俺とGANTZとさしす組   作:GANTZサイコー!呪術廻戦サイコー!!

13 / 53
数万年

「理子様。私はここまでです。」

 

 時間を少し遡り、場所を移す。

五条悟と願田環と別れた夏油傑、黒井美里、天内理子の3人は、天元様の居る薨星宮(こうせいぐう)本殿前にて、黒井美里と別れていた。

ここから先は天元様のお膝元。許可なく一般人の立ち入っていい場所では無い。そう判断した黒井美里は、地上から地下に降りるエレベーターが降りきった前で、天内理子に別れを告げていた。

 

「理子様。どうか......どうか......」

 

 目尻に涙を浮かべ、今にも零しそうだが、それ以上に泣きたがっているであろう天内理子の心中を察し、涙を抑える黒井美里に、天内理子が抱き着く。

 

「黒井ッ!私......大好きだよ!ずっと......これからもずっと!」

 

 先程まで毅然に振舞っていた天内理子が、涙腺のダムを決壊させ、ボロボロと涙を零しながら答える。天内理子の涙に、黒井美里も耐えきれず涙を流す。

同化前、なんだかんだと言って【同化】という【天内理子(自身)の消滅】を察していた天内理子は、ここに来て我慢の限界を迎える。今生の別れ。そうとは思いたくなかった。しかし、本能で理解していた。理解していたつもりだった。

 そんな黒井美里と天内理子を遠目に見る夏油傑は、ある決心をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが天元様のお膝元。薨星宮本殿だ」

 

 ドームが丸々一個入りそうな程大きな地下空間に、無数の扉と襖、入口(あるいは出口)。中心には巨大樹が根ざしており、そこに天元様が居るのだと夏油傑が言う。

 

「あの大樹の根元まで行くんだ。そこは帳とはまた別の特別な結界が張られ、招かれた者しか入れない。同化まで天元様が守ってくれる」

 

 大きな紐がのし結びされた大樹の根元が淡く光り、そこがこことはまた別の結界が張られている事を暗に示している。

暗い表情の天内理子を一瞥し、夏油傑はここ3日間の事を思い返していた。

沖縄での思い出。

海で遊んだ。沖縄そばを食べた。カヌーに乗った。水族館に行った。どれを思い返してもどこまでも蒼い思い出を振り返り、天内理子に告げる。

 

「それか、引き返して黒井さんと家に帰ろう」

 

 暗い表情だった天内理子が、その言葉を飲み込むのに数秒かかった。

 

「......えっ」

 

「担任からこの任務について話を聞かされた時、担任は【同化】を【抹消】と言った。あれはそれだけ罪の意識を持てという意味だ。うちの担任は脳筋のくせに、たまに回りくどいことを言う。」

 

 驚きの顔のまま固まった天内理子に微笑みかける。

 

「実はね。既に悟と環とは話が着いているんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「星漿体のガキが同化を拒んだ時ィ?」

 

 星漿体の居るホテルに向かう道すがら、五条悟、夏油傑、願田環が星漿体について話し合っている。

 

「そん時ゃ同化はナシ!!」

 

「うげ。マジで言ってる悟?」

 

 キッパリと言い切る五条悟に、両手を頭の後ろに組んでいた願田環が答える。

 

「何環。ビビってんの?」

 

「何にだよ」

 

「天元様に、かい?」

 

 夏油傑が五条悟の言わんとしてる事を悟り願田環に告げる。

 

「天元様と戦う事になるかもしれないって?」

 

 空をボーッと眺めながら考える願田環。

 

「結界の天才だが不死の術式だかなんだか知らねーが」

 

 タタッと走り、夏油傑、五条悟の前に出て振り返る。

 

「どうなろうが大丈夫だろ。俺と悟と傑と硝子。俺達揃えば無敵だし」

 

「そうこなくっちゃな!」

 

 願田環と肩を組み笑う五条悟。それを見る夏油傑は、自身の頼りになる同期達を見て、【いざ】という時の為に心の準備をする。

 

「それじゃあ、もし星漿体の少女が同化を拒んだ時は、プランBって事で」

 

「ナニソレ」

 

「簡単だよ」

 

 願田環と五条悟の肩に手を置き、笑いかける。

 

「高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対処すること、さ」

 

「「要するに行き当たりばったりじゃねーか」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここに居ない同期達も含めて、私達4人は無敵なんだ。理子ちゃん。君がどんな道を選ぼうが、君の未来は私達が保証する。」

 

 自信満々に答える夏油傑を見て、天内理子が口を開く。

 

