの音が私の直ぐ側で鳴った。

 

「まったく、お前は昔から無駄話が長いんだよ。いつまでやってるつもりだい? さっさとしないともう日が―――」

「いや、園長先生。いくらなんでもこの歳でゲンコツは酷くな―――」

 

 どうやらお姉さんに代わってからそれなりに時間が経っていた様で、おばちゃんが彼女にゲンコツを落としたらしい。

 

 で、なんで二人共こっち見て固まってるのかな?

 

 

 

 …………いや、うん。私でも何となく予想はできるよ?

 でもさ、まさかそんなベタな事が起こるとは流石に思わなくない?

 ゲンコツされた瞬間に手が滑って、私の前髪をバッサリ切っちゃうなんてさ……

 えっ、というか二人共呆然としてるけど、実際これ今どうなってるの!?

 

「えっと、ご、ごめんね? す、すぐに整えるから!」

「貸しな! 私がやるから!」

「いや、でもあたしのせいですし!」

 

 うん……もうどっちでも良いから綺麗に整えてね?

 

 

 

 結局、私の前髪は少し短めのパッツンスタイルになりました。

 イマドキ風にいうなら短めの姫カット?

 うん、絶対イジられるよね(白目)

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

【7歳:4月18日】初めての誕生会

 

 「「「かんぱ〜い!」」」

 

 今日は私がこの施設に来て初めての誕生日です。

 おばちゃんとお姉さんがお祝いをしてくれました。

 確か、今世だと随分久しぶりの誕生会だった気がする。

 美味しいご飯を食べて、プレゼントに子供用のランニングシューズを貰って、今はケーキを食べています!

 

 

 …………これで私も7歳。

 トレセン学園に中等部で入学をするとしたら、あと5年を切った事になる。

 でも、小学校に通いながらトレーニングをしていくのは少し不安があるんだよねぇ。

 う~ん、勉強の方はなんとかなりそうだから、色々免除してもらえたりすると嬉しいんだけどなぁ。

 ワンチャン、ニシノフラワーみたいに飛び級できたりすれば……

 いや、あれはフラワーが天才かつ早熟タイプで、本格化が早かったからこそ可能だった事。

 流石に私じゃ厳しそうかなぁ〜

 

「学校の方はどう? 楽しい?」

「なんだい、そのベタな質問は」

 

 少し悩みながらケーキを食べていると、お姉さんがそんな事を聞いてくる。

 学校ねぇ。

 まあ、はっきり言ってしまえば……

 

「正直退屈かなぁ。体を動かしてる時の方が楽しい」

「あははぁ、そっか〜」

「まあ、そうだろうねぇ。アンタ、変に頭良いみたいだし」

「そうですよね〜、もしかして人生2周目だったりして!」

 

 ギクゥ!

 お姉さんって変に鋭いよね。そういうのはゴルシとかマヤノとかネオユニだけで良いと思うんですよ私は……

 

「はぁ、バカ言ってないで二人共早く食べちまいな。さっさと片付けをしちまいたいからね」

「「は〜い!」」

 

 そんな感じで、ここに来て初めての誕生会はとても楽しいものになりました!

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

【9歳:7月中旬】お土産

 

「はい、お姉さんこれお土産〜」

「わ〜、ありがとう!」

 

 御嶽山でのトレーニングを終えて施設に帰ってきた私達は、職員のお姉さんにお土産を渡していた。

 内容は温泉水配合の天然石鹸とチョコクッキーの2つ。

 まあ、すごく無難な物になりました。

 

「それで? どうだった、高地トレーニング」

「めっちゃくちゃキツかった!」

「あはははは。やっぱりそうだよね〜」

「でも、スタミナ不足を解消する為の良いトレーニングにはなったし、ライチョウさんを見たりもできたから良い経験ができたって思ってるよ!」

「うわ〜、なんという大人な発言……」

「ふん、それこそ今更だろう?」

 

 おばちゃんが呆れた様に言った。

 まあ、前世持ちだからその辺はしょうがないね。

 今更取り繕ってもあれだしさ……

 

「私も昔やらされた事があるんだけど、あんなにキツイのは正直もうこりごりだよ……」

「はん、本当にだらしがないねぇ。この子は来年も行くっていってるのに」

「えぇっ!? マジで言ってる!?」

 

 はい、マジです。

 めちゃくちゃ良いトレーニングになるんだと解ったから、年に一回位ならこういうのもアリだと思う。ライチョウさんとも約束しちゃったしね。

 

「来年はお姉さんも一緒に行こうよ!」

「ああ、そりゃ良いねぇ。鈍った脚を鍛えるのにも丁度良いだろう?」

「嫌です、絶対行きませんからね!?」

 

 まあ、その辺は来年以降のお楽しみという事で!

 

 





 こんな感じで、彼女は施設ではわりとのんびり過ごしております。
 多分今までで一番平和な回。

 次は小学校編の幕間をお送りします。
 少し暗いお話になるかも?
 まて、次回!
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