現代に来たサキュバスさん   作:nyasu

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打ち切りエンドなんてサイテー!

ざわざわと、私達の話し声が部屋全体に響く。

今日は、魔王様による企業説明会の日であった。

準備時間、6時間、魔王様がパワポを作られた。

半日も掛かってないが、大丈夫かな。

 

「諸君、待たせたな」

 

ここで拍手、とリンデル様の声に合わせて私とアリスンさんとリンデル様が拍手する。

うんうんと、満足げに頷いた魔王様が巨大モニターと化したテレビにパソコンから伸びたケーブルを挿す。

機械のことは分からないがHDMI端子とかなんとか、リンデル様が言ってた。

 

「すごい、パソコンの画面ですよ」

「流石魔王様、パソコン出来てる」

 

私とアリスンさんが恐ろしい技術力に驚きの声を上げる。

なんかカチカチして、動かしてる。

普通に出来る気しないからすごそう。

 

「これが余のパワポだ」

「おぉ!何か……絵が動いてます!」

「知らないんですかアリスンさん、あれはアニメーションという物です」

「そんな技術が、異世界ってすごい!魔法無しでやってますよ」

「静粛に、静粛に、説明を始めるぞ」

 

魔王様の説明が始まる。

画面にドーン、起業とは、という文字。

 

「良いか、起業には2種類ある。個人営業主か法人だ」

「個人営業主?」

「つまり、クォンドゥである余か魔王軍かみたいなもんだ」

「はえー、わっかんね」

 

なんか税金が違うらしい、そうなんだ。

えっ、ちゃんと納税するんですか?

 

「まず事業モデルだが、我々はIPやファンベースの育成をメインにおき、ゆくゆくはマーチャンダイジングやライセンス事業を行うビジネスモデルになっている」

「む、むずかしそう」

「ターゲットは人間の幼体をライト層とし、コア層へと活動形態を変化させることを中期目標としている。サブスクリプションなどを通して収益を上げ」

「分かります?」

「事業基盤の拡大によるコストの最小化とスケールメリットにより……おい、聞いてるのか?」

「はい!分かりません!」

「ぬぅ、そうか……」

 

コーポレートガバナンスとかセグメント別売上予想とかパワポのページが流れていく。

頑張って作ってくれたんだろうけど、私とアリスンさんには分からない。

 

「あー、これだから頭ピンク色のサキュバスと脳のないレイスは」

「おやおや、ロリババアが何か言ってますよ」

「アリスンさん!若作りしてるんですから、気にしてることイタタタ!?なんで!悪口言ったの、あっちなのに!」

 

やめろ!人の胸をもぎ取ろうとするんじゃない!

畜生、結局どうしろって言うのか分からないよ。

 

「要するに好きなことで生きていくということだ」

「そうなんだ……」

「まずは知名度のためにエロ売りだな」

「全然好きな事じゃない!種族的にアブノーマルなんですけど、私!」

 

嫌なことで生きさせようとしている!

なんて奴だ、これだからエルフは人の気持ちに寄り添えないんだ!

読心魔法が使えても、理解出来ないんだから!

 

とはいえ、ナスターシャというVTuberもしてのASMRがバズったりした。

聞いただけで、エッチな気分になる動画として……モロに種族の影響を受けてるじゃないですか。

 

あと、エルフのリンデル様によるガチの魔法講義や人類の技術に関しての話は専門家より専門的で普通に学術的なチャンネルという扱いになった。

まぁ、魔力がない限り魔法の講義は意味がないのだが、設定がすごいと好評だ。

 

アリスンさんはアリスという名義でホラー配信をしているのだが、動画を見ると怪奇現象が起きるということでバズった。

何なら霊視も出来ると言うことで、守護霊からの言葉をそのままリスナーに言って上げたり、知らないはずのことがバレて本当に幽霊がいるんだと噂になった。

 

魔王様は、何か投資の話をしたりしてる。

難しいから分からないけど、社長だからか近藤さんとみんなから言われている。

クォンドゥだから近藤らしい、それだと魔王軍ではなく新選組だ。

 

そして、なんやかんやあって現代で生活出来るようになるのだった。

 

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