「私は生まれた時から特別で......私にとって特別は普通で、この日の為に生きてきた。お母さんとお父さんが居なくなった時の事はあまり覚えてないの......だから悲しくも寂しくもない。だから【同化】でみんなと離れ離れになっても大丈夫だって思ってた」

 

 初めて天内理子と会った時の事を思い出す。

 

【妾は天元様で、天元様は妾なのじゃ!お主らのように同化と種を混同してる輩もおるが、それは違う。妾が天元様と同化してもその心、意志、魂は天元様の中で生き続けるのじゃー!!】

 

 あの時の天内理子はもう居ない。

【同化】という【消滅】に対し、何とか自身を納得させ、毅然に振舞っていた過去の天内理子は......

 

「どんなに辛くたって寂しくたって、いつかはこんな気持ちも無くなるって。でも......」

 

 先程のように、涙をポロポロと零しながら、天内理子が初めて本心を叫ぶ。

 

「でも......やっぱり、もっとみんなと一緒に居たい!!もっとみんなと色んな所に行って、もっとみんなと色んな所を見て、もっと......もっと......!」

 

 決心は間違っていなかった。

あの日の親友達との会話を思い出す。

 

「帰ろう。理子ちゃん」

 

 手を差し伸べる。

 

「......うん!」

 

 夏油傑の手を取る天内理子。

たった2人の薨星宮にて、星漿体は天元様との【同化】を拒んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黒井ッ!」

 

「理子......様?」

 

 薨星宮本殿エレベーター前。

暗い表情で立ちすくんでいた黒井美里に、天内理子が抱き着く。

 

「こ、これは......同化は、どうなったんですか!?」

 

「大丈夫です。私達がなんとかします」

 

 もう会えないと思っていた自分の君主(天内理子)との再開に、なんと言っていいのか分からない黒井美里。言いたいことは山ほどあるが、それら全ての【過去】を捨て去り、これからの【未来】を想う。

 

「理子様......また会えて良かった」

 

 別れた時以上の涙を流しながら、黒井美里はただただ天内理子との再会を喜んだ。

 

 

「傑」

 

 

 聞き慣れた声がして、背後を振り返る。

 

「......環?」

 

 高専制服の服が敗れ、普段隠れているスーツが顕になった願田環がそこに居た。

 

「同化は辞めたのか」

 

 何故か願田環の言葉に何も返せない夏油傑。

違和感を感じる。

目の前の存在は本当に【願田環(親友)】なのか?

 

「......あぁ。プランBだよ」

 

 それでも、その違和感を拭い去り、事前に伝えていた事を再度伝える。

 

「アイツと悟は?」

 

「悟は【無限空間】で硝子に傷を治してもらってから、アイツ......伏黒甚爾を高専に運んでもらってる。俺はとりあえずの現状把握に薨星宮に来た。」

 

「そうか......」

 

 目の前の存在が本当に願田環なのか。いや、【六眼】持ちの五条悟が願田環を見て大丈夫だと判断したのだろう。そう思う事にしようとするが、ダメだ。違和感が拭えない。

 

「環......何かあったのかい?」

 

 思わず無意識に天内理子と黒井美里の間に立ち塞がるように立ち回ってしまう夏油傑に、願田環が無表情で答える。

 

「......【無限空間】の【時間】の概念は覚えてるか」

 

 それから語られた願田環の【今まで】。

伏黒甚爾との戦闘に瀕死にまで追い込まれ、土壇場で【無限空間】に逃げ込み、そこで何万年もの間【領域展開】と【呪術の扱い】について学んだ事。その努力の末、見事【領域展開】を習得し、伏黒甚爾を完封した事。今、自分が【何処に居て、何を考え、何をしている】のか今の自分にはよく分かっていない事を伝える。

 

「環ッ!なんて事を......!約束したじゃないか!!【無限空間】を安易に使わないと!」

 

 過去(現代)世界換算で【4秒】もの間【無限空間】で、たった1人で過ごしきった事を、友人として責める。

【無限空間】に【死】という概念は基本的に存在しない。

【9の縛り】が無かった前超科呪法の使い手はその限りでは無いが、GANTZ(前超科呪法の使い手)の追加した【9の縛り】によって、半永久的に餓死も老衰もしない。

 そんな世界の【危険性】は、同期達で確認し合っていたし、不文律を敷いていた。その【危険性】を1番理解しているのは、他ならない超科呪法の使い手である願田環本人であると夏油傑は思っていた。

 違和感の正体が掴めた。

 つい10分前、あの下手人(伏黒甚爾)の前で別れた願田環と、今目の前にいる願田環とは、【数万年以上の体感時間差】があるという事に。呪力の核心を掴み、【領域展開】を会得するまでに至った親友の心にかかる重責は計り知れない。

 

「......俺は何も変わってない」

 

「そうは見えないね。まるで別人のようだよ。六眼のない私でも分かる。」

 

「そうか。そう見えるか......はぁ。そりゃそうか」

 

 遠くを見るように天井を眺める願田環。片手を目に当て、何も無い空を見る。

 

「【死なない為に死ぬ程頑張る】......俺は悟みたいに天才じゃないし、傑みたいに飲み込みが早いわけでもない。ただ強い術式(ちから)を持っただけの、【凡人】なんだよ。お前らと【無限空間】を安易に使わないって約束も......確かに、いつだかにしたっけな。でもあの時はしょうが無かったんだ。」

 

「......君は」

 

「俺は願田環だ。間違いない。願田環なんだ。そうに違いない。超科呪法の使い手で、領域展開を......」

 

「環ッ!」

 

「ッ」

 

 光のない目で、ゆっくりと夏油傑を見る。

 

「......おれ、は」

 

「環......私が分かる?」

 

「......理子ちゃん」

 

 願田環の前に出る天内理子。

願田環は、天内理子と距離を置いていた。【同化】による別れで泣かない為に、だとか、そんな理由じゃない。ただ、五条悟と夏油傑と比べ、願田環は【いざ】という時......もし、天内理子が【同化】を拒まなかった時。本人が受けいれても、親友達(悟と傑)が受け入れないだろうと当たりを着け、ストッパーになれるように、他2人と比べ、自身はあくまで【天内理子の意思】に添おうとした願田環は、必要以上に入れ混まないようにしていた。天内理子も、黒井美里も、夏油傑も、あの五条悟でさえ、その事は分かっていた。分かって、そのままにしていた。

 

「私、帰るよ」

 

 願田環の目を見つめて、しっかりとした声色でそう告げる。

 

「......そうか。強いな。理子ちゃんは」

 

 そんな目を見て、思わず目を伏せてしまう。

親友達との不文律を破り、無限にも等しい時間を1人で過ごした願田環にとって、その目は眩しすぎた。

 

「強くなんてない。私より、環達の方が何十倍も、何百倍も強い。私は......私は、さっき傑が「帰ろう」って言ってくれるまで、自分が【消える】事を黙認してた。仕方ない事なんだって思ってた。でも、環は違うんでしょ?」

 

 思わず顔を上げ天内理子の目を見る。

強い意志の宿った目だった。

願田環の目が見開かれる。

 

「【死なない為に死ぬ程頑張る】。私にはそんな選択肢、選ぼうと思っても選べなかった......環は強いよ。私なんかより......環、ありがとう」

 

「............ありがとう、か」

 

 願田環の目に涙が浮かぶ。

 

「俺は、理子ちゃんが消える事を是としていた。【いざ】という時、親友達を力で抑え込める事も考えた。今ここに来るまで、その考えは変わらなかった......その筈だった」

 

 願田環の涙が溢れ出す。

 

「そうか......俺は、嫌だったんだな。誰も欠けて欲しくなかった。悟も、傑も、理子ちゃんも、黒井さんも。悟と傑以上に、俺は理子ちゃんの事を想って居たんだな......」

 

 天内理子を抱きしめる。

 

「ありがとう......生きてくれてありがとう。みんな。俺は、この為に......きっと、何万年も努力出来たんだな」

 

 願田環を後ろから抱きしめる夏油傑。

 

「すまない......君にばかり背負わせてしまった。訂正するよ、環。君は何も変わってない。あの時の、何をするにも必死で、少し馬鹿で、過剰な程のお人好しな、私の親友だ」

 

 天内理子を後ろから抱きしめる黒井美里。

 

「私からも言わせてください......ありがとうございます。理子様の為に、ここまで尽力して下さって......たった3日だけの関係なのに、それ以上の絆を結んでくださって......ありがとうございます。」

 

 この場にいる全員が泣いていた。歓喜、安堵、心配、様々な気持ちが綯い交ぜになった三者三葉の涙だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 高専東京校本校舎(仮)。3ヶ月前の激闘の傷跡により、本棟は未だ再建中。今は別棟が本校舎となっている。

その保健室にて眠る願田環を見る五条悟と夏油傑。そして反転術式をかける家入硝子。

 

 あの後、願田環は線がプツリと切れたかのように、泣いたまま眠ってしまった。一旦はその場にいた全員が慌てたが、戦いによる疲労だろうと思い、五条悟と合流する為高専に戻った。

天内理子......星漿体を見た夜蛾正道は、(やっぱりこうなったか)と思いつつ、これからの事、願田環の事、下手人の事を考え、ある意味で吹っ切れた。じゃんけん組(五条悟、夏油傑、願田環、家入硝子)の担任として、出来ることをしようと。

天内理子(星漿体)は、とりあえず五条家の預かりとなった。他御三家(特に禪院家)と上層部は任務に当てた五条悟、夏油傑、願田環を呼び出しているが、願田環が眠ったままなので保留となっている。

 

「......悟は、環について聞いたかい」

 

「聞いたよ。マジでイカれてる」

 

 その言葉とは裏腹に、五条悟の目は優しかった。

 

「呪術師ってのは、何処かイカれてねぇとなれねぇのかもな」

 

「君が言うのかい?悟」

 

「俺だから言うんだよ」

 

「2人ともうるさい。」

 

 後ろで言い合う同期達を後目に、反転術式をかけ続ける。

願田環に外傷はない。何万年もの鍛錬が記憶された、脳の記憶を司る海馬(かいば)も驚く程綺麗だ。

通常、人間の脳の寿命は150年程と言われている。

しかし、【無限空間】は適応外である。

【無限空間】で学んだ事は、GANTZが脳内補完し、まるでパソコンのzipファイルのように圧縮。保存する。それがどれだけ膨大な量でも。

 

【GANTZ】の存在する【未来】と、俺達の存在する【過去】で流れる時間は全くと言っていいほど【違う】。

 

 願田環の導き出した【9の縛り】の解釈。

【無限空間】での何千何万という年数は、GANTZの手で過去(現代)世界換算で【4秒】まで圧縮され、海馬に記憶される。それ故、脳の疲労も殆どない。

 

「......これ以上は私には何も出来ないかな」

 

 反転術式をかけ終えた家入硝子。煙草を取り出そうとするが、目の前に眠る同期を見て、吸うのを止める。

 

「反転術式で出来るのはあくまでも外傷の治療。今環が眠ってるのは、気力......精神力とでも言うのかな。それの回復の為。呪力だとか体力だとか、そんな物は回復しきってるし、体も健康そのもの。後は待つしかないよ」

 

「そうか。ありがとう硝子」

 

「らしくないじゃん五条。」

 

 家入硝子の横に椅子を持ってきて座る五条悟と夏油傑。珍しく自分以外の為に礼を言う五条悟に、からかうように......いや、実際からかって言う家入硝子。

 

「なぁ。俺達最強だよな」

 

「......本当にどうしたの五条」

 

 いつもなら【天上天下唯我独尊!】と言ったふうに振る舞う五条悟らしからぬしおらしさに、家入硝子は今度は本気で頭でも打ったかと疑う。

 

「なんか、アイツ......伏黒甚爾と戦った時、俺と傑は環におんぶにだっこだった。俺、伏黒甚爾に「お前は次だ」って言われたんだよ。あの時、伏黒甚爾は......環をここまで追い詰めたヤツは、(最強)じゃなく環を優先的に殺そうとしてた。それだけ環が脅威に見えたってことだ」

 

「それは......単純に、悟の術式をその伏黒甚爾が知っていて、先に仕留めやすい環を狙ったんじゃないのかい?」

「そうかもしれない。そうだったとしても、あの時殺す優先度は俺より環の方が高くて、俺はアイツに1杯食わされてるうちに、環は伏黒甚爾を半殺しにした。

......ぶっちゃけると、俺はあの時、環が居なかったらアイツに殺されてた気がする。天逆鉾......術式強制解除の呪具も持ってた。フィジカルも、アイツが勝ってた。俺の手札とアイツの手札を見比べて、明らかに俺の手札は不足してた。」

 

「............」

 

「今の俺は反転術式も使えないし、術式反転も使えない。何が現代最強の呪術師だ。何が特級だ。俺は......あの時、完全にお荷物だった

だから決めた。俺は強くなる。今以上に。もう誰かに守られるなんて御免だね。」

 

「......以前、環にこんな相談をしたことがある。」

 

 そして、夏油傑は前に願田環に「自分1人だけ置いていかれたような気がする」と相談したことを打ち明けた。

 

「その時、環が言ったんだ。悟は【グー】で、私は【チョキ】で、環は【パー】で、硝子は【あいこ】だって。4人全員集まって、【最強】から【無敵】になるんだって。誰か1人がどれだけ突出した存在になろうと、誰1人欠けてはいけない。誰かが欠けたら、その欠けた穴を突く存在が、いつか必ず現れる。」

 

「私達もうかうかしてらんないって事かな」

 

 夏油傑の言葉に、家入硝子が答える。

反転術式のアウトプット。現状呪術界で出来るのは家入硝子ただ1人。ただでさえ難しい反転術式(治療)を他人に出来る天才。

無下限呪術と六眼の抱き合わせ。【世界の均衡(バランス)が傾いた】とまで称される自他ともに認める【最強の呪術師】。

一般の出でありながら【呪霊操術】という無限の伸び代を持つ術式を操り、最強の呪術師と肩を並べる術師。

 

そして、世界で唯一、【閉じない領域展開】を扱う稀代の新米特級術師。ある意味で【努力の天才】。

 

「環はイカれてる。俺達も、環と同じくらいにイカれねぇとな?」

 

 いつもの大胆不敵な笑みを浮かべ、同期達を見やり、手を出す五条悟。

 

「合わされる身にもなってよね」

 

 疲れ、呆れた顔をしつつ、その手に自身の手を重ねる家入硝子。

 

「環には返しきれない恩がある。悟にも硝子にもね。なら、私も並び立たなくては」

 

 更にその上に手を重ねる夏油傑。

 

「俺達は4人で【無敵】だ。絶対に欠ける事はねぇ。お互いの穴はお互い埋め合う。俺達は仲間だ。そうだろ?」

 

「くっさい台詞」

 

「悟らしくないね」

 

「んだよ!いいシーンだろ!とにかく!」

 

 バッ!と1番下の手の五条悟が手を上にあげる。必然、家入硝子と夏油傑の手も上に上がる。

 

「環だけに先走らさせねぇ。もう2度とこんな思いしねぇし、誰にもさせねぇ!!」

 

「おーー」

 

「......あのさぁ、なんで硝子はそんな無気力なワケ?」

 

 あまりにも無気力な硝子に、一世一代の台詞を言った五条悟が問い掛ける。

 

「だってなんか......なんだろ。夏油の【4人で無敵】っての聞いてから......なんか、私もあんたらと同じなんだなと思って。」

 

 眠ったままの願田環の手を弄る。

 

「私は置いてかれたーとか、置いてかれないようにーとか、そんなの考えたことも無かったけど、今のままじゃダメなんだってことは漠然と分かった。でも私戦えないし。あくまでも【あいこ】の位置で、【反転術式】磨くしかないんだーって思ったら......なーんかね」

 

 家入硝子も、ある程度体術は出来る。そこらのゴロツキ所か、その道のプロにも通ずるだろう程に。しかし、彼女はあくまでも回復要員(ヒーラー)。今回の伏黒甚爾との戦いでも、いきなり【無限空間】に呼び出されたと思ったら五条悟の既に出血の収まった傷を治す簡単なことしかやってない。彼女からしたら、イマイチ自分がこの3人と並び立っているのか分からないのだ。

 

「硝子。環の言葉を借りるけど、それは【杞憂】だよ」

 

「【杞憂】?」

 

「そう。【杞憂】さ。私はどうやら頭が固いようだから、それしか言えないけどね。どう取るかは、硝子に任せるよ」

 

「そっか......そっか」

 

 夏油傑の言葉を聞いて、考える家入硝子。

 

「ま、今は環とあのクソジジイ共(上層部)になんて言うか考えようぜ。」

 

 願田環の足の上に乗っかるように横になる五条悟を見て、やれやれと呆れた顔をする夏油傑と、少し考え込んでいる家入硝子。

 

「環はとりあえずマジビンタだな」

 

「「そうだね」」

 

 哀れなり願田環。

体感数万年ぶりの同期全員との再会は、五条悟のマジビンタから始まる。




※終わりません

〜みんなのお悩み相談室〜

Q.理子ちゃんと黒井さんどうなった?
A.五条家が権力フル活用して保護中ですが、上層部が怒り心頭カンカンです。

Q.呪詛師集団【Q】は壊滅したの知ってるけど、夜蛾センの言ってた【盤星教】は結局どうなったの?
A.今後に期待。

戒玉編。好きなキャラは?

  • 五条悟
  • 夏油傑
  • 家入硝子
  • 願田環
  • 夜蛾正道
  • 庵歌姫
  • 天内理子
  • 黒井美里
  • 伏黒甚爾
  • 七海建人
  • 灰原雄
  • 伊地知潔高
  • GANTZ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